2024年

10月

31日

12年間ありがとうございました

いよいよ最後の保育園の日を迎えることになりました。2012年5月に開園した保育園ホワイトきゃんばすは、当時は10名程度の園児からのスタートでした。4月にショッピングセンターの1階で、園児募集の受付けを行いながら、近隣の住民宅に、保育園開園のチラシをポスティングした記憶が蘇ります。新聞折り込みなどで、やみくもにチラシを配るのではなく、家に三輪車など小さい子どもが住んでいるかを目で確かめながら、自転車でコツコツまわりました。「チラシを見ました」という電話がかかると、「よっしゃー!」と叫びたくなりました。

 

そして、1年後には園児の数も30名を超えるようになります。そして、様々なイベントを行いながら、「ホワイトきゃんばすに子どもを預けて本当に良かった」と言ってもらえる保護者がどんどん増えていきました。子どもたちの笑顔につながることは、どんどん取り込みました。保護者に保育園を「見える化」して、できるだけ、保育園で何をしてるのかをオープンにしてきました。手書きの連絡ノートに毎月のDVDや、夏のプールではボランティアを募り、子どもたちと一緒に遊んでいただきました。大きなイベントは、保護者の方々と共に楽しみました。

 

そんな、ホワイトきゃんばすを愛していただいた、多くの卒園児と保護者が、閉園を知って遊びに来てくれました。卒園児1号の高校1年生の女子も立派な女子校生になって顔を出してくれました。小学生になっても、ホワイトきゃんばすに多くの卒園児が登園するきっかけとなった、伝説の卒園児の中2女子も、バレーボール部の練習を終えて駆けつけてくれました。

 

そして、いよいよ10月31日、閉園の日を迎えました。お迎えの時間は、多くの保護者と園児が、ずっと保育園の前で別れを惜しみ、笑顔も涙も見せながら、先生たちとの時間を過ごします。園長も、心がこもったお手紙や絵、素敵なプレゼントをたくさんいただきました。内緒で保護者同士が協力して作ってくれたアルバムには「こんな凄いの、いつ作ったの!?」と、もう感動以外ありません。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、本日をもって閉園しますが、多くの子どもたちと保護者の心の中にずっと生き続けます。おやじ園長は、「元園長」となり、ただのおやじになりますが、保育園ホワイトきゃんばすに関わった多くの人たちとの、太い縁ができました。これからの人生は、この縁を大切にしながら、子どもたちの成長の姿を時々見させてもらって元気に生きていきます。卒園児とは20歳になったら飲み行く約束もしています。(笑)

 

本日をもって、「おやじ園長のブログ」は終了します。12年半・・・毎日欠かさずに続けてこれたのは、このブログを読んでいただいた「あなた」のおかげです。本当にありがとうございました。

 

では・・・またどこかでお目にかかりましょう。

2024年

10月

30日

クリスマス発表会の思い出

今日は、ホワイトきゃんばすらしい屋上遊びができました。昨日からの強い雨で、約30メートルの細長い水たまりが出来ていました。年長の男子が、水しぶきをあげながら30メートルを全力疾走すると、もう止まりません。次々と、子どもたちが水たまりの中を走り始めました。11月から転園する保育園や幼稚園では、こんな遊びはできないだろうなぁ~と思いながら、「よ~し!今日は、服が汚れてもいいから思いっきり遊びなさい!」と声をかける園長です。(笑)

 

クリスマス発表会を西部文化センターの399人収容の大ホールで行ったのは、2014年12月でした。前年は、クリスマス会として、保育園で行ったのですが、保護者からは、「こんな素晴らしい内容なら、もっと広いところで見たい」という意見もあり、定員40名の小さな保育園は、身の程知らずに、大ホールのステージに子どもたちを立たせることになったのです。

 

運動会のように、クリスマス発表会でも、チビちゃんたちのかわいいダンス以外は、寺子屋園児は、ずっと出演します。運動会が終わると、クリスマス発表会の練習がスタートします。ざっと2か月の練習を子どもたちは経験します。うたとダンスは、早い段階で覚えることができますが、ピアニカを中心とした楽器の演奏と劇は、そう簡単に完成するものではありません。毎日コツコツと、継続して練習を続けるしかありません。「練習がんばってから、屋上で遊ぶよ!」と言って、子どもたちのモチベーションを上げるのです。

 

そして、クリスマス発表会当日は、遠方からおじいちゃんおばあちゃんまで応援に駆けつけることもあり、保育園ホワイトきゃんばすの最大のイベントになったのです。先生たちは、このクリスマス発表会が終わらないと、ゆっくりと年末年始は過ごせないとばかりに、子どもたちへの指導を全力で行ってきました。

 

保護者の皆様たちに、お子様の晴れ舞台を見せることは、大きな目的の一つですが、それ以上に、頑張った練習と本番での大舞台を経験した子どもたちの成長が、際立ってくるようになります。「がんばること」「友だちと協力すること」「相手の話を聞くこと」「恥ずかしがらないで堂々とすること」「大きな声を出すこと」「セリフや歌やダンスを覚えること」「挨拶ができるようになること」そして、笑顔でいること。子どもたちにとっては、クリスマス発表会を行うことで、多くの経験を積むことになります。

 

そして、本番の舞台では、笑顔と感動の涙と、今まで10回のステージの中で、語りつくせないくらいの名シーンを生んできたのです。練習では、一度もセリフが言えなかった園児が、本番でいきなり大きな声がでることも珍しくありませんでした。1つの目標に向かって、友だちと共に頑張るという、とてもシンプルな行動ですが、子どもたちが、大人になって大いに役立つ経験をクリスマス発表会を通じて、学んでいったのです。

 

演目と演目の間は準備で時間がかかります。その時間は、MCの園長の出番です。「どこかの司会者のようだった」と1回目のクリスマス発表会で保護者に褒められたことで、いい気になった園長は、毎回おしゃべりのネタをしっかり考えていました。はい。営業マン・労働組合執行委員長・PTA会長を経験した園長は、人前で話すのは苦ではありません。(笑)しかし、ここ数年は、保護者のママやパパに、「健康の話」「奨学金の話」「小学校になったらすること」などなど、応援以外もお手伝いいただきながらのクリスマス発表会でした。子どもたちの衣装は、ボランティアのママが作ってくれました。

 

子どもたちは、たくさんの思い出と共に、大切なものを掴んだのです。子どもたちの笑顔は今でも忘れることはありません。そして、ご協力いただいた多くの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

2024年

10月

29日

運動会の思い出

ここ数日は、ホワイトきゃんばすに通った保護者の方々や、多くのお客様が訪れています。今日は、サマーキャンプでお世話になった着物の先生が、リンゴジュースを持って遊びに来てくれました。年長園児は、先生の名前をちゃんと覚えていて、サマーキャンプの写真を見ながら盛り上がりました。そして、90歳のおじいさまが挨拶に来られました。先回の運動会で、11回目を数えた、ホワイトきゃんばすの運動会ですが、実は、このおじいさまが、運動会を行う「西文ひろば」の管理人でした。「どうだい・・・うちの広場で、運動会をやらないか」と声をかけていただき、2014年10月に1回目の運動会が行われたのです。

 

玉入れの道具や綱引きなどを歴代の卒園児保護者から、記念品として用意していただき、ホワイトきゃんばすの運動会が、さらに激しくたくましくなっていったのです。

 

ホワイトきゃんばすの運動会が、他の園と違うのは、とことん練習することです。8月でプールが終わると、9月からは、運動会の練習がスタートします。ざっと1か月半も練習期間があります。それも、本番を行う西文ひろばで練習をするので、運動会当日には、応援パワーもあって、最高のパフォーマンスにつながるのです。

 

まだあります。30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーと、勝ち負けがはっきりする競技が多く、練習では、30メートル走と紅白対抗リレーは、毎回行います。そうなると、子どもたちは、おうちに帰っても「勝った負けた」の話が多くなります。色々な考え方がありますが、ホワイトきゃんばすの運動会では、勝った人が凄くて負けた人がダメという子どもが陥りがちの思考にならないように、常に「頑張った人が一番えらい」を言い続けてきました。勝った負けたは結果でしかなく、どれだけ頑張ったかを先生たちは見るようにしました。

 

勝った園児は、自信を持ち、自己肯定感が強くなりますが、実は、負けた園児の方が、成長につながる機会がたくさんあります。負けた人の子持ちを理解できるし、今度はどうすれば勝てるかを考えるようになります。

 

チームで協力して行う「組体操」は、練習を重ねるたびに、子どもたちの「非認知能力」が高まっていきます。チームのために・・・友だちのことを考えて・・・そして、自分の力を全部出し切る。

 

寺子屋園児は、0~2歳児のかけっこと卒園児競技以外は、すべて出場します。ずっと出っぱなしですので、体力だけでなく精神力も鍛えられます。今年の運動会では、今まで負けて泣いていた年長園児が、紅白対抗リレーを走り終わると、赤組、白組のアンカーが、互いの労をねぎらう言葉がけがありました。勝ってうれしいけど、負けた相手の気持ちも考えられる園児に成長していくのです。

 

卒園児競技があるのは、ホワイトきゃんばすくらいですね。ここは、卒園児がいつまでもつながっている保育園の強みですが、小学生・中学生の迫力を園児たちが感じて、大いに刺激を受けるのです。

 

10月19日に行われた、最後の運動会は、私が言うのもなんですが、最高の運動会でした。みんなが頑張って、みんなが輝き、保護者も全員が感動しました。こんな運動会にしてくれた子どもたちを園長は誇らしく思っています。

 

11回続いた素敵な運動会・・・本当にありがとう!

2024年

10月

28日

サマーキャンプの思い出

今日の連絡ノートには、土曜日に行った「お別れ会」の感想がびっしりです。1ページびっしりのコメントは当たり前で、4ページにわたって、ホワイトきゃんばすへの思いを書いてくれた保護者もありました。まだ入園して間もない保護者にとっては、2012年開園からのストーリーは、「そうだったんだ!」と感じたようです。朝から、ノートのコメントをずっと読んでいました。熱いメッセージ・・・ありがたいですね。

 

さて、卒園児が、「一番の思い出」の一つに挙げるのが「サマーキャンプ」です。保育園が未就学児の宿泊体験を行うところは、極めてまれです。ただし、幼稚園なら、たいがい「お泊り保育」と言って、年長園児が幼稚園に泊まることが多いですね。それじゃ、ホワイトきゃんばすは、本当のキャンプをやってしまおう!ということで、2016年の夏からスタートさせました。最初の頃は、年長園児と卒園児が一緒にサマーキャンプを行いました。実は、小学生が一番最初に経験する宿泊行事は、5年の林間学校です。小学1年から4年まで、ホワイトきゃんばすのサマーキャンプに参加することで、卒園児にとっても、貴重な経験となったのです。

 

人数が多くなったので、ここ4年間は、年長園児のみで行ってきましたが、たった1泊だけなのに、見違えるような成長を遂げる子どもたちに、保護者はもちろんのこと、私たち職員たちも驚くことばかりです。7月末のサマーキャンプを終えると、「サマーキャンプを経験した」というだけで、子どもたちの気持ちが、自信に満ちているのです。

 

初日は、嵐山渓谷での川遊びを行いますが、園長のミッションは、岩の上から川へ飛び降りることです。個人差があるので、浮き輪でもOKですが、歴代の園児が、ここはすべて飛べるようになるのです。飛ぶまでに10分以上かかる園児もいますが、他の園児の応援もあって、勇気が湧いてくるのです。先生たちは、見事に飛んだ園児を褒めたたえ、大きな拍手で迎えます。

 

サマーキャンプの2日間は、初日は川遊びをし、おにぎりを食べ、焼きマシュマロを楽しみ、げんきプラザ到着後は、山登りやプラネタリウムで学び、夕食、入浴の後は、花火&星空観察です。2日目は、朝の散歩をして朝食を食べてから、紙すき体験・浴衣の生地でのフォトフレーム作り・牧場でアイスクリーム作りなどを今までやってきました。帰る途中の道の駅で、アイスを食べて、お昼過ぎに保育園に戻る日程です。

 

そんな、子どもたちの「真夏の大冒険」を何度も経験できて、今は、思い出すたびに幸せをかみしめています。子どもたちのチャレンジ精神は、本当に凄いのです。

2024年

10月

27日

体操教室の思い出

2018年4月に体操教室がスタートしました。前年の10月に、体操教室を運営するクラブネイスの出店を機に、これを活用しない手はないと、金曜日の午前中という一般のレッスンがない時間枠で、契約をしました。元営業マンの園長は、通常の料金よりも安くしてもらったことは言うまでもありません。(笑)

 

交渉したクラブネイスの専務に、「体操教室がスタートすると、保育園の園児の中から、将来のオリンピック選手が出るかもしれないですね」と話したところ、「それは、絶対にないです!」と強く否定されてしまいました。「オリンピックの体操選手は、毎日4時間以上練習していますので、あくまでも、今回の体操教室は、子どもたちが体操を楽しむ時間として考えてください」とピシャリ言われます。

 

しかし、今年度は、責任者で、元体操選手の先生から、「ビッグ4」と言われるくらい、年長の男子園児が躍動しました。「怪我をさせないように!」が徹底された体操教室でしたが、今までではありえない技をビッグ4へチャレンジさせてくれました。踏み台をジャンプして、そのまま空中前回りです。ビッグ4の目の色が変わり、見事に成功させたのです。

 

そんなビッグ4の一人が、地域の体操教室に通うことになりました。全身バネの、とてつもない運動能力を持っている男の子ですが、先日の練習では、小学校高学年レベルの技を成功させたのです。そして「週4回の選手育成コースに入ってはいかがですか」と、声がかかったのです。体操教室をスタートさせる時に、「絶対にない」と否定された、将来のオリンピック選手も、彼なら可能性が出てきたのです。もちろん、体操の世界はそんなに甘くはないでしょう。でも、夢を追いかけて、頑張ってもらいたいですね。

 

保育園での体操教室の経験で、「体操が楽しい」となり、通常の一般枠でも体操教室に通う園児も出てきました。始めは、鉄棒が怖くて泣いていた園児も、何回も練習することでできることが増えてきました。こうして、園児たちは、自身をつけていったのです。

 

体操教室は、保育園ホワイトきゃんばすの大切なカリキュラムとして、子どもたちの健康や、精神的にも「やればできる!」の気持ちを支えてくれたのです。

2024年

10月

26日

お別れ会

いよいよ「お別れ会」の日となりました。保育園の園児とその保護者と卒園児とその保護者も参加していただきました。小中学生は、28人も集まりました。こうして、卒園後もホワイトきゃんばすとずっと、お付き合いが続いていることに、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

 

園児全員への「卒園証書授与」を行いました。10月31日に子どもたちは、保育園ホワイトきゃんばすを卒園します。11月からは、新しい保育園や幼稚園に転園しますが、「ホワイトきゃんばすを卒園」という大切な思い出を作ります。子どもたちは、立派に卒園証書を受け取りました。

 

今回は、職員全員がお話をする時間を作りました。ホワイトきゃんばすで仕事を始めるきっかけや、子どもたちとの思い出が語られました。このメンバーたちに支えられながら、園長の仕事ができたことに感謝し、私も保護者とともに聴き入っていました。

 

2012年5月の開園から、今日に至るまでの歴代の卒園児の懐かしい映像に見入っていました。そして、卒園児28名が、前に出て「インタビュー」です。保育園の思い出を語ってもらいました。小学生になると、卒園した保育園や幼稚園に足を運ぶことが無くなるのが常ですが、壁面のメッセージボードに、感謝の気持ちを記す卒園児の背中に、「がんばれ!」とエールを送ります。

 

卒園児保護者代表のご挨拶は、わくわく教室を担当していただいた、小6姉・小4弟の母です。ホワイトきゃんばすの歴史を振り返りながら、「5つのすばらしいこと」を語っていただきました。私も忘れていたエピソードもあって、聴き入ってしまいました。保護者の皆様に支えられた保育園は、一体感が大きいですね。感謝しかありません。

 

子どもたちが大好きな「にじ」と「みんなともだち」を園児と卒園児全員で歌います。卒園児は、自分の卒園式を思い出していたようです。私も一緒に歌っていました。

 

園児保護者代表のご挨拶は、年長男子のママに頼みました。何と、朝の5時までかけて、便箋5枚のあいさつ文を考えてくれました。普段は、気さくに話をしてくれるママですが、涙を抑えることができませんでした。心あたたまる素晴らしいメッセージでした。

 

保護者の声に、常に耳を傾けてくれた、保育園の精神的支柱の役割を担った、主任の先生の話は、やっぱり涙なしでは終わりません。彼女に悩みを打ち明ける保護者は、今まで何人もいました。今日も、ある保護者と涙を流しながら抱き合っていました。

 

園長挨拶も、今日が最後です。園児たちへ・・卒園児たちへ・・保護者の皆様へ・・心に誓った、「笑顔」で、語ることができた気がします。そして、昭和おやじの締めは、やはり「三本締め」です。子どもたちも一緒になって、シャンシャンと締めることができました。

 

今日は、子どもたちと保護者の皆様から、素敵な記念品や手紙、絵、手作りのアルバムなど、持ちきれないほど、プレゼントをいただきました。一つ一つ読み返したり、ながめたりしながら、目頭を熱くしています。

 

こんな幸せな時間を過ごすことができて、うれしい気持ちでいっぱいです。12年5か月を全力で子どもたちと保護者の皆様と関わってきたことに、誇りを感じることもできました。

 

子どもたち・・・保護者の皆様・・・本当にありがとうございました。

2024年

10月

25日

わくわく教室の思い出

今日は、最後のお誕生日会です。プリンケーキで、いつもよりも少し豪華なデザートです。お誕生日会は、誕生月の園児のインタビューからスタートです。プレゼントは何?好きな食べ物は?大きくなったら何になりたい?などの質問に、園児が答えます。ホワイトきゃんばすは、こういったインタビューが多いので、寺子屋園児は慣れたものです。そして、部屋を暗くして、「ハッピーバースデー♬」をみんなで歌います。キャンドルの炎を吹き消して「おめでとう!」です。子どもたちにとっては、大切な通過儀礼です。 

 

さて、「わくわく教室」をスタートさせたのは、コロナ禍の2021年3月です。屋上ファームの野菜を食べることも食育ですが、実際に、子どもたちが、おにぎりやパンを作る体験を通じて、おうちでの食生活も充実させようというねらいです。管理栄養士でもある卒園児保護者が講師となり、まさに、わくわくの食育体験の時間となったのです。

 

年長園児を対象に、年に2回行ってきました。1回目は、田んぼ、稲穂、玄米の勉強をして、耐熱ガラスの鍋でお米を炊きます。ぐずぐずと、米粒が躍り出すシーンに子どもたちは、見入ってしまうのです。給食着になって、手を洗い、米を研いで水を入れるところまで、子どもたちが行います。炊きあがった米でおにぎりを作ります。初めて、おにぎりを作る経験をする子どもたち。これを機に、遠足やピクニックランチのおにぎりは、自分で握るようになるのです。

 

2回目は、パン作りです。今度は、小麦の勉強をし、パン作りに必要な原材料を学びます。生地を発酵させる時間を使って、ピザ作りです。ピザ生地を伸ばして、トッピングも自分で行います。ピザが焼き上がると、いよいよパン作りです。焼き上がったパンとピザを前に、「いただきます!」と笑顔の子どもたち。

 

食べ終わると、食器を洗って、棚にしまうまでを自分で行います。「おにぎり」「パン」という代表的な主食を最初から最後まで学ぶのです。わくわく教室の体験は、「自分で作った!」という気持ちが大きいので、子どもたちが、キッチンでママのお手伝いをすることが継続するのです。

 

毎月のDVDで、わくわく教室も撮影するので、年中・年少園児たちも「早く自分もやりたい」という気持ちになります。「食べること」にとことん向き合うようになることが、目的の1つでもあります。最近は、お菓子などの嗜好品があふれていて、食生活の乱れが気になる園児もいます。バランスの取れた食生活が続くと嬉しいですね。

2024年

10月

24日

親子遠足の思い出

この夏生まれたクサガメの赤ちゃんが、里親にもらわれていきました。園児の近所に住む高校1年生だそうです。園児も保育園で生まれたクサガメを里親で飼っているのですが、近所の住民に見せたところ、飼いたいとなったようです。大きくなっても、しっかりと育ててもらいます。

 

さて、保育園が開園して、職員の中で「やっぱり、遠足はしたいよね」という話になったのですが、幼稚園のように、大型バスを貸し切りで、「○○動物園」へ行くみたいな、ありきたりの遠足をすることは、ホワイトきゃんばすの辞書にはありません。親子で、何か体験ができるような・・・そんなイメージを考えていました。

 

開園2年目の秋に、初めての親子遠足を行いました。近場ですが、上尾市にある「榎本牧場」です。「埼玉県に北海道がある」というキャッチフレーズの小さな牧場ですが、牧場主に、牛の話をしてもらい、親子で牧場体験をしました。牛の乳搾りにエサやりとブラッシングです。子どもたちは、牛のミルクを絞るのは初めてです。体験が終わると、お弁当タイムと、ゲーム大会で盛り上がります。

 

こうして、ホワイトきゃんばすの親子遠足の定義が確立したのです。テーマパークや動物園などに行くのは、家族でもできる。普段体験できないことをみんなで楽しもう!といった感じです。

 

「北本自然観察公園」には、春・秋と季節を変えて、何度もお世話になりました。自然しかないただの里山ですが、自然観察員の解説で、子どもたちだけでなく、大人の私たちも、「へ~そうなんだ・・・すごいなぁ~」の連続です。普段、保育園の屋上で、自然と触れ合っている子どもたちですが、北本自然観察公園の解説を体験することで、植物や昆虫たちをより深く学ぶことにつながったのです。桑の実(マルベリー)が食べられることも、この遠足で知りました。

 

さいたま水族館での、カメ講習では、あの恐ろしい「ワニガメ」にも触れることができました。川の博物館では、荒川1/1000の模型を歩く「ガリバーウオーク」で、埼玉が誇る荒川の勉強をしました。稲荷山公園では、「ネイチャーゲーム」で盛り上がります。

 

親子遠足を通じて、子どもたちは、自然の大切さを学び、私たち大人は、今さらながら、子どもと共に、新しい知識を吸収したのです。

 

そして、何と言っても「お弁当タイム」は、ファミリーの笑顔がいっぱいで、とても幸せな気持ちになりました。(笑)

2024年

10月

23日

ナイトツアーの思い出

「ナイトツアー」・・・何ともわくわくする言葉の響きがあると思いませんか。

 

保育園開設に向けての1年間の準備期間の夏、家族で小笠原諸島へ旅に出ました。当時の小笠原丸は、竹芝桟橋から父島まで25時間かけての船旅です。今は24時間で1時間短縮されました。小笠原の夜に出会ったのが、「ナイトツアー」です。砂浜に夜光虫を探しに出かけます。砂を蹴ると、ピカッと光るのですが、感動以外の何物でもありません。緑色に光るキノコも発見しました。夜行性の小笠原オオコウモリには、恐怖すら感じます。私が気に入ったのは、そんな素晴らしい光景もありますが、「ナイトツアー」という言葉の響きです。

 

その気持ちは、保育園ホワイトきゃんばす開園2年目の夏に、実現させました。「秘密の雑木林でカブトムシとクワガタの観察」が、記念すべき1回目のナイトツアーです。秘密と言うのは、私の子どもが小さかった時に、よく採集した雑木林なので、あまり他の人には教えませんよ~という意味です。雑木林の中に、4か所の蜜スポットがあり、暗闇の中で、子どもたちも保護者もビクビクして歩くのですが、カブトムシとクワガタを発見すると、それは、大騒ぎです。自然界でカブトムシを見るのが初めての親子もたくさんいました。

 

「三橋公園」で、セミの羽化シーンを見た時も大感動です。土の中で約5年間も幼虫として過ごすセミが、夜の8時くらいをピークに、土から出て、木を這い上がります。そして、柳の葉で、白い羽をゆっくりとなびかせて羽化するのです。夜に羽化するのは、カラスなどの天敵が寝ているのと、人間も少ないからです。しかし、セミの命は、長くても1か月です。でも、羽化を見ると、「みーんみーん♪」とうるさかったセミの鳴き声が、愛おしく思えるのです。

 

上尾の丸山公園で、蛍が見られるということで、蛍も見に行きました。私も、自然界の蛍は、初めてだったので、たった10匹ほどでしたが、「スゲー!」と感動です。この時は、卒園児の小学生に手伝ってもらい、雑木林の中に、トラップを仕掛けて、カブトムシなどが見つかるようにしました。焼酎とバナナと砂糖とイースト菌を混ぜて一晩発酵させた液を木に塗るのです。見事に、夜になるとカブトムシが集まっていました。同時に、カエルもいます。なぜ?それは、トラップに集まったコバエを食べに、カエルが木に登っていたのです。

 

そして、ここ数年は、北本自然観察公園で、ヘイケボタルを観察するようになりました。自然環境のままで、人が手を入れることなく、約500匹の蛍が舞うのです。昨年のナイトツアーは、まさに、イルミネーションの中を歩いているような、素晴らしい光景に出会うことができました。

 

子どもたちにとっても、保護者にとっても、真夏の夜の大冒険をこうして楽しんできたのです。「ワクワクドキドキ」が大好きな園長ですが、ナイトツアーは、誰もがワクワクの素敵な夜を経験して、ほんわかな気持ちになったのです。

2024年

10月

22日

カメを飼う思い出

今朝、行政と確認し、11月から認可保育園へ転園する園児全員が、無事に内定したことがわかりました。すでに認可外保育園と幼稚園へ転園が決まっている園児を含め、誰一人も路頭に迷うこともなく、本当に安心しました。今日は、最後のピクニックランチを行ったのですが、気持ちも晴れやかに、屋上の青空の下で、子どもたちとピクニックです。

 

年に3回ほど、寺子屋園児を対象に、ママやパパが作ったお弁当を屋上で食べるという、とてもシンプルなイベントですが、お弁当を通じて、親子の絆が強まり、園児は、親への感謝の気持ちが高まります。今日も「ママありがとう!」と叫ぶ5歳男の子です。

 

さて、ホワイトきゃんばすでは、屋上や教室内で様々な生き物を飼ってきましたが、やはり、一番は「カメ」です。もともと屋上の池で、「カメックス」と名前を付けたクサガメ

を飼っていたのですが、よく脱走しました。すぐに、草むらの中で隠れてるところを見つかるのですが、ついに、行方不明になったのです。子どもたちが、愛して止まないカメックスの喪失感が大きく、何とかカメを池に・・・ということで、川に、「カニカゴ」という仕掛けをして、カメを採集することにしました。

 

カニカゴとは、海などでカニを捕まえる時に使う、四角い網です。中に、煮干しなどの臭いが出るエサを入れて、カメが網に進入すると出られなくなるという構造です。土曜日に、卒園児の小学生を連れて採集に行き、少しずつ個体が増えていったのです。ミドリガメのおうちと、クサガメのおうちを作り、一番大きいカメ池には、多くのクサガメが住むようになったのです。子どもたちの楽しみは、エサやりです。普通なら、人が近づくと逃げるのですが、カメ池のカメは、エサをくれると思って近寄ってきます。子どもたちには大人気となりました。小さい園児も「カメさんにえさをあげる」と言って、ずっとカメを観察しています。

 

そして、2年前には、カメの産卵場を池のすみっこに作り、そこで卵を生むようになったのです。カメたちは、6月・7月に卵を砂の中に産み、約60日後に子ガメが誕生します。砂の中から卵を取り出して、産卵用のボックスに入れます。令和4年の夏は、クサガメが34匹生まれました。卵から頭を出した瞬間を子どもたちも保護者も見ることができました。それは、感動のシーンです。令和5年の夏は、待望の「ニホンイシガメ」の赤ちゃんが10匹生まれました。クサガメ25匹の合計35匹です。今年の夏も合計で20匹の子ガメが生まれました。

 

生き物が誕生するシーンを見た子どもたちは、「生きること」「命の大切さ」などを学んでいきます。かわいいカメたちは、数匹が里親として引き取られ、園児のおうちで、大切に飼われています。

 

屋上で飼っていた生き物は、「モーモー♪」うるさい「ウシガエル」に、アメリカザリガニ、メダカの学校もありました。ビートルハウスにはカブトムシやクワガタが住んでいました。まさに、保育園ホワイトきゃんばすは、屋上も教室内も生き物だらけです。死なせてしまった、ケヅメリクガメの「かめきち」も子どもたちのアイドルでした。

 

そんな、屋上や教室にいたカメたちですが、このたび、園長の家に引っ越ししました。庭にカメ池を作り、通行人の心を癒しています。リビングの水槽は、もともとカメを飼っていましたが、この夏生まれたカメたちが元気に泳いでいます。

 

ということで、保育園のカメたちは、場所を変えて、あたらなカメ人生を送っています。来年夏には、もちろん産卵に挑戦するので、砂場を確保しています。(笑)

2024年

10月

21日

寺子屋の思い出

今日の連絡ノートには、運動会の感想がびっしりと書かれていました。「最高の運動会」というフレーズが、何度も出てきて、本当にうれしい限りです。職員一同、心を込めて、読ませていただきました。

 

さて、今日の思い出は、「寺子屋」です。開園して1年が経過し、新年度に、認可外保育園としての試練が待っていました。何人かの園児が、認可保育園に転園してしまったのです。保育園ホワイトきゃんばすは、認可保育園が決まるまでのつなぎでしかなかったのです。

 

屋上での環境は、保育園ホワイトきゃんばすの大きな付加価値ですが、まだ強化策が足りません。そこで、夕方の自由時間に、3歳児以上の3学年の学び合いの時間を作ろうと考えます。「寺子屋」の時間とし、月曜日から金曜日まで、職員が日替わりで、子どもたちに学んだり考えたりする時間を作ったのです。学習・習字・お絵描き・ねんどなどの学びの時間、廃材工作の時間、英語の時間、食育の時間、そして、園長は「よのなか科幼児版」とうたって、社会に出て学ぶことや屋上でのフィールド活動・お店探検・哲学の時間・生き物観察など、様々な活動を行いました。

 

年長園児を「寺子屋1番」、年中園児を「寺子屋2番」、年少園児を「寺子屋3番」と呼び、給食配膳や手洗い当番などの役割も与えました。寺子屋活動については、担当の先生が記録して、毎週保護者へフィードバックし、見える化を図りました。

 

こうして、年少から年長までの3学年が、縦割りで学び合う活動となり、学びだけでなく、集中力や非認知能力もアップしていったのです。

 

2歳児は、「早く寺子屋さんになりたい」と、寺子屋への憧れの気持ちが高まり、「寺子屋さんになったんだから」と小さい園児のお手本になるようにがんばり、当番を率先して行う園児が増えていきました。年長園児が、廃材工作の時間で、年少園児にハサミの使い方を教えたりするなど、寺子屋3番は教えられる立場から、寺子屋1番になると、教える立場に成長する姿が見られるようになりました。人に教えることで、学びがさらに深まっていきます。

 

こうして、保育園ホワイトきゃんばすの特徴的な「寺子屋活動」が、どんどん進化していったのです。ただし、園児たちは、他の保育園や幼稚園でも「寺子屋」があるものと思っていて、小学生になって「俺…寺子屋で○○やったから」と話をしても通じないことが、わかったようです。(笑)

2024年

10月

20日

屋上遊び&ファームの思い出

昨日は、最高の運動会となりました。子どもたちにプレゼントするDVDを見ながら、「よく頑張ったなぁ~」と感心したり、おもしろシーンに笑っていました。そして、10月31日の閉園の日まで、カウントダウンとなりました。今日からは、12年間の思い出を振り返っていきます。

 

ホワイトきゃんばすにとって、屋上遊びと屋上ファームは、子どもたちが毎日遊ぶ大切な日常です。この環境があるからこそ、「この保育園に決めた!」という保護者も多かったです。

 

保育園の契約が決まり、最初は、布団を干すのに屋上を使用させてもらおうと思い、ショッピングセンターの屋上を歩いていると、草がたくさん生えた、元花壇だったスペースが目に入りました。すぐに、「ここを畑にして使わせてもらえませんか」と即答でOKをもらいます。2012年5月に保育園が開園すると、ゴールデンウイークには、保護者たちも参加して、ファームに夏野菜を植えます。そして、どろんこ広場を整備していただきました。

 

その後、この東京ドームのグランドスペースの半分もある、広い屋上スペースを子どもたちが「遊びを考え、自分たちで遊びを作っていく」場所に進化させます。自転車・ストライダー・三輪車は、保護者からいただいたり、自転車売場で廃車になった中で、まだ使用できるものをいただいたりして、増えていきました。そして、2016年に「自転車免許証」を自転車に乗れるようになった園児に発行すると、3歳児年少のうちに、全員が自転車に乗れるようになるという快挙が、今までずっと継続してきたのです。

 

屋上には、「ビワの木」「桑の木」があります。ビワの実と桑の実(マルベリー)を5月6月になって食べるのが、子どもたちの楽しみになりました。そうなると、自然と木登りが得意になります。

 

そして、夏は、屋上プールです。プールボランティアをお願いすると、多くの保護者が参加し、子どもたちと遊んでいただきました。プールに入りながら、ファームで収穫したミニトマトやキュウリを食べ、スイカ割りも楽しみます。子どもたちが収穫した野菜は、数えきれないくらいたくさんになりました。土の中から、幼虫やダンゴムシが出てくると、子どもたちの目の色が変わります。チョウにトンボ、バッタにてんとう虫にクマバチまで、たくさんの生き物を採集しました。保育参観で、屋上の生き物を見つけるゲームをした時には、何と「オケラ」まで採集できました。「手のひらを太陽に」に出てくる、「オケラだって♬」の虫です。オレンジ色で、普段は土の中に住んでいます。

 

季節を変えて、多くの野草の名前を覚え、アサガオの色水を作りました。ムスカリ・ホトケノザ・カラスノエンドウなど、幼児なのに、花の名前がポンポン出てきました。ママへのプレゼントとして、野草の花を集めた花束を作ったこともありました。四つ葉のクローバーも見つけました。

 

そんな素敵な屋上は、子どもたちにとっては、特別な場所ではなく、日常の遊び場です。自転車&自然環境&ファームなどが、混じり合って、子どもたちが自分で遊びを楽しんだのです。

 

10月31日まで、いろんな想いに浸りながら、子どもたちと屋上で過ごすことにします。

2024年

10月

19日

最後の運動会

いよいよ「保育園ホワイトきゃんばす」最後の運動会となりました。熱い太陽が見つめる中、子どもたちも熱く、保護者の皆様も熱く、卒園児の小学生中学生も熱く・・・とにかく、最高の運動会となりました。

 

子どもたちは、9月から練習をはじめ、30メートル走と紅白対抗リレーは、毎日取り組んできました。「勝った負けた」が明確になる競技です。勝った園児は、「やった!自分は凄いんだぞ!」と自己肯定感がアップしますが、負けた園児は、様々な心の葛藤を経験します。「悔しい!自分はいつも負けてばかりだ!」と時には泣きます。しかし、人間的な成長では、むしろ負けることから学ぶことが多いのかもしれません。

 

こんな物語を練習の時から重ねてきた子どもたちは、運動会本番では、勝つことよりも、「一生懸命頑張る」ことが大切なことと感じ始めていました。でも、やるからには勝利を目指します。本当に、今日は、全員がベストの走りでした。保護者の涙が光ります。

 

紅白対抗リレーは、アンカーまで、ほとんど差がない展開となり、最後は、わずか10センチの差で勝敗が決まりました。勝った赤組のアンカーは、白組アンカーの頑張りを認め、普段のおしゃべりは封印しました。負けた白組アンカーは、保育園で一番足が速い園児でしたが、あと少し及びませんでした。でも、「やりきった」というすがすがしい気持ちが伝わってきました。

 

卒園児がざっと30名も集まりました。綱引きと紅白対抗リレーは、凄まじい迫力です。中学2年生の男の子は、第1回運動会に参加しました。そして、時を刻み、今回は11回目の運動会です。西文ひろばグランドで汗を流した思い出も、今日でおしまいです。

 

最後は、園児・保護者・卒園児そして先生たちで、「マイムマイム」を踊りました。大きな輪になって、みんな手をつないで、最高に楽しかったです。最後の運動会なのに、終わってみれば、涙ではなく笑顔で終わることができました。

 

最高の運動会を盛り上げてくれた子どもたち。そして保護者の皆様と卒園児たちに感謝の気持ちでいっぱいです。先生たちもヘトヘトになりましたが、こんなに満たされた気持ちになったのは久しぶりです。園長は、声がガラガラです。(笑)

 

本当にありがとうございました。

2024年

10月

18日

毎日やらかしています。

明日の運動会を前に、今日は教室で開会式の練習をしました。年長園児8人には、役割があります。選手宣誓は4人の園児が、それぞれのセリフを誓います。大きな声が出ていました。明日は、グラウンドにその声が響かせて欲しいですね。残りの4人は、「体操の先生」を行います。準備体操で流れる「いっとうしょうたいそう」を前に出て、パフォーマンスします。

 

勝った負けたで、ガッツポーズに悔し涙と大騒ぎになるでしょうが、子どもたちの一生懸命がんばる姿を見ていただければ、それで十分です。保育園ホワイトきゃんばす最後の運動会になりますが、今まで、続けてきた通りに、子どもたちの力を楽しみにしています。

 

さて、NHKでドラマ化された「透明なゆりかご~産婦人科看護師見習い日記~」は、作者でもある、沖田☓華(ばっか)さんの看護師時代のエピソードを描いたものです。彼女は、発達障害の当事者であることを公表しています。

 

沖田さんは、アスペルガー症候群(AS)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害があります。彼女が自分の「やらかし」体験をコミカルに描くエッセーマンガが「毎日やらかしています。」です。この中で、自身が発達障害を自覚するまでのいきさつや、発達障害を受容した上で日常生活をどのように過ごしているかについて描いています。この本は、発達障害を理解するために、大学の講義でも使われているそうです。

 

例えば、彼女の仕事場は、色に対するこだわりから、好きな青色のものだけで満たされています。興味深いのは、青は青でもサファイアブルーでなくてはいけないそうです。他の青ではNGで、色の細かな違いにも敏感に反応します。また、日常生活においても、鍋に火をかけたままにして消し忘れたり、車を1年で4台も廃車にしてしまったり。また、なかなか人の顔を覚えられないそうです。

 

今でこそ、自分の失敗談を笑いに変え、漫画を描き続ける彼女の姿勢には、前向きなパワーを感じますが、彼女が、自分の特性を自覚し対処できるようになるまでには、長い年月がかかったといいます。

 

保育園・幼稚園・小学校では、子どもはなかなか自分を客観視し特性を自覚することが難しいですね。親も意外に気がつかないことが多いです。これからは、ますます発達障害のある子どもの気持ちや捉え方に対して、理解を深めていかねばなりません。クラスの中に、いろんな子どもがいて、そして1つのクラスとして成り立たせるには、お互いへの理解が不可欠です。沖田さんは、自分の経験を語ってくれているので、大いに参考になる教材と言えますね。

2024年

10月

17日

シニアって何歳から?

今日は、運動会前の最後の合同練習です。0~2歳児も、寺子屋園児と手をつないで、しっかりと入場できました。かけっこもいい感じです。ダンス「ハピネス」については、踊っているのは2人だけで、他の園児は固まっています。本番では、観客席から多くの応援を受けて、きっと躍動してくれることでしょう。 

 

さて、保育園ホワイトきゃんばすが開園した2012年は、まだ私は40歳台でしたので、堂々と「おやじ園長」を名乗っていました。しかし、還暦となり、「おやじ」なのか「シニア」なのか?まだまだ、肉体的にも精神的にも「おやじ」であり続けたい私です。(笑)

 

人生100年時代と言われ、健康で長生きする人が増えています。しかし、時代をさかのぼると、旧石器・縄文時代の平均寿命は15歳前後、平安時代は30歳代、江戸時代は40歳代・・・諸説あるものの、昔は今では考えられないくらい、若くして死を迎えていたのです。2023年は、男性81歳・女性87歳です。栄養状態や衛生環境、医療の進化によって、日本は、世界一の長寿国となりました。

 

ところで、あなたが考える「高齢者」は何歳ですか?実は、何歳から高齢者とするかの基準は、日本にはありません。総務省は、毎年9月の敬老の日に合わせて、65歳以上人口を高齢者人口として公表しています。2024年は3625万人だったそうです。65歳としているのは、「諸外国と比較する際も便利なため、国連の定義を基にしている」と説明します。でも、明確に65歳以上とは定義していません。

 

老後に関わる国の制度には、65歳以上を対象にするものは多いです。公的年金の受給や介護保険サービスの利用は原則65歳以上です。一方、道路交通法は、免許更新時に70歳以上を対象に動体視力や視野を測定する講習を行います。民間が行っている「シニア割」の年齢は、バラバラです。映画館は、60歳以上にお得な鑑賞券を用意していますね。私が映画を見る時は、妻と合計100歳以上の割引特典です。(笑)

 

では、実際に現在の「シニア」は、昔と比べて心身が若返りしているのでしょうか。国民生活基礎調査では、70歳以上で「もの忘れ」を訴える人は、2010年は、1000人のうち122人でしたが、2022年では91.5人と激減しています。「耳が聞こえにくい」人も減っているようです。医療や介護予防サービスの充実もありますが、私は、健康への関心が高まったことが一番の原因だと思っています。

 

日本マクドナルドでは、店舗で働く60歳以上を「プレミアムエイジクルー」と呼んで、リスペクトの対象にしています。現在1万2000人もいて、そのうち5000人が70歳以上だそうです。凄いですね。

 

ということで、自分を「シニア」とするかどうかは、自分次第という結論です。私は、まだ「おやじ」を名乗ることにします。(笑)

2024年

10月

16日

昭和式・喫茶店活用術

今日の運動会練習では、久々に綱引きの練習をしました。他の園の子どもたちが、ホワイトきゃんばすの綱引きを見て、「がんばーレ!がんばーレ!」と声援を送ってくれたのです。最初は、綱を引くことすらままならなかった園児たちが、今日は迫力ある綱の引き合いを演じ、その姿をみた、他の園の応援すら勝ち取ったのです。立派なことです。

 

さて、今日は、喫茶店についての話です。都心の駅に行けば、チェーン店系のカフェが多いですね。スタバにドトール・エクセルシオール・タリーズなどなど・・・私も営業マンで外回りをしていた時には、カバンの中には常にノートパソコンが入っていました。チェーン店系のカフェやファーストフードショップに入って、コーヒー1杯で長々とパソコンを叩いていました。電源も完備されているので、堂々と長居です。(笑)

 

ところが、最近はテレビなどで「レトロな喫茶店」特集が頻繁に組まれ、昭和世代だけでなく、若者も外国人も開店前から並んで利用する店も多いですね。NHKでは、古民家を改装したカフェを「ハル」が訪ねるドラマ「ふるカフェ系ハルさんの休日」が放映されています。また、BSでは、ずん飯尾さんが各地の喫茶店を訪れる「ずん喫茶」も私の好きな番組の一つです。

 

埼玉県にも、昔ながらの喫茶店がたくさんあり、私もぶらりと散歩します。大宮駅近くには「伯爵亭」という24時間営業の有名な喫茶店があるのですが、ここも、多くのお客様で賑わっています。

 

昔ながらの喫茶店とチェーン系カフェでは、違うところはたくさんありますが、一番の違いは「過ごし方」にあります。そうです。昭和スタイルの喫茶店では、パソコンを開いている人はほとんどいません。スマホを見ている人はいますが、仕事をしている人は少数派です。逆にスタバの店内で、一心不乱にノートパソコンをたたく人が、一人もいなかったことなどありませんね。

 

昭和喫茶店は、「仕事をする場所」ではなく、「休憩する場所」「リラックスする場所」「サボる場所」だったのです。コロナ以降、リモートワークが広がり、カフェというと「仕事をする場所」のようなイメージですが、昭和純喫茶に入ったら、ボーッと過ごしてリラックスしたいですね。もちろん、その後の仕事がはかどること間違いなしです。

 

レトロな喫茶店に入るのが楽しみな私ですが、もちろん、仕事などしませんよ。(笑)

2024年

10月

15日

ノーベル平和賞

今日は連休明けの保育園です。いよいよ今週末に迫った運動会に向けて、仕上げの練習を行います。紅白対抗リレーは、たいがい「もう一回やりたい!」と子どもたちのやる気が伝わるので、今日も2レース行いました。赤白ともに1勝1敗で、激戦となりました。走る子どもたちは、全力で走っています。練習を始めた9月とは大違いです。後は、全員元気に健康を維持したままで運動会を迎えることです。子どもたちのモチベーションも右肩上がりです。

 

さて、今年のノーベル平和賞は、日本の被爆者団体の全国組織である「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」が選ばれました。大変喜ばしいことですが、ここ数日で、様々な意見が出ています。

 

どうして?と思うことの一つが、「核兵器禁止条約の締約国会議」に、未だに日本は、オブザーバーとしても参加していません。唯一の被爆国であるので、その発言が世界を動かく可能性が高いにもかかわらず、米国の「核の傘」の下にある日本は、一線を越えられないでいます。同じ「核の傘」の下にある、ドイツやベルギーは、オブザーバーとして堂々と参加しています。

 

1990年代、平和記念式典後に開かれる首相と被爆者の面会の場面では、厳しい言葉で詰め寄る被団協と、明言を避ける首相とは溝が深かったのですが、時代が動き、被爆者の証言は影響力を増し、今では、首相自ら「唯一の戦争被爆国」との言葉を当たり前に発言するようになりました。

 

さらに時代が動きます。2016年、オバマ米大統領が初めて広島を訪れ、被爆者を抱擁したのです。対照的に、少し離れたところに、オバマ大統領がいつでもボタンを押すことができる「核のボタン」の入った鞄もありました。でも、現職のアメリカ大統領が広島を訪れるなんて、夢にも思いませんでした。私もテレビを見入っていました。

 

昨年のG7サミットでは、世界の首脳が原爆慰霊碑に献花しました。偽善者のパフォーマンスだ!と批判する人もいましたが、それでも一連の出来事は世界の人々に広島の地を踏ませ、被爆者の「証言」を伝える象徴的なシーンでした。

 

今回のノーベル平和賞の受賞理由は、「核兵器が二度と使われてはならないことを証言によって示してきた」です。「証言」は、戦後79年にわたって、被爆者自ら、または、被爆者の証言を受け継いだ若者たちが、語ってきました。79年もかかりましたが、各国のリーダーに核被害を直視せよというメッセージです。

 

被団協の中には、高校生の若者もいます。ノーベル平和賞は、79年の「証言」の積み重ねの成果ですが、「核兵器なき世界」という究極の目的に向けて、日本が世界に向けて発信するのは、これからがスタートです。戦争を知らない私たちの仕事ですね。

2024年

10月

14日

PTAの未来 つづき

昨日は、埼玉県川島町にある「笛木醤油」の蔵を見学してきました。酒蔵は何度も見学したことがありますが、醤油蔵は初めてです。日本が誇る「醤油文化」ですが、ライフスタイルの変化もあって、醤油を作る蔵元は、全国的に激減しています。そんな中で、笛木醤油は、現在13代目の社長が奮闘しています。社長自ら、工場見学の語り部となり、しょうゆパークを開設して、ファミリー層の取り込みを図っています。社長のガイドがとても面白く、子どもたちが楽しんでいました。醤油ソフトクリームや醤油を使ったバウムクーヘンなどを企画して、醤油以外の収入源を作っています。醤油作りのこだわりは、大手の醤油メーカーなら半年で作ってしまう醤油を全国でも珍しい「樽の木桶」で2年間かけて熟成させます。

 

醤油文化の伝統を守りながらも、時代にマッチした新しい道を模索しています。まったく、土俵が違いますが、PTA活動も過渡期の今、変化しなければいけないようです。

 

PTAについての負のイメージは、3つの「や」と指摘する人もいます。「やらないといけない義務感」「やらされている強制感」「やらない人がいる不公平感」です。「時給換算すれば200円ぐらいにしかならないベルマーク集めに会社の有休を使わされる」「赤ちゃんを背負ってでも、古紙回収にいかなければならないのか」「あの人はまだ役員やっていない。ずるい」と言ったところです。

 

言葉は悪いですが「ブラックなPTA」とも言われるようになり、少しずつですが、PTA活動が変わっています。千葉県船橋市の塚田南小学校には、PTAがありません。代わりに「サポーターズクラブ」があり、学校のイベント活動に協力しています。保護者と学校を取り持つ仕組みはあったほうがいい。でも、教職員が参加するPTAでなくてもいいだろう。ということで、保護者のみの組織で、入退会は自由です。約1000世帯のうち、97%が入会し、本部メンバーは19人で、男女比はほぼ半々だといいます。このように、PTAがない学校が増えてきました。

 

なんだ。今までのPTAとどこが違うの?と感じるでしょうが、最大の相違点は、ボランティア活動に徹していることです。家庭や仕事の都合で参加できない人がいても気にしない。というスタンスです。イメージとしては、「おやじの会」スタイルです。

 

おやじの会とは、父親たちが中心になって、子どもたちのために遊びやスポーツなどのイベントを開催する組織です。保育園の卒園児が通う小学校にも、おやじの会があり、田植えと収穫体験を行っています。おやじの会に参加する「お父さん」たちの顔は、子どもと同じように輝いています。(笑)

 

私が、PTA活動を引退して数年後に、西区PTA連合会の総会に呼ばれ、10分ぐらい講演する機会がありました。そこで話したことは、「PTAは会社組織ではないので、上司・部下などの利害関係が発生しない組織です。PTA会長や本部役員が偉いわけではありません。PTAでよくトラブルにあるのが『私は聞いていません』です。どんなに、子どもたちのための活動でも、この『聞いてません』の一言で、協力が得られないことがあります。教職員も含め、すべてのPTA会員への説明を怠ってはいけません」です。

 

でも、今の私なら、こんな話をしたいですね。「子どもたちのために、保護者が何かをやろうとする組織は、PTAでもサポーターでも何でもいいです。しかし、参加する保護者の負担はゼロにはなりません。でも、『やらされている』と感じるか『自分の意思で参加している』と思うかは全くその意味合いが違ってきます。子どもたちに「自分で考える子どもになりなさい」と言うならば、親も子どもたちに何が必要で、そのためには自分たちがどう動くかを考えることが大切です。親だって楽しめるような、自分の意思で参加する組織にしていきませんか」

 

小学生、中学生の子どもを持つあなたは、子どもが通う学校のPTAはどうですか。一人の力で大きく変えることは難しいですが、これからのPTA活動を考えてみませんか。

2024年

10月

13日

PTAの未来

この連休は秋晴れですね。昨日は運動会の小学校もあって、各地で、子どもたちの声援が聞こえてきます。保育園の運動会もあと1週間・・・いよいよです。

 

さて、私が保育園を立ち上げるきっかけは、PTA活動にかかわったことです。そこで、サラリーマン時代の人脈では考えられなかった、学校組織・地域の人たちとのかかわりという、新しい扉を開くことになったのです。最近では、元会長のお金の問題で何かと話題になっている、さいたま市PTA協議会の会合にも参加し、そこで、子どもたちのために、縁の下の力持ちになっている保護者をたくさん見てきました。そんな経験が、「子どもに関わる仕事をしたい」という想いにつながったのです。

 

私は、PTAから素晴らしい経験をたくさんいただきましたが、苦い経験もしています。歴代のPTA会長は、長く自営業をしてきたような「地元の名士」でした。そこを引き継いだ私は、サラリーマンPTA会長です。最初は、PTAという組織の長になったんだから、会社組織のように、「○○さん。これをお願いします」「○○さんは、教頭先生と運動会の件、進めてください」と、指示を出していきました。しかし、PTAをまわしていたのは、たまに学校に顔を出す会長ではなく、毎日のようにPTA会議室に通うママたちだったのです。そして、ついに「ボスママ」との対立構造に発展しました。私がやろうとした企画をつぶしにかかります。私が救われたのは、「子どもたちのためにやろうとすることに、気に入らないという理由で邪魔をするなんて許せない」と考える保護者が賛同してくれたことです。そして、校長先生との関係を密にしていたことで、アドバイスをいただき助けてもらいました。結局「ボスママ」は、PTAを去りました。でも、今でも自分のやり方が上手くなかったと思っています。

 

そうです。多くの小中学校のPTAには、経験豊かな「ボスママ」と言われる支配者的なママと、それを支えるママたちがいます。これが、いい方向にまわっていけばいいのですが、「仕事は先輩の背中を見て覚えろ!」みたいな、時代の流れに合っていない活動になっていることが多いのです。ある調査では、「PTAの改革を妨げているものがあるとしたら、何だと思いますか?」の問いに、2位の「PTAのOB・OGの反対」を大きく引き離して1位にだったのが「ボス的な保護者」でした。

 

PTAは、保護者(Parent)と教職員(Teacher)が作る組織(Association)という意味で、教職員もPTA会員です。一般的にPTA活動は、広報誌の発行・ベルマークの収集・登校時の見守り活動・運動会などの行事の手伝い・イベント活動など、学校と密接な活動が多いです。教員にとっては、PTAはありがたい存在ですが、実は、PTAは任意加入の組織です。でも、それが知られるようになったのはここ10年ほどです。私も、強制加入と思っていました。

 

今、PTA活動は、過渡期にあります。「子どもたちのため」の活動であることは、誰一人疑う人はいません。「総論賛成」でも、結論を出すまでのプロセスが気に入らないだけで、「各論反対」となることも多いです。

 

では、これからのPTA活動は、どんな形がいいのか・・・

 

つづきはあした。

2024年

10月

12日

公式記録員

本日で、通常の土曜保育が最後となりました。来週土曜日は「運動会」再来週は「お別れ会」ですので、ホワイトきゃんばすが長い間続けてきた、土曜日の卒園児小学生の登園も今日でおしまいです。土曜日は、人数こそ少ないですが、小学生と園児の縦割り保育となり、お昼寝タイムには、園長の課外授業もあって、子どもたちにとっては、楽しい一日になっていました。今日は、私も子どもたちも「大切な一日」を意識して過ごしたのです。

 

さて、日本のプロ野球も海の向こうでもポストシーズンで盛り上がっていますね。私が好きなテレビ番組の一つに「球辞苑(きゅうじえん)」があります。プロ野球を取り上げた番組ですが、毎回テーマがあります。例えば「0-2(ノーボールツーストライク)」がテーマの日は、圧倒的に投手が有利なカウントですが、このカウントで、どの打者が一番打率を残しているのか?逆に、どの投手が一番打たれているのか?などをデータを基にひも解いていく番組です。選手のコメントも注目です。

 

こんな番組が作られる背景には、1つ1つのプレーを丹念に追う日本野球機構(NPB)所属の公式記録員の存在があります。例えば、今年5月24日の読売巨人軍の戸郷投手が、甲子園球場で阪神タイガースを相手に演じたノーヒットノーランは、様々な視点で報じられました。「史上89人目」「通算101度目」「巨人の選手が甲子園で達成したのは、1936年の沢村栄治以来」などなど・・・こんなポンポンと出てくる数字の基は、NPBが残す膨大な公式記録です。

 

現在の記録員は25名だそうです。今季は数年ぶりに採用が行われ、約100倍の競争率の末、3人が補充されたとのこと。一軍記録員はグラウンドを見渡せる席に2人1組で座り、1球ごとの結果をスコアシートに記入するほか、プレーを見て「ヒット」か「エラー」なども判断します。この仕事は、審判ではなく公式記録員の仕事です。

 

歴代5位の2039試合での記録員を務めた元パリーグ記録部長の五十嵐さんは、「慣れるまではどちらが勝ったかも分からないくらい緊張した。プレー中はボールから一切目を離さなかった」と言います。トイレに立たないように、試合の数時間前から水分を取らなかったそうです。五十嵐さんは、完全試合を2度、ノーヒットノーランを3度担当したそうです。

 

NPBの記録員の一人は「野球はスコアから試合を細かく読み取れるスポーツ。公式記録を正確に残すことで、様々な切り口で分析できる」と話します。野球以外のスポーツでも「記録の神様」と呼ばれる人が縁の下で支えているのです。

 

ずいぶんとレベルが違いますが、私が大学1年の時に、広岡西武と藤田巨人の伝説の日本シリーズがありました。巨人のピッチャーには江川投手や西本投手がいて、西武には田淵選手がいました。私は、この日本シリーズの試合を、CMのないNHK放映の時には、スコアブックをつけながら観戦していました。もう、見る方も真剣です。スコアブックをつけると、「前の打席では、フルカウントまでもつれて空振り三振か」なんていう見方もできるので、それは,深い野球観戦となりました。

 

スポーツの楽しみ方は、色々とありますが、記録から見る楽しみだって、地味ですが、意義深いものですね。

2024年

10月

11日

広島発の教育イノベーション

青空の下で運動会の全体練習です。0~2歳児のチビちゃんたちも西文ひろばで躍動しました。チビちゃんたちが帰った後は、寺子屋園児たちの30メートル走と紅白対抗リレーの練習です。リレーは、1回では満足しない子どもたちです。「もう一回やりた~い!」と、2度目のレースがスタートしました。そして、最後は、園長とトラック1周の競争です。最後の直線で、園長がマジ走りになるくらい年長園児の走力がアップしています。 

 

さて、今日は、アクティブラーニングの実践やジャンダーギャップ指数の教育分野で全国1位の広島県の教育改革を取り上げます。

 

瀬戸内海の離島、広島県大崎上島(おおさきかみじま)にある、中高一貫校「広島叡智(えいち)学園では、授業のない時間には、生徒が一人芝生で寝転んで考え事をしていた。ここは、今話題の国際バカロレア認定校です。しかも公立校です。1年で全国から1000人もの視察が来るくらい注目されています。中学卒業時に、自分の興味関心を掘り起こしてレポートを作る授業が週に一度あります。ある生徒は、植物と生物と農業に興味があり、土壌に化学肥料を入れすぎる環境問題を自然の力で解決することに魅力を感じ、実際にバクテリアの一種の根粒菌が、どれくらいマメ科の植物に影響を与えるのか実験してレポートを書きました。その生徒は「地域の方に協力してもらい、専門家の意見も聞くことができて、研究って大変だけど楽しいなと思いました。文系か理系化に分かれず、分理が混ざった勉強ができ、大学進学も問題ないというのも魅力的です」と言います。

 

私が勉強会に参加している「イエナプラン教育」の公立校の開校を広島県の教育委員会がバックアップしました。ここは、小学校ですが、異年齢教育をしています。また、不登校の子どもの居場所作りにも積極的に取り組んでいます。

 

広島県の教育改革は、すぐにできたことではなく、10年前には始まっていました。当時の話し合いでは、「学力調査の全国1位になることよりも、これからの時代は新しい価値を生み出せる人材の育成に力を入れるべきじゃないかという話になりました。有識者会議を立ち上げたところ、今の子どもは自分の意見を言ったり、自分で考えて行動するのが苦手だという指摘があり、子どもがいろんな人と協働する教育をデザインすることになりました」となり、今では、当たり前に言われる「アクティブラーニング」の授業スタイルを広島県では、10年前からチャレンジしてきたのです。当時は、「そんなのできませんよ。無理です!」と現場から言われるほど、逆風だったそうです。

 

今年の3月まで、広島県の教育長を務めた平川理恵さんは、横浜で民間人校長を経て、広島県の教育長になる異色の経歴の持ち主ですが、彼女が広島県の教育リノベーションを引っ張ってきました。

 

「今の学校は『みんなと一緒』と教えすぎています。受け狙いの上っ面のプレゼンとか、テストに強い子とか、根源的ではない授業を続けていくと、『いつも元気で明るいが人間的に深みがない』とか『テストには強いけど、人生が何たるかわかっていない』という人間になってしまいます」と言って、改革に取り組んだのです。彼女はリクルート出身ですので、発言がストレートですね。

 

これが東京なら、中学受験が盛んで、早い年齢から塾に行ってコスパよく勉強する風潮が強いのが現実です。広島県の取り組みが、日本全国どこの自治体にも当てはまるとは言えませんが、「ちゃんと考えて自分で答えを出すこと」「自分は、みんなと同じで本当にいいのか?」については、子どもたち共通の課題ですね。日本の教育環境が、今後変わっていくのです。

2024年

10月

10日

サラリーマンショコラティエ

今日は、雨が上がって、久々にグラウンドでの練習です。○○保育園の園児たちも練習に来ていました。10月19日に保育園ホワイトきゃんばすの運動会があり、その1週間後に、この○○保育園の運動会があります。サーキットレースを見た○○保育園の年長園児は、目を丸くして食い入るように見ていました。圧巻は、紅白対抗リレーです。園児がトラック1周を走ること。本物のバトンを使っていること。一人一人の走りが速いこと。応援も大きな声が出ていること。○○保育園の年長担任も「凄いなぁ~」とつぶやいていました。保育園ホワイトきゃんばすが長い年月をかけて作り上げてきたスタイルです。10月19日の最後の運動会では、そんな子どもたちの姿を多くの人に見てもらいたいですね。

 

さて、今日はサラリーマンショコラティエの話です。ようやく秋らしくなって、チョコレートがおいしい季節になってきました。私が勤務していた会社は、チョコレートがメインの洋菓子メーカーでしたので、バレンタイン商戦は、社運を賭けた大勝負となります。同じ国内のブランドでライバルの会社が、メリーチョコレートカムパニーです。そこには、サラリーマンショコラティエと異名を取る大石さんがいます。彼が得意とするのは、チョコレートと和の素材の融合です。パリで開かれる世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で、2016年に最も栄誉ある「外国人部門C.C.Cアワード」を受賞します。和の素材で日本の風情を表現しようと、甘めのみたらしと渋めの抹茶をチョコレートに合わせました。

 

2022年には、世界的に権威のある「インターナショナル・チョコレートアワード」の金賞を受賞します。「すだちと薔薇」と名づけたチョコレートには、山形県の日本酒に漬けた朝摘みのバラの花びらから抽出した香りと、徳島県産のすだち果汁を加えたチョコレートです。

 

大石さんのユニークな発想は、農協の販売所や道の駅などで旬の素材を見て回ることから生まれるそうです。「どんなふうに食べたらおいしいか」「どんなお酒に合うか」最後に「チョコレートに合うか」を想像するそうです。想像通りの味になることはまれだそうですが、「何度も試行錯誤を繰り返す終わりのない世界です」と大石さんは言います。

 

チョコレートを口にすると、誰もが笑顔になります。本当に不思議な食べ物です。そんな食べる人の気持ちを考えながら、大石さんのチョコレートには終わりがないようです。

 

おいしいチョコレートが食べたくなりましたか。

2024年

10月

09日

カブトムシの幼虫と185系

今日も雨が激しく降っています。しかし、教室内で、しっかりと運動会の練習をしました。入場行進からの開会式では、選手宣誓を行います。代表園児はセリフを覚えて、あとは練習あるのみです。準備体操も「体操の先生」に年長園児がなります。つな引きは、腰を下ろした低い体勢が取れています。玉入れも、的確にカゴに入れられるようになってきました。ダンス「ハピネス」、組体操に、ダンス「マイムマイム」まで、充実した練習ができました。

 

さて、今日は、「こんなサービスいいなぁ~」を2つ取り上げます。1つ目は、本を借りに来た子どもたちにカブトムシの幼虫をプレゼントする企画で、大勢の子どもたちで賑わった、草加市立中央図書館の話です。この夏、図書館では、カブトムシ約10匹を館内に展示したそうです。展示後、職員が飼育ケースを片付ける際に、腐葉土の中に幼虫がいるのを見つけたそうです。職員が「図書館に足を運ぶきっかけにしてほしい」と子どもに配ることを思いつきます。ミソは、子どもたち自身で、腐葉土を手で掘って、幼虫を見つける演出にしたことです。自分で捕まえた幼虫なので、大喜びで容器に入れて見つめます。カブトムシの幼虫をもらった子どもたちは、幼虫が成長するたびに、図書館に行きたくなるに違いありません。

 

次は、さいたま新都心にある、ホテルメトロポリタンでのサービスです。来年3月末までの期間限定ですが、特急列車「185系」をイメージした部屋を新たに設けたそうです。実際に使われた車両の座席4席をボックス席のように向かい合わせに配置し、デッキに置かれていたゴミ箱も再現するなど、鉄道ファンの心をくすぐる仕掛けを盛り込んでいます。

 

185系と言っても、ピンとこない人が多いでしょうね。この緑のラインが特徴の185系は、特急「踊り子号」や湘南ライナーなどとして使われ、2021年に定期運航を終了した車両です。国鉄民営化前に製造された車両は「国鉄型」と呼ばれ、現在は一部が臨時列車として使われる人気車両です。

 

「185系ルーム」は、9階のスーペリアツインルームで、客席の壁には走行する185系の写真10枚が展示され、指定席表示版もあります。窓からは、さいたま新都心駅や列車が行き交う景色を満喫できます。鉄道好きにはたまらない企画ですね。座席から電車を眺めることもできて、旅気分を楽しむこともできます。

 

ということで、カブトムシの幼虫と185系・・・こんな、ちょっとしたサービスは、他にもたくさんあるのでしょう。考えるのも楽しいですね。

2024年

10月

08日

わが子のうそ

保育園の壁面には、保育園へのメッセージやイラストなどが書けるようにしています。保護者も子どもたちも、先生たちへの感謝の気持ちが綴られています。卒園児の小学生からのメッセージもあります。うれしいですね。私も「園児が20歳になったら飲みに行くぞ!」と、メッセージを書いています。(笑) 

 

さて、かつて「うちの子は生まれてから一度も嘘をついたことはありません。そんなことは、絶対に言っていません」と、嘘をついた4歳男の子の母親に、その事実を伝えて、解決策を図ろうとしたところ、激怒されてしまい、話し合いができなかったことがありました。

 

自分の子どもが嘘をつくのは、親としてショックかもしれません。しかし、子どもが嘘をつくのは、心と行動、言葉が発達している証拠です。はい、子どもの成長段階では、嘘は通過儀礼なのです。

 

子どもが嘘をつき始めるのは2歳~3歳と言われます。最初は、叱られるのを回避するために、お菓子を隠れて食べたのに「食べていない!」と、事実を否定することから始まります。4~5歳になると高度な嘘がつけるようになります。この頃の嘘は、相手が知らないことに対して嘘をつく。また、誤って、事実を言わないように自分の行動を抑制しなければなりません。自分の思考や行動をコントロールする力と言葉の発達がなければ、嘘はつけないですね。

 

ということで、我が子が嘘をついても「嘘つきは泥棒の始まりなんだから」「嘘をつくなんて、人として最低!」なんて、親は感情的に激怒してはいけません。逆に、嘘がつけるのは、成長しているんだなぁ~と、まずは受け止める必要があります。

 

では、子どもの嘘に気付いたときに、親はどうすればいいか。世の中には、様々な親子関係があるので、1つの答えだけとは限りませんが、子どもが嘘をついた時には、すぐに指摘するのではなく「どうして?なぜ?そんな嘘をついたのか?」を考えてから行動を起こしても遅くありませんね。

 

親にかまって欲しいなど、心で感じる不安や寂しさが、嘘という表現で出てしまうことがあります。また、頭ごなしに「嘘はダメ!」ではなく、「なぜその嘘がいけないのか」「その嘘で、困った事が起きてしまったこと」などを話すのが大事ですね。

 

相手を傷つけないための嘘など、人を思いやる嘘をつくことだってあります。そんな時は、その優しい気持ちをたくさん褒めたいですね。

 

子どもたちが、やがて大人になっていくと、子どもの時のような嘘が通用しなくなります。親は、子どもの嘘に対して否定するだけなら、嘘が取り返しのつかないことに発展することを理解しないまま、大人になってしまいます。

 

子どもが嘘をついたら、「よっしゃー!成長しているんだなぁ~」くらいに思って、嘘をついた理由を親として考えることが大切なのです。

2024年

10月

07日

ゲームで歴史を学ぶ

今日は、西文ひろばで、しっかりと運動会の練習ができました。30メートル走・サーキットレース・組体操・紅白対抗リレーと、どれも本番では、熱い戦いが繰り広げられる競技です。紅白リーダー対決では、サーキットレースで敗れた赤組の男の子が、レース後号泣してなかなか立ち上がれません。「レース中では、絶対に泣かない!」を何度も言っているので、男の子はレース後に悔し泣きです。この思いを紅白対抗リレーにぶつけます。10メートル遅れでアンカーのバトンを受け取った男の子は、諦めないで全力で走りました。抜くことはできませんでしたが、あと少しのところまで頑張ったのです。この姿は、他の園児たちには十分伝わりました。練習の成果ではありますが、子どもたちの変化が感じられます。

 

さて、過去の歴史をひも解けば、現在起きている問題や未来への羅針盤になるとよく言われます。まさに、その通りだと私も思いますが、では、子どもたちが、歴史を楽しく学ぶには、日本史なら、縄文時代から始まって、弥生時代、古墳時代・・・と教科書を勉強すると、途中でイヤになってしまいます。(笑)

 

今日は、ゲームから歴史に興味を持つという内容です。韓国の歴史アドベンチャーゲーム「ペチカ」を紹介します。ゲームの舞台は、日露戦争終結後のウラジオストク(ロシア)で、主人公は朝鮮系ロシア人の青年「ピョートル」です。日本総領事館の幹部の命令で暗殺を繰り返す生活に耐え切れなくなったピョートルは、自由と引き換えに5人のターゲットを暗殺する任務を引き受けます。しかし、それが新たな問題を引き起こしていくストーリーです。

 

このゲームは、20世紀初頭の極東における複雑な情勢をゲームに落とし込んでいるのが特徴です。当時ウラジオストクには、約6000人の在留日本人が許住しており、日本とも関係が深かったのですが、ゲームとはいえ、背景情報に「第一次世界大戦」「ポリシェヴィキ革命」「韓国独立運動」など重要な出来事も語られます。まさに、歴史ドキュメンタリーのような内容をゲームにしたのです。

 

現在の小中学校は、1人1台タブレットを持っています。これなら、普通の教科書を使った歴史の授業ではなく、授業中に堂々とゲームで遊ばせて、ストーリーのその後を児童・生徒で話し合わせたり、日本と韓国、ロシアの近現代史について探求させるなど、さまざまな活用ができますね。

 

日本で起きた歴史上の出来事と同じ時に、世界はどうだったかを学ぶのは、これからの歴史の学びには重要になってきます。日本の子どもたちが、日本だけでなく世界を見据えることができると嬉しいですね。

2024年

10月

06日

リュックサック 前?後ろ?

保育園ホワイトきゃんばすが開園してからは、私の電車通勤がなくなり、電車に乗る機会が減ったのですが、時々電車の乗ると、サラリーマン時代の記憶と大きく違うことが2つあります。まずは、ほとんどの乗客がスマホをいじっています。新聞や本を読む人が激減しました。スマホで本も新聞も読めることも要因ですね。もう一つは、リュックサック通勤が増えたことと、ほとんどの人が、前リュックです。

 

通勤電車の中では、後ろリュックでは、周りのお客様にぶつかって迷惑になうことが理由ですが、街中でもよく見るようになりました。中身を容易に取り出せる。スリ防止にもなり、雨天時には傘からはみ出さないなど実用的でもあるようです。でも、見た目はいかがなものか?ですね。

 

通勤スタイルの変化で、仕事着のカジュアル化やノートパソコンの普及で、リュック利用者が増加。電車内などで持ち方が問われるようになりました。「混雑時は前に抱えて」などと呼びかける事業者も2018年くらいから出てきたようです。こうして、マナーとしての前リュックが、思いがけずに便利だと気付いて、新たなスタイルを生み出したようです。最近では、側面に手を入れやすいポケットを設けたり、上部にスマホを置ける開閉式トレーを備えて手ぶらで画面を見られたりするバッグも登場しているそうです。

 

いずれリュックは、背負うものから抱えるものに変わってしまうのか・・・。小学生のランドセルでも前になるのか。私が子どものころは、じゃんけんで負けると友だちのランドセルを持たされる遊びをしたものですが、前にランドセルを抱えて歩きました。しかし、足元が見えなくなって、バランスが悪いですね。前ランドセルは、子どもたちの安全を考えると、NGです。(笑)

 

私は、保育園には、定番中の定番「吉田カバンのポーター」のリュックサックで登園していますが、サラリーマン時代は、ノートパソコンを持参していましたが、手提げのカバンでした。前リュックで通勤したことはありませんが、今後、電車通勤の機会があれば、通勤時は前リュック、電車内が込んでいない時は、後ろリュックと臨機応変に使い分けると思います。

 

ここ数年で、新たに発生した「前リュック」文化・・・あなたは、取り入れていますか。

2024年

10月

05日

フードバンク苦境

今月末の閉園を前に、毎日のように懐かしいお客様です。開園当初に、通園していた男の子が、中学3年生になって遊びに来ました。高校受験真っ只中です。まぁ~どの高校に入学しようと、それで人生が決まってしまうことなどないので、「自分ができる最大限の頑張りを見せておくれ!」と、園長は言うだけです。(笑)

 

さて、今日はフードバンクの話です。個人や企業から寄付で集めた食品を経済的に困窮している人らに無償提供するフードバンクが、苦境に立たされているそうです。農林水産省によると、国内のフードバンクは、10月1日時点で278か所あるとのこと。ところが、物価の高騰で「自身の生活に余裕がなくなり、寄付を控える人が増えた。企業も在庫を抱えないように生産調整していて、寄付に回せるものが減っている」ということで、多くの団体が、提供する食品の量や種類を減らしたり、食品を渡す対象者を絞っています。

 

こうした中で、支援を強化する自治体も出てきたそうです。長野県は、2022年、県内の社会福祉協議会やフードバンクを手がけるNPO法人、食品スーパーと連携し、「県フードサポートセンター」を設立しました。県内27か所の相談窓口で支援を申し込んだ人に、約2週間分の食料を送ります。フードバンクへの寄付が乏しい時の食品購入や配送費などを県が負担するそうです。

 

農林水産省は、9月に政府備蓄米の無償交付の運用を全国10か所の窓口に絞っていましたが、全都道府県に拡充しています。フードバンク推進協議会代表理事の米山さんは、「まとまった量を見込める企業の寄付は、円滑な活動に不可欠だ。寄付をする量などで事業者を評価する仕組みの導入なども求められる」と言います。

 

では、世界では、どんな取り組みが行われるか見てみます。フードバンク発祥の地のアメリカでは、善意で提供された商品に事故があっても事業者の過失責任は問われません。イタリアは、スーパーなどの事業者が余剰食品を寄付する場合、税制上の優遇措置を受けられるようにしています。

 

「もったいない」という言葉は、残ってしまった食品を廃棄しないという意味と、食品を残さないように、適正に生産するという両方の意味が含まれています。企業が考えるのは、過剰在庫につながらない生産体制が、会社の利益につながるので、「残ったら、フードバンクがあるさ」と考えて、多めの生産計画を立てることはありませんね。

 

そう考えると、企業に頼ったフードバンクの運営から、行政が支援する形になっていくのでしょう。どちらにしろ、フードバンクが無くなることはあってはいけません。

2024年

10月

04日

パリのおむすび

今日は、運動会の練習をしようと、西文ひろばの前まで来たところで、急に大粒の雨が降ってきました。引き返して、屋上遊びに変更です。屋上も雨ですが、子どもたちは、シャボン玉を様々な形で楽しんでいます。手の中にシャボン玉を吹き付けて、泡を手のひらであやつっています。そして、エレベーターホールで、綱引きと玉入れの練習をしました。玉入れの練習は、なかなか西文ひろばでできないので、いい機会となりました。6歳男の子の技が進化しています。玉を5個まとめて持って、見事カゴの中へ・・・知的プレーです。(笑)

 

さて、今週から、朝の連続テレビ小説「おむすび」がスタートしました。子役なしで、いきなり橋本環奈さんが登場ですね。朝ドラは、注目度が高いので、評価も絶賛から酷評まで、色々と言われますが、私は、周りの意見は置いておいて、楽しむことにしています。

 

今日は、そんな「おむすび」の話です。パリオリンピックが行われた「パリおにぎり」が、今大人気だそうです。パリの「おむずび権米衛」での一番人気は、スパイシーチキンのおにぎりです。ドライトマトとオリーブを玄米に混ぜています。コンブとツナマヨのおにぎりも人気です。昼過ぎの店頭は長蛇の列で、「健康的で、味もしっかりしていておいしい」と評判だそうです。

 

気になる値段ですが、1つ平均3ユーロ(約470円)です。思わず「高~い!」と思ったでしょうが、パリでは、ラーメン1杯15ユーロで2000円以上するので、手軽な日本食として受け入れられているそうです。先日、おやじ旅仲間の一人が、フランスを旅行して、オムレツが有名な専門店に行ったそうです。何と、オムレツが6000円もしたそうで、ヨーロッパでの物価高と、円安がここまでの価格差となるなんて、呆れますね。

 

市内には、フランス人が開業したおにぎり専門店もあり、スーパーの店頭にもおにぎりが何種類も並ぶそうです。今後は、「おむすび」が、フランス人の食の選択肢の一つとして、当たり前になっていくのかもしれません。

 

では、日本のおにぎりブームはどうなっているのか。ある調査では、東京都内・大阪・名古屋・福岡各市内で、2023年1~10月に開業したおにぎり専門店の数は、前年の1.5倍だそうです。有名専門店では、外国人の姿も多いとのこと。そして、日本のおにぎり業界に、「パリおにぎり」が逆輸入されているそうです。サーモンやクリームチーズなどの洋風素材を使ったおにぎりや、ノリで巻くとは限らない発想もあるようです。

 

ごはんを2杯3杯とおかわりができないのに、おにぎりにすれば簡単に、2個3個食べられてしまう、この不思議な食べ物が、いよいよ世界に広がっていくようです。日本のおいしい食べ物が、今後世界に、さらに広がっていくのでしょう。楽しみですね。

2024年

10月

03日

掃除部

年2回子どもたちの健康診断を担当していただく、提携医の小児科の先生が、とても立派な胡蝶蘭を持って、「お疲れさまでした」のご挨拶に来ていただきました。園児の何人かは、行きつけの先生ですので、子どもたちのことをよく知っています。ありがたいですね。

 

さて、今日は、埼玉県立川口工業高校にある「掃除部」の話です。えっ?掃除部なんて聞いたことがありませんね。この掃除部が活動を始めたのは2007年のことです。赴任してきたばかりの理科の先生が、ネズミやゴキブリが走りまわる化学準備室や化学実験室を見てあぜんとしたといいます。そんな様子を見て、「僕たちが掃除するよ」と約10人の有志の生徒たちが掃除を始めてくれました。2年かけて、2つの部屋はピカピカになり、先生は、「こんなにきれいにできるのなら部活として活動してくれない?」と頼んだことから、「掃除部」がスタートしたそうです。

 

掃除部は、学校の壁のペンキ塗りや廊下のワックスがけなど、校内中を磨いていきます。長期休みに行う「合宿」では、学校に泊まり込んで掃除に専念します。2011年からは、学校周辺のゴミ拾いも行っているそうです。当初は「罰掃除?」と言っていた近所の人たちからは「いつもきれいにしてくれてありがとう」とお礼を言われるようになったとのこと。

 

掃除部は、ただ思い付きで掃除をするのではなく、とても計画的です。月初めに校内を見守り、「どこをどうやって掃除をするか、1か月分の計画を立てるそうです。主な掃除場所は、校舎内や正門付近で、月に2回程度は近所のゴミ拾いや草むしりを行うそうです。

 

もちろん、部室もあって、ここには、数十本のほうきやブラシ、長靴などの清掃道具が並びます。業者が使う大きな容器に入ったワックスも積み上がっていて、床掃除用の機械も使いこなします。卒業生が清掃会社から「即戦力」として採用されるほど、技術も高いようです。代々受け継がれてきたモットーは、「掃除してやっていると思うようなら辞める」と言うように、掃除に対する姿勢は、とても前向きです。

 

何と、「スポゴミ甲子園」という全国大会があるそうです。これは、高校生が3人一組になって、スポーツのように拾ったゴミの種類と量を競い合う大会です。ここで、川口工業高校の掃除部は、2度も優勝しています。昨年からは、地元の小中学生やその親を巻き込んでゴミ拾い大会を開催しているそうです。

 

「川口から掃除に無関心な人、平気でゴミを捨てる人を減らすために掃除部として頑張っていきたい」と部員たちは意気込みます。

 

どうですか・・・こんな高校生たちを心から応援したいですね。

2024年

10月

02日

新幹線60年

今日は、1・2歳児も一緒に運動会全体練習です。入場行進は、お兄さん、お姉さんと手をつないで、堂々と入場です。そして、運動会の一番最後に、園児も保護者も先生たちも一緒に、あのフォークダンスの王道「マイムマイム」を踊ります。単調な曲の繰り返しですが、子どもたちには、大いに響いたようで、さっそくおうちに帰ったら、ママパパに教えるのでしょう。 

 

さて、今から60年前の10月1日に、東京オリンピック開催にギリギリ間に合うタイミングで、夢の超特急が開通しました。昭和39年は、私が生まれた年なんですが、新幹線・東京オリンピック・首都高速道路と、日本の高度成長期を支える、大きな一年となりました。

 

東京・名古屋・大阪の3大都市を結び、日本の経済・社会の発展とともに走り続けてきた東海道新幹線ですが、これまでのべ約70億人が利用しました。開業以来、乗車中に脱線や衝突などの列車事故で死亡した乗客がゼロというのも有名な話ですね。「団子っ鼻」で人気を博した初代0系は、営業列車として世界で初めて210キロでの走行を達成しました。

 

新大阪駅から東京駅へ向かう東海道新幹線の一番列車「ひかり2号」の運転士を務めた大石さんは、現在91歳ですが、当時を振り返ります。大石さんは、あえて京都市内のトンネルをゆっくりと走り、遅れを取り戻すための回復運転で、大津市付近の直線で速度をあげます。次の瞬間、速度計の針は210キロを指しました。時間調整のため、東京・新橋近くを減速して走っていると、ビルの窓から顔を出したサラリーマンがハンカチを揺らして歓迎してくれたそうです。一番列車は、予定通りの午前10時ぴったりに東京駅のホームに滑り込んだそうです。当時は、東京ー新大阪間は4時間かかっていました。現在のN700S系の最新車両の営業最高時速285キロで、2時間25分です。

 

東海道新幹線の成功は、世界の鉄道計画に大きな影響を与えました。フランスでは、1981年に高速鉄道の「TGV」が、1991年にはドイツで「ICE」が相次いで開業します。技術面では、海外輸出第一号となった「台湾新幹線」が2007年に開業。日本の車両技術や信号システムを採用しています。

 

新幹線開業当時は「国鉄」でしたが、1987年に民営化されると、JR東海が東海道新幹線の事業を引き継ぎます。みんながよく知っている東京駅は、JR東日本の駅ですが、東海道新幹線のホームは、JR東海の管轄となり、ホームの売店もJR東日本の東北・上越・北陸新幹線とは、微妙に違います。

 

みなさんは、そんな東海道新幹線を利用していますか。私は、サラリーマン時代に、東京から神戸の本社まで、新幹線の日帰り出張が常でした。もう数えきれないくらい、東海道新幹線を利用しました。硬すぎる車内販売のアイスクリームも大好きでした。(笑)新幹線は、東京ー大阪間の日帰り出張を可能にしたのです。

 

2027年東京ー名古屋間開通を目指す、リニア中央新幹線は、ほぼ地下鉄です。タイムイズマネーのビジネス需要や500キロを体験したい人にはいいですが、東海道新幹線が無くなることはありません。ひかり号やこだま号が増えて、地域密着の新幹線になるかもしれませんね。

 

日本が世界に自慢できるモノの一つは、間違いなく「新幹線」です。今後は、どんな姿に進化していくのか・・・楽しみですね。

2024年

10月

01日

うどん生産量2位の埼玉県

今日は10月1日です。さいたま市の認可保育園の空き情報が公開されます。今月末で閉園するにもかかわらず、「最後まで、ホワイトきゃんばすを見届けたい!」とう保護者が多く残ってくれています。そんな保護者の皆様は、今日の情報を参考に、11月からの転園手続きを行います。私自身も、事前の保護者の意向を汲んで、最善のシミュレーションをずっとしています。

 

後は、保護者が最終決定をして、10月10日までに行政に提出します。10月は、運動会やお別れ会などの行事がありますが、無事に11月以降の子どもたちの転園先が決まるまでは、気が気ではありません。「どこにも行くところがない!」ということはありませんが、多くの保護者が第一希望の園に決まってほしいと願います。

 

さて、埼玉県の特産品は、たくさんありますが、「全国2位」というのが、かなりあります。新一万円札渋沢栄一のふるさと、深谷ネギが有名ですが、ネギの収穫量は、全国2位です。同じ農産物では、「小松菜」「かぶ」「くわい」も全国2位です。意外なところでは、チューリップの産出額も2位だそうです。そして、私たちが大好きな庶民の味・・・「うどん」も、生産量は全国2位です。あの香川県には、倍の差をつけられていますが、堂々の2位です。「うどん共和国」として、香川に負けないうどん国を作ろうという動きもあります。

 

埼玉県の農家には、「朝まんじゅう、昼うどん」という言葉が伝わるように、小麦文化が定着しています。香川にも多くのうどんの種類があるのかもしれませんが、埼玉県の強みは、そのバリエーションの豊富さです。

 

太くてコシがしっかりとした「武蔵野うどん」は、私が一番好きなうどんです。盛りうどんを冷たいつゆで頂く「加須(かぞ)うどん」、秩父の冬の定番「おっきりこみ」、渋沢栄一が愛した「煮ぼうとう」、荒川の川幅日本一にちなんだ「川幅うどん」、ご当地カレーナンバーワンを競うC-1グランプリの主菜部門で2度もグランプリを獲得した北本トマトカレーをかけた「トマトカレーうどん」、かつてソース工場があったことから生まれた「鳩ケ谷ソース焼きうどん」など・・・挙げればきりがありません。

 

利根川と荒川の良質な水に恵まれた豊かなうどんは、うどん文化が栄えているだけでなく、県内のうどんを県外にアピールしようとする人たちの活躍が大きいですね。

 

「あの?2番じゃダメなんですか?」はい・・・2番でいいのです。うどん王国香川県を抜かそうなんて思っていません。せいぜい、「うどん共和国」ぐらいでいいですね。でも、全国2位・・・銀メダルですよ。

2024年

9月

30日

スナックミー

今日の運動会の練習では、土のグラウンドの上をハダシになって「組体操」の練習をしました。毎年、感動が生まれる「組体操」ですが、子どもたちは、ハダシです。今日のところは、「足が痛~い」と文句を言う園児や、足が汚れるのが嫌な園児もいますが、本番まで、少しずつ慣らしていきます。

 

さて、今日は「おやつ体験」のサブスクの話です。私たちが、お菓子を食べる時には、ほとんどの場合が、店舗で購入します。製造販売まで一貫して行う菓子メーカーは、工場で製造したお菓子を販売しますし、街の洋菓子店なら、パティシエが作ったケーキを販売します。しかし、インターネット発の製菓メーカーとして、2015年に創業した「スナックミー」は、お客様の好みに合わせたお菓子が、「おやつの定期便」で、毎週または月に一度届きます。

 

時代の流れだなぁ~と、元洋菓子メーカーで仕事をしていた私は感じます。購入者は、小箱を開ける瞬間までどんなおやつが届くかわからない。開ける前のドキドキ、開けた瞬間の驚きを含めての『体験』を提供します。お客様からは、「私のおやつの新しいドアを開けてもらった」という声をもらったこともあるとのこと。

 

創業から3年が経過した時、こんなことがあったそうです。売上の数値に目がいってしまい、「体験」ではなく、「モノ」を売っている感覚に陥ってしまったそうです。モノとして安くてよいものを売るか、体験を売り続けるか迷い、社長自らユーザーの方々に、直接話を聞かせてもらったそうです。利用者が求めているのは、「ワクワク感」であることを再確認し、そこからは、「体験」に価値を置くことに迷いがなくなったそうです。

 

2022年には、都内で実店舗をオープンし、今年8月には3店舗目となる「スナックミースタンド押上店」を開店。目玉商品は、白砂糖不使用で無添加のソフトクリームです。安定剤が入っていないため溶けやすく「賞味期限は60秒」のソフトクリームだそうです。社内で共有しているのは「小さく、早く、動いて大きな成果につなげる」です。この60秒のソフトクリームも開発から販売までわずか2か月。その間、社長は約50個のソフトクリームを食べ歩いたそうです。

 

「おやつと世界の両方を面白くしていく中で、将来は既存の大手製菓メーカーと何かしらの形で肩を並べるぐらいになりたい」と社長は意気込みます。

 

「お菓子」という食べ物は、ごはんやパンといった私たちが生活していく中で、不可欠な主食ではありません。でも、私たちは、お菓子を食べることで、心が落ち着いたり、会話が弾んだり、なんだか、幸せな気持ちになります。記念日のケーキは欠かせないものですね。それゆえに、スナックミーのような、「体験」を売りにする商売が当てはまるのでしょう。

 

あなたは、どんな時に、お菓子を食べますか。

2024年

9月

29日

「はだしのゲン」の講談師 神田香織

「はだしのゲン」という漫画をご存じですか。40歳代以上の昭和世代は、図書館で読んだり、何らかの形でこの作品を知っている人が多いです。2012年に亡くなった、広島市生まれの漫画家、中沢啓治さんが、自らの被爆体験を題材に制作した長編漫画です。父と姉、弟を原爆で亡くしても、逆境にめげず、たくましく生きる少年、中岡元(げん)の成長を描いた作品です。

 

広島市教育委員会は、2013年度から市内の全小中学校、高校で学齢に応じて作成した教材「ひろしま平和ノート」を使い、「はだしのゲン」は、小学校3年生向けの教材に一部が引用、掲載されていました。ところが、2023年度から削除されたのです。その理由は、ゲンたちが浪曲のマネをしてお金を稼いだり、栄養不足を補おうと裕福な家の池でコイを釣る場面が引用されていたことで、「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」「コイ盗みは誤解を与える恐れがある」ということです。

 

そこで、漫画「はだしのゲン」を基にした講談を語ってきた講談師の神田香織さんが、広島への原爆投下から終戦までを題材にした「ふまれても麦のように生きろ!ゲン」を18年ぶりに、今年の夏に口演しました。「ひろしま平和ノート」からの削除に「私自身の生き方を否定されたよう」と訴えます。

 

先ほどまで、録画していたこの講談を観ていました。「はだしのゲン」は、漫画ですので、生々しい絵が訴えかけてきますが、神田さんの講談は、彼女の語りから来る内容を想像するものです。原爆が投下されたシーンなどは、まるで、昭和20年8月6日のあの場所にいるかのような感覚でした。

 

神田さんは、現在69歳ですので、原爆投下の時には、まだ生まれていません。しかし、現在もウクライナ、ガザと世界で戦火が絶えない現状に、「ゲンの姿を通し、戦争の惨禍をわが事として感じてもらいたい。今起きている戦争を止めるため、何ができるかを考える機会になれば」と願い、「今こそ、『はだしのゲン』を平和教育に生かすとき」と強調します。

 

神田さんの活動は、戦争を若い世代に伝える一つの手段ですが、あらためて「はだしのゲン」手に取ってみませんか。

2024年

9月

28日

山の神

今日の特別活動は、お馴染みの上尾市にある丸山公園に行ってきました。長いローラーすべり台は、まともにお尻で滑ると、お尻がムズムズになってしまいます。いい年をした園長が、5人の子どもたちと列車のようにつながって滑りました。ちょっと恥ずかしかったですが・・・(笑)

 

さて、今日は「山の神」の話です。八百万(やおよろず)の神の話でも、箱根駅伝の箱根の山を登る選手の話でもありません。はい、魚の話です。みなさんは、ヤマノカミという名前の魚を知っていますか。漢字で、そのまま「山の神」と書きます。体長15センチほどのカジカの仲間です。川と海を行き来する回遊魚の一種で、国内では九州の一部にのみ生息する絶滅危惧種でもあります。

 

名前からは、神々しいイメージを連想するヤマノカミですが、名前の由来を知ると複雑な気持ちになります。聞いてください。

 

「昔々、山の神様がいました。醜い女の神様で、それはそれは嫉妬深く、美しい女性が山に立ち入ると怒り狂って災害を引き起こしていました。困り果てた人々は、山の神様の機嫌を取るため、とても不細工な魚をお供えしました。するとどうでしょう、山の神は自分より醜い姿をみて高笑いし、とうとうご機嫌になりました」

 

ここで登場する不細工な魚、これがヤマノカミです。実際に似たような言い伝えは全国津々浦々で継承されているそうで、いつしか、カジカやオコゼなど、見た目の醜い魚を山の神に備える風習が生まれたとのことです。ちなみに、生魚でなく、干物にしてお供えするのが一般的だそうです。

 

どうですか・・・本物の「山の神」が見たくなりましたか。埼玉県が誇る淡水魚水族館「さいたま水族館」で、10月5日から特別展「おさかな津々浦々」が開催されます。そこに、ヤマノカミが登場するそうです。

2024年

9月

27日

高校生の力

今日は、小雨が降っていたので、西文ひろばでの練習はなしにして、教室内で、ダンスと組体操をやってから、屋上遊びをしました。久々に自転車に乗る園児たち・・・自転車に乗れるようになると、自転車免許証を発行して、子どもたちのやる気を引き出していますが、自転車に乗って遊ぶ保育園は、うちぐらいしかないかな?と、あらためて思ったりします。

 

さて、今日は、シンガーソングライター「さだまさし」さんの話です。さださんは、今から20年前の中越地震で長岡の友人をお見舞いで訪ね、頼まれて避難所で歌ったそうです。その時に、被災者に大変喜んでもらい、歌うことで元気がでることを教わったそうです。東日本大震災の後も休みになると一人で歌いに行ったそうです。

 

そのうち、個人ではもう限界ではないか、組織として活動した方がいいのではないかと言われるようになり、「風に立つライオン基金」を立ち上げます。こうして、災害があるとこの基金が役に立ち、軽トラックも提供し、能登半島地震でも財団として、回を重ねて物資を届け、炊き出しライブに出向きます。

 

さださんは、いつかは、自分も高齢となり、身を引くことになるけど、この活動は続けていかなければならないと考え、「高校生ボランティア・アワード」を始めます。若い人にバトンを託すつもりで、ボランティア活動に打ち込む高校生に光を当てたのです。

 

実は、高校生のボランティア活動は、様々な場面で社会を支えています。例をあげると、岡山県総社市の水害の際、高校1年生の女の子が市長に「私たち高校生にできることはありませんか」とメールしたところ、「市役所に手伝いに来てください」と返信があります。これをSNSで拡散させると、連日、大勢の高校生が集まったそうです。自衛隊の派遣を求めるまでもなく、泥かきに向かったそうです。

 

「ライオンカフェ」というボランティアが集える場所では、高校生が年下の子どもたちに勉強を教えたりもします。支援物資の仕分けなども高校生が中心となって進めたそうです。高校生ボランティア・アワードは、来年で10周年を迎えるそうです。さださんは、「高校背は絶対に力になる」ことを確信したそうです。

 

「高校生の力は社会を支える」とまで、さださんは言いますが、その通りですね。

2024年

9月

26日

遊びで楽しく読書習慣

保育園閉園に伴い、今後使用しないグッズをほぼ毎日、子どもたちにプレゼントしています。おもちゃ・文具・洋服・本などの小物だけでなく、カラーボックスやクーラーボックス、アウトドアテーブルなども保育園前に並べて、持って帰ってもらっています。6歳女の子姉妹は、小学生低学年が読む童話を持って帰りました。毎日コツコツと二人で合計6冊くらいになります。読書習慣がある二人は、ひらがなはスラスラと読めるので、1日1冊ペースで読んでしまいます。姉妹が読書好きになったきっかけは、ママが図書館に連れて行く習慣があったからです。

 

「子どもに読書の習慣を身につけてほしい」と願う親は多いです。しかし、毎日のように読み聞かせをしても、子どもが読書好きになるとは限りませんね。そこで、「アニマシオン」というスペイン発祥の読書教育を紹介します。

 

子どもが好きな本や昔話など知っている話の本から遊びを取り入れるのが良いといいます。例えば、○×式のクイズにします。「桃太郎のお供は、サルと犬とキツネだったね?」「シンデレラは帽子を落としたのかな?」なんて、わざと間違えて問題を出すと、たちまち「それは違うよ!○○だよ」なんて、子どもは盛り上がります。

 

また、「かぐや姫が月に帰った時、おじいさんとおばあさんはどう思ったかな?」などと投げかけ、登場人物の気持ちを親子で一緒に考えれば、想像力を培うことができます。クイズは、親から一方的に出すだけでなく、子どもからも出してもらうとさらに盛り上がりますね。自分で問題を出すには、物語の内容を把握していないとできません。

 

幼児期の読書は、語彙力や読解力、想像力が身につき、学習の基礎を養う点でも重要なことは、多くの親は認識していますが、子どもに読書習慣を身につけさせるのが難しいのです。

 

目に見える環境としては、自宅で子どもがすぐに手に取れる場所に本を置いたり、親が本を読む姿を子どもに見せることと、昔からよく言われてきましたが、冒頭の姉妹の話のように、親子で図書館へ行く習慣が、効果的ですね。親だって、子どもの付き合いではなく、きちんと目的を持っていくことが大切です。「○○を調べる」「○○の勉強をする」でもいいですね。

 

子どもにとって、「とっておきの1冊」に巡り合うのも効果的です。私が、小学生の時にハマったのは、「怪人20面相」シリーズです。明智小五郎と小林少年に憧れました。

 

さぁ~読書も遊びです。我が子の読書習慣・・・一緒に考えていきましょう。

2024年

9月

25日

東大現役合格者ナンバーワンの高校

今日は、屋上ファームで「サツマイモ」の芋掘りをしました。子どもたちが、ファームで収穫をするのは、本当にこれが最後です。土の中から「うんとこしょ・どっこいしょ!」と言いながら、サツマイモのつるを引っ張る子どもたち・・・いつもの光景です。でも、これが本当に最後です。(涙)夏の暑さの影響か、大きなサツマイモはあまり収穫できず、不作に終わりましたが、子どもたちの楽しみは、土の中から現れる幼虫たちです。大いに盛り上がっていました。(笑)

 

さて、横浜の山手にある聖光学院は、中高一貫の男子校です。校舎が、あのコミック「ドラゴン桜」のモデルになった建物です。実は、この高校は、東大現役合格者数が86人という進学校としても有名です。ここは、「ドラゴン桜」のストーリーともかぶります。東大合格者数1位の開成高校でも現役合格率は3割ですが、聖光学院は4割です。さぞ、勉強漬けの毎日を送っているかと思えば、そうではなく、年間スケジュールには、キャンプに宿泊旅行、海外視察、一大イベントの文化祭などの行事がめじろ押しです。

 

「聖光は、とにかく行事が多い。コロナ禍の中でも、校長先生が意地でも行事を中止しなかった」と、生徒は語ります。その校長先生の名前は、工藤誠一さんです。

 

「『成績』というたった1本の旗を取り合うのではなく、ひとりひとりが得意分野や個性に合わせて自分の旗を取りに行けるよう、様々な舞台を用意しています」と工藤校長は語ります。トップダウンで指示するタイプではなく、どちらかと言えば、生徒や教師陣のやりたいことをサポートするタイプのリーダーのようです。

 

勉強については、「課題やテストを通じて、生徒にコツコツ学習する習慣を身に付けさせるのが本校のやり方。長い時間をかけて、『周りもやっているからべんきょうしなきゃ』という雰囲気をつくってきたのです」とあるベテラン教師が語ります。

 

工藤校長は、2004年に校長へと就任すると「聖光塾」などの課外教育を充実させると同時に、帰国子女を対象とした英語のクラスを導入したり、クラスを分けて個別指導や補習も行い教育の底上げに取り組みます。生徒にグローバル水準を経験させるために、欧米やアジアなどでの海外研修も多数設けます。「いろんなことに挑戦すれば、複数のタスクを整理し優先順位をつけることや、それぞれへの時間配分もうまくなる。生徒にも教員にも20年以上『複線の人生を設計しよう』と言い続け、校風としても根付いてきたと思います」と工藤校長は語ります。

 

教師に大事なのは志を持ち、夢を語ることと言います。「教師が『夢みたいなことを言うな』と生徒を叱ったら、子どもたちはもっと夢を持てなくなる。学校の経営者は教員の生活を安定させ、思索の時間を確保することで、夢を語れる環境をつくるのが仕事なのです」と熱く語ります。

 

でも、ちょっと待って・・・これだけ東大の合格率が高い学校なら、優秀な生徒が集まって来るから、こんな取り組みができるんじゃないの?と思ったあなた・・・

 

工藤校長は、「確かにイベントが多いのも、生徒に運営を任せられるだけの力があるからです。ただ本校で教える私たちの使命は、目の前にいる優秀でいろんなことに目配りできる子たちを、もっと優秀で目配りができて、さらに思いやりのある子に育てることです」ときっぱりと言います。

 

思いやりのある子・・・成績が優秀であろうがなかろうが、ここを目指すのは、教育としては、間違いないですね。

2024年

9月

24日

イチローが女子高生と戦うわけ

ようやく秋らしい陽気となり、運動会の練習でも子どもたちはキビキビと動きます。疲れを感じないのか、紅白対抗リレーは、2レース行いました。そして、今日の寺子屋は、運動会のポスターに使用する絵を描きました。30メートル走・紅白対抗リレー・サーキットレース・ダンス・玉入れ・綱引きと、今まで練習してきた種目を子どもたちがチョイスして描いています。西文ひろばにポスターが掲示されると、「いよいよ運動会!」という気分になってきます。

 

さて、今日は、昨日のイチロー選手の試合について話します。女子高校生日本選抜と、イチロー、松井、松坂といった夢のビッグスターがチームを組んだ試合です。もちろん、私は最初から最後までじっくりとテレビ観戦していました。東京ドームには、プロ野球の公式戦でもないのに、およそ3万人の観客が集まりました。

 

試合は、いきなり、イチロー投手が、打ち込まれ、初回に3失点で、「さすがのイチローも衰えたか・・・」と思ったものの、最終回には、松井秀喜のホームランなどもあって、イチローチームが大勝します。コテンパンに、女子高生が負けます。そう、イチローは本気だからです。でも、生まれて初めて、投手として10安打以上打たれます。イチローは、高校時代は投手でしたが、ここまで打たれたことはありません。ふだん、女子高校生のピッチャーのストレートは、120キロ行けば速い方です。イチローのストレートは137キロですので、やはり、女子高生チームが強くなったのです。

 

松井のホームランがあまりにも劇的だったので、テレビ的には、「イチロー&松井&松坂」の3ショットを盛り上げていましたが、試合後のイチローは、女子高校生たちの「敬意の姿」を褒めたたえていました。「こんなすがすがしい気持ちで野球をしたことはない。君たちは素晴らしかった」ときちんと、この試合の目的をメッセーで残したのです。

 

イチローの女子高校生選抜との試合は、これで4年目です。「男子は高校野球、大学野球、プロ野球、MLBと僕が関わらなくたって、もう勝手に盛り上げてくれる人がいるから、言ったら僕なんか必要ない。いなくたって別にいいわけですよ。男子は、うまい子はプロに進むという『箱』があるわけですよね。プロ野球をやっている人には先にMLBがあったりするわけで、女子にはまだそれがない。でも、女子の野球人口が増えてくれれば、そういう可能性がでてくるわけです」とイチローは言います。彼が真剣勝負をするのも、これが、遊びの延長ではないことを示したいからです。

 

こうして、「イチローさんと試合がしたい」という女子校生が増えているそうです。そして、2年目から、この考えに賛同した松坂選手に、今年は、WBCでさえ大人の事情で欠場した松井秀樹選手も、イチローの考えに共鳴したのです。

 

ほんの数年前までは、女子のプロ野球リーグがありました。でも、興行で利益を出す、選手にまともな給料を出すことができなくなりました。イチローの行動は、あらためて、女子野球の未来を担っているのです。そんなイチローにますます魅力を感じるのです。

2024年

9月

23日

「はて?」

お彼岸に、ようやくヒガンバナこと曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が間に合ったかな?と言った感じです。埼玉県の有名なヒガンバナの名所「巾着田(きんちゃくだ)」では、今日の段階でも、まだ1分咲きほどだそうです。この暑さの影響で開花が遅れています。赤色の神秘的な姿は、今月末にならないと見られないようです。

 

「はて?」と聞いて、ピンと来た人は多いと思います。日本初の女性裁判所長「三淵嘉子」さんをモデルにした、朝ドラ「虎に翼」で、ヒロイン寅子の決めゼリフというか、このドラマの象徴的なつぶやきです。ついつい、私も感化されて、これは、少しおかしいなぁ~と思った時に、「はて?」を使ってしまいます。(笑)

 

ドラマの方は、今週がいよいよ最終週ですので、金曜日の結末を楽しみにしておくとして、このドラマは、ただの女性の権利という枠を超えて、様々な要素が詰め込まれた、壮大な内容だと感じています。主人公寅子の明るい性格や、「はて?」や変顔など、笑えるシーンがたくさんあるので、毎日が楽しいドラマになっていますが、扱う内容は、とても奥深いです。

 

夫婦別姓については、いまだに法律的には認められていませんが、自民党の総裁選挙で、これを口に出せば、世論からは「よくぞ言った!」となるものの、党内の多くの議員が、「旧姓の通称使用」を支持します。会社では、旧姓を名乗り、戸籍では夫の姓という女性は、とても多くなりました。主人公の寅子の「はて?」は、姓が変わることで、これまでの自分が消えるような気がする。「星寅子」になれば、「佐田寅子」つまり「弁護士として生きた自分、裁判官として生きてきた自分、たくさん失敗をして前に進んだ自分」、その経歴、歴史が消える気がすると、言ったのです。

 

寅子の再婚のシーンでは、裁判の形を取った結婚式を仲間が演出します。「同じ姓を名乗るか、それぞれの姓を名乗るかは、夫婦間で自由に決定するべきである。それは憲法により保障された権利のはずである」と主張する人たちの個々の理由は様々でしょうが、ここでは、「自分のことは自由で決める、名字だって、生き方だって・・・」を強く感じる名シーンでした。

 

そして、今まで何度も朝ドラで描かれてきた「戦争」です。「虎に翼」では、戦争前の寅子が卒業した明律大学法科の同級生たちの姿と、戦争後に再会したシーンまでとても丁寧に描いています。過去と現在は、ちゃんとつながって歴史を作っている。戦争は、今を生きる人間の「責任」とまで踏み込んでいます。このドラマで、原爆裁判を考えることは、戦争を知らない私たちのような多くの日本人が、戦争を知るきっかけにもなります。

 

こう考えると、「はて?」には、壮大なテーマと問題意識が込めらえていると、私は感じるのです。大げさと思うかもしれませんが、寅子の「はて?」をかみしめながら、今週の朝ドラを楽しみたいと思います。

2024年

9月

22日

どこで、自分の花を咲かせるか?

今日は、自分の花を咲かせる「働きの場」をどこに置いたらいいのか・・・を考える、少し重い話です。大谷翔平選手が、とてつもない記録を達成し、大相撲では、大の里という将来横綱の期待がかかる若きヒーローの話題で持ち切りですが、現実の私たちは、日々もがいて、時には苦しく、時には楽しく生きているのが本当のところです。

 

2012年に、故渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」が ベストセラーになりました。仕事において、現在自分が置かれた場所で、花を咲かせなさいとう内容です。

 

ある国産車の新人ディーラーの話です。最初は、車が全然売れず、「なんでこんなことをしているんだろう」と悔やむ日々。でも「やるしかない」と腹をくくります。自己啓発本やハウツー本を読み、共感したことを実践するうちにやっと1台売れます。配属されてから、何と14か月が過ぎてからのことでした。「帰り道にお客様の下取り車の中で自然と涙が出てきて、ひとりで大泣きしたことを今でも生々しく覚えています。あの時、適当な理由をつけて会社を辞めなくて本当に良かった。咲ける場所を探す生き方もよいと思うけど、まずはとことんもがいてみてはどうかな、と思います」と、本人は語ります。

 

一方、もがき続けているものの、「花を咲かすことができず、つぼみのまま耐え忍んでいた」という方もいることでしょう。そんな経験者は、「できるなら咲ける場所を探す生き方がいい。自分は我慢し続けた結果、年齢的に次に行くことが難しくなってしまった。今は、家族のために、仕事が自分に向いていないと感じるが、耐えている」と言います。

 

「置かれた場所で咲いていたら、土がなくなる可能性も土壌が汚染されて死んでしまう可能性もある。それなら、スキルを磨いて他の場所へ出ていこう」というのが、今の若者の多くの考えかもしれません。逆に「就職氷河期にせっかく拾ってもらった恩がある。育ててもらったし、愛着もある」という考えをもつ昭和世代も多いですね。かつての企業は、新入社員をゼロから育てるという考え方が当たり前で、「即戦力」の中途採用が少なかったです。

 

色々と書きましたが、結局は「良いところだと思えるかどうかは、自分の心の問題なのでは?」・・・なんて、結論を出すのは、もう少し待ってください。(笑)

 

「やりたいことを見つければいいんだよ・・・」って、私たちは、いとも簡単に言ってしまいますが、まずは、「自分に何ができるのか」が先ではないかと思ったりします。「やりたいこと」は、恋愛みたいなもので、相手もこっちを向いてくれないと一方通行です。仕事もやりたくてもやらせてくれる職場がないとできないですね。

 

う~ん・・・ますます、ややこしくなってきましたね。どんな場所で花を咲かせるのか。そして、咲かせられない時はどうすればいいのか。これは、時代が変わっても、誰もが直面する問題かもしれません。

 

保育園ホワイトきゃんばすの閉園に伴い、子どもたちの環境は、大人の都合で決まります。ここは、大人が責任を持って見守っていきます。保護者のお仕事は、これを機に転職は、ほとんどありませんが、保育園職員は11月以降の道を考え、行動しています。

 

私は、「自分にできること」と「自分がやりたいこと」の両方を満たす場所を見つけたいものですね。(笑)

2024年

9月

21日

夏物まだまだ売ります

9月もお彼岸だというのに、今日の屋上は「氷遊び」で盛り上がります。小学生の氷遊びは、科学の実験のようで、保育園の子どもたちは、わくわくするようです。

 

ということで、以前なら9月になると「秋になったね」なんて言っていたのが、夏が延びているのが実態です。アパレル業界は、日本の四季を「五季」にわけて、年間戦略を立て直しています。

 

ファッションの世界は、少し先の季節を意識した流行品を紹介してきました。今の時期は、秋冬向けのウールのセーターなどを中心に販売するのですが、今年は、ほとんど見かけません。今も、真夏を思わせる服を並べないと、売上が取れないようです。

 

長引く夏に対応するために、これまで、5~7月としていた「夏」を、「初夏・盛夏」(5~7月)と「猛暑」(8、9月)に分け、1年を四季ではなく「五季」とする商品計画を大手アパレルブランドの三陽商会が発表しました。夏物を昨年比で20%増やし、家庭で洗濯できるジャケットや、触るとひんやりする「接触冷感」機能があるカットソーなどを新たに提案し、9月いっぱい販売を続けるそうです。

 

また、百貨店などの夏のセール時期も今年は変わったそうです。銀座松屋は、例年6月下旬に行うセールを3週間遅らせて、7月19日に始めました。「夏が長くなる中、セールを打つ適切な時期も変わってきている」と担当者の話です。

 

私が、洋菓子業界で仕事をしていた時は、9月は、はざかい期で、チョコレートをデビューさせるには、まだ早すぎて、あまり売れない。でも、ゼリーなどの夏商品を売るには、「秋」の季節感が出ない・・・と、展開が難しい月でした。しかし、9月は夏という認識が定着すれば、食品業界の秋商品デビューも変わってきます。ビール業界の「秋味」は、10月からでないと、季節感が演出できませんね。

 

地球温暖化の影響は、環境問題だけでなく、様々な業界の商品政策を見直すくらいの大きな問題になっているのです。日本には、秋と春という素敵な季節があるのに、夏と冬だけの季節になりつつあります。おしゃれにも影響しますね。

2024年

9月

20日

昆虫ホテル

昨日体操スクールの体験教室に行ってきた、5歳男の子。体操では、保育園ホワイトきゃんばすのエースです。彼は、トランポリンをジャンプして、そのまま前回りをいとも簡単にやってのけました。体操スクールのメンバーは、小学生ばかりだったようですが、彼レベルの児童はいなかったようです。保育園の体操着で参加したので、「恐るべし!保育園ホワイトきゃんばす!」と一目置かれました。正式にスクール入会の手続きをしたとのことで、彼の活躍が楽しみです。

 

さて、今日は、「インセクトホテル」こと、昆虫のためのホテルの話です。日比谷公園の近く、東京日比谷パークフロントの緑地に高さ約90センチ・幅約1.2メートルの木の家のようなものがあります。中は、格子状に分かれて枝や布が詰められています。上部には、枝で「インセクトホテル」とあります。ビルの従業員や家族が参加する夏休みイベントの一環で制作されたそうです。虫だけでなく鳥類なども飛来します。

 

インセクトホテルは、近年欧州を中心に広がっている取り組みで、昆虫のすみかを提供することで、昆虫の多様性や生態系を守ろうとう狙いがあります。公園や市民公園などでもよく設置されていて、デザイン性の高い物が増えているそうです。さすが、ヨーロッパですね。

 

「え~虫だって!?」と虫嫌いの人は叫ぶでしょうが、多様な生態系を維持するためには、虫は必要不可欠な存在です。虫がいなくなれば、虫を食べる鳥が消え、さらに鳥を捕食していた哺乳類、猛禽類が消え、植物の種を媒介するものも消え、いずれは人間にも巡ってきます。ミツバチが滅べば、人類も数か月で絶滅すると言われています。都市化が進み、カメムシやバッタなどの大量発生以外の多くの昆虫の数は減っています。

 

私の子どもたちが通った、小学校には、かつて「ビオトープ」がありました。ビオトープは、水生昆虫を集める水を使った池のような施設ですが、このビオトープを作るよりも、インセクトホテルは手軽に取り組めますね。

 

さぁ~あなたの家に庭があるようでしたら、インセクトホテルを子どもと一緒に作ってみてはいかがですか。ホームセンターで購入した板を切って、中に竹筒や丸太、笹の葉などを詰めるだけで簡単にできるそうです。子どもの自由研究と思えば、虫嫌いの人でも克服できるかもしれませんね。

2024年

9月

19日

上司の誤解

今日は綱引きの練習です。初めての練習では、綱を引くどころか、綱を押してしまったり、綱を持ってただ立っているだけの園児もいました。保育園園児が、綱引きをすること自体、チャレンジレベルではありますが、全く話になりませんでした。ところが、今日は、ずいぶんと様になってきました。一人一人、綱の持ち方、低い体勢の取り方を教えていくと、綱引きの楽しさが、少しずつ子どもたちに伝わっているようです。白熱の勝負をパパママに見てもらいたいですね。

 

さて、私がサラリーマンだった頃は、「セクハラ」という言葉はありましたが、部下との付き合いに、あまり気を遣うことはありませんでした。しかし、時代の流れは、組織の中でも急ピッチで進んでいます。「○○ハラスメントみたいな言葉や表面的な『多様性』などの言葉が全員の好きなように解釈されて、独り歩きしている。上司は怒りづらくなり、怒られたくない部下との関係の中で人間的な成長が軽視されている」と、ある若手社長の発言が注目されています。

 

「不適切にもほどがある」のドラマ以降、「昭和」のやり方の中にも、参考になることがたくさんあることを知ります。「仕事を覚える」「コミュニケーションを図る」ことは、上司や先輩たちから教わることが多かったのが、私の新入社員時代です。今でいう「パワハラ」のような怒られ方もありましたね。

 

今の管理職は、ハラスメントを恐れるあまり、部下の成長を奪っているのかもしれません。若者の本音は、上司が思っている内容と違うようです。

 

社内で疲れた表情を見せる部下に対して「飲みながらでも話でも聞くか?いや待て、酒に誘うのは、部下が嫌がるかな?俺が原因って可能性もあるからなぁ~」なんて、勝手に悩んで、結局何もしない。でも、部下は、「職場の人と個人的に飲みに行ったことがないので、たまには誘ってほしいんです」と思っていることが多いようです。

 

若者にとって「おっさん」が珍しく、よく「おっさんと飲みに行くとパワハラがうざい。話が長い」と言うけど、自分たちはそんな経験をしたことがない。「おっさん」がくだを巻いた話も聞いたことがないから、熱く語るおっさんの話を聞きたい。と思う若者がたくさんいるようです。

 

ただし、間違いないことの一つは、若者は「電話嫌い」ということ。この理由は明白です。スマホ世代は、電話をかける習慣がないからです。ここは、理解しないといけないようです。「新人は、電話をたくさんとって、仕事を覚えるものだ」は通用しません。

 

そして、もう一つ、上司が部下に対して、「どう思う?」「感想は?」はNGだそうです。上司の狙いが見えなかったため、当たり障りのない答えを返すと「つまらない」と一蹴された若者がいます。「若手とコミュニケーションを取らなければという意識はあるけど、何がよくて、何がダメなのかは難しい。『どう思う?」は、使い勝手のいい言葉」のようです。私は、自分の考えを発言できない部下に考えさせるために、よく「どう思う?」を使っていましたが、言い方を変える必要があったようです。

 

令和の今、上司と部下の人間関係は、ますます難しくなっているのでしょうが、価値観も考え方も違うことが当たり前だと思えば、まずは、自分をさらけ出すのがいいのかもしれません。そして、相手に期待しすぎないことですね。

 

どうですか・・・あなたが、組織を取りまとめる役割なら、若い世代とどのように向き合っていますか。逆に、あなたが若者なら、年配の先輩に自分をさらけ出していますか。

2024年

9月

18日

チョウザメの卵

今日の運動会の練習・・・紅白対抗リレーのアンカー対決が見ごたえ十分でした。先にバトンを受け取った赤組アンカーのすぐ後ろ50センチのところを、白組アンカーが追いかけます。途中何度か、追い抜くか!?というシーンがあったのですが、赤組アンカーも全力で走り粘ります。そして、最終コーナーの外側から、一気に抜こうと、白組アンカーが加速します。その時でした、足がもつれて転倒してしまったのです。これで、赤組の勝利となりましたが、すぐに立ち上がり、ゴールまで駆け抜けた白組アンカーにも大きな拍手が起きました。練習ですが、子どもたちの本気が伝わる、素晴らしいレースでした。

 

さて、今日は、チョウザメの話です。埼玉県には、国内でも有数な淡水魚の水族館である「さいたま水族館」があります。ここには、チョウザメの池があり、何十匹のチョウザメが泳いでいます。水中も見れる仕組みになっているので、なかなかの迫力です。

 

チョウザメは、サメという名前がついていますが、海のサメと違って、川で暮らす淡水魚です。もちろん、人を襲ったりもしません。そして、高級食材の「キャビア」は、このチョウザメの卵です。

 

宮崎県は、チョウザメの主要産地で、県南西部の小林氏の山あいにある、県水産試験場の飼育池には、大小様々なチョウザメが泳いでいます。県が、シロチョウザメの完全養殖を確立しています。完全養殖とは、卵をふ化させて育った成魚から再び卵を採取し、稚魚を生産するまで人工的に管理できる技術です。一般的な陸上養殖では、天然の稚魚を購入する場合が多いですが、完全養殖では、稚魚の捕獲や購入が不要で、天然資源を減らさずに済み、計画的に生産できます。稚魚が産卵できるまでには、6~8年かかるそうです。

 

宮崎県は、1988年に初めてキャビアを製造し、2011年には、完全養殖の技術を確立し安定した稚魚生産ができるようになります。現在では、県内約20業者で、約7万匹を養殖しているそうです。2016年に開かれたG7サミットでは「宮崎キャビア」が採用され、一躍脚光を浴びました。航空会社の国際線や外資系ホテルなどからの引き合いが増え、香港や米国へも輸出が始まったそうです。今では、年間で700キロを販売しています。

 

しかし、チョウザメ飼育には課題があるそうです。オスメスを判別するまでにふ化から2、3年かかるそうで、それまでは、卵を産まないオスも飼育しなければなりません。そこで、オスのチョウザメが食用に回されます。フライやチリソース炒めにすると、柔らかくて食べ応えがあるそうです。料理人は「骨が少なく調理しやすい。癖がなく様々なアレンジができる」と話します。

 

川魚の王道ウナギ(海にも旅に出ますが)の次に出てくる川魚が、なかなか名前が出てきません。ニジマス、ヤマメにドジョウにコイ・ナマズくらいか・・・ここに、チョウザメがランクインしてくるかもしれませんね。

 

まずは、さいたま水族館に行って、チョウザメを見てみましょう。なかなか、カッコイイですよ。

2024年

9月

17日

「カメムシ」この秋も大発生

今日の連絡ノートには、土曜日の秋まつりの感想がびっしりと書かれていました。「お店屋さん」で、大きな声で「いらっしゃいませ!」をする我が子に感動・・・お金のやり取りができるなんて!・・・ダンス3曲、バッチリ踊れました・・・おみこしがドラえもんとアンパンマンですごく盛り上がった・・イス取りゲームで親の私が熱くなってしまった・・夕暮れの屋上で、「これが最後の秋まつりになるのか~」と感傷にふけった・・などなど・・・子どもたちも、保護者も小学生も大いに楽しんだ秋まつりになったようで、うれしいですね。

 

さて、最近嫌われ者になっている昆虫の一つが、「カメムシ」です。このカメムシは、分類学上「カメムシ亜目」に属し、世界には4万5000種類、日本には約1400種の仲間がいるそうです。すごい数ですね。カメムシに見えないタガメやトコジラミなども含まれ、いずれもストロー状の口を使って汁を吸います。

 

最近、日本で問題になっているのが「ツヤアオカメムシ」です。モモやナシなどの果樹を食い荒らす「果樹カメムシ」に分類されています。テレビなどで、モモやナシ農家が、カメムシの被害で出荷が前年〇%減といった報道を見ることがありますが、果樹カメムシが犯人です。外見がカメの甲羅に似ていることから「カメムシ」と言われるようになりましたが、私が子どもの頃は「ヘコキムシ」と言っていました。外敵から身を守るために腹側の臭腺から悪臭の分泌液を出すのですが、子どもの頃は、「オナラ」をすると私は思っていました。(笑)

 

果樹カメムシの場合、寿命は1年ほどで、8~9月に成虫になって越冬し、翌年7月頃に産卵して世代交代します。カメムシの大量発生の原因は、やはり、温暖化により、暖かい気候を好むカメムシが多く生き残れるようになったからだそうです。私も、すでに屋上ファームの白なすを食べているカメムシを発見しています。

 

兵庫県伊丹市の高校生172人に聞いてみました。すると、カメムシが好きと答えた生徒は、たった1人しかいなかったそうです。中には、「絶滅してほしい」という過激な回答もあったそうです。カメムシの臭いは、外敵からの防御の役割だけでなく、フェロモンで仲間を集める機能があるようです。カメムシの臭いを吹きかけたカマキリは、すぐに逃げ出したそうで、カメムシの成分を応用すれば、効果的な農薬を作れるかもしれません。悪者扱いだけでなく、上手に活用したいですね。

 

ということで、カメムシの大量発生は、温暖化の原因を作った人間であるわけで・・・でも、あの臭いは避けたいので、私たちは、家の中にカメムシを侵入させないことが大切です。家の壁や玄関に、カメムシが嫌がる薬剤を散布しておくと効果的だそうです。カメムシに遭遇してしまったら、たたいたり潰したりすると刺激臭を発するので、刺激を与えないことが大切だそうです。

 

カメムシには、愛を持って・・・ですね。(笑)

2024年

9月

16日

本日中にお召し上がりください

今日は、敬老の日ですね。予想通り、日本は世界一の長寿国です。総務省が昨日発表した、65歳以上の高齢者の推計人口は前年比2万人増の3625万人で、総人口に占める割合は、0.2%上昇して29.3%となり、いずれも過去最高を記録しました。それに比例するように、高齢者の就業者数も914万人と20年連続で増加し、過去最高を更新しました。

 

高齢者の就業率は25.2%で、高齢者の4人に1人が働いていることになります。15歳以上の就業者全体に占める割合は13.5%で、およそ7人に1人が高齢者となる計算です。この数字は、企業の定年が70歳が当たり前になりつつある今では、さらに高くなっていくことでしょう。「年をとっても健康でいる」「元気に楽しく仕事をする」時代ですね。よく、人生100年時代なんて言いますが、まだ100年はすぐにはいかないにしろ、楽しく老後の人生を過ごしたいものですね。わたしも、自分事として考えています。(笑)

 

さて、昨日は、柴又に住む次女がコロナに感染してしまったもので、食材を運びに行ってきました。もう熱が下がったんだから、買い物ぐらい自分でやりなさい!と厳しく突き放すことができない優しい父になってしまいました。保育園の保護者には、「子どもを甘やかさないで!」と言っておきながら、我が子には甘い「おとうさん」です。(笑)

 

今日の本題は、「本日中にお召し上がりください」です。上さんといつものように、柴又帝釈天をお参りして、商店街をブラブラ・・・高木屋の草だんごが食べたくなりました。お土産用に購入すると、店のお姉さんが、「うちの商品は、保存料を使っていませんので、本日中にお召し上がりください」と言って商品を渡してくれました。

 

甘党の私は、「くず餅」も食べたくなりました。柴又にしかない「い志い」という小さな、手作りくず餅屋さんです。商品にあるメッセージは「私共のくず餅は、全行程手作業にて毎日一枚一枚心を込めてお作りをしております。・・・保存料等を一切使用していませんので本日中にお召し上がりください」

 

どうですが・・・見事に「本日中にお召し上がりください」商品です。でも、手土産にするにも、流通にのせるにも、本日中では、なかなか難しいですね。でも、本日中である理由がはっきりしています。

 

お弁当や総菜などは、本日中が当たり前かもしれませんが、お菓子や加工食品の世界での本日中をもっと大切にしたいものですね。そして、食べる側の私たちも「1日だけの旬」を楽しんで味わいたいものです。丁寧につくられた逸品を大事に食べるという時間をたまには作りたいですね。

2024年

9月

15日

ブタはお尻からも呼吸!?

「お尻には、呼吸できるという秘められた能力があることを信じてくださってありがとうございます」と英語で挨拶したのは、東京医科歯科大学の武部教授です。今年の「イグ・ノーベル賞」は、武部教授の研究チームが獲得しました。「多くの哺乳類が肛門を通じて呼吸する能力を持つことの発見」で生理学賞を受賞し、これで、日本の研究者の受賞は18年連続だそうです。

 

イグ・ノーベル賞は、ノーベル賞のパロディ版として1991年に始まりました。パロディと言っても、自虐的な表現であって、研究自体は、大いにまじめで、世の中の役に立つ内容ばかりです。でも、ユーモアいっぱいの研究で、過去の受賞例をいくつか挙げてみます。

 

「あるカップルが出会い、お互い魅力を感じたとき、心拍数が同期することを発見したこと」これは、相手が自分に魅力感じているかどうか、表情とか汗とかではなく、心拍数でわかるというのです。

 

「法的文書の理解を不必要に難しくしている原因の分析」では、具体的に法的文書と他の文書を比較して、わかりやすく分析しています。

 

「アヒルの子がどのようにして編隊を組んで泳ぐのかを理解しようとしたこと」では、並の抵抗を計算し、こうした水鳥たちが組む隊形が、エネルギー的に効率的な泳法であることを示した内容です。

 

「映画『スターウォーズ』をみたバッタは興奮するか」なんて、私たちの生活にとっては、どうでもいいような内容に思えますが、このユーモアが、私たちの心を満足させてくれるのですね。

 

さて、今回の武部教授チームの研究内容は、低酸素状態にしたブタやマウスの肛門に酸素を豊富に溶け込ませた化学溶液を注入すると、腸での呼吸で呼吸不全の症状が改善するとう内容です。この研究成果は、人間に活用されようとしています。呼吸が困難な低体重の赤ちゃんの低酸素状態を治療する方法として、実用化に向けて治験が進められているそうです。

 

武部教授の専門は「再生医学」です。ヒトのiPS細胞から肝臓の機能を持つ細胞のかたまりを作ることに初めて成功し、世界で注目を集めたのは26歳のときでした。現在37歳の教授は、これまでの取り組みについて、こう語ります。

 

「基本的に『人と違うことしか考えない』ことを意識しています。世界を変える発見というのは普通と違う着想から出てくると思うので、他の人からはふざけていると思われるようなことにも挑戦できる環境が大事だと思います」

 

もし、あなたのお子様が、「少し変?」と思っていたら、それこそ、可能性にあふれていると思ってください。これから世界を担う子どもたちは、人と違うことを考えることができる人です。私たち大人は、子どもたちに「マネするな!人と違うことを考えなさい!」と言い続けることですね。

 

 

2024年

9月

14日

最後の秋まつり

保育園ホワイトきゃんばすの最後の秋まつりが無事に終了しました。暑さに負けず、子どもたちの笑顔と元気いっぱいのパフォーマンスで盛り上がりました。

 

2012年に開園した保育園ホワイトきゃんばすですが、その夏に「夏まつり」として、屋上ファームで収穫した、トマトやキュウリなどの夏野菜を氷の上に乗せて、子どもたちと食べました。この時は、「お祭り」と言うほどの規模ではなかったのですが、「子どもみこし」を行うようになり、「お店屋さん」では、園児が、声出しや商品の受け渡し、代金のやり取りなどを行うようになりました。真夏のお祭りから秋まつりに変更し、子どもたちにとっても、保護者にとっても、楽しいイベントの一つになりました。

 

エレベーターで屋上に上がると、子どもたちが作った風車などの装飾が目に入ります。「これ、○○が作ったんだよ」と、最初の親子の会話が聞こえてきます。子どもみこしは、「ドラえもん」と「アンパンマン」です。「わっしょい!」の子どもたちの声のまわりには、保護者が、スマホを片手に、我が子の勇姿を撮影します。

 

ダンスは、「やってみよう」「エビカニクス」「ジャンボリーミッキー」の3曲で、輪になって盛り上がりました。小学生も、ジャンボリーミッキーの曲が流れると、自然と踊っていました。4年前のクリスマス発表会で披露したダンスですが、小3男子は、ディズニーランドのミッキーマウスの前で突然、このジャンボリーミッキーを踊った逸話があります。ミッキーもビックリです。

 

そして、いよいよ「お店屋さん」がスタートしました。昨年同様「ゲーム」屋さんには、長い行列ができました。野菜が溶け込んだおいしい「カレー」は完売。新発売の「プチシャーベット」も100セット完売です。フランクフルト150本も炭火焼のおいしさで完売しました。子どもたちの「いらっしゃいませ!」の声出しが、何とも言えない可愛らしさを見せ、お手伝いいただいた保護者も楽しんでいただきました。子どもたちに「接客」を体験させたいという試みは、大きな成長につながったと確信しております。

 

最後は、「イス取りゲーム」で、盛り上がりました。園医たちの戦いの後には、小中学生の戦いも行いました。子どもたちを応援する保護者たちが、異常な盛り上がりを見せたのは、想定外です。(笑)

 

今回の秋まつりには、卒園児の小中学生が30人も集合しました。園児と保護者を含めると150人です。これだけ多くの人たちが、こうして、保育園ホワイトきゃんばすに思いを持っていただいていることが、大きな財産だとあらためて感謝します。

 

中学生になった卒園児たちは、すでに私の身長を抜いていて、小学生高学年の女子たちは、生意気な口をききます。小学校低学年の男子は、まだ園児とやっていることが変わりませんが、「俺は小学生だから」という態度だけは立派です。(笑)

 

園長の夢の1つは、卒園児と酒を飲むです。保育園が閉園しても、子どもたちの成長をずっと見守りながら、あと6年後くらいかな?「乾杯!が楽しみです」

 

色々な想いが頭の中をめぐった、保育園ホワイトきゃんばす最後の秋まつりは、やっぱり、子どもたちと保護者の皆様の思いでずっと継続することができたんだなぁ~と思いました。本当にありがとうございました。

2024年

9月

13日

近くの今を見る目と遠くの未来を見る目

明日の秋まつりのおみこしが完成しました。今回は、「ドラえもんみこし」と「アンパンマンみこし」の2基です。今日は、おみこしわっしょい!の練習です。子どもたちが大好きなキャラクターなだけに、声も大きくなります。朝の自由時間は「お店屋さん」の声出し自主練習を年長園児が中心となってやってました。明日が楽しみです。

 

年長の女の子が、サツマイモ畑の後ろに咲いている「アサガオ」を見つけました。早速、色水作りに夢中になります。ビニール袋にアサガオと水を入れて、モミモミするのですが、水を入れすぎると色が薄くなってしまいます。花びらをモミモミしないで、水ばかりをもんでいる園児は、「おかしいなぁ~なかなか色がつかないなぁ~」という顔をしていましたが、自分で解決したようです。

 

さて、今日は目の話です。毎年子どもたちの視力が低下し、小学生からメガネをかける児童が増えています。人間の目は本来、近くのものばかりを見るようにはできていません。大昔の人は、遠くの獲物のわずかな動きを察知したり、地上の照明などまったくない漆黒の夜空を眺めたりと、今よりはるかに遠くの景色を見る機会が多かったはずです。それに対して、今の子どもたちは、パソコンやスマホの画面など近くを見る時間が増え、遠くの景色を見ることが少なくなりました。やはり、時には、流れる雲や遠くの山並みをゆったりとした気持ちで眺めたいものですね。目も心も癒されること間違いありません。

 

ジグソーパズルを近くから1ピースだけ見ると、それが何を表現しているのか分からないですが、離れたところから見るとパズルの全体像が分かります。山の姿は、登っている人には分かりませんが、遠くから眺める人には良く分かります。私たちは、「目で見る」という同じ行為でも、視点を変えることで、気持ちだって変わるのです。

 

人がつらく感じるときとは、先に希望が見えないときです。そんな時は、近くの今を見る目と、遠くの未来を見る目をバランスよく持つことが大切なのかもしれません。今がつらければ、今だけを見ることなく、遠くを見るのです。

 

「心眼」という言葉があるように、 なんだか、目と心は繋がっているようですね。

2024年

9月

12日

さいたまのスーパー強し!

今日の運動会の練習は「綱引き」です。3~5歳児の寺子屋園児の種目です。3歳児は初めての綱引きですので、「チームで力を合わせて、綱をたくさん引っ張った方が勝ち」を説明するものの、なかなか難しいですね。「腰を低くして」と言えば、お尻を地面に付けて座ってしまう子もあったり、綱を引っ張るどころか押してしまったりと、笑えないハプニング続出です。経験のある年長園児の白組大将は、一人で力任せに綱を引っ張るだけで、チームをまとめることができません。一方、赤組の大将は、「よいしょ!よいしょ!」と掛け声を出して、みんなの力を1つにしようとしていました。本番までに、1つ1つ修正をしながら、白熱の綱引きを見てもらいたいですね。

 

さて、今日は、スーパーマーケットの話です。私は、知らない土地で地元のスーパーマーケットを見つけると、必ず入ってしまいます。店の中を歩いているだけで、新しい発見はないか?家の近くのスーパーマーケットとの違いは?なんて思いながら、ワクワクしてしまいます。

 

2024年スーパー総選挙というのが、TBSラジオで行われたそうです。今回は5回目で、1か月半におけるリスナーの投票で「スーパーのなかのスーパー」を決める総選挙に、過去最多の3万7155票が集まったそうです。

 

過去4回ともに1位に輝いたのが、あの「オーケーストア」です。商品の仕入れを1つのブランドに絞ることで、仕入れ価格を抑えて、安く提供するというイメージが強いですが、他のスーパーでは見かけない商品も多くて、わくわくする品ぞろえが魅力のスーパーです。店頭で焼いたピザとパンは、できたて感が高くておいしいですね。

 

そんなオーケーストアを抜いて、今回トップになったのは、「ヤオコー」です。埼玉県川越にヤオコー本社がありますので、埼玉県は「ヤオコー」だらけです。スーパー業界に詳しい流通アナリストの中井さんによると、関東ロードサイド3強スーパーと言えるのは、「ヤオコー」「ベイシア」「ベルク」で、これに「マミーマート」が加わって4強になるそうです。4つのうち、埼玉県発祥ではないのは、群馬県の「ベイシア」だけで、関東最強スーパーの多くが、埼玉県で生まれています。ベイシア本社も、今は埼玉県にあります。

 

埼玉県は、山や海に阻まれない広大な敷地を有することもあって、大きなスーパーが育つ土地と言われています。スーパーマーケットがしのぎを削っているので、県民のスーパーを見る目も肥えています。

 

今日は、関東中心の話ですが、特徴あるスーパーマーケットが、他の地域でもたくさんあるのでしょう。しかし、業界通の話では、フード&ドラッグと呼ばれる格安ドラッグストアがヒタヒタと関東に進出し始めているようです。例えば「ディスカウントドラッグストアコスモス」です。こうした店は、半分以上が食品売り場です。超格安の食品で客を集め、ドラッグストアで儲けを出す新形態です。スーパーの魅力はもちろん安さだけではありませんね。

 

あなたのお気に入りのスーパーマーケットはありますか。

2024年

9月

11日

先生のしゃべり過ぎ

今日は屋上で「玉入れ」の練習をしました。 運動会の競技ですが、2歳児も玉入れのメンバーです。生まれて初めて、玉入れを経験する園児もいます。かごの中に、赤組と白組に分かれて、それぞれの色のタマを入れるのですが、どうも、投げるのに夢中になって、かごに入れることを忘れている園児もチラホラ・・・しかし、年長男子の一人は、タマを2つずつ入れていきます。とても器用で、成功率100%です。本番では、どんな頭脳戦が繰り広げられるか、楽しみですね。 

 

さて、昨日の寺子屋の時間・・・秋まつりの「お店屋さん」のセールストークを子どもたちに考えてもらおうと思っていたのですが、「いらっしゃいませ!○○屋さんです」までは言えるものの、自分でセールストークを考えるのは、まだ難しく、ついつい園長が、しゃべり過ぎてしまいます。「例えば、秋まつりで初めて登場するシャーベットです。今日も暑いのでいかがですか・・・味は3種類。リンゴにオレンジにグレープの3つで100円です」みたいに、ついつい言ってしまいます。一歩間違えれば、「どうせ先生が考えてくれるから、それをマネすればいいや~」なんて、園児が思ってしまいますね。「自分で考えて!」と言っておきながら、上手くいきませんでした。

 

小学校に入ると、「授業」ですので、先生のしゃべり過ぎが止まらないことがあります。説明を少なくすれば、理解できない子が増えてしまうのでは?と不安になって、ついついしゃべり過ぎにつながります。担任一人で30人を見ているのですから、学力がバラバラの子どもたち相手は、本当に大変です。

 

アクティブラーニングで、子どもたちの発言を引き出せばいいじゃないか・・・と言われますが、このアクティブラーニングが難しいのです。言葉だけが広まって、具体的な手法が後回しになってるような気もします。

 

ここで、ベテラン教師のアドバイスです。子どもが発表した意見を再度、別の子どもが説明し直すようにするといいようです。「これだ!」という意見が出た時には、「○○さんの考え、とても大事なところだと思うけど、もう一度説明することはできますか?」などと子どもたちに問いかけます。しっかりと聞いていないと、自分で説明できないので、周囲の子どもたちもよく聞くようになるそうです。子どもたち同士が発言を繰り返すうちに、少しずつ子どもが活動の中心になっていく・・・こんなイメージです。

 

う~ん・・・理屈はおっしゃる通りですが、そう簡単にはいきませんね。でも、先生がしゃべり過ぎで、自分で考えなくても、積極的に発表しなくても、最後は先生が分かりやすく説明してくれると思われたら、子どもたちは、何も考えず、先生の説明を待つだけになります。そうしないために、自分で考える子どもになるために、先生だけでなく、親も永遠の宿題ですね。

2024年

9月

10日

住所非公開の隠れ家

今日の寺子屋では、秋まつり「お店屋さん」の声出し練習をしました。「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!カレー屋さんです。おいしいカレーはいかがですか」「ゲームは1回50円・・・すごい景品が当たるよ!」「フランクフルトはいかがですか・一本50円です。ケチャップかけ放題だよ」「新登場のシャーベットやさんです。リンゴ・オレンジ・グレープのシャープ3つで100円です」と、セールストークが盛り上がって欲しかったのですが、5歳児・4歳児ですので、「いらっしゃいませ!」がせいいっぱいです。本番では、どんな声出しがあるのか・・・楽しみにしておきます。 

 

さて、最近は「見つけにくい店、たどり着きにくい店」が人気になっているそうです。東京渋谷の雑居ビルが並ぶ、ある場所に看板もないカフェバー「ユニン」があります。恐る恐るドアを引くと、円形のバーカウンターが目に入り、ランプで優しく照らされた室内は、外の雑踏とかけ離れた「異空間」です。ここは、月額5000円ほどの会費を払うと住所を教えてくれます。2年前に開店し、会員は20代後半から70代まで約500人もいるそうです。ここに通うお客は「行けば誰かに会える。大人になって純粋な友達ができる場所は、そうそうありません」と言います。バーのマスターは、「落ち着いた雰囲気に合わないお客さんは来ません」ときっぱり。

 

住所非公開のパフェバー「リメークイージー」も月額3300円の会員制です。店員が鮮やかな手つきでパフェを盛りつけ、季節の果物などをこだわりを紹介するうちに場が和み、隣の客同士で好きなパフェやカクテルを語り合う姿があるようです。「閉じられた空間なので、男性も一人で訪れやすい。一期一会の出会いがある」とこの店のパティシエは言います。

 

私を含め、多くの人は、飲食店なら、いかなる方法を使ってでも、お客様に店の告知を徹底して、なるべく多くのお客様に店を知っていただき来てもらいたい。店がお客様を選ぶなんて論外!というイメージだと思いますが、時代が変わったのです。そして、経営の視点では、看板がない店は通りがかりの客を期待できないものの、会員予約制なら客数が読めるので営業計画が立てやすく食品ロスも最小限にできます。例えば、レストランの理想の商売は、1日何組限定で、予約は半年先まで埋まっていて、お店が決める料理を提供するので、仕入れもやりやすく、食材の無駄もないという形です。そんなイメージですね。

 

また、他人が体験した情報がSNSにあふれる中、そんな話題の店に行くのではなく、「自分だけしか味わえないという、プレミアム感のある体験が求められるようになった」と言ったところでしょう。私も、営業マン時代は、担当エリアの中で、隠れ家的な店を探すのが大好きでしたが、いまは、さらに「見つけにくい」店が増えているようです。

 

どうですか・・・商売の形は、どんどん変わっていくようですね。ついていけるかな?

2024年

9月

09日

スプレッドで本格メロンパン

今週土曜日に行う、秋まつりでは、子どもたちが「おみこし」を担ぎます。大人気の「ドラえもん」と「アンパンマン」の神輿をただいま製作中です。今日は、神輿の飾りを子どもたちに作ってもらいました。ヨーグルトのカップに絵を描きます。子どもたちの作品で飾られたお神輿になります。

 

さて、今日はスプレッドの話です。最近は、スーパーマーケットの棚に色々な種類のスプレッドが並んでいますね。私も、最近は、イチゴのフルーツスプレッドを買いました。ヨーグルトに混ぜるのに、ジャムは固くてうまく混ざらないのですが、フルーツスプレッドは、ジャムとフルーツソースの真ん中くらいで、ヨーグルトにピッタリです。

 

ジャムで有名なアヲハタは、2017年からパンに塗って焼くだけのトーストスプレッドの製造販売を始めました。2023年の販売実績は、当時の2倍だそうです。有名な商品としては、メロンパン風トーストスプレッドですね。この商品のコンセプトは、「パン屋さんの本格メロンパンを自宅でも食べられる」です。アヲハタは、今までフルーツを中心とした商品が中心でしたが、スプレッドを作る上で一番難しいのは、油脂・糖類、粉類の配合です。チューブ式のスプレッドが主流ですが、この3つの調合が上手くいかないと、冬場は固まって出にくく、夏は油が浮いてしまうなどの問題が起こります。

 

アヲハタのスプレッド開発チームは、新商品の開発と既存商品のリニューアルで、年間20種類前後の味を手がけるそうです。こうした中で、アヲハタは、メロンパン風トーストスプレッドを人気商品に仕立てたのです。だまされたと思って、パンに塗ってトースターで焼いてみてください。ふわりと漂うバターの香りと、ザクザクとしたメロンパンの食感が見事に出来上がっています。

 

バターにマーガリン、はちみつ、ジャムといったところが、トーストしたパンに塗る定番でしょうが、スプレッドで、朝食を子どもが楽しく食べるシーンだって想像できますね。今日の帰りには、ジャムのとなりの「スプレッド」コーナーを覗いてみませんか。大げさですが、新たな食文化と言えるかもしれません。

2024年

9月

08日

カメを愛でる

今日は、朝から庭にカメの家を作っていました。3メートル×2メートルのそこそこ大きなスペースです。本格的にセメントを流し込んで、池を作りたいのですが、私にはその技術がないので、保育園屋上のカメのおうちで使ってた、いけす4つにブロック、レンガをそのまま転用します。新たに購入したはネットくらいで、リユースがうまくいきました。

 

こうして、屋上のカメたちは、我が家にお引越しです。実は、すでに庭の花壇2つをカメ池にしたので、そこに、ここ2~3年で生まれた、クサガメやニホンイシガメが生活しています。

 

しかし、屋上のカメ池のカメたちは、体長20センチを軽く超えるビッグサイズです。このカメたちが住めるおうちが、ようやく完成しました。夕方には、甲羅がこげ茶色の美しいクサガメのメスの他、10匹のカメたちを投入しました。カメは、のっそりと歩くイメージがありますが、脱走の名人です。新しいおうちで、脱走する可能性がある場所をチェックし、ブロックやレンガを置いていきます。

 

少し昔の話を振り返ります。屋上の池は、開園して1年後に完成しました。最初は、魚が中心で、まだカメは住んでいませんでした。職員が家で飼っていたクサガメを池に放ち「カメックス」と名前を付けて、子どもたちはエサやりを楽しんでいました。しかし、このカメックスは、よく脱走しました。たいがい、現在のブルーベリーファームのある草むらの中に潜んでいるのですが、カメックスが通れるスペースが物理的にないのに、どうして脱走できるのか不思議でした。金網を忍者のようによじ登って逃げたのでは?と謎のまま、最後は脱走したまま行方不明になってしまいました。

 

それから、「池や川でカメを捕まえよう!」と思った園長のカメ捕獲作戦が始まったのは、5年前くらいですね。土曜日に、小学生を連れて捕獲もしました。「カニかご」という、海でカニを収穫する四角い網を使います。その中に、臭いのきついエサを入れて、網の中にカメが入る仕掛けです。

 

こうして、ミドリガメのおうち、クサガメのおうちが屋上に完成します。一番大きい池には、クサガメのビッグサイズを投入します。次は、カメを産卵させて赤ちゃん誕生を見たくなりました。産卵場所の陸地をカメ池の中につくると、そこに卵を産んだのです。カメが産んだ卵は、大切に取り出して、発泡スチロールの容器で保管します。2か月後には感動の赤ちゃんガメの誕生です。子ガメの里親に二人の男の子がなっています。

 

ざっと、屋上のカメの歴史を振り返ってみました。よく、ネコ屋敷と呼ばれる家がありますね。何十匹もネコが住んでいるような・・・我が家は、ネコ屋敷ならぬ「カメ屋敷」になっています。道を歩く子どもたちが、カメを愛でてくれればうれしいですね。

2024年

9月

07日

トンボの産卵

「園長先生が子どもの頃は、35度を超える日なんて、無かったんだよ。では、どうして、ここ最近は、日本だけでなく世界が暑くなったのか?わかる人は?」すると、小3女子が「地球温暖化だから・・・」と答えます。小学生は、テレビなどを通じて、専門用語は良く知っています。「それじゃ、どうして地球温暖化になってしまうの?」をみんなに考えてもらいます。小4女子が、「人が口から出すガスが、たくさんに空に行ってしまうから・・・」ずいぶんいいところまできました。「イチゴ食べ放題のビニールハウスの中は、暖かいよね。あのビニールが、二酸化炭素の膜と考えて・・・」と説明すると、小学生は、ギリギリついてきたようです。(笑)

 

さて、今日はトンボの産卵の話です。まだまだ残暑が続くものの、自然界は少しずつ秋に向かっています。セミの声がずいぶんと聞かれなくなりました。そして、空には優雅に飛ぶトンボが目立ち始めます。

 

これからの季節・・・一番ポピュラーな赤とんぼ(アキアカネ)は、11月ごろに卵を産んで、卵は冬を越して3~4月頃にう化します。成虫になるのは、5~6月頃です。アキアカネなどほとんどのトンボは、「1年1世代」と言って、1年でその生涯を終えます。

 

では、どうやって卵を産むのか。これは、トンボの種類によって違いがあるようです。シオカラトンボは、水面を叩きながら水中に卵を産みます。私も見たことがあります。カワトンボの仲間は、潜水して地中に産卵します。水中産卵よりも、う化するまでの生存率は高そうですね。

 

植物に小さな穴をあけて産卵するのは、「アジアイトトンボ」です。約3センチほどの細身で小さなトンボです。日本には広く生息しています。産卵するメスは特徴のない地味なトンボですが、素晴らしい能力を持っています。産卵期を迎えたアジアイトトンボのメスは、静かにスイレンなどの葉にとまります。そして、尾の先をとまった植物の表面にくっつけて、モゾモゾと始めます。尾の先に何と極小ののこぎりとナイフのような部位があります。この部位で堅い植物の表面に小さな穴を開け、細長い卵を1つ産卵します。

 

秋の夕暮れに、親子でトンボの観察など・・・素敵な時間ですが、もう一歩踏みこんで「このトンボは、どうやって卵を産むのだろうか?」を考えたり観察するのもいいですね。子どもからは、「お父さんは、色々なことを知っているんだね」と思われること間違いなしです。(笑)

2024年

9月

06日

農業協力隊員

今日は、真夏日に逆戻りで、運動会の練習は、首に蓄冷材を入れた手拭いを巻くだけでなく、帽子の中にクラッシュ氷を入れて、頭を氷で冷やしながら行いました。長い時間は危険なので、30メートル走と紅白対抗リレーだけにします。それでも、30メートル走は一回では物足りないようで、「もう一回走りたい!」の声が大きくなり、2回目も頑張りました。今は、勝つことよりも負けることの方が、成長につながると思っています。子どもたちは、勝ち負けがつく競技が大好きです。でも、勝つことよりも最後まであきらめないことを毎日伝える日々です。

 

さて、スーパーマーケットには、ブドウやナシなどの秋の味覚が並んできました。そんな、実りの秋を迎えた農業の現場は、高齢の農家が、後継者のめどもなく働いていることが多いのが実態です。そんなところを地域の協力隊員が支えているようです。埼玉県の2つの例を紹介します。

 

横瀬町のブドウ農園は、収穫期を迎えた今は、ジュースなどの加工用も含めて巨砲3000房を出荷するそうです。そこで働く協力隊員の若者は、カフェの店長の経験があり、店ではブドウを使ったタルトなどを出していたそうです。以前は「ブドウは高い」と感じていたそうですが、今は「安すぎるかも」と思うそうです。ブドウ農園にかかわったからですね。

 

横瀬町は、2021年、協力隊員らを中心とした地域商社「ENgawa(えんがわ)」を設立し、農産物の商品化などに取り組んできました。87歳の農園主のブドウ園を昨年から借り受けた協力隊の一人は、収穫したブドウを「まごぶどう」と名付けました。孫世代にあたる自分たちが作ったという思いを込めたそうです。

 

神川町はナシの産地として知られていますが、ここも協力隊によって支えられているようです。春先の病害虫対策、夏から秋の収穫、冬の枝の刈り込みなど、一年中手がかかる仕事をフォローします。神川町では、協力隊出身でナシ農家として独立する人は、すでに3人もいるそうです。

 

こうして、後継者がいない農園を協力隊を経験した若者が引き継いでいくというシナリオが、少しずつですが、広がっているようです。忙しくて、収入も多くないけど、自然の中で働くことに、やりがいも生きがいも感じる気持ちは、私には十分理解できますね。

2024年

9月

05日

楽しく食品ロス対策

今日の運動会の練習では、2つのことを子どもたちは学びました。紅白対抗リレーでそれは起きました。まずは、3歳児男の子が、相手との激しい攻防の末に、転んでしまいました。泣き叫んだままでなかなか起き上がれません。「早く起きて!走って!」というチームの声が聞こえてきますが、男の子は、半周の遅れを発生させてしまいました。も一つは、4歳児男の子が、快調に走っていたのに、靴が脱げてしまいました。靴が脱げたところまで戻り、靴を履くのに時間を費やしてしまいました。「靴はいいから、走って!」という声もむなしく、ここでも大きく後れを取ります。紅白対抗リレーは、個人戦ではなくチーム戦です。チームのために、どうすればいいのか・・・子どもたちは、少しずつ学んでいます。

 

さて、今日は、世の中に浸透してきた「食品ロス対策」の話です。日本では、毎日国民一人当たり、おにぎり1個を捨てている・・・なんて言われながら、私たちは、食品ロスを減らさなければならないという意識は、高くなっています。

 

でも、「牛乳は、一番前の日付が近い商品から取ろう」「安いからと言って、買い過ぎをしないようにしよう」「食事は作りすぎないようにしよう」なんて言われると、食品ロス削減を押し付けられるような気持になるものです。

 

そこで、最近では、楽しみながら食品ロス対策ができるような仕掛けが増えているようです。

 

ハンバーグレストランのびっくりドンキーでは、「やった!食べきってお皿をピカピカにできた」子どもが大喜びです。ここでは、昨年春から全国の店舗で「もぐチャレ!!」という企画を行っています。来店時に挑戦を宣言し、注文したメニューを完食するとスタンプを押した表彰状がもらえます。2回成功すると、3回目来店時にデザートのご褒美があります。企画の開始以降、店の生ごみが徐々に減っているそうです。

 

食べ放題のしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」は、今年4月、全店で「こまめどりプロジェクト」を始めたそうです。食べきれる分をこまめに取ることで、食べ残しを減らします。きれいになった食器を撮影し、食後に見せると割引券がもらえます。

 

全国のスーパーなどで広がっているのが「もぐもぐチャレンジ」です。消費期限が近づいた生鮮食品などにシールが貼られ、10枚を集めるとゲームに参加できたり、途上国の子どもたちに寄付ができます。2019年に始まり、17企業327店舗が取り組んでいるそうです。

 

消費者庁によると、2022年度の食品ロス量(推計)は、472万トンで、外食や小売りなどの事業系も家庭で発生する家庭系ともに、減少傾向にあるようです。まだまだ、日本人の食生活を考えると、減らすことができそうですが、消費者の意識や行動をさらに変えていくには、楽しく取り組める仕掛けが必要です。

 

「この仕掛けは・・・子どもが楽しめるか?」という視点がいいと思いますね。

2024年

9月

04日

酒造りを可視化

今日から、運動会の練習を本格的に始まりました。勝とうが負けようが、最後まであきらめないで頑張ることを子どもたちに植えつける練習でもあります。今日も涙ありです。リレーのアンカーは、年長男子です。途中で「追いつけない」と思った6歳男の子が泣き始めました。泣けばますます減速し、差が開いていきました。泣きたくて悔しい気持ちは、よくわかりますが、泣いてしまえばチームに迷惑が掛かり負けます。男の子は、明日からは変わってくれることでしょう。

 

昨日からのニュースで、奄美大島のマングースの根絶宣言がありました。まるで、勝利宣言したかのような拍手喝采シーンのように映りました。ハンターたちの努力は、大いに認めるところですが、もともと、ハブ対策として1979年に30匹持ち込んだのは行政です。アマミノクロウサギなどの希少な在来種を守ったことと同時に、最初に持ち込んだことを反省するコメントがあれば、勝手に持ち込まれて絶滅したマングースも浮かばれることでしょう。ミドリガメやアメリカザリガニ、ウシガエルなどは、保育園の子どもたちにとっては、愛すべき生き物です。外来種が悪いのではなく、外来種を持ち込んだ人間に問題があったのです。

 

さて、今日は、日本酒の話です。名古屋の国税局が「もろみエール」というツールを開発しました。これは、日本酒の発酵度を自動計算し、グラフで可視化し、今まで杜氏の経験則や感覚が主流だった日本酒の酒作りをデジタルの力で支援し、品質の保持や日本酒文化の維持につなげる狙いです。

 

加水量などなどのデータを入力すれば、発酵度が自動計算され、グラフで示されます。搾りの最適なタイミングが可視化され、勘や経験だけに頼らず酒を造ることができるのです。少なくとも東海地方の40の酒蔵に提供され、全国にも広がっているようです。

 

もちろん、酒蔵で使う酒米も水も麹菌などの微生物が違うので、どの酒蔵でも同じ味の酒ができるわけではありません。後継者問題を解決し、安定して良い酒を造ることができれば、日本酒人気の復活にもつながるかもしれません。

 

でも、日本酒好きにとっては、やっぱり、杜氏の腕で最高に仕上がった酒を飲みたいというのが本音かもしれませんね。わたしも、「このお酒は『もろみエール』で造った高品質のお酒です」と言われても、あまりわくわくはしません。

 

化学の力は、否定しませんが、「もろみエール」は、日本酒がもっと海外の人に飲まれるようになって、現在の倍くらいの生産量になるとしたら、有効に活用したいですね。さぁ~あなたなら、どう思いますか。

2024年

9月

03日

高校生の就活支援

9月14日に行う保育園の「秋まつり」では、4つのお店が出店します。今日は、「ゲーム」「フランクフルト」「カレーライス」「プチシャーベット」の4店のお手伝いをする、年長・年中園児の役割分担を決めました。9月になっても残暑が厳しいので、プチシャーベットの店を新規オープンさせます。

 

「お店屋のお手伝いって、何をするの?」と聞くと、「お仕事するの」と言う5歳男の子。「そう、お仕事をしてもらうんだけど・・・もっと詳しく何をするの?」と言うと、6歳男の子が「いらっしゃいませ!と言うんだよ~」と言いました。大正解です。子どもたちの、ほぼ希望通りのお店が決まり、「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」の練習をしました。中には、「いらっしゃいませ!おいしいカレーはいかがですか?」と、自分のセールストークを考えた園児もいました。やる気満々の子どもたちに、秋まつり本番が楽しみになってきました。

 

さて、今日は高校を卒業して社会人になる人への就活支援の話です。ある就活支援の会社が、今年5月に高卒の社会人159人を対象にアンケート調査を行い、就職活動中に受けたかったサポートを聞いたところ、「自分にどんな仕事が向いているのか知りたかった」との回答が最も多かったそうです。

 

高校生の就活は、7月に企業から高校への求人申し込みが始まり、9月に応募受け付け・選考解禁という日程で行われます。スケジュール的には、約2か月しかなく、社会にどのような仕事があり、自分が何に向いているのかを知る機会もないまま、就職先を決めるケースが多いのが実情のようです。

 

私の長男は、在学中に資格をなるべく多く取得して、高卒で就職するビジョンで工業高校に進学しました。予定通り就職はできましたが、学校への求人の中から、選ぶという感じでした。先生の的確なアドバイスで、入社した企業で10年以上、今も継続して働いているので、結果オーライですが、明確に「○○したいから、この会社に就職した」というわけではありません。

 

高校生に限らず、大学を卒業しても、会社を辞めて転職する場合も、「自分がどんな仕事に向いているか」は、わからない人が多いような気がします。「自分がやりたい仕事と自分に向いている仕事」が、必ずしもイコールにならないこともありますね。本当に難しいところです。

 

しかし、高校生にとっては、今までまともに仕事をした経験が少ないので、学校や社会が積極的にキャリア教育を行う必要がありますね。さいたま市内の中学生が、「ミラクルズ」というキャリア教育で、保育園ホワイトきゃんばすのあるショッピングセンターで、仕事をするシーンをよく見かけます。流通業界だけでなく、保育園・幼稚園、役所など、様々な場所で中学生が「お仕事」の経験をしています。

 

できれば、中学生の頃から「自分が将来やりたい仕事は?」を常に考えながらキャリア教育に参加すると、見えてくるものが違ってくるかもしれませんね。「やりたい仕事=自分に向ている仕事=楽しく働ける仕事」を見つけたいものです。

2024年

9月

02日

どうして、片付けをするの?

今日から、運動会を行う西文ひろばグランドで、運動会の練習を始めました。ここ一週間、台風の影響で天気は乱れましたが、今日は朝から晴天です。しかし、「熱い!」まるで、真夏に逆戻りです。フィールド内に生えている草を抜いて、30メートル走1回で練習を終わりにしました。毎年、9月の運動会練習は、残暑の中で行いますが、今年も熱中症対策をしながら、練習に取り組みます。

 

さて、保育園では、朝の会の前と夕方5時に「お片付けタイム」の音楽を流して、一斉に教室内のお片付けをします。10分以内を目標に行いますが、目標通りに行ったりいかなかったり、日々違います。現実は、積極的に片付けをする園児は、ごくわずかしかありません。これが、おうちでの片付けとなると、もっとダメダメです。

 

今日は、子どもたちが、率先して片付けをするようになる、魔法の話です。

 

「ある場所は、近くに田んぼがあって自然豊かなところなのですが、以前、その田んぼの近くの道の途中に、壊れた冷蔵庫、テレビ、空きビンなど、数多くのゴミが捨てられている場所がありました。きっと、夜中にこっそりと捨てに来る人が多かったのでしょう。ここでは、時々、ひったくりや暴力事件も起こっていました。しかし、半年ほど前のことです。十数人のボランティアの方々が市役所と協力して、一日がかりでそのゴミをすべて片付けてくれました。

 

そして、半年たった今、そこにはどれくらいの数のゴミが再び捨てられているでしょうか・・・驚くことにゴミは、全然捨てられていません。なぜでしょうか。実は、ゴミが1つ捨てられたままになってると、『ここは誰も見ていないな~注意されないぞ』と思い、自分も捨ててしまおう、何か悪いことをしよう、という良くない考えの人が集まる場所になってしまうのです。しかし、その場所はとてもきれいな場所になったため、その後はゴミを捨てる人が全くいなくなったのです。それとともに、ひったくりや暴力事件などもなくなったそうです。このように、散らかったままの場所では、人の心も荒れてきて、良くないことが起きやすくなるようです。本当に怖いですね」

 

どうですか、我が子へ、上手に話してみませんか。「もう!片付けなさい!」と声を荒げるのは、効果なしですから・・・。

2024年

9月

01日

自由研究の失敗

明日から2学期が始まる小中学校も多いと思います。私たち大人は、子どもに「失敗を恐れるな!」「失敗は成功の母」「偉人と呼ばれる人は、何度も失敗を重ねて、ようやく大発明をしたんだよ」なんて、よく言いますね。

 

でも、子どもたちの夏休みの宿題の「自由研究」では、「残念ながら失敗しました」という作品は、私は一度も見たことがありません。PTAで活動していた頃には、小学生の作品に触れる機会が多かったですが、失敗という結論になった作品を宿題として提出する感覚は、子どもにも親にもないですね。(笑)

 

でも、「カブトムシ」を捕獲しようと、近くの公園に果物を置いて、トラップを仕掛けました。翌日朝に見に行ってみると・・・一度もカブトムシに出会ったことがありません。どうしてだったのか・・・みたいな自由研究だってありですよね。では、なぜ、捕まえられなかったのか?をレポートすればいいのです。カブトムシは、夜行性なので、日があけてから見に行っても見つかるわけがありません。また、果物にも問題があったかもしれません。

 

セミが羽化するシーンを観察しようと、セミがみーんみーん♪と泣く公園にいったものの、見つけたのはセミの抜け殻ばかりで、抜け殻コレクションになってしまった。土の中から幼虫が出てきて、木に登り、白い羽の羽化を見たかったのに・・・失敗。これも、セミは夜の8時以降から夜明け前までに羽化するので、日中は見られるはずがありません。天敵となる鳥などから身を守るためです。

 

アサガオやひまわりを育てたけど、枯れてしまい・・・失敗。これは、水をあげるのを忘れたからか、水のやりすぎが原因かもしれません。

 

子どもなりに、「果物の甘さにつられて、カブトムシがかってくるのでは?」「セミが鳴いている音につられて、土の中から幼虫が這い上がって来るのでは?」という仮説を立てたけど・・・うまくいかなかった。⇒うまくいかなかった理由は?⇒次は、こうしてみよう。という流れになれば、素晴らしい「自由研究の失敗」発表だと思うのです。

 

どうですか・・・あなたの子どもが小学生なら、来年の自由研究に失敗を堂々と発表するのも、素敵ですね。

2024年

8月

31日

静寂カフェ

4歳女の子が、本物のパリオリンピックの金メダルを首にかけました。本当の話です 。女の子のおうちの2軒隣りが、パリ五輪レスリング女子62キロ級で金メダルに輝いた「元木さくら」選手の実家だそうで、昨日は、ご近所様たちが集まって、お祝いをしたそうです。女の子のママの話では、金メダルはずっしり重たかったそうです。 

 

さて、喫茶店やカフェでは、利用する人それぞれの楽しみ方やこだわり、店の個性が反映されますが、店内での私語を禁止したり、筆談やジェスチャーでお客様が店員とやり取りをしたりして、雑音がない静かな環境でひとり時間を満喫できる「静寂系カフェ」が人気だそうです。

 

JR高円寺駅前の商店街の一角にあるカフェ「アール座読書館」の店内は、静まりかえっています。「森の中の読書」が店のテーマです。観葉植物の鉢や、水草の間を熱帯魚が優雅に泳ぐ水槽、アート作品を配置した空間で、文学集や美術書など約1600冊ある本を自由に読めますが、注文以外の私語は厳禁となっています。オーナーは、「街中に現実逃避できる静かな場所が必要」と開店したそうです。私語禁止という独特の決まりがあるにもかかわらず、中学生からお年寄り、旅行客まで様々な人が来店。9割以上が一人で訪れ、リピーターが多いとのこと。店の棚に置いてある「落書き帳」には、進路や仕事、結婚・出産、恋、病気などに関する来店客の悩みや葛藤、目標などがびっしりです。「仕事で心が疲れていたときに読んで救われた」と、常連客は言います。

 

聴覚に障害がある店員が多く働いている大阪の梅田に開店した「清浄(しょうじょう)」では、極力おしゃべりを控えることをルールにしています。注文は、筆談や手話、指差しで、店内にはBGMも流れていません。「五感を研ぎ澄まし、静寂の心地よさを楽しんで欲しい」が、お店の狙いです。パソコンの音もNGという店もあるようです。

 

私は、まだ「静寂カフェ」と言われるような場所には行ったことはありませんが、一人じっと本を読んで過ごすときには、最高の空間ですね。みなさんは、どうですか・・・目的がおしゃべりなら別のカフェに行けばいいのです。

 

雨音や足音、抹茶をたてる音など、日常の雑音にかき消される微小な音を聞くことは心身の癒しにつながると言われています。街中は、雑音にあふれていますね。人間は、本来、静寂の中で、自身の思いにふけりたいという欲求があります。時々は、こんな空間で過ごしたいものです。

2024年

8月

30日

人物図鑑

 

今年度の屋上プールが終了しました。2カ月間、常に屋上では、子どもたちの歓声と水しぶきが上がっていました。ホワイトきゃんばすが閉園してしまうので、プール遊びもこれが最後ということで、プールを行ったすべての日で、プールボランティアのパパママが、子どもたちとの時間を過ごしました。ボランティアの保護者の数は、延べ43人となりました。学童で登園した小学生もその豪快なプール遊びで、保育園の園児たちを大いに刺激をしてくれました。スイカ割りは、何度やったことか・・・楽しいプールが終わると、寺子屋園児は、運動会の練習に入ります。10月19日の運動会まで、練習の日々の中に、きっと素敵な物語が生まれます。

 

さて、今日は、栃木県立那須高校で行っている「那須まち人物図鑑」の話です。1年生の総合的な授業の一環として取り組みがはじまり、今年度で4年目を迎えます。すでに3号まで発行されているので、1年間かけて、いっくりと取り組んでいるようです。

 

なんだか、「人物図鑑」というタイトルにそそられますね。記念すべき第1号には、那須のまちに住む25人が登場します。もちろん、芸能人やプロアスリートのような有名人ではありません。webデザイナー・会社経営者・那須町長・菓子工房店主・染織アーティスト・ミュージシャンなどなど、那須に住む様々な人物へ、高校生がインタビューします。

 

那須高校には「高校魅力化コーディネーター」が2名います。この2人が、高校と地域を結ぶ役割を担います。ただし、高校生がいきなり、段取り良くインタビューなどなかなかできるものではありませんね。講師を招いて2週にわたり授業を行ったそうです。インタビューで大切なことは、「相手に興味を持つ」「読み手に伝えること」で、インタビュアーになり切るよう指導が行われます。生徒たちは、二人一組でロールプレイングを行い、スキルを高めます。

 

そして、生徒たちは、実際にインタビューをし、「人物図鑑」の発行までかかわっていきます。高校生が地域の大人と接する機会をつくることで、将来相談できる大人が増え、郷土愛にもつながる」と、魅力化コーディネーターは語ります。

 

どうですか・・・「人物図鑑」を読みたくなりましたか。那須高校のホームぺージで公開されています。内容は、「高校生よ・・・よくぞここまで頑張った!」というレベルです。

 

那須校の生徒は、那須の人たちを知ることで、自分が何をやりたいのかを逆に考えるいい機会になったことでしょう。結局は、自分探しにつながるのです。

2024年

8月

29日

人見知りの子 注意!

屋上の池で、移動させるカメをチョイスしてると、網にドジョウがかかりました。ウナギとは言わないまでも、なかなか大きなサイズです。池の中で、かなり長い間生きたことがわかります。子どもたちは、いけすに入れたカメを触ったり、ドジョウに驚いたりして観察を楽しみます。少しずつ、池の生き物を自然に返していきます。カメは、我が家の庭に造った池に移動します。まだ、作業中ですが、花壇2つは、カメ池になりました。よく「猫屋敷」という言葉が使われますが、我が家は「亀屋敷」です。(笑)

 

さて、少し前は、9月1日が若者の自殺者が一年間で一番多い日とされていました。そう、長い夏休みが終わって、学校に行く日です。今は、さいたま市のように、8月末に2学期の始業式が前倒ししていることもありますが、どちらにしろ、2学期のスタートは、子どもたちにとっては、楽しみだけでなく不安を抱えることが多くなります。

 

今日は、人見知りの子について話をします。人見知りは、生後6か月~3歳くらいに見られる発達過程の一つで、自分のママパパと他人を区別して認知することで起きます。まさに、保育園の子どもたちに多く見られます。でも、発達とともに徐々に消えていきます。

 

一方、小学生になると発達とは関係なく、性格や個性としての人見知りが見られるようになります。人見知りとか引っ込み思案が悪いわけではありません。慎重で注意深い性格の裏返しでもありますね。しかし、この人見知りの性格は、夏休みなどの長い休み明けは、要注意の時期と言えます。集団が苦手な子にとっては、家庭から外に出ることに心理的な壁を感じ、時には通学を渋り不登校になることもあります。

 

我が子がそんな状況になったら、親としては、どうすればいいのか、悩みますね。子ども一人一人対応は異なるので、1つの答えがありません。ただし、言ってはいけない言葉は「みんなと仲良くしなさい」だそうです。中学生100人に「小学生の時に言われて嫌だったこと」を聞いた際、「みんなと仲良くしましょう」が上位にきます。

 

友だちが少ないことは、決して悪くないことを我が子に伝える方が、効果があるようです。以前、卒園児の小学1年生が、「園長先生。友だちが1日で10人もできたよ」と言ってきました。私は、「それは凄いねぁ~」という言葉が、まったく口から出てきませんでした。「○○君のことを本当に心配してくれる人を一人でいいから作ろう」と言いました。でも、そんな友だちすらいないから悩むのです。

 

我が子の性格・・・人見知りの傾向が強いなら、しっかりと見守っていきたいですね。

2024年

8月

28日

徳の話

今日は風があまり吹いていなかったので、プール遊びで楽しみました。ボランティアのパパは、普段から筋トレをしているので、マッチョマンです。子どもたちからは、「裸になって!」とか「オッパイぴくぴくして」とか、リクエストがいっぱいです。パパにとっては、悪い気にはなりませんね。ノロノロ台風のせいで、今日のプールが最後かもしれません。

 

さて、みなさんは、道端にゴミが落ちていたら、拾いますか?私は、家では、世の父親の多くがやっているように、「ゴミ担当」です。家から、ゴミ収集場所まで30メートルくらい歩きますが、それまでに、ゴミを見つけると、拾ってゴミ袋に入れるようにしていますが、それ以外で、道に落ちているゴミを見つけてもスルーすることが多いです。(反省)

 

ある校長先生の話です。「今朝、私は得をしました。学校に来る途中、校門前の十字路の脇でこんなものを拾ったのです(いくつかのゴミを見せます)。こんなゴミを拾い、なぜ得をしたと言えるのか。実は、以前、あるお坊さんにこんなことを教わりました。人間は誰にも徳というものが備わっています。人として、素晴らしい心や能力のことです。ゴミをそこらにポイ捨てするのは、自分の徳をポイと捨てるのと同じです。そしてゴミを拾うのは、それを捨てた人の徳をもらうのと同じです。拾った分だけ自分の徳が増えると言われたのです。そのお坊さんは、何十年も、町の中でゴミを見つけると、『ありがたや。ありがたや』と言いながら、それを拾ってゴミ箱に捨てるのだそうです。増えた徳で人に良いことをすれば、徳はさらに増えるとも話していました」

 

校長先生は続けます。「この話を聞いたのは今から40年前です。これから、私はゴミのポイ捨てができなくなりました。自分の徳を減らしたくないと思うのです。あなたは、どうですか。徳を減らしたいですか。それとも徳を増やしたいですか。人の徳と『得をする』の得は、漢字も意味も違います。でも、徳を増やせば、やはり得をするのです。私は今、朝少しだけ増えた徳を元に、学校をもっと良くするためのアイデアをいろいろと考えていきたいと思っています」

 

 

私は、このような話をすぐに真に受けてしまうタイプです。徳の話…みなさんは、どう受け止めますか。

2024年

8月

27日

男も女もラクになる働き方

台風がゆっくりと進んでいます。その影響なのか、屋上は10メートルくらいの風が吹いています。プールは無しにして、通常の屋上遊びにしました。久しぶりに、タイヤアスレチックを子どもたちと完成させて、板の上をバランス感覚を保ちながら、歩きます。1、2歳児も積極的に参加しました。屋上遊びのバリエーションは豊富です。

 

そして、小学生はいよいよ明日から新学期がスタートします。10月31日で保育園ホワイトきゃんばすが閉園することもあって、多くの卒園児が、この夏休み期間中に保育園に来てくれました。7月22日の夏休みスタートから本日までの1か月ちょっとで、のべ103名の卒園児が登園しました。保育園のタテの関係がさらに拡大し、在園児に多くの影響をもたらします。小学生になっても、子どもたちがずっとつながっているのが、ホワイトきゃんばすの強みですね。本当にうれしく思い、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

さて、OECD(経済協力開発機構)が、2020年にまとめたデータによれば、家事や育児などの無償労働時間について、日本の女性は1日当たり224分で、男性の41分の実に5.5倍になります。ジェンダー平等が進む北欧のノルウェー・スウェーデンが1.3倍、アメリカは1.7倍、日本に最も近いのが韓国の4.4倍であり、各国との違いが歴然としています。

 

ただし、このデータは2020年です。それから4年が経過しても、数字としては、大きな改善には至っていないようです。日本は、1997年を境に、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回る状況が続き、今では、専業主婦がどんどん少なくなってきています。そうした中でも、以前の「男は仕事、女は家事・育児」ではないにせよ、「男は仕事、女は仕事と家事・育児」となっているのが実情です。

 

ある男性の話です。女性に対して「保育園代やシッター代で、給料のほとんどがなくなるなんて。何のために働くの?会社やめたら?」「子どものお迎えで早帰りするあいつは、マジで使いにくいよなぁ~」なんて言っていた男性優位社会に浸っていたら、妻が駐在員として出世してニューヨークに赴任することになり、いきなり主夫になったそうです。

 

今まで妻がやっていた、家事や子育てを一手に引き受けることになったその男性は、仕事中心の世界とは異なる領域に身を置き、新たな景色が見えてきたそうです。家族を何よりも大切にする米国人の価値観に直接触れます。子どものお迎えで学校に出向く保護者のうち、半数近くが父親である実態も知るのです。彼は、日本時代に抱えていたストレスの主体が、実は男性役割を演じようとしていたがゆえの「生きづらさ」であることを知ることになるのです。

 

私の経験で言えば、2011年東日本大震災があった3月末に民間企業を退職し、保育園開園に向けての準備期間がスタートしました。図書館に通い保育士の勉強をしながら、保育園の物件を探します。家の掃除、洗濯と夕食の担当は私です。ろくに料理など作ったことがなかった私は、子どもたちに「まずい!」と言われながらもレパートリーを広げていきました。本人の前では恥ずかしくて言えませんが、今まで妻がやってきたことの「大きさ」をここで初めて知るのです。

 

保育園では、ここ数年、ほぼ100%に近いパパが、第2子誕生で育児休暇をとります。そうなれば、妻が肉体的にも精神的にもラクになります。男性もまた、呪縛から解放されてラクになるのです。

 

育児休暇などを通じて、男性がさらに深く、家事や子育てに参入するようになれば、数字上での国際比較でも、日本の数字が改善されるのでしょう。保育園のパパたちを見ていると、少しずつ…日本も変わってきているなぁ~と感じるのです。

2024年

8月

26日

ありふれた教室

 

 昨日の「夏まつりオンステージ」・・・連絡ノートには、保護者の感想がびっしりです。ステージでの子どもたちの頑張りに涙し、神輿を担ぐ子どもたちも、初めての経験ということもあり、親が興奮してしまったようです。ともあれ、素敵な思い出になって何よりです。今日は、卒園児の小学生が6人登園しましたが、夏休みも明日までです。この週末は、宿題の追い込みに頑張ったようです。切羽詰まった状況では、「やっつけ仕事」か「充実作品」になるか、二極化するようです。(笑)

 

さて、最近の映画です。ドイツのイルケル・チャタク監督の「ありふれた教室」について紹介します。ドイツのある中学校で発生した盗難事件。生徒思いで正義感あふれる女性教師カーラは、真相を究明しようと奮闘します。しかし、この映画は、犯人捜しから真実を明らかにする内容ではありません。学校という環境で、この物語は進んでいきますが、私たちの社会にも起こりうる内容であることを示唆しています。

 

カーラのクラスの生徒に疑いがかかります。生徒への疑いを晴らすために、カーラは自分の財布を職員室に置き、パソコンの録画モードで撮影します。そこに映っていたのは、お金が抜き取られる場面とある職員の服の一部です。顔は映っていません。その職員は、行為を全面否定し、疑念を受けたことに激怒し、息子の手を引き学校を飛び出します。この息子は、カーラが担任するクラスの生徒です。

 

うわさはすぐに学校全体に広がり、カーラの立場を追い詰めます。正義を証明することができないカーラに対して、周囲の勝手な解釈やフェイクが追い打ちをかけるのです。

 

組織管理の立場から、寛容主義にはなれない学校経営と、寛容であるべきという教育主義の葛藤。それに伴う教員間の対立。やがて、それが生徒や保護者とのあつれきとなり、カラーはどんどん追い詰められていきます。抑圧と孤立のなかで、主人公のカーラは、もがき苦しむのです。

 

この映画のタイトルは「ありふれた教室」です。つまり、世界のどの学校のどのクラスでも、起こりえることなのです。そして、学校は、社会の縮図として位置付けられます。

 

この映画でも描かれるのは、ネット上の心ない書き込み、炎上です。匿名であると、人間は卑劣な言葉で相手を追い詰めることに、何の抵抗も感じなくなります。フェイクニュースで世の中が混乱させても罪悪感を持ちません。相手が分かっている場合でも、メールやラインの言葉は、お互いの解釈の相違で、プラスにもマイナスにも受け取られます。

 

携帯電話が普及した、今から30年以上前から、「人の感情に関する内容を決してメールでやり取りしてはいけない。必ず、フェイスツーフェイスで行うように」と言われてきました。文章では、発信する側と受け取る側では、解釈が変わってくるからです。

 

今の世の中・・・正しい情報とフェイクが交錯する中で、真実を問い続けることが、昔とは比較にならないくらい難しくなっています。それでも、真実の中にだけ、答えはあるのです。

2024年

8月

25日

夏休みおわりの 小さな夏まつり

今年度は、残念ながらクリスマス発表会で、子どもたちのパフォーマンスを保護者の皆様に見せることができなくなりましが、子どもたちのステージが、ちゃんと用意されました。

 

今日は、保育園ホワイトきゃんばすが入る、イオン大宮西店の1Fのイベントスペースで、「夏休みおわりの 小さな夏まつり」が行われました。地元の三橋6丁目商工会とイオン大宮西店主催のお祭りです。そのトップバッターで、ホワイトきゃんばすの子どもたちが「オンステージ!」です。ステージの後ろには、地域自治体の「おみこし六基」が並んでいます。「神様に守られて、歌って踊るんだね」と6歳女の子が言っています。

 

子どもたちは、虹をイメージしたカラフルな服に、お気に入りのカラーシールを貼って、オリジナルの衣装を作りました。一人一人違う衣装で、「にじ」を歌います。1番から3番まで、間違えることなくきっちり歌いあげました。そして、ダンス「やってみよう」で盛り上がります。

 

観客席を見ると、保育園の保護者やきょうだいで、すでに70人ほどになっているので、席は埋まり、立ち見客の大盛況です。吹き抜けのフロアなので、2階・3階の手すりからお客様が見守っています。

 

ママを前にすると、必ず泣いてしまう2歳児の女の子は、涙を流しながらも、最後まで踊りました。ママは涙です。そして、ダンスでは、最後のフォーメンションで、年長園児が前に出てきます。ここで、一気にボルテージが上がりました。観客席からの盛大な拍手をあびて、子どもたちのステージは大成功です。

 

先陣を切ったホワイトきゃんばすの子どもたち・・・次に続く、創立50周年の大宮西中生徒のダンスパフォーマンス、お笑い芸人で大宮西中出身の「小石田純一」さんのステージも盛り上がりました。小石田さんは、石田純一さんのモノマネで有名な芸人です。

 

子どもたちのお楽しみは、まだ終わりません。ステージが終わると、「子どもみこし」をかつぎました。さいたま市西区の神輿連合会のメンバーにフォローしていただき、イオン1Fフロアを「わっしょい!わっしょい!」と練り歩きます。

 

子どもたちの頑張りに、保護者の皆様も大満足です。これが、保育園ホワイトきゃんばすの最後の発表会になります。9月の秋まつり・・・10月の運動会・お別れの会と、イベントは続きますが、今日も「子どもたちの笑顔」をいっぱい見ることができました。

めでたし・・・めでたし・・・です。

2024年

8月

24日

優劣のかなたに

今日は、「猛暑日」まで気温が上がらなかったので、お昼の園長課外授業では、アスレチックのある公園に遊びにいきました。1年生のクラスの中には、すでにメガネをかけている友だちが多くいるそうです。スマホやゲームをする時間を昭和の子どもたちのように外遊びにシフトすれば、視力低下が回避できるのでしょうが、夏休みは、猛暑で外遊びができない昨今・・・難しい問題です。もう一つ、海水浴客が激減しているそうです。清潔なイメージのプールにシフトしているとのこと。私が子どもの頃は、磯遊びは最高の時間でした。生き物に興味を持つ機会も、今の子どもたちは減っているのかもしれません。ここは、親の行動次第です。

 

お金をかけずに、「超感動!」を親子で経験するには、夜の公園に行ってください。そこでは、セミが羽化するシーンを見ることができます。カブトムシに出会うよりも確率は高いです。5年以上かけて土の下で生活したセミの幼虫が、夜に、真っ白な羽を伸ばして羽化するシーンは、間違いなく、子どもの心に残る「夏の思い出」になります。

 

さて、今日は、国語研究の巨匠である、大村はまさんの詩「優劣のかなたに」を紹介します。

 

優か劣か そんなことが話題になる そんなすきまのない つきつめた姿。

持てるものを 持たされたものを 出し切り 生かし切っている そんな姿こそ。

優か劣か、自分はいわゆるできる子なのか できない子なのか、

そんなことを 教師も子どもも しばし忘れて、学びひたり 教えひたっている

そんな世界を 見つめてきた。学びひたり 教えひたる、それは 優劣のかなた。

ほんとうに 持っているもの 授かっているものを出し切って、打ち込んで学ぶ。

優劣を論じ合い 気にしあう世界ではない、優劣を忘れて 

ひたすらな心で ひたすらに励む。今はできるできないを 気にしすぎて、

持っているものが 出し切れていないのではないか

授かっているものが 生かし切れていないのではないか。

成績をつけなければ 合格者をきめなければ、それはそうだとしても それだけの世界。

教師も子どもも 優劣の中で あえいでいる。

学びひたり 教えひたろう 優劣のかなたで 

 

優劣を論じあい、気にしあう世界ではなく、子どもたちが、本当に持っているもの、授かっているものを出し切る学びが大切だという内容ですが、世の中には、どうしても順位をつかなければならない時があります。しかし、私たち大人は、人と比べて優劣を感じるのではなく、「自分」をしっかりと見つめ、「自分」を大切にし、違う他者を受け入れて生きてほしいと願い、子どもたちと接していきたいですね。私たち大人も同じです。

2024年

8月

23日

「退職代行サービス」広がる

今日は、しっかりと屋上プールができました。パパ3人がボランティアを頑張ってくれたので、子どもたちは、もみくちゃにされながらも、隙を見ては水攻撃を仕掛けていました。5歳女の子が「えんちょうせんせい・・・スイカは?」と聞いてきます。「今日はないよ・・・」毎日スイカ割りは、贅沢すぎますね。(笑)

 

そして、サマーキャンプ2日目に行ったワークショップ、着物の生地を使ったフォトフレームが完成しました。元保護者のミラクルズのオーナーが届けてくれました。年長園児は、完成した作品を手にして記念撮影です。フォトフレームには園児それぞれの写真があります。これを見るたびに、サマーキャンプの素敵な思い出が蘇ってくることでしょう。

 

さて、仕事を辞めたい人の意思を、本人に代わって会社に伝える「退職代行サービス」の利用が広がっているようです。昭和おやじの私としては、「おいおい…会社辞めることぐらい自分で言えよ!」と思ってしまいますが、ここは冷静になってみます。

 

まずは、代行が必要とされる背景には、勤め先に対する不信感、上司や同僚からのハラスメントなどが原因で、とてもじゃないが、退職を言い出せない職場環境があるようです。

 

代行事業者が弁護士であれば、退職届の提出だけでなく、有給休暇の所得や未払いの残業代、退職金についても、きちんと交渉ができるそうです。料金はそれなりにかかりますが、退職金などもきちんと支払われることで、メリットはあるようです。厚生労働省によると、全国の労働基準監督署などに寄せられた相談のうち、人手不足を理由に退職届の受け取りを拒否されたといった相談が増えているそうです。本来、退職する権利は誰にでもあるのですから、こういった個人では対応が難しい場合などに、退職代行サービスが使われるのです。

 

現在、退職代行を営む事業者は、日本全国で100ほどはあるそうです。料金は、2~3万円が相場ということですが、弁護士でなければ、未払いの残業代などは請求できないので、信頼できる事業者を選ぶ必要があるとのことです。

 

東京商工リサーチが行った調査では、2023年1月以降で、退職代行を利用してやめた従業員がいると答えた企業は、全体の9.3%(479社)にもなったそうです。想像以上に、退職代行が広がっているようですね。会社にとっては、大きくなりすぎて、実態が見えにくくなったところなどは、課題を見直す契機となっているようです。

 

う~ん・・・百歩譲って考えれば、企業の反省材料に活用されるのは良しとしても、やっぱり、やめる時は、きちんと自分の口で「コレコレの理由で退職させていただきます」と言って欲しいなぁ~と思う、昭和おやじです。

2024年

8月

22日

LRT 宇都宮に活気

今日は朝から雨が降り、気温も高くならなかったので、久しぶりにプールなしの屋上遊びをしました。小学生が7人登園したので、小5から0歳児までの11学年での遊びとなったのです。異年齢遊び&学び合いが、凄まじかったです。小学生レベルの遊びを体験できた保育園園児たちです。

 

さて、LRTという言葉をご存じですか。「ライト・レール・トランジット」の略で、低床車両で、段差の少ない駅で乗り降りしやすい路面電車です。見た目は、ヨーロッパの街並みを走るような、オシャレでかっこいい電車です。日本では、富山市が2006年に導入したのが最初です。そして、1年前に宇都宮市で開業しました。今後、沖縄の那覇市や和歌山市が導入予定だそうです。今日は、開業1年を迎えた、宇都宮のLRTの話です。

 

「宇都宮芳賀ライトレール線」は、JR宇都宮東口から芳賀町の工業団地迄の14.6キロを最短42分で結びます。宇都宮市などが車に依存しないコンパクトな街づくりを目指して整備しました。総事業費は約684億円で、国が半分を補助しています。栃木県や隣の群馬県は、マイカー保有率が高い県でもあります。車がないと生活に支障をきたすというわけです。しかし、脱車を打ち出し、開業312日目に、予測よりも2か月も早く累計400万人を突破したそうです。平日は、1日1万5000人以上が利用しています。

 

沿線の工場団地の通勤需要があるものの、宇都宮市に移住する動きが起きているそうです。2021年に新設された沿線の小学校では、この3年で児童数が170人増えて860人になったそうです。この人数なら、れっきとしたマンモス校です。宇都宮市の人口もLRT整備が本格化する前と比較すると約8%増えたそうです。

 

この成功例を参考にしようと、自治体関係者などの視察ツアーは、7月末までで、413件行われたそうです。人口減で地方都市の公共交通が元気がない中で、脱車依存のコンパクトシティを目指す取り組みが注目を集めています。

 

少子高齢化は、過疎地といわれる地域や自治体では大きな社会問題ですが、宇都宮市のように新幹線の駅もある、地方都市にとっても人口減の問題は避けられません。宇都宮の例が、すべての地方都市に当てはまるわけではありませんが、LRTは持続可能な街づくりの手段の一つになりますね。

2024年

8月

21日

農ガール

今日の屋上プールも、プールボランティアの保護者の差し入れで、スイカ割りを楽しみました。子どもたちが大好きなスイカですが、実は、スイカが苦手な園児が5人ほどいます。スイカ割りを楽しむものの、スイカには一切手を付けません。その中に、年長園児で一番口がたつ男の子がいます。「○○君・・・どうしてスイカが食べられないか理由を言って」に、「あまり好きじゃないから・・・」とボソッと答えます。「もっと、くわしく、○○だから嫌いなんだと答えて。○○君なら、ちゃんと説明できるでしょ」と意地悪な質問をすると、返答に困る男の子です。理屈抜きで食べられないということですね。

 

さて、最近はテレビなどで、就農する若者を取り上げることが多いですね。若者とは限らず、「畑違いのサラリーマンだった人が・・・どうして就農の道を!?」みたいな感じです。そして、「農ガール」といわれるような、女性の就農者の話題も増えてきました。

 

実は、2021年の農林水産省の統計では、農業を普段の仕事とする「基幹的農業従事者」のうち、女性は39.3%で約4割を占めるそうです。もっと男性の比率が高いのかと思っていたので意外です。しかし、ここからが問題です。農林漁業にかかわる人が家事と育児にかける1日の平均時間は、男性の25分に対して、女性は2時間26分だそうです。畑仕事をした後の食事作りや子育ては、すべて女性の仕事のようです。私が、子どもの頃、「農家の嫁になる人はそうそういないよ」なんて言われていましたが、昭和も令和の今も、女性を取り巻く環境は、そんなに変わっていないのかもしれませんね。

 

そんな中で、「農ガール」と言われるような、女性の就農者が増えているようです。佐賀県で、イチゴの栽培で就農した女性は、3人でチームを組み、子育てをしながらできる範囲で仕事をしています。彼女たちは、自分の得意分野で勝負します。インスタグラムでは、イチゴ栽培の楽しさを伝えることを重視し、イチゴを使ったスイーツ作りの様子などを投稿しているそうです。

 

農業のイメージは、野菜などの収穫物をモノとして販売する。直接販路があればまだいいですが、農協に安い値段で卸すとったイメージがあります。しかし、彼女たちは、イチゴというモノだけでなく、スイーツレシピなどコトまで広げることができています。ここら辺の感性は女性ならではのものかもしれません。親族の支えがあってこそ、家事や子育てをしながら続けられていますが、就農スタイルも変化しているようです。

 

現実は、コロナの影響で落ち込んでいた雇用が回復してきたので、新規就農数は、2022年から減少しているそうです。就農年齢としては若いと言われる、40代の減少比率が高いそうです。ここは、「農ガール」といった新たな新規就農者に、今までにない農業を期待したいですね。

2024年

8月

20日

リユース衣料広がる

保育園の入るショッピングセンター1Fのイベントスペースに、地域のお神輿(みこし)が6基並んでいます。その中の1つは、子どもみこしです。8月25日(日)に、ショッピングセンター内で、地域の商工会が主催する夏まつりが行われます。そのトップバッターとして、保育園ホワイトきゃんばすの子どもたちが、うた「にじ」・ダンス「やってみよう」を演じます。その後、神輿連合会にフォローいただき、子どもたちは、子どもみこしを担ぎます。今日の寺子屋は、お神輿見学です。じっくりと神輿を見ると、四方に鳥居があって、扉があります。「あの扉の中に、神様がいるんじゃないの?」と、子どもたちの好奇心が大きくなったようです。「わっしょい!わっしょい!」の掛け声の練習をして、子どもたちは、お神輿・・・やる気満々です。

 

さて、東京の下北沢のように、古着文化が定着した街は、日本にはたくさんありますが、アパレル企業自身が、自社の服を長く愛用してもらいたいという考えで、お客様から不要になった服を回収して古着として販売するところが増えているそうです。

 

三陽商会は、お客様から自社の古着を回収し、汚れや破れがないかなど、独自の仕分け基準をクリアしたものを「三陽商会認定リユース品」として売り出します。担当者は、「服の循環利用が進めば、廃棄の減少につながる。ブランドや服に対する愛着も深まるはず」と期待します。あのユニクロも、古着プロジェクトを始動しました。回収品をそのまま古着として販売するだけでなく、染色加工を施したリメイク品も販売しているそうです。

 

環境省の推計では、2022年に80万トンの衣類が国内で新規提供されたのに対し、家庭から70万トンの衣類が手放されます。そのうち、廃棄は46万トンで6割を占め、リサイクルは11万トン、リユース(古着)は13万トンにとどまっています。こう考えると、ファッション業界が抱える大量生産・大量廃棄の問題が浮き彫りになりますね。ペットボトルやビニール手提げ袋のことが、環境問題として取り上げられますが、廃棄される衣類も大きな社会問題ですね。

 

みなさんは、洋服を購入する際は、新品オンリーですか。それとも、古着を活用していますか。私は、大いに活用しています。「同じ人が同じ服を着続けることも大事ですが、みんなで服を共有し、その寿命を延ばしていく方法もあります。誰かに譲ることを前提に着れば、きれいな古着が増え、持続可能な取り組みになる」と専門家は語ります。

 

お気に入りのブランドがあっても、その購入方法に変化が起きているようですね。

2024年

8月

19日

クマ対策

今日の朝のインタビューでは、子どもたちの「お盆休みで楽しかったことは?」です。年少園児までインタビューができました。ホワイトきゃんばすでは、こうしてインタビュー形式で、子どもたちが一人で発言する機会が多いので、インタビューにも慣れたものです。おじいちゃんおばあちゃんの家で過ごした・・・海やプールに行った・・・イベントに参加・・・誕生日だったのでたくさんプレゼントをもらった話など、しっかりと話ができました。

 

さて、この夏もクマに関する報道がたくさんありました。「畑で作業中の男性がクマに襲われ、大けがをしました」といった感じです。環境省によると、昨年度の被害者は過去最多の219人(死者6人)。今年も昨年度を上回る勢いで増えています。

 

専門家の話では、クマ被害の件数だけでなく、事故が起きている「場所」が問題だそうです。クマが本来暮らす山林での人身事故の件数は、今も昔も変化はないものの、「人間の生活圏での事故」が増えて、全体の件数を押し上げているとのことです。つまり、「クマはクマらしく暮らしているだけ。人間の暮らしの変化にクマが柔軟に対応してきただけ」のようです。過疎化・高齢化が進み、廃村や廃集落が増えることで、人がいなくなる地域まで、クマの生息地が広がっただけなのです。

 

森の伐採などの手入れが行き届かなくなれば、クマが、家のすぐ裏でお昼寝できてしまうような状況になるのです。人の目に付くことは避けたいクマにとって、手入れが届いていないヤブなどは、格好の通り道なのです。

 

よく、動物愛護を主張する人たちは、「人間とクマとの共生」をしっかりとやっていこうと言いますが、朝起きたら、庭にクマが居れば、共生などできるわけがありません。本当の対策は「人とクマの棲み分け」だと言います。人の生活圏での人身事故を防ぐためには、クマに人の生活圏に来ないでもらう対策が大事だと言います。

 

現在、クマは駆除されます。山へ帰すことは現実的には難しいようです。クマに対する人間の意見は、真っ二つに分かれます。「かわいそう」「殺すな」「山に返してやれ」という意見と、「何言ってるんだ、毎日クマが出る地域に住んでみろ!」「お前の家にクマを送り付けてやる」といった感じです。

 

高齢化が進む中で、「過疎地においての第一次産業の後継者をどう維持するか」など、行政、自治体レベルの戦略が必要ですね。もう、住民の創意工夫では、どうしようもないですね。まったく熊った問題です。(失礼!)

2024年

8月

18日

時間の使い方⑦~もしこれが人生最後だとしたら~

世の中のお盆休みもいよいよ今日でおしまいです。猛暑日の記録が更新されたり、台風で交通機関が大混乱したりと、多くのハプニングがありましたが、みなさんは、どのように過ごされましたか。

 

さて、「時間の使い方」最終回です。あのスティーブ・ジョブズは毎朝、鏡に映っている自分にこう問いかけたそうです。「もし今日が人生最後の日であるなら、自分は何をするだろうか?」こう問いかけることで、今何をすべきかを、自分に語りかけていたそうです。「今という時に『尽くす』」という気持ちで、ジョブズは生きてきたのでしょう。

 

でも、待ってください。私たちも同じように、「明日はもうないかもしれない」なんて生きるのは、かなりしんどいですね。そこで、「この店でのランチは人生最後かもしれない」「この人との会話は人生最後かもしれない」「この列車の乗るのは人生最後かもしれない」と考えるはどうでしょうか。もっとカジュアルに考えるなら、「今食べているカレーライスはあと3回しか食べらっれない」としたら、スマホやテレビを見ながら食べることはしないですね。

 

自分の高校時代の卒業式を思い出してください。「また会おうな!」と言って別れて以来、一度も会っていない同級生がたくさんいませんか。その時は、もう会わないなんてこれっぽっちも思っていませんでしたか。それだけ、時間は何らかのアクションをとらないと、どんどん過ぎていくのです。

 

私たちは、ユーミンの「あの日にかえりたい」を口ずさんでも、決して帰ることはできません。時間は常に過ぎ去っていきます。今という時は、常に「最後の今」という時で、私たちは常に「最後の今」を生きているのです。

 

少し、理屈っぽくなりましたね。時間は、肯定的にとらえないといけませんね。あの児童文学の名作「モモ」の中に、こんな一節があります。

 

「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない」

 

時間を自分のものにするということは、あくせく働くことでも、すぐにやらなければならないと忙しくすることではなりません。自分で考えて時間を使うということです。のんびりする時間が必要な時は、「なにもしない時間」も大切な時間ですね。

 

明日から、お盆休みも終わり、また日常に戻ります。「時間の使い方」をあーだこーだと語ってきましたが、自分で考えて、貴重な時間を使っていきましょう。

2024年

8月

17日

時間の使い方⑥~思い出づくりを考える~

お盆休み明けの保育園がスタートしました。と言っても、今日は土曜日ですので、お盆休みでの楽しい出来事は、月曜日にたくさん聞くことにします。台風一過で気温が上昇したので、プール遊びにはもってこいです。水しぶきが止まらない時間になりました。

 

さて、今日も「時間の使い方」のつづきです。世界的ベストセラーになった「DIE WITH ZERO」(ゼロで死ぬ)には、「人生が豊かになりすぎる究極のルール」というサブタイトルがついています。本の中でこんな文章があります。『人生でしなければならない一番大事な仕事は、思い出づくりです。最後に残るのは、結局それだけなのですから」

 

人間の記憶というのは、忘却のためにあるようなもので、1か月後には約79%を忘れると言われています。私なら、もっと忘れています。(笑)しかし、ずっと思い出に残っている出来事は、まさに「これまで生きてきた時間の選抜チーム」と言えます。

 

私たちの思い出は、気がつけば「あの出来事が、思い出として残っている」という内容です。ところが、私たちは、限られた時間の中で、思い出をたくさん作っていくには、意識して計画を練り、行動することが大事なのです。

 

ヒットメーカーの秋元康さんは「記憶に残る幕の内弁当はない」と言っています。あれやこれやと盛り込みすぎると、人の記憶に残りにくくなるという意味です。私は、若い頃からたくさん旅をしていますが、すべてが思い出として残っているわけではなりません。

 

流氷の上をいい気になって走っていたら、流氷のつなぎ目から海に落ちそうになった

西表島を8時間かけて縦断途中に、ハブに遭遇し踏みそうになった

北の国からのロケ地で、五郎さん・純・蛍に会って、蛍を抱き上げた

なんていう思い出は、死ぬまで忘れることはないでしょう。この3つの経験は、社会人になる前のはるか昔の経験です。やはり、思い出として残ることは「やりかたったこと」から生まれるようです。

 

ある終末医療に関わる医師がこんな話をしています。「人生の最期を迎えた人が、自分の人生を振り返った時に後悔することのひとつが『やりたいことをやっておけばよかった』ということだそうです。ちなみに、「仕事をもっとしておけばよかった」と後悔する人はほとんどいないとのこと。

 

ここまで書いてきましたが、人間は「本当にやりたいこと」を簡単には、見つけられないものですね。でも、モノやお金ではなく、「思い出」が、人生の最期に、「幸せな時間だった」と言えることにつながることは、間違いなさそうですね。

2024年

8月

16日

時間の使い方⑤~時間は選択が9割~

昨日は、終戦の日でした。パリ五輪では、卓球の早田ひな選手の「鹿児島県知覧(ちらん)の特攻平和会館に行ってみたい」という発言が注目されています。早田選手にとっては、卓球技術の向上だけでなく、内面の「心」を磨くことも金メダルへの道と考えているのでしょう。私も、19歳の時に知覧を訪れたことがあります。若者が母へ書いた手紙を読むと、戦争への怒りややるせない気持ちで胸が痛くなりました。左手を負傷しながらも、銀・銅の2つのメダルを獲得した早田ひな選手は、特攻平和会館で何を感じるのか、注目したいですね。

 

また、NHKのドラマ「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」を観ました。終戦から79年目の夏、ドラマの内容は、いかに次世代に戦争を伝えるか・・・が視点です。岸部一徳さんの「語り部」のシーンには、グッと引き込まれてしまいました。特に、「あの時の自分は、この戦争は正義で、日本は絶対に勝つと信じ込んでいた。でも、それはまわりに流された気持ちだった。戦争が終わり、両親・兄・妹を亡くし一人ぼっちになって、ようやく自分で考えるようになった。この戦争は間違っていたと」の言葉には、説得力がありました。あと数年もすれば、戦争を経験していない日本人が、限りなく100%になります。「若者へ戦争を伝える」という言い方はおかしな表現で、私のようなおっさんも、戦争を経験していません。百聞は一見に如かずと言いますが、「語り部」が語る戦争は、映像よりも心に残りました。

 

さて、今日も前置きが長くなりましたが、本日は時間を選択することを考えます。よくアニメ「サザエさん」に出てくるシーンで、カツオにサザエさんは、遊びに行く前に宿題をやるよう言いますが、カツオはサザエさんの目を盗んで遊びに行ってしまいます。そして、決まってあとでサザエさんに怒られます。でも、怒られてもあまり気にしている様子はありません。それは、カツオには明確な時間の選択基準があるからです。「遊び>宿題」です。カツオは、この選択基準を決して変えることはありません。選択基準を決めるとムダな時間が減ります。カツオにとっての無駄な時間は、宿題ですね。(笑)

 

ある研究によると、人は1日に最高で3万5000回もの選択(決断)をしているといいます。1日は8万6400秒です。そこから睡眠時間を引いて考えると、1日の半分以上は選択の時間ということになります。朝、目が覚めて・・・「すぐに起きるか、もう少し布団で寝てるか」「トイレに先に行くか、顔を先に洗うか」「朝食はパンにするか、コーヒーだけにするか」「出かけるのに、何を着ていくか」と、書き出したらきりがありませんね。

 

では、あなたは、何で選択基準を決めますか。それは、人それぞれです。「好きか嫌いか」「後悔しないかどうか」「体と心の声に従っているか」「幸福度が高いかどうか」「人に喜んでもらえるかどうか」など、選択する内容でも基準は変わってきます。

 

では、逆に気をつけるべき「選択基準」を3つあげます。1つは「空気をよむ選択基準」です。なんとなく相手に悪い…他人の目が気になる…という感情で自分が望まない選択をしないことです。2つ目は「もったいない選択基準」です。これまでにかけた時間やコストがもったいないと考えて、合理的な判断ができなくなることです。プロジェクトや商品企画は、途中撤退には勇気が必要ですが、山のぼり同様に「やめる・あきらめる」勇気が必要ですね。3つ目は、「気分による選択基準」です。自己啓発セミナーに参加すると前向きな気持ちになり、その気分で選択をする。映画を見た後は、主人公になった気分で、無謀な選択をする・・・といったことです。

 

そして、選択が難しい時には、あえて「選択しない(選択放置)」も、選択基準の一つですね。すべて、白か黒かではなく、グレーだってあるものです。

 

どうですか・・・自分の選択基準をしっかりと考える時間は、ムダではないですね。

2024年

8月

15日

時間の使い方④~時間を自分のものにする~

昨日は、千葉県の佐原(さわら)をブラブラしていました。歩くのは、しんどいと思いレンタサイクルを借りたのですが、運動量は変わらず大汗です。上着が水をかぶったようにびっしょりです。保育園の子どもたちと同じで、着替えのシャツを持参しました。佐原は、埼玉県の川越のように、小江戸と呼ばれ、水郷沿いに、昔の街並みが残っている味わい深い場所です。目的は、「伊能忠孝(いのう ただたか)」です。

 

皆さんもご存じのように、わが国最初の実測日本地図を作りあげた人物です。彼は、17歳の時に伊能家の婿養子になります。伊能家は酒造業などを営む地元の名士です。忠孝は、商才を発揮し財をさらに増やすと、49歳で隠居し、江戸に住み天文学者、高橋至時(よしとき)に入門します。そして、55歳になって、東北、北海道南部の測量の旅に出ます。その後、測量の実績が認められ、59歳の時に正式に幕府に登用されました。そして、71歳まで測量の旅を続けるのです。平成22年には、伊能忠敬関係資料は、国宝に指定されました。資料館には、伊能の地図と、現在の日本地図が、ほとんど変わらないことがわかります。何より驚くのは、55歳で測量の旅に出かけたことです。現代人の年齢なら70歳くらいですかね。新しいことにチャレンジするのに、年齢は関係ないことを証明した一人です。そう、ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダースも65歳からですね。

 

前置きが長くなりましたが、今日は、「時間を自分のものにする」を考えます。何かに集中して取り組みことを「シングルタスク」と呼ぶことにします。反対に、複数の作業を同時にこなすことを「マルチタスク」と呼びます。スマホを見ながら食事をすると、なんだか、食事の味わいもなくなりますね。人間の脳は、もともとマルチタスクをするようにはできていないそうです。つまり、時間を自分のものにするには、マルチタスクをやめてシングルタスクを心がけるのがベストです。ただし、シングルタスクには弱点があります。それは「飽きる」ことです。人間の集中力には限界がありますので、時々は、気分転換が必要です。

 

もう一つは、「ムダだと思える時間」を「ムダじゃない時間」に変換するのです。病院に行って待ち時間が長いと想定されるときは、ノートパソコンを持ち込み仕事をする⇒仕事に疲れたら本を読めるように準備⇒スマホで動画を見られるようにイヤホンも用意。といった感じです。私がサラリーマン時代は、通勤電車は「電車オフィス」にしていました。座れたらノートパソコンを開き、最低でもつり革ポジションを確保し書類に目を通していました。携帯で、パソコンへの仕事メールをチェックできるようにして、すぐに返信ができるようにもしていました。

 

私の経験上、仕事でグチをよく言う人は、時間を自分のものにしていません。相手ベースの時間を過ごしていることが多いので、「相手のせいで忙しい」「相手のせいでうまくいかない」といつも誰かのせいにしています。私が先輩に教えてもらった、アポイントメントの取り方です。「アポイントを取る時は、相手にいつがいいですか?とは絶対に言ってはいけない。必ず、『明日の午後はいかがですか?』と、自分が動ける時間を相手に提案しろ!」でした。これは、時間を自分のものにするやり方の1つです。相手の伺いを聞いたら、「この日は、○○をする予定だったのに!」とグチを言ってしまいますね。

 

どうですか・・・あなたが考える「時間を自分のものにする」を実践してみてください。

2024年

8月

14日

時間の使い方③~幸福の時間を増やす~その2

昨日は、盆の入りでした。両親の墓参りに行くと、提灯を持つ人が、先祖を連れて帰っています。あぜ道では、何人かの子どもたちが、先頭で提灯を持って歩いています。それぞれの地域でお盆の風習は、色々な形があると思いますが、我が家は、迎え火を焚いて、キュウリとナスを馬と牛に見立てて、両親を迎えました。仏壇もいつよりは派手に飾ります。みなさんのお盆の風習は、どんな形ですか。

 

さて、「時間の使い方」のつづきです。幸せな時間を多くしたいのはやまやまですが、私たちは、日々「やらなければいけないこと」が多すぎますね。とくに、まじめな人ほど、やらなければいけない時間を多く過ごしているような気がします。それで、心も体も壊してしまったら、どうにもなりません。

 

それじゃ・・・時間を「遊び化」してしまって、幸福の時間を増やせばいいと思えば、「仕事もせずに遊んでばかりいる」とか「遊ばないで仕事しろ」と言われてしまいます。これは、オランダの歴史家「ホイジンガ」が1938年に提唱した考え方ですが、「遊ぶこと」は、もともと人間に組み込まれた本能であり、人間の本質だと。まさに、保育園の子どもたちを見てると、遊ぶことが仕事ですので、ピッタリ当てはまります。まじめな取り組みと遊ぶ心のバランスが難しいところです。

 

 「幸せの時間」は、人によっても、そのタイミングによっても、色々と変わっていきますが、大きく2つ、「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」に分けられます。「長続きしない幸せ」は、所得や資産、社会的地位など、地位財産による幸せで、周りの人と比較することで満足感を得るものです。年収が高く、人よりも稼いでいても、それが継続するわけではありませんね。会社の役職が無くなったら、誰もついてこなくなった悲しいサラリーマンもたくさんいます。

 

一方で、「長続きする幸せ」は、最近よく言われる「ウェル・ビーイング」と呼ばれるものです。「楽しい・うれしい・感謝の気持ち・時間を忘れて没頭する・良好な人間関係・人生の目的や意識がある・何かを達成する、成し遂げる」こんな感情によって、幸福が持続できるという考えです。

 

「幸せな時間」という言葉は、やや抽象的で個人差がありますが、「長続きする幸せ」の時間を多く持つことが、どうやら、いい時間の使い方につながりそうです。どうですか、みなさんも「長続きする」を考えて見ませんか。

2024年

8月

13日

時間の使い方②~幸福の時間を増やす~その1

昨日は、まだ猛暑にならない午前中に、保育園屋上の片付けをしていたのですが、「これでもか!」というくらい汗が流れ出て、「これでもか!」というくらい水分補給をすると、また「これでもか!」というくらい汗をかくの繰り返しです。年齢を重ねても、汗をかくということは代謝がいいと考えることにしました。(笑)

 

さて、「時間の使い方」の話です。人は、誰もが1日24時間という同じ時間を過ごしていますが、どうせなら、幸せの時間を増やしたいものです。

 

日銀が調査した「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」によると、60代、70代が突出した金融資産を持っているというデータが出ています。つまり、日本人の多くは、死ぬ時に、もっともたくさんのお金を持っているというわけです。将来への不安や、「老後には○○円必要」とあおられて、お金を貯めないといけないと思うのでしょうが、そのまま生涯を終えたとしたら、もったいないですね。

 

熟年離婚をした、ある元妻の話を紹介します。「これまでの人生は妻、親という役割をこなすことを最優先に生きてきたけれど、いつも心にぽっかり穴があいたような状態でした。自分の残りの人生の時間を考えたら、今のままじゃダメだって思ったんです。もっと自分の幸せのために行動しようって。これまでは夫の顔色をうかがいながら生きてきましたが、そんな時間はもったいないので離婚しました。自分がやってみたいことをこれからはどんどんやっていきます」

 

彼女の話は、特別なことでもなく、典型的な熟年離婚の理由の一つですね。彼女の子どもたちも「お母さんがやりたいように生きた方がいい」「お母さんの人生はお母さんのものなんだから」と後押ししたそうです。

 

とうことで、彼女は残りの人生は「幸福の時間」を増やすことを選択したのです。ただし、誤解をしてはいけません。「幸福の時間」とは自分のやりたいことをひたすたやることだけではありません。

 

人に喜んでもらったり、ボランティア活動で被災地の人を助けることも「幸福の時間」にできますし、オリンピックのアスリートたちを見ていると、メダルを目指して取り組んだ練習の時間、努力をした時間でさえも「幸福の時間」にすることはできます。

 

仕事や家事、子育ての時間がある人にとっては、「やらなければいけない時間」が、一日の大半を占めます。そんな人が、どうやって幸福の時間を増やすことができるのか。明日は、それを考えていきます。

2024年

8月

12日

時間の使い方①

お盆休み期間は、いつものように「特集!」のプログとさせていただきます。今回は、「時間の使い方」です。なかなか難しいテーマですね。

 

閉店間際のスーパーマーケットに入ると、総菜コーナーには、半額シールが貼られた商品が並んでいる事が多いですね。言わずもがな、ロスにしないで総菜を売り切るためです。商品には、「賞味期限」という「終わり」がはっきりされています。総菜と同じに例える

のも変ですが、人にも必ず「終わり(死)」という期限があります。でも、総菜と違うのは、その時がいつかはわかりません。終わりの時がはっきりしていれば、何をして、何をしないか・・・優先順位もハッキリとつけられますが、終わりが分からないので、ついつい、時間を無駄に使ってしまうことがあるかもしれませんね。

 

大げさですが、時間を考えることは「どう生きるかを考えること」でもあると言う人がいます。私も、漠然とですが、年齢を重ねた今は、そう思うことが多いです。ここで、質問です。「時間」は、あなたにとって大切なものですか?と聞くと、たいていの人は「大切です」と答えます。しかし、「時間」をあなたは大切にできていますか?と聞くと、多くの人は、自信を持って「大切にできている」とは、答えられません。時間を大切だと思っているのに、時間を大切にできていないのです。

 

やっぱり、時間というものは、やっかいな存在ですね。そんな、やっかいな時間を自分の手に取り戻し、人生を豊かにするためにはどうしたらいいか。人生の時間は限られているのに、なんでこんなに目の前のことに忙殺されてしまうのか。

 

「親が死ぬまでにしたい55のこと」という本の帯コピーには、こんなことが書かれています。「仮に親が60歳とすると…20年(親の残された寿命)×6日間(1年間に会う回数)×11時間(1日で一緒にいる時間)=1320時間。つまり、あなたが親と一緒に過ごせる日数はあと55日間しかないのです!!」

 

どうですか・・・ますます時間を大切にした人生を過ごさないと・・・と思いますね。では、お盆休みは、一緒に「時間の使い方」を考えていきましょう。

2024年

8月

11日

大事なお話

保育園は、本日から16日までお盆休みに入ります。そして、大事なお話があります。7月1日付、保護者の皆様へのお手紙をここで紹介します。

 

20247月1日

保育園ホワイトきゃんばす 閉園のお知らせ

 

保護者の皆様。いつも大変お世話になっております。表題を読んで、さぞ驚かれたと思います。これを書いている私も、なかなか筆が進みません。

昨日6月30日(日)、イオンリテール株式会社北関東事業部長より、20241031日をもってイオン大宮西店が閉店する旨、話がありました。1993730日に開店して31年になろうとしている店舗は、老朽化が進み、維持できなくなったという説明でした。

 

誠に残念で、心苦しいですが、イオン大宮西店で、屋上遊びなど様々な活動を行ってきた、保育園ホワイトきゃんばすも、1031日を持って閉園することとします。201251日に開園し、12年半多くの子どもたちと保護者の皆様に支えられてきました。かかわった子どもたちは、500人以上になります。卒園児第1号は、この春高校生になりました。

 

保育園ホワイトきゃんばすを心から支援していただきました、保護者の皆様と子どもたちには、大変申し訳なく思っております。突然あと4か月の保育園生活となってしまいましたが、今月計画している、「ナイトツアー」「サマーキャンプ」8月末までのプール遊び、9月の「秋まつり」10月の「運動会」などの行事は、予定通り、職員一同全力で取り組みます。

 

そして、11月以降の転園等の対応につきましては、あらためて、個人面談をさせていただき、保護者様の意向を確認させていただきます。日程は、あらためてお知らせします。

 

さいたま市役所子ども未来局及び、さいたま市西区支援課の保育担当者とは、保護者の皆様の意向を受けて対応を考慮していただく旨、確認が取れていますので、まずは、個人面談で希望をお話していただきますようお願いいたします。園長も、他の保育園の空き状況などの情報を持って、具体的な話を進めていきたいと思っていますので、どうぞご安心ください。

 

今回のお知らせは、まさに青天の霹靂の出来事ではありますが、子どもたちにとって、保護者の皆様にとって、一番良い解決策が実現できるよう進めてまいります。そして、最後まで、保育園ホワイトきゃんばすに関わっていただき、素敵な想い出をたくさん作っていただければと思っています。

最後に、突然のお手紙となり、本当に申し訳ございません。

 

保育園ホワイトきゃんばす

 

園長 置鮎 俊一

 

保育園ホワイトきゃんばすは、イオン大宮西店の3Fにあります。イオンが一般のお客様への閉店告知を解禁しましたので、保育園ホワイトきゃんばす閉園の件を初めてこのブログで話をします。衝撃のお手紙を読み、翌日の朝の登園時には、涙を流していただく保護者が多くいらっしゃいました。

 

園児32名全員の保護者との面談を行いました。ありがたいことに、ほとんどの園児が、10月31日のホワイトきゃんばす最後の瞬間まで、残っていただくことになりました。他の認可外保育園への転園協力をいただいておりますが、1歳・2歳児の転園が狭き門になっています。引き続き、行政から情報をいただきながら、保護者とは最善の対応を進めています。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、10月31日まで、全力で子どもたちの笑顔のために進んでいきます。今日のところは、大事なご報告をさせていただきました。

2024年

8月

10日

スーパーストロング蚊

お盆休み前、最後の保育園です。今日も小学生が6人集合しました。お昼寝タイムは、図書館で本を読みながら涼をとります。外で遊ぶには暑すぎますね。もちろん、午前中は、屋上プールで思いっきり外遊びです。5歳男の子の危険なジャンプに影響を受けて、小学生がすべり台の上から、果敢にジャンプです。普通は、小学生から園児が影響を受けるのですが、5歳男の子の運動能力は半端なく、今日は逆でした。(笑)

 

さて、人間の命を最も多く奪っているのは、蛇などを上回り、蚊です。死者は年間78万人もあり、マラリアやテング熱などの感染症を媒介するからです。

 

日本人の蚊との戦いは、奈良時代にさかのぼります。万葉集の和歌に「蚊火」という言葉が残されています。蚊帳(かや)やヨモギの葉、ミカンの皮をいぶして煙で追い払う蚊遣火(かやりび)でしのいできました。ただし、煙たい割には効果は薄かったようです。歴史を変えたのが、夏の風物詩にもなった緑の渦巻きです。あの蚊取り線香ですね。

 

蚊取り線香に含まれるピレスロイドは、蚊などの昆虫の神経を麻痺させるものの、哺乳類や鳥類は体内ですぐに分解されるためにほぼ無害です。最初は棒状だった蚊取り線香は、わずか40分で燃え尽きたそうですが、渦巻き型に改良されると6時間以上持つようになります。現在は、スプレー式や液体にしたリキッド式など多様な商品が販売されていますが、やはり、一番愛着があるのは「蚊取り線香」ですね。

 

そんなピレストロイドが効きにくい「スーパーストロング」な蚊が出てきたそうです。ベトナムとカンボジアで、通用の蚊に比べて、ピレストロイド系の殺虫剤に1000倍強いそうです。カンボジアでは、すでに約7割がスーパーストロングだそうです。こうなると、新型ウイルスに対するワクチンと同じで、殺虫剤の世界もいたちごっこですね。

 

「蚊」をけしからんと思ったあなた。実は、「痛くない注射針」の研究に、蚊の針が応用されています。蚊に血を吸われても、なかなか気がつかないのは、皮膚の神経を刺激しないほど針が細く、回転させながら刺すことで皮膚がたわまないためだそうです。蚊の唾液には、鎮痛成分も入っているとのこと。もう、注射針としては完璧ですね。

 

現在では、世界最小となる直径0.09ミリの注射針が日本で開発され、少量の血液を採取することに成功したそうです。糖尿病の血糖値を計測するためには、血液がごくわずかでもよいので、まもなく実用化される見込みです。

 

どうですか、人間は蚊にやられているだけでなく、ちゃんと蚊の特性を盗んでいるようです。お互い様ですね。

2024年

8月

09日

これからの転勤や配属の形

スイカ割りでは、今までプラスチックのバットを使用していたのですが、子どもたちの力ではなかなか割れません。そこで小さい園児には、木のバットを使いました。すると、最初の2歳児女子が、いきなり割ってしまいました。なかなか難しいですね。でも、スイカを食べる子どもたちの顔は、幸せに満ちています。

 

さて、関西在住のある家族の話です。小学生2人を子育て中の50代の夫に、突如、東京転勤辞令が出ました。これには、家族の帯同が前提でした。地元の小学校講師をしていた

40代の妻は、なぜ、夫の会社辞令のために今の仕事を辞めないといけないのか、子どもたちも転校を余儀なくされることに納得せずに、「私は仕事を辞めたくないから東京へは行かない」と大喧嘩に・・・すると、「じゃあ、しょうがないから単身赴任する」と言い出す夫に、「会社の辞令を拒否するという考えがない。昭和脳に洗脳されている」と妻の戦いが始まります。

 

「辞令を断ると会社に居づらいようなら辞めればいい。私がフルタイムで働いて家計を支える」と夫を説得したのです。夫は、家族のために転勤を断ります。しかし、その後管理職から降格し、給与も大幅減額されたのです。

 

私も、「昭和脳」にどっぷり浸っていたので、会社辞令を断ることなど考えられませんでした。しかし、今年4月のエン・ジャパンの調査では、転職辞令を受けた場合、「承諾」は8%にとどまり、「条件付きで承諾」が42%、「条件に関係なく拒否する」が21%だったそうです。実際に転勤辞令がきっかけで退職に至った人が3割もいるそうです。

 

もう、終身雇用で会社に守られる時代ではなくなったこともあり、個人のライフプランやキャリアを度外視してまでも、会社に安定を求める働き方は、成立しづらくなっているのです。逆に、内示を断れば降格・減給させるという会社も、今の時代にはふさわしくないのです。

 

う~ん・・・冷静に考えると、働く個人が尊重される世の中が、いいに決まっています。これからは、会社も個人も選択肢を増やしていくようにする必要がありますね。例えば、異動の辞令を出すときに、会社は、異動によってどんなキャリア形成の道が開けるのかを、異動しない場合と比較して丁寧に説明し、あくまでも選択肢は働き手本人にあることを伝えなければいけませんね。

 

私の営業職時代は、店舗のリーダーやスタッフの人事異動を決めた時は、辞令というよりも、ほぼ命令に近い感覚で行ってきました。今の時代では、全面的にNGですね。

 

会社が強く、個人が弱い立場だった「昭和」から、個人と会社の双方が対等に関与し合う「令和」の姿が、当たり前なってきたのかもしれません。私も、頭を切り替えないといけませんね。

2024年

8月

08日

火星の人

今日のプールでは、屋上ファームで収穫したスイカとトマトを食べました。このところ、毎日スイカを食べているのですが、園長がスイカを切り始めると、きれいに一列に並ぶ園児たちです。チビちゃんが割り込みをすると、「○○ちゃん…後ろに並んで!」と指導する年長園児です。(笑)

 

先日、中国が月の裏側のサンプル採取に成功したというニュースがありました。月は、私たちが日常、目で観察できる場所ですが、資源の面でも宇宙開発の面でも重要な拠点です。月に移住することができて、そこで宇宙船の建造を行えば、大気圏を突破する必要がなくなり、コスト面でも安全面でも効率が良くなります。宇宙のことを考えると、どんどん夢が広がっていきますね。

 

今日は「火星の人」という本を紹介します。この小説は、「オデッセイ」として映画化されたので、こっちのタイトルの方が有名ですね。2035年の火星を舞台に、不慮の事故で一人火星に取り残されてしまった青年が、いかにして生き延び、地球に生きて生還できるのか・・・その過程を描いた作品です。

 

よく、ジャングルでのサバイバル生活をテレビなどで見ることがありますが、宇宙空間は、人類の生存には適さない過酷な環境です。水がない、酸素がない、食糧がない。主人公のマーク・ワトニーは、地球から遠く離れた火星で、通信手段もない中、生きるための孤独なミッションを始めます。幸いワトニーは、植物学者であり、メカニカル・エンジニアであったため、不毛の土地の火星の土壌に植物を根付かせることに成功します。

 

一方、地球のスタッフや既に帰還の途上にあった同僚たちが、主人公の生存を知って取る行動は、組織やリスクをマネジメントする観点からも参考になります。もちろん、一人の主人公を助ける判断をします。

 

人間という生き物は、クマと戦えばやられてしまいますし、海の中でホオジロザメのような獰猛なサメに出会えば、食べられてしまうでしょう。人間が一番多く死ぬことにつながる生き物は「蚊」です。そんな、弱い人間が生き延びていけるのは、人類がこれまでに積み上げてきた知識をベースに、頭を使って考えることができるからです。

 

「火星の人」は、人が生きることへ希望を捨てない姿に感動し、宇宙という果てしない世界にロマンを感じるのです。心が弱くなった時に、前向きにさせてくれる作品です。

2024年

8月

07日

ゾンビトレイン

 ボランティアのパパから大玉スイカの差入れです。プールの中で冷やしていたのですが、屋上に着いた子どもたちが、スイカを発見。ぐるぐる回したり叩いたりしていると、せっかくのスイカにひびが入ってしまいました。子どものあるあるです。スイカ割りはできませんが、おいしくいただきました。

 

さて、子どもに教えたい素敵な言葉を見つけました。

つまづいた人を笑うな 

歩もうとしたからつまづいたんだ

歩もうともせぬものが笑うな

 

次は、中学生以上の子どもたちへのメッセージです。少し複雑な気持ちになります。 

「みなさんが世界を変えようとするとき、自分の夢をかなえようとするとき、周囲の大人たちが応援してくれるとおもったら大間違いです。大人たちが応援するのは、自分の地位を脅かさない若者だけ。つまり、『世界を変えない若者』だけです。大人たちからすれば、みなさんの手で世界をかえられることは、大変迷惑なのです」

さて、あなたなら、このメッセージをどのように子どもに伝えますか。

 

今日は、群馬県・栃木県を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」(国鉄時代の足尾線)で、大好評の「ゾンビトレイン」の話です。

 

この列車に乗り込むと、出発前から怪しげな音楽が大音量で流れてきます。車内アナウンスも流れているようですが、よく聞きとれません。一度は静かになった車内。発車から間もなく、黒いカーテンから大声で何者かが客室へむかってくる。「いきなりゾンビ」かと思いきやそうではなく、白い服を着た人物は、乗客を安心させる言葉を掛けます。次の瞬間、恐怖に陥ります。ゾンビ集団が車両を占拠。大声を上げ続けます。乗客からも悲鳴が・・・。

 

こんな感じで、「90分降りられない…お化け屋敷」が始まるのです。ゾンビメンバーは、プロのスタッフの他に、地元の高校生がボランティアで出演します。演劇部員やダンス部員が、ゾンビに扮するのです。

 

このゾンビトレインは、昨年大好評につき、今年は、6月2日から9月1日までの土日で合計9日間運行されます。料金は、大人3500円・子ども(小学生以下)2000円です。今後の予定列車は、ほぼ満席という大人気だそうです。

 

「わたらせ渓谷鉄道」は、元々、足尾銅山からの物資を運び出していた国鉄路線で、銅山が閉山となった昭和48年の前後から、利用状況が低迷し、第三セクターとして運行を続けることになりました。渡良瀬川沿いを走る景色は、最高に美しいのですが、それだけでは、観光客は呼べないということです。

 

先月の「おやじ旅」で、南阿蘇鉄道に乗車し、沿線住民の鉄道愛を感じたところですが、この「わたらせ渓谷鉄道」も、鉄道会社が、お客様を喜ばす企画を出し、地元高校生を巻き込んでの取り組みは、地方ローカル線経営のヒントになりますね。

 

この夏休み、家族で「ゾンビトレイン」・・・記憶に残る素敵な旅になりそうです。

2024年

8月

06日

スマホ所持で「読書せず」

今日の寺子屋は、カブトムシの卵の観察です。7月から飼い始めたカブトムシが、天国へ旅立ちました。子どもたちは、「もう死んじゃったの?」といった顔をしていますが、昆虫の命は短いのです。ホタルは2週間しか生きられません。腐葉土が入った水槽を見つめる子どもたち・・・「カブトムシは、死んで天国に行ってしまったけど、大切なものを残してくれました。何だと思う?」と聞いてみると、年長男子が、すぐに「うんこ!」と答えます。想定内の発言ですね。(笑)

 

年中女子が、小さな声で「たまご」と答えました。彼女は、つい1年前までは、大の虫嫌いで、カブトムシなど触れませんでした。それが、カブトムシも芋虫のようで気味が悪い幼虫も平気で触れるようになりました。まさかの「大正解!」です。そして、土の中から卵を発見すると、米粒を1/3にしたくらいの大きさに、「こんな小さいんだ!」と、新たな発見があったのです。

 

もう一つ、6歳男の子が、クサガメの里親になりました。どちらかというと、パパが飼う気満々なのです。クサガメは長生きするので、男の子が20歳になっても元気で大きくなっていると思います。

 

さて、大手進学塾「栄光ゼミナール」の調査で、スマホを持つことで、読書をしなくなる子どもが、小中学生と上がるにつれて増えることがわかったそうです。塾に通う小学1年生から高校3年生の子どもを持つ保護者約2000人にアンケートを行った結果、「現在、習慣的に読書をしている」との回答割合は、小学生66%・中学生55%・高校生32%と、だんだん減っていく傾向は従来通りですが、「子どもが習慣的に読書をしていない」と答えた保護者にその理由をを尋ねると、マンガやテレビ、ゲーム、タブレット端末利用が一番多く、次いで習い事や部活などが忙しいが続き、「スマートフォンを持つようになり読書をしなくなった」と答える保護者が目立ったそうです。スマホの所持率が低い小学生では4%ですが、中学生27%、高校生28%と差が出る結果です。

 

人は、誰でも平等に1日24時間が与えられていますので、スマホを使う時間が長くなれば、当然他の時間が削られることになります。読書時間が削られるのは、睡眠時間が削られるよりもましと考える人が多いのかもしれませんが、今日8月6日の広島原爆の日に、スマホでゲームやラインをしている時間があったら、戦争や原爆に関する本を読むことに

時間を使って欲しいと思う、昭和のおやじです。(笑)

2024年

8月

05日

大丸百貨店

お盆はとかく人が多いので、先週末に早々に田舎のおじいちゃんおばあちゃんと過ごした園児が何人かいました。保育園の子どもたちのおじいちゃんおばあちゃんは、まだ若いので、たくさん遊んでもらいます。そして、今日は初めてプールボランティアに挑戦するパパが頑張りました。毎日、ボランティアのパパママが来てくれるので、子どもたちは、会話までも楽しんでいます。初めての場合は「誰のパパ?」と質問攻めです。(笑)

 

さて、今日は百貨店の話です。大丸百貨店社長、大丸と松坂屋が統合して誕生したJフロント社長などを経て、この5月に第一線を退いた山本良一さんの営業改革を振り返ります。

 

私の前の仕事は、百貨店に出入りする洋菓子メーカーでした。営業として、バイヤーや食品部長、食品課長相手に、話術もプレゼンテーションも簡単にいかない得意先の一つが、大丸百貨店でした。大丸は、関東には東京駅にしかないのですが、商談の前には、「相手がこうきたら、この作戦で切り返す」など、しっかりとイメージ戦略を行った記憶があります。やり手の食品課長の誕生日に「あなたは、将来の大丸を担うキーマンになるから、このキーケースをプレゼントします」とダジャレのような作戦が成功したこともあります。その課長からは、一気に信頼を得ました。しかし、食品部長からは、ケース1台あたりの販売効率が悪いとボコボコに言われ、販売ケースを1台減らされたこともありました。このときは、どんな理論武装も通用せず、完敗でした。(笑)

 

こんな大丸の風土を作り上げた男が、山本良一さんです。山本さんは、1998年に当時の大丸社長から「営業改革をやれ。最大の顧客満足を最少のコストで実現するため、すべての業務を見直せ。3か月で計画を作り、5月中旬に店長会議があるから、そこへ出せ。後はお前に任せる」

 

当時、百貨店業界は、高コスト体質の代表です。百貨店以外の業種、専門店などの台頭から、もう、百貨店は生き残れないのではという危機的状況でした。

 

山本さんは、長い間百貨店は「勘と経験と度胸」という古い考え方に依存してきたと言います。そこで、納得できるデータを集めるために、管理職・売場リーダー・販売員ら全員に、1日に使っている時間をアンケート調査したのです。「あなたは何時に出勤し、最初にやることは何ですか?」「それを何分やりましたか?」「接客は何時間しましたか?」「会議は何分ありましたか?」という具合に、1日の接客、食事、会議などの時間を1か月分出してもらったのです。

 

百貨店で最も利益を生むのは販売です。ところが、販売にかけている時間は、1日の半分しかなかったのです。会議や伝票書きなどの仕事が多く、その総コストは70億円にもなり、当時の利益が40億円だったので、仕事のやり方を変えれば最大で110億円の利益になると試算したのです。

 

そこで「販売に時間を割き、お客様が自分に関係ないと思う仕事はアルバイトでいい」とし、婦人洋品雑貨の売場をモデルに1年間やってみると、接客時間が9割も改善した人も出て、半年で業績が上がります。

 

そんな改革を行いながら、2003年の誕生日に社長に呼ばれます。「プレゼントかな」といってみると、社長就任の打診でした。ここに、役員経験のない、12人抜きの社長が誕生したのです。業界では、ちょっとしたニュースになりました。

 

世の中には、様々な業界があり、企業があります、改革のやり方は、それぞれ違うのでしょうが、小林さんは、「この仕事は、お客様にとって必要なこと?」というモノサシで改革を進めたのです。

 

あなたが、企業などの組織に属しているのなら、自分のモノサシを正しく作り、正しく使うことで、その改革は進められるのでしょう。時々、「今のままでいいの?」を考えることが大切ですね。

2024年

8月

04日

ドクターイエロー後継なき引退

ドクターイエローが引退してしまうことは、ご存じですね。JR東海が2001年に投入した4代目のドクターイエローが来年1月、JR西日本が2005年に投入した5代目は2027年に引退します。4代目も5代目も2020年に引退した新幹線の700系をベースにしたもので、270キロでの検測が可能になり、営業時間帯でのダイヤ設定もたやすくなりました。現在は、4代目、5代目の2編成が交互に、約10日間に一度のペースで、東京と博多間を2日間かけて往復しています。

 

「見れば幸せになる」と言われるのは、時刻表に載っておらず、いつ走るのかは非公開であることと、頻繁に運行していないので、遭遇する機会が少ないからです。いつからか「幸せの黄色い新幹線」と呼ばれるようになりました。

 

ドクターイエローは、新幹線のお医者さんと言われるように、「新幹線電気軌道総合試験車」が正式名称です。例えば、1号車は「電気検測室」で、無線や信号などに異常がないかをチェックしています。4号車は、レールのゆがみや上下、左右の高低差などを0.1ミリ単位の精度で検測します。こうして、1号車から7号車まで、それぞれに役割があります。

 

引退の理由は、「車両の老朽化」です。新幹線車両の耐用年数は20年余りと言われる中で、4代目はすでに20年を超えています。鉄道ファンの間では「ついに来るべき時が」という声も上がっていました。

 

では、新しいドクターイエローが登場するの?と思う人も多いでしょうが、後継車両はありません。営業車両で、ドクターイエローと同等以上のデータ検査ができるそうです。つまり、現実的な話をすれば「引退は老朽化を機としたコストダウン」です。年間、数十億円のコスト削減となるようです。

 

ということで、ますます「ドクターイエロー」は、幻のヒーロー感が増しているのです。ネットでは、運行予測なるサイトもありますが、「偶然」出会うことが、幸せを呼ぶことになるのかもしれませんね。

 

ちなみに、JR東日本の新幹線では、ドクターイエローは走っていませんが、「イーストアイ」が、その役割を果たしています。こまち号のE3系をベースとする赤と白の検測専用車両です。こちらも、運行日程が公表されていないために「幻の新幹線」呼ばれています。

 

夏休み・・・お子様と一緒に「ドクターイエロー」「イーストアイ」に出会えれば、「幸せになれるぞ!」と根拠があいまいな呪文を唱えましょう。(笑)

2024年

8月

03日

男性向け育児書

今日は土曜日ということで、大きいプールにすべり台を設置して、大スライダープールにしました。すると、小学生が、ただの大ジャンプではなく、ひねりを入れてのジャンプで魅了します。完全にオリンピックの体操を意識しています。(笑)

 

さて、私のような昭和世代の前から、ずっと「子育てマニュアル」のような育児書はたくさんありました。私も~一杯のチョコレートから「子どもたちの笑顔」へ~という育児書を出しました。(売れなかったですが・・・笑)1つの考え方としては、子ども一人一人個性があって違うのだから一律のマニュアルでは解決策にはつながらないことが多いですね。そして、どちらかというと、ターゲットは母親という本が多いです。

 

しかし、最近では、男性向け育児書の出版が相次いでいるそうです。具体的な内容は、産前産後の女性の心と体の変化や妻とのコミュニケーションの取り方などを解説する内容だそうです。母親に比べて、父親は子育ての悩みを周囲と共有できず、孤立しがちといいます。私も父親ですので、とても分かります。夫婦が協力して子育てをするコツをまとめた本も出てきました。

 

ある調査では、2歳までの子を持つ区内在住の父親を対象に「子育てで精神的な不調を感じたことがあるか?」の問いに1557人が回答し、約4割が「ある」と答えたそうです。「男性育休の社会学」の著者である甲南大学教授の中里英樹さんは「共働きが増え、男性も家事や育児の分担が求められるようになった。これまで女性が悩んでいた、子どもの世話や夫婦関係、仕事との両立などに男性も悩むようになり、解決できる情報が求められている」と話します。

 

もっと進んだ内容では、「子どもが発達障がいだと分かったとき パパがやること全部」とう本もあります。著者の長女が、3歳で発達障害と診断されてから社会人になるまでの経験をもとに、夫婦間の協力や学校、医療機関との関わりなど、幅広い内容になっています。

 

保育園ホワイトきゃんばすのパパは、第2子誕生で、長期休暇や育児休暇を取得するのが当たり前になっていますが、男性が、もっと子育てを楽しむようになり、夫婦の行き違いのミゾを埋めるためにも、男性向け育児書が必要になっていくのでしょう。

 

少子化対策のキーマンは、実はパパなのかもしれませんね。

2024年

8月

02日

個別最適化の宿題

8月25日に、保育園ホワイトきゃんばすが入るショッピングセンターのフードコートで、地域の商工会が主催する「夏休み おわりの 小さな 夏まつり」が行われます。何と、そのトップバッターに、保育園ホワイトきゃんばすの園児が登場します。うた「にじ」とダンス「やってみよう」で、のっけから盛り上がる演出です。

 

朝の会で、練習をしています。本番ステージにはピアノがないので、カラオケバージョンのCDで「にじ」を歌います。実は、この歌は、2歳児がとても上手なので期待してください。ダンス「やってみよう」は、今すぐにでも本番で大丈夫です。今は衣装をどうするかを決めているところです。

 

さて、今日は宿題の話です。将棋の藤井聡太さんの有名な話があります。彼が中学生の時に、「授業をきちんと聞いているのに、なぜ宿題をやる必要があるのですか?」と発言したそうです。その後、担任が宿題の意義を説明して、納得した後は取り組んだそうですが、将棋の世界ですでに自律した考えを持っていた藤井聡太さんらしい発言です。本音は、宿題をやっている時間ももったいない。少しでも将棋の時間を作りたと考えていたかもしれません。

 

そもそも、宿題は何のために行うのでしょうか。答えは、1つではありませんね。家庭学習の習慣付けもあるでしょう。予習的な宿題は、次の授業につながる大切な学びです。逆に復習的な宿題は、習熟度が大きくアップします。自分の得手不得手が分かるようにもなるし、勉強をやり遂げる習慣がつきます。とにかく「自分で考える」ことにつながりますね。日本以外の国では、夏休みに日本のようにたくさんの宿題が出る国はありません。日本は、宿題大国とも言えるのです。でも、宿題の意義を考えれば、決して無駄なことではありませんね。

 

しかし、これからは、「みんな一斉に、同じ量の宿題」を出すことは、いかがなものか?と思います。個別最適化の宿題を考えると、同じ量の宿題を課すことが必ずしも平等とは限りませんね。

 

小学生の夏休みの宿題は、減る傾向にあるだけでなく、選択することも多くなってきました。「あなたがやりたい課題を選択しなさい」という流れです。私が、子どもの頃は、宿題は問答無用でやらねばならないもの。宿題をする意義など、これっぽっちも考えたことはありませんでした。でも、これからは、課題を出す側の大人が、個別に宿題の量も質も考えないといけないのでしょう。

 

こうなると、先生は大変ですね。「じゃぁ~宿題の強制をやめてしまおう!」とすれば、まったくやらないで、学習への理解が進まなくなってしまいます。個別最適化という言葉は、とても大切な考えですが、とても難しいのです。

2024年

8月

01日

小学校の水泳授業

昨日、屋上ファームで収穫した小玉スイカをキンキンに冷やして、スイカ割りを楽しんだ後に、みんなで食べました。スイカの実が大きくなり始めた頃に、カラスに食べられたものの、10個収穫しました。味の方は、文句なしで「甘くておいし~い」です。子どもたちは、笑顔でバクバク食べています。こんな感じで、保育園のプールは、遊びがたくさんあって、「水泳指導」 のようなガチガチのプログラムはありません。しかし、小学校の水泳となると、「遊び」中心というわけにはいきませんね。

 

全国の小学校で、プールの老朽化が進み、対応に苦慮しています。そもそも、小学校の水泳は、学習指導要領で必修となっていますので、「うちは水泳やりません」というわけにはいきません。必修になった経緯は、1955年に四国の高松と宇野を結ぶ宇高連絡船同士が衝突し、修学旅行中の小中学生ら168人が犠牲になった沈没事故をきっかけに、水難事故で命を落とさないよう、学校での水泳指導を求める声が高まったためです。

 

1960~70年代には、学校プールの整備が進み、現在は、この時期に造られたプールの老朽化が顕著になっているのです。2018年時点で、設置後30年以上経過したプールがある小学校は、約4割もあるそうです。

 

設備の老朽化だけでなく、各地で相次いでいるのが、プールの注水を巡るミスです。福島県では、6月に小中学校それぞれで3日間にわたって水を流し続けたと発表。昨年5月には、川崎市で6日間にわたって水を注ぎ続け、市が水道代など190万円の半額を教員と校長に請求しました。同情するわけではありませんが、学校のプールは、夏場だけでルーティンワークでもありません。人がやることですからミスもあるでしょう。

 

そして、一番の問題は、教員が、水泳授業の安全面への不安を訴えてることです。すべての先生が水泳が得意なわけではありませんね。「水泳指導」は、ハードルが高いのです。そして、「子どもたちが不規則で動く自由時間は、目が行き届きにくく、危険を感じる」といった声が上がります。

 

こんなこともあって、近年は、自校以外で水泳授業を行う動きが広がっています。東京都葛飾区では、22年度からスイミングクラブなどの外部施設で水泳授業を始めました。今年度は、区立小学校全49校中、26校が外部施設を利用しているそうです。室内のプールを利用するので、夏場に限らず、年間を通じての水泳指導が可能になります。クラブのインストラクターは、指導のプロですね。

 

また、葛飾区の教育委員会では、こんな試算が出されました。学校のプールで水泳授業を行う場合、1校あたりの建設費や維持費、改修費は80年間で約6億1600万円かかるものの、外部委託で行う場合は約4億600万に円にとどまるといいます。

 

どうですか・・・そろそろ、国が小中学校の水泳指導のありかたをきちんと示す必要がありますね。子どもたちは、安全に、楽しく、かつ水泳が上手になりたいと思っているのです。

2024年

7月

31日

いつか死ぬなら絵を売ってから

クサガメのベビーが誕生しました。カメ池の陸地に産んだ卵を採集して保護しています。ざっと20個くらいの卵を保護していますので、たくさんのカメベビーが生まれそうです。今年も「里親募集」を行います。生まれたばかりのクサガメの飼い方を教えますので、どうぞチャレンジしてください。クサガメは、おとなしくて育てやすいカメです。

 

さて、今日は「いつか死ぬなら絵を売ってから」というコミックを紹介します。主人公の一希は、若くして住む所がないネットカフェ難民です。ビルの清掃をしながら日銭を稼いでいます。一希の心のよりどころは、幼いころから続けてきた絵を描くことです。

 

そんなある日、一希の作品を見たビルのオーナーが、一希の作品をアート市場に売り込もうともくろみます。一希は、不安に思いながらも、次第に絵を通して自分が社会に認められることの喜びを感じていくのです。

 

この作品は、社会的格差などの権力構造に対する批判的な視点が根底に貫かれています。それは、「窓」というモチーフを通して描かれます。一希は児童養護施設で育ちました。幼少期から施設の「窓」の向こうにある「家族・お金・学歴・人脈・機会」など、さまざまなものを持つ人たちのことを、自分とは異なる立場の人間だと捉えていました。しかし、アートの世界とつながる機会を得た一希にとっての絵は、「窓」を超えて他の人とつながる回路だったのです。そして、「価値を与える者と与えられる者」という力関係に疑問を持ち続けます。

 

哲学者のハンナ・アーレントは、この世界には「複数性」が必要だと説きます。それは、人々が自らの視点を何らかの形で表現し、それを世に出して対話することにより、自分と異なる他者性と出合い、世界がより豊かになっていくという考え方です。アートを通した一希の挑戦は、まさにこの「複数性」につながることですね。

 

保育園という集団生活は、他の園児から大きな影響を受ける環境にあります。まさに「複数性」が働いています。違いを認め、個性を尊重するこれからの時代は、保育園、幼稚園、小学校とう環境の中で、複数性を意識した取り組みが大切になってきます。

 

「みんなと一緒が安心」という考え方は、無くなっていくのでしょうが、この考えもまた、否定してはいけないのです。

2024年

7月

30日

世界に目を向ける授業

昨日、さっそくサマーキャンプのDVDを見た年長園児保護者は、「百聞は一見に如かず」で、子どもたちの活動の様子を見て、「こんなに頑張ったんだ!」と、あらためて我が子の成長を感じたようです。「先生の話を聞いていない・・・友だちとトラブル・・・食事の時に肘をつく・・・」と我が子のダメ出しを嘆くママも。でも、プラスマイナスでも100点ですね。(笑)

 

パリオリンピックが盛り上がっていますが、「パリ大会では、どんな環境に優しい取り組みがされているかな?」と、小学校6年の総合学習の授業で担任の岩本先生が問いかけます。児童からは、「元からある施設を使う」「プラスチックゴミを減らすため、ペットボトルの持ち込みが禁止されている」などの答えがあがります。この授業のテーマは「オリンピックは何のために行われるのか」です。答えが一つではないですね。子どもたちが考える授業です。

 

岩本先生は、普段から国際理解を深める授業を行っています。社会で食料生産を学ぶ単元では、児童が持ち寄った食品ラベルを世界地図に貼って示します。国語で戦争を題材にした教材を使う時は、ウクライナ情勢に触れます。子どもたちに、「世界の問題を『自分ごと』として考えてほしい」からです。

 

岩本先生の原点には自身の体験があります。長野五輪のとき、5歳だった岩本さんは選手村の近くに住んでいて、千代紙でおひな様を作り、散歩する外国人選手にプレゼントしたそうです。喜んで受け取ってくれた選手が印象に残っています。お返しにもらったフランス国旗がついたキーホルダーは今も宝物だそうです。小学校6年の時に、1990年代の内戦で20万人が死亡したボスニア・ヘルツェゴビナへ現地訪問団として加わります。子どもたちは明るく「自分と変わらなかった」けど、街に出ると屋根と骨組みだけの建物があり、「明るさと現実の厳しさ。復興と爪痕。交流は楽しかったが、強烈な体験だった」と振り返ります。

 

やがて進んだ信州大学の図書館で手に取った本にはこんな一文があったそうです。「教育で世界は変えられる」この時、教師となって子どもたちの成長に携わりたいと思ったそうです。

 

岩本先生は、長野五輪のおかげで、世界に近づく経験ができました。世界に目を向けてくれるような授業を実践していくことで、教え子たちがより良い世界を作る一員になってくれることを楽しみにしているそうです。

 

やはり、子どもの頃に体験・経験した出来事は、大げさな言い方ですが、人生に大きな影響を与えるのです。サマーキャンプを経験した保育園の年長園児たちも、何かをつかんでくれたらうれしいですね。

2024年

7月

29日

ウルティモ・ドラゴン

今日の年長園児の連絡ノートには、保護者の皆様の感想がびっしりありました。うるさい息子が家にいないんで、ゆっくり過ごそうと言っていたママも、結局は「今頃何しているかしら?」と落ち着かない時間を過ごしたようです。母親の気持ちは、こんなものですね。

 

今日は、57歳の現役プロレスラーの話です。私の趣味の世界ですみません。メキシコ政府から、プロレス文化を広めたことで表彰されたウルティモ・ドラゴンこと、本名は浅井嘉浩(あさいよしひろ)日本人です。新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級チャンピオンにもなった実力者です。

 

彼のプロレス人生は順調ではありません。初代タイガーマスクこと佐山聡を見てプロレスラーになろうと思った少年は、高校卒業後新日本プロレスの入門テストを受けます。体力テストはクリアするも履歴書に178センチと身長を記入していたことがばれてしまいます。実際は170センチしかないので、体が小さいことで不合格となります。しかし、その熱意が認められ、新日本プロレスの鬼コーチ「山本小鉄」に道場での練習を許されます。「小鉄の内弟子」というポジションで、メキシコの団体、UWAでレスラーとしてのスタートをきるのです。

 

デビューして3年後には、日本に「逆上陸」を果たします。メキシコ仕込みのスピードと空中戦を組み合わせた攻撃はファンに支持されます。ウルティモ・ドラゴンはスペイン語で「最後の龍」という意味です。日本だけでなく、アメリカリングでも大活躍します。

 

選手として戦うだけでなく、1997年にはレスラー養成学校「闘龍門」をメキシコに開設し、10年間で約200人を指導します。要件不問の道場だったので、小柄で非力な若者も集まります。「力が弱ければ世界一弱いレスラーとして、お客さんを喜ばせろ」と声をかけ、個性を引き出します。

 

「日本で不合格になった若者をメキシコは受け入れてくれた」と、表彰後レスラー浅井嘉浩は語ります。現在も57歳で現役レスラーですが、将来の引退試合は初めてリングに立ったメキシコで行うと決めているそうです。

 

メキシコは、プロレスが国民的娯楽で、「ミルマスカラス」「ドスカラス」「エルカネック」「エルサント」など、皆さんも聞いたことがあるビッグネームのレスラーが世界でも活躍してきました。休日には、メキシコ市内だけで30くらいの興行が行われるそうです。神父さんがプロレスラーだったりします。

 

浅井嘉浩こと「ウルティモ・ドラゴン」の名前だけでも覚えていただければ・・・。

2024年

7月

28日

2024年サマーキャンプ 2日目

昨夜の子どもたちとのミーティングでは、「明日は朝6時に起きるよ」に、「いつもより早~い!ムリ~!」と言っていた子どもたちですが、朝の5時30分には、5歳男の子が「えんちょうせんせい・・・おはよう」と声をかけてきました。それにつられるように、全員6時前には起床です。非日常のサマーキャンプでは、子どもたちは早起きになるようです。

 

朝の散歩は、「ゴリラ山」登山です。登山口には、金太郎石があって、ネズミ・キジ・たぬき・猿などだんだん石が重くなり、最後はクマです。子どもたちの力自慢大会が勝手に始まりました。「マッチョマン」を名乗る6歳男の子は、普段は無口でおとなしいのですが、「俺が持ち上げてやる!」で気合いが入ります。ゴリラ山の頂上から、「ママ~パパ~」と大声で叫ぶ子どもたち・・・ビデオ撮影用の演出です。(笑)もちろん、泣いている園児はいません。

 

部屋の掃除は、掃除機ではなくほうきを使います。子どもたちも挑戦しました。「畳の目にそって掃くんだよ」は、なかなか難しかったですね。朝食をしっかり食べて、今日の目的地に向かいます。「東秩父村」にある、ミラクルズで、着物の端切れを使って、フォトフレームを作りました。お楽しみは、全員浴衣姿になって記念撮影です。店の前で記念撮影が始まると「何だ何だ!」と東秩父の村人たちがやってきます。ここでも、子どもたちは、しっかりと自己アピールができたようです。

 

2日間、子どもたちは充実した時間を過ごしてきたので、東秩父を出発すると、園児全員が静かになりました。全員熟睡です。「アイスを食べる」約束をした、途中の道の駅まで、園長は、かすかに聞こえる園児たちの寝息を聞きながらの運転です。(笑)

 

保育園に到着し、パパママとの再会で、前日ママとの別れに涙した5歳男の子は、ママに抱き着いていました。でも、その顔には、「やりきった」という自信があります。たった1泊ですが、大きな成長を感じるシーンでした。

 

8人の子どもたちの個性を尊重しながら、「集団生活」におけるルールや行動を学んだ子どもたち・・・そして何より、多くの経験が子どもたちの自信や勇気につながったと思っています。仲間と同じ屋根の下で、同じ釜の飯を食べて得たものを今後の保育園生活や4月からの小学校生活にも生かしてほしいですね。

 

2日間、子どもたちの合宿を見守っていただいた保護者の皆様。子どもたちから多くの話を聞いたことでしょう。本当に、あらゆるシーンで全力で頑張った子どもたちです。我が子を大いに誇りに思ってください。ご協力、本当にありがとうございました。

2024年

7月

27日

2024年サマーキャンプ 初日

いよいよサマーキャンプの朝を迎えました。8人の年長園児が全員元気に集合します。実は、5歳男の子が、家を出る時に「ママと別れるのが寂しい」と涙を流したそうです。それでも、ママは、息子に冒険をさせることを選択しました。もちろん、この選択は間違っていませんでした。

 

今日のメインは、嵐山渓谷での川遊びです。月川荘キャンプ場は、まさかの外国でした。ホワイトきゃんばすを含む日本人のチームは3組だけです。パキスタン系のグループは、スピーカで国の音楽を流しながら、太鼓のような楽器を叩いて盛り上がっていました。バーベキューでは、エビだらけです。中国系のグループは、焼きとりの生肉を串に刺すところから手作りで、おいしそうでした。そんな異国ムードの中で、子どもたちは、「俺たちを見ろ!」と言わんばかりの自己アピールです。

 

多くのギャラリーの前で、岩からの大ジャンプを見せてくれました。男子2名は、驚くべき跳躍力です。思わず拍手をもらっていました。最初は、怖くてガタガタ震えていた園児も、全員岩からジャンプをクリアーです。自らの勇気と、仲間からのエールで大きな壁を乗り越えたのです。泳ぐ方も、園長が深いところまで連れて行って、ライフジャケットの浮力を使って上手に泳げるようになりました。

 

ママが作ってくれたおにぎりは、「お腹がすいた!」で11時に食べ始めました。焼きマシュマロも火を起こすところから始めます。そのまま食べてもおいしいですが、ビスケットにサンドして、味変を楽しみます。激流を流れたり、川石の裏に住んでいる生き物観察もしました。大満足の川遊びです。

 

プラネタリウムは、川遊びで疲れた子どもたちが睡魔に襲われてしまうのでは・・・と思ったのですが、集中して鑑賞できました。「ヤドカリ君星を見る」は感動の大作です。

 

夕食とお風呂タイムでは、子どもたちのチームワークというか、絆というか・・・そんなものが少しずつ大きくなっていきます。普段の保育園生活では得ることができないモノを少しだけですが、子どもたちはつかんでいるようです。

 

夕方から小川町も凄い雷雨となりました。星空観察は中止となってしまいましたが、花火は雨が上がって楽しむことができました。今回多くの園児が、「花火初体験です」5歳男の子は、火花が出ると、びっくりして花火から手を放してしまいました。でも、2本目からは大丈夫です。

 

川で拾った石に絵を描きました。三角形の石は「おにぎり」となり、細長い石は「新幹線こまちやはやぶさ」に姿を変えていました。子どもたちの創作意欲が大きくなります。しかし、今年の年長園児は、部屋の中ではじっとしていません。側転に逆立ちと技の共演から鬼ごっこで走りまわっています。こんな感じで、呆れるほど体力をつかった子どもたちは、夜の9時過ぎにはぐっすりと眠りにつきました。(笑)

2024年

7月

26日

「自由」と「自律」

明日からのサマーキャンプに備えて、年長以外の園児には申し訳ないですが、今日はプールなしで、教室内でゲーム大会をしました。熱中症予防の最大の対応は何だと思いますか。「水分補給!」と思ったあなた。もちろん正解ですが、一番の効果は「慣れる」ことです。「暑熱順化」と言います。人間の体が暑さに慣れて順応した状態を指します。

 

人体の体温調節の主たる機能は発汗作用、つまり汗をかくことです。冬から春にかけては機会が減るので適切に働きません。これが、体の不調や熱中症を起こしやすくする原因の一つです。7月からスタートした屋上プールで、子どもたちの「暑熱順化」は、進んだと思われますが、今日は大事を取りました。

 

年長園児は、サマーキャンプという非日常の生活にワクワクドキドキです。ついつい、自由奔放な行動を取ってしまうかもしれません。初日の川遊びは、楽しみがいっぱいですが、リスクもいっぱいです。最初にライフジャケットで浮く練習をしてから、先生たちも一緒に川に入って、危険個所を確認しながら遊びます。毎年恒例の「岩からジャンプ!」も、すぐ下で先生が待ち構えています。

 

8人の年長園児の集団生活となるサマーキャンプには「自律」が大切になります。その上で、いつもはできない「自由」を満喫する遊びを体験させたいと思っています。サマーキャンプで「自由」を楽しむには「自律」があってこそですね。

 

たった2日間ですが、サマーキャンプを終えた子どもたちは、大きな成長を遂げます。「自律」も「自立」も両方獲得します。「友情」「協力」・・・仲間同士で学ぶことも多いですね。そんな子どもたちを成長を見届けながら、明日からの2日間を過ごします。

 

次回のブログは、サマーキャンプが終わった、日曜日に更新します。子どもたちの素晴らしいエピソードも珍道中もどうぞお楽しみに!

2024年

7月

25日

阪神甲子園球場100周年

今日は、卒園児の小学生が8人も集合しました。久々に会った同士、会話も弾みます。成績表を交換して、「あーだこーだ」言っています。そして、うれしかったのは、小5の男子が、保育園の卒園記念品の国語辞典をもってきました。それには、付箋がびっしりあります。1年ごとに付箋の色も変えていました。卒園式の時には、「この国語辞典を引いた文字に線を引いて真っ黒にしてください」と伝えたので、本当に感動しました。

 

昨日、プールが飛ばされてしまったので、屋根付きの新プールを導入しました。新しモノ好きの園児たちが、さっそく集まって遊びます。大プールも空気漏れがひどくなったので新調しました。たっぷりと水を入れて、小学生と年長園児で水しぶきです。

 

さて、阪神甲子園球場が8月1日に生誕100周年を迎えます。みなさんは、甲子園球場にどんな思い入れがありますか。日々、夏の甲子園大会への出場校が決まっていきます。私も、中学・高校時代に、甲子園のアルプススタンドで母校の応援をしました。中学の時は、試合途中で雷雨となり、びしょ濡れになりながら応援したものの再試合。高校の時は、蔦監督率いる名門池田高校に惜敗しました。今もしっかりと記憶に残っています。

 

夏の甲子園は8月にあることがミソです。旧盆があって、終戦記念日には「黙とう」を行いますね。その中で、テレビを観ている国民が平和をかみしめながら野球観戦をするのがいいのです。

 

甲子園球場は、戦争の影響をもちろん受けています。すでに戦時色が濃くなりつつあった1943年には、内野スタンドが金属提出によって取り外され、やがて球音が響かなくなります。グランドは、なんと芋畑になったのです。終戦後は米軍に接取されます。グランドに球音が戻ったのは1947年です。春夏の甲子園大会もプロ野球も再開されます。敗戦から再起する人々を勇気づけます。大学のアメリカンフットボールの「甲子園ボウル」も、この年からスタートしたそうです。

 

その後の高校野球は、私もうっすらと記憶しています。「怪物江川卓」の球の速いこと。「ドカベン香川伸行」はそのまんま漫画の世界でした。桑田・清原のKKコンビのPL高校からは、多くのプロ野球選手が排出されました。「ゴジラ松井の5打席連続敬遠」「松坂世代」「ハンカチ王子VSマー君」そして、大谷翔平も甲子園球児でした。

 

阪神タイガースの記憶では、やはり、バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発です。この年日本一になった阪神タイガースは、本当に強かったですね。

 

試合には関係ないですが、私のもう一つの思い出は「かちわり氷」です。ビニール袋にかち割った氷が入っているだけで、ストローでチューチューしてもよし。頭を冷やすのに使ってもよし。氷をガリガリ食べるのもよし。この甲子園名物を食べたことがありますか。

 

現在の甲子園球場は、電光掲示板ですが、手書き時代の選手名のボードも記憶に残りますね。まだまだ、あげればきりがありませんが、みなさんにとっての「阪神甲子園球場」は、どんな思い出が詰まっていますか。

2024年

7月

24日

スーパーのレジ 座ってお仕事?!

今日は、週末に迫ったサマーキャンプを前に、年長園児は、ライフジャケットを身につけて、うつ伏せと仰向けに浮く練習をしました。「体の力を抜いて!」と言えば言うほど体に力が入ってしまう5歳女の子です。本番では、深くて川の流れがあります。水も緑色です。本番では、ライフジャケットで浮く練習を入念に行うことにします。 

 

そして、プールが終わってから大事件が起きました。ライフジャケットや水を抜いたプールをおひさまの下で乾かせておきます。昼過ぎに片付けに行ったところ、まるで台風のような暴風雨&雷ゴロゴロです。ペンギンプールとプールの屋根が無くなっていました。どうやら風に飛ばされてしまったようです。他のプールとライフジャケットも屋上に散乱していました。ずぶ濡れになりながら、それらを確保しました。30分くらいで雨風はおさまったのですが、屋上から見下ろしても、ペンギンプール・プールの屋根・たらい3つ・ライフジャケット1つは、見つかりません。とんだハプニングでした。

 

さて、様々な業界で働き手不足が深刻になっています。雇う側は従業員を確保しようと職場環境の改善に動いています。その中でも、私の常識では考えられない、レジでの接客を座ってもできるようにイスが導入されたスーパーマーケットがあらわれました。

 

埼玉県では有名な「ベルク」というスーパーマーケットのある店舗では、各レジのカウンターに置かれているのが黒いイスです。レジ打ちをしている従業員は、立ったり座ったりさまざまで、イスは高さが調整できます。お客様がレジに並んでいない『待機」の時に座っている人が多いそうですが、「立ちっぱなしのレジの仕事で、少しでも座れる時間があると楽です」と腰痛持ちのスタッフは言います。

 

ヨーロッパや韓国など、海外で「座ってレジ」は珍しいことではないそうです。「7、8時間立ちっぱなしもある仕事。疲労していたのではお客様への笑顔も出ない。従業員の負担軽減も理由でした」とベルクのシステム改革部のマネージャーは言います。

 

お客様の反応はいかに。それが、批判的な反応はほとんどないようです。毎日買い物に来るお客様は「座ってても全く気にならない。今まで何で立ったままだったんだろう、と思うくらい」と話します。

 

レジでのイス導入も、数年前から当たり前になった、身だしなみ基準緩和も、セルフレジ導入も、「従業員が少しでも働きやすくなるように」は、表の言葉で、本音は、人手不足解消への対策です。スーパーマーケットだけでなく、警備の世界でも「座ったまま警備」も始まっているようです。

 

私たち消費者の立場で言えば、セルフレジなどは、サービスの実質低下ですね。気心知れた店員さんとの会話もなく、一人黙々と会計を済ませる。買い物の楽しみも、人によっては半減します。しかし、今後、少子高齢化がさらに進み、働く人が減り、長期的な人手不足が続く中では、以前のような至れり尽くせりのサービスを消費者が期待するのは難しくなっています。

 

私たちは、サービスについては「諦めるものと、そうでないもの」をしっかりと区分けして考える時代になっているのかもしれません。

2024年

10月

31日

12年間ありがとうございました

いよいよ最後の保育園の日を迎えることになりました。2012年5月に開園した保育園ホワイトきゃんばすは、当時は10名程度の園児からのスタートでした。4月にショッピングセンターの1階で、園児募集の受付けを行いながら、近隣の住民宅に、保育園開園のチラシをポスティングした記憶が蘇ります。新聞折り込みなどで、やみくもにチラシを配るのではなく、家に三輪車など小さい子どもが住んでいるかを目で確かめながら、自転車でコツコツまわりました。「チラシを見ました」という電話がかかると、「よっしゃー!」と叫びたくなりました。

 

そして、1年後には園児の数も30名を超えるようになります。そして、様々なイベントを行いながら、「ホワイトきゃんばすに子どもを預けて本当に良かった」と言ってもらえる保護者がどんどん増えていきました。子どもたちの笑顔につながることは、どんどん取り込みました。保護者に保育園を「見える化」して、できるだけ、保育園で何をしてるのかをオープンにしてきました。手書きの連絡ノートに毎月のDVDや、夏のプールではボランティアを募り、子どもたちと一緒に遊んでいただきました。大きなイベントは、保護者の方々と共に楽しみました。

 

そんな、ホワイトきゃんばすを愛していただいた、多くの卒園児と保護者が、閉園を知って遊びに来てくれました。卒園児1号の高校1年生の女子も立派な女子校生になって顔を出してくれました。小学生になっても、ホワイトきゃんばすに多くの卒園児が登園するきっかけとなった、伝説の卒園児の中2女子も、バレーボール部の練習を終えて駆けつけてくれました。

 

そして、いよいよ10月31日、閉園の日を迎えました。お迎えの時間は、多くの保護者と園児が、ずっと保育園の前で別れを惜しみ、笑顔も涙も見せながら、先生たちとの時間を過ごします。園長も、心がこもったお手紙や絵、素敵なプレゼントをたくさんいただきました。内緒で保護者同士が協力して作ってくれたアルバムには「こんな凄いの、いつ作ったの!?」と、もう感動以外ありません。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、本日をもって閉園しますが、多くの子どもたちと保護者の心の中にずっと生き続けます。おやじ園長は、「元園長」となり、ただのおやじになりますが、保育園ホワイトきゃんばすに関わった多くの人たちとの、太い縁ができました。これからの人生は、この縁を大切にしながら、子どもたちの成長の姿を時々見させてもらって元気に生きていきます。卒園児とは20歳になったら飲み行く約束もしています。(笑)

 

本日をもって、「おやじ園長のブログ」は終了します。12年半・・・毎日欠かさずに続けてこれたのは、このブログを読んでいただいた「あなた」のおかげです。本当にありがとうございました。

 

では・・・またどこかでお目にかかりましょう。

2024年

10月

30日

クリスマス発表会の思い出

今日は、ホワイトきゃんばすらしい屋上遊びができました。昨日からの強い雨で、約30メートルの細長い水たまりが出来ていました。年長の男子が、水しぶきをあげながら30メートルを全力疾走すると、もう止まりません。次々と、子どもたちが水たまりの中を走り始めました。11月から転園する保育園や幼稚園では、こんな遊びはできないだろうなぁ~と思いながら、「よ~し!今日は、服が汚れてもいいから思いっきり遊びなさい!」と声をかける園長です。(笑)

 

クリスマス発表会を西部文化センターの399人収容の大ホールで行ったのは、2014年12月でした。前年は、クリスマス会として、保育園で行ったのですが、保護者からは、「こんな素晴らしい内容なら、もっと広いところで見たい」という意見もあり、定員40名の小さな保育園は、身の程知らずに、大ホールのステージに子どもたちを立たせることになったのです。

 

運動会のように、クリスマス発表会でも、チビちゃんたちのかわいいダンス以外は、寺子屋園児は、ずっと出演します。運動会が終わると、クリスマス発表会の練習がスタートします。ざっと2か月の練習を子どもたちは経験します。うたとダンスは、早い段階で覚えることができますが、ピアニカを中心とした楽器の演奏と劇は、そう簡単に完成するものではありません。毎日コツコツと、継続して練習を続けるしかありません。「練習がんばってから、屋上で遊ぶよ!」と言って、子どもたちのモチベーションを上げるのです。

 

そして、クリスマス発表会当日は、遠方からおじいちゃんおばあちゃんまで応援に駆けつけることもあり、保育園ホワイトきゃんばすの最大のイベントになったのです。先生たちは、このクリスマス発表会が終わらないと、ゆっくりと年末年始は過ごせないとばかりに、子どもたちへの指導を全力で行ってきました。

 

保護者の皆様たちに、お子様の晴れ舞台を見せることは、大きな目的の一つですが、それ以上に、頑張った練習と本番での大舞台を経験した子どもたちの成長が、際立ってくるようになります。「がんばること」「友だちと協力すること」「相手の話を聞くこと」「恥ずかしがらないで堂々とすること」「大きな声を出すこと」「セリフや歌やダンスを覚えること」「挨拶ができるようになること」そして、笑顔でいること。子どもたちにとっては、クリスマス発表会を行うことで、多くの経験を積むことになります。

 

そして、本番の舞台では、笑顔と感動の涙と、今まで10回のステージの中で、語りつくせないくらいの名シーンを生んできたのです。練習では、一度もセリフが言えなかった園児が、本番でいきなり大きな声がでることも珍しくありませんでした。1つの目標に向かって、友だちと共に頑張るという、とてもシンプルな行動ですが、子どもたちが、大人になって大いに役立つ経験をクリスマス発表会を通じて、学んでいったのです。

 

演目と演目の間は準備で時間がかかります。その時間は、MCの園長の出番です。「どこかの司会者のようだった」と1回目のクリスマス発表会で保護者に褒められたことで、いい気になった園長は、毎回おしゃべりのネタをしっかり考えていました。はい。営業マン・労働組合執行委員長・PTA会長を経験した園長は、人前で話すのは苦ではありません。(笑)しかし、ここ数年は、保護者のママやパパに、「健康の話」「奨学金の話」「小学校になったらすること」などなど、応援以外もお手伝いいただきながらのクリスマス発表会でした。子どもたちの衣装は、ボランティアのママが作ってくれました。

 

子どもたちは、たくさんの思い出と共に、大切なものを掴んだのです。子どもたちの笑顔は今でも忘れることはありません。そして、ご協力いただいた多くの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

2024年

10月

29日

運動会の思い出

ここ数日は、ホワイトきゃんばすに通った保護者の方々や、多くのお客様が訪れています。今日は、サマーキャンプでお世話になった着物の先生が、リンゴジュースを持って遊びに来てくれました。年長園児は、先生の名前をちゃんと覚えていて、サマーキャンプの写真を見ながら盛り上がりました。そして、90歳のおじいさまが挨拶に来られました。先回の運動会で、11回目を数えた、ホワイトきゃんばすの運動会ですが、実は、このおじいさまが、運動会を行う「西文ひろば」の管理人でした。「どうだい・・・うちの広場で、運動会をやらないか」と声をかけていただき、2014年10月に1回目の運動会が行われたのです。

 

玉入れの道具や綱引きなどを歴代の卒園児保護者から、記念品として用意していただき、ホワイトきゃんばすの運動会が、さらに激しくたくましくなっていったのです。

 

ホワイトきゃんばすの運動会が、他の園と違うのは、とことん練習することです。8月でプールが終わると、9月からは、運動会の練習がスタートします。ざっと1か月半も練習期間があります。それも、本番を行う西文ひろばで練習をするので、運動会当日には、応援パワーもあって、最高のパフォーマンスにつながるのです。

 

まだあります。30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーと、勝ち負けがはっきりする競技が多く、練習では、30メートル走と紅白対抗リレーは、毎回行います。そうなると、子どもたちは、おうちに帰っても「勝った負けた」の話が多くなります。色々な考え方がありますが、ホワイトきゃんばすの運動会では、勝った人が凄くて負けた人がダメという子どもが陥りがちの思考にならないように、常に「頑張った人が一番えらい」を言い続けてきました。勝った負けたは結果でしかなく、どれだけ頑張ったかを先生たちは見るようにしました。

 

勝った園児は、自信を持ち、自己肯定感が強くなりますが、実は、負けた園児の方が、成長につながる機会がたくさんあります。負けた人の子持ちを理解できるし、今度はどうすれば勝てるかを考えるようになります。

 

チームで協力して行う「組体操」は、練習を重ねるたびに、子どもたちの「非認知能力」が高まっていきます。チームのために・・・友だちのことを考えて・・・そして、自分の力を全部出し切る。

 

寺子屋園児は、0~2歳児のかけっこと卒園児競技以外は、すべて出場します。ずっと出っぱなしですので、体力だけでなく精神力も鍛えられます。今年の運動会では、今まで負けて泣いていた年長園児が、紅白対抗リレーを走り終わると、赤組、白組のアンカーが、互いの労をねぎらう言葉がけがありました。勝ってうれしいけど、負けた相手の気持ちも考えられる園児に成長していくのです。

 

卒園児競技があるのは、ホワイトきゃんばすくらいですね。ここは、卒園児がいつまでもつながっている保育園の強みですが、小学生・中学生の迫力を園児たちが感じて、大いに刺激を受けるのです。

 

10月19日に行われた、最後の運動会は、私が言うのもなんですが、最高の運動会でした。みんなが頑張って、みんなが輝き、保護者も全員が感動しました。こんな運動会にしてくれた子どもたちを園長は誇らしく思っています。

 

11回続いた素敵な運動会・・・本当にありがとう!

2024年

10月

28日

サマーキャンプの思い出

今日の連絡ノートには、土曜日に行った「お別れ会」の感想がびっしりです。1ページびっしりのコメントは当たり前で、4ページにわたって、ホワイトきゃんばすへの思いを書いてくれた保護者もありました。まだ入園して間もない保護者にとっては、2012年開園からのストーリーは、「そうだったんだ!」と感じたようです。朝から、ノートのコメントをずっと読んでいました。熱いメッセージ・・・ありがたいですね。

 

さて、卒園児が、「一番の思い出」の一つに挙げるのが「サマーキャンプ」です。保育園が未就学児の宿泊体験を行うところは、極めてまれです。ただし、幼稚園なら、たいがい「お泊り保育」と言って、年長園児が幼稚園に泊まることが多いですね。それじゃ、ホワイトきゃんばすは、本当のキャンプをやってしまおう!ということで、2016年の夏からスタートさせました。最初の頃は、年長園児と卒園児が一緒にサマーキャンプを行いました。実は、小学生が一番最初に経験する宿泊行事は、5年の林間学校です。小学1年から4年まで、ホワイトきゃんばすのサマーキャンプに参加することで、卒園児にとっても、貴重な経験となったのです。

 

人数が多くなったので、ここ4年間は、年長園児のみで行ってきましたが、たった1泊だけなのに、見違えるような成長を遂げる子どもたちに、保護者はもちろんのこと、私たち職員たちも驚くことばかりです。7月末のサマーキャンプを終えると、「サマーキャンプを経験した」というだけで、子どもたちの気持ちが、自信に満ちているのです。

 

初日は、嵐山渓谷での川遊びを行いますが、園長のミッションは、岩の上から川へ飛び降りることです。個人差があるので、浮き輪でもOKですが、歴代の園児が、ここはすべて飛べるようになるのです。飛ぶまでに10分以上かかる園児もいますが、他の園児の応援もあって、勇気が湧いてくるのです。先生たちは、見事に飛んだ園児を褒めたたえ、大きな拍手で迎えます。

 

サマーキャンプの2日間は、初日は川遊びをし、おにぎりを食べ、焼きマシュマロを楽しみ、げんきプラザ到着後は、山登りやプラネタリウムで学び、夕食、入浴の後は、花火&星空観察です。2日目は、朝の散歩をして朝食を食べてから、紙すき体験・浴衣の生地でのフォトフレーム作り・牧場でアイスクリーム作りなどを今までやってきました。帰る途中の道の駅で、アイスを食べて、お昼過ぎに保育園に戻る日程です。

 

そんな、子どもたちの「真夏の大冒険」を何度も経験できて、今は、思い出すたびに幸せをかみしめています。子どもたちのチャレンジ精神は、本当に凄いのです。

2024年

10月

27日

体操教室の思い出

2018年4月に体操教室がスタートしました。前年の10月に、体操教室を運営するクラブネイスの出店を機に、これを活用しない手はないと、金曜日の午前中という一般のレッスンがない時間枠で、契約をしました。元営業マンの園長は、通常の料金よりも安くしてもらったことは言うまでもありません。(笑)

 

交渉したクラブネイスの専務に、「体操教室がスタートすると、保育園の園児の中から、将来のオリンピック選手が出るかもしれないですね」と話したところ、「それは、絶対にないです!」と強く否定されてしまいました。「オリンピックの体操選手は、毎日4時間以上練習していますので、あくまでも、今回の体操教室は、子どもたちが体操を楽しむ時間として考えてください」とピシャリ言われます。

 

しかし、今年度は、責任者で、元体操選手の先生から、「ビッグ4」と言われるくらい、年長の男子園児が躍動しました。「怪我をさせないように!」が徹底された体操教室でしたが、今までではありえない技をビッグ4へチャレンジさせてくれました。踏み台をジャンプして、そのまま空中前回りです。ビッグ4の目の色が変わり、見事に成功させたのです。

 

そんなビッグ4の一人が、地域の体操教室に通うことになりました。全身バネの、とてつもない運動能力を持っている男の子ですが、先日の練習では、小学校高学年レベルの技を成功させたのです。そして「週4回の選手育成コースに入ってはいかがですか」と、声がかかったのです。体操教室をスタートさせる時に、「絶対にない」と否定された、将来のオリンピック選手も、彼なら可能性が出てきたのです。もちろん、体操の世界はそんなに甘くはないでしょう。でも、夢を追いかけて、頑張ってもらいたいですね。

 

保育園での体操教室の経験で、「体操が楽しい」となり、通常の一般枠でも体操教室に通う園児も出てきました。始めは、鉄棒が怖くて泣いていた園児も、何回も練習することでできることが増えてきました。こうして、園児たちは、自身をつけていったのです。

 

体操教室は、保育園ホワイトきゃんばすの大切なカリキュラムとして、子どもたちの健康や、精神的にも「やればできる!」の気持ちを支えてくれたのです。

2024年

10月

26日

お別れ会

いよいよ「お別れ会」の日となりました。保育園の園児とその保護者と卒園児とその保護者も参加していただきました。小中学生は、28人も集まりました。こうして、卒園後もホワイトきゃんばすとずっと、お付き合いが続いていることに、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

 

園児全員への「卒園証書授与」を行いました。10月31日に子どもたちは、保育園ホワイトきゃんばすを卒園します。11月からは、新しい保育園や幼稚園に転園しますが、「ホワイトきゃんばすを卒園」という大切な思い出を作ります。子どもたちは、立派に卒園証書を受け取りました。

 

今回は、職員全員がお話をする時間を作りました。ホワイトきゃんばすで仕事を始めるきっかけや、子どもたちとの思い出が語られました。このメンバーたちに支えられながら、園長の仕事ができたことに感謝し、私も保護者とともに聴き入っていました。

 

2012年5月の開園から、今日に至るまでの歴代の卒園児の懐かしい映像に見入っていました。そして、卒園児28名が、前に出て「インタビュー」です。保育園の思い出を語ってもらいました。小学生になると、卒園した保育園や幼稚園に足を運ぶことが無くなるのが常ですが、壁面のメッセージボードに、感謝の気持ちを記す卒園児の背中に、「がんばれ!」とエールを送ります。

 

卒園児保護者代表のご挨拶は、わくわく教室を担当していただいた、小6姉・小4弟の母です。ホワイトきゃんばすの歴史を振り返りながら、「5つのすばらしいこと」を語っていただきました。私も忘れていたエピソードもあって、聴き入ってしまいました。保護者の皆様に支えられた保育園は、一体感が大きいですね。感謝しかありません。

 

子どもたちが大好きな「にじ」と「みんなともだち」を園児と卒園児全員で歌います。卒園児は、自分の卒園式を思い出していたようです。私も一緒に歌っていました。

 

園児保護者代表のご挨拶は、年長男子のママに頼みました。何と、朝の5時までかけて、便箋5枚のあいさつ文を考えてくれました。普段は、気さくに話をしてくれるママですが、涙を抑えることができませんでした。心あたたまる素晴らしいメッセージでした。

 

保護者の声に、常に耳を傾けてくれた、保育園の精神的支柱の役割を担った、主任の先生の話は、やっぱり涙なしでは終わりません。彼女に悩みを打ち明ける保護者は、今まで何人もいました。今日も、ある保護者と涙を流しながら抱き合っていました。

 

園長挨拶も、今日が最後です。園児たちへ・・卒園児たちへ・・保護者の皆様へ・・心に誓った、「笑顔」で、語ることができた気がします。そして、昭和おやじの締めは、やはり「三本締め」です。子どもたちも一緒になって、シャンシャンと締めることができました。

 

今日は、子どもたちと保護者の皆様から、素敵な記念品や手紙、絵、手作りのアルバムなど、持ちきれないほど、プレゼントをいただきました。一つ一つ読み返したり、ながめたりしながら、目頭を熱くしています。

 

こんな幸せな時間を過ごすことができて、うれしい気持ちでいっぱいです。12年5か月を全力で子どもたちと保護者の皆様と関わってきたことに、誇りを感じることもできました。

 

子どもたち・・・保護者の皆様・・・本当にありがとうございました。

2024年

10月

25日

わくわく教室の思い出

今日は、最後のお誕生日会です。プリンケーキで、いつもよりも少し豪華なデザートです。お誕生日会は、誕生月の園児のインタビューからスタートです。プレゼントは何?好きな食べ物は?大きくなったら何になりたい?などの質問に、園児が答えます。ホワイトきゃんばすは、こういったインタビューが多いので、寺子屋園児は慣れたものです。そして、部屋を暗くして、「ハッピーバースデー♬」をみんなで歌います。キャンドルの炎を吹き消して「おめでとう!」です。子どもたちにとっては、大切な通過儀礼です。 

 

さて、「わくわく教室」をスタートさせたのは、コロナ禍の2021年3月です。屋上ファームの野菜を食べることも食育ですが、実際に、子どもたちが、おにぎりやパンを作る体験を通じて、おうちでの食生活も充実させようというねらいです。管理栄養士でもある卒園児保護者が講師となり、まさに、わくわくの食育体験の時間となったのです。

 

年長園児を対象に、年に2回行ってきました。1回目は、田んぼ、稲穂、玄米の勉強をして、耐熱ガラスの鍋でお米を炊きます。ぐずぐずと、米粒が躍り出すシーンに子どもたちは、見入ってしまうのです。給食着になって、手を洗い、米を研いで水を入れるところまで、子どもたちが行います。炊きあがった米でおにぎりを作ります。初めて、おにぎりを作る経験をする子どもたち。これを機に、遠足やピクニックランチのおにぎりは、自分で握るようになるのです。

 

2回目は、パン作りです。今度は、小麦の勉強をし、パン作りに必要な原材料を学びます。生地を発酵させる時間を使って、ピザ作りです。ピザ生地を伸ばして、トッピングも自分で行います。ピザが焼き上がると、いよいよパン作りです。焼き上がったパンとピザを前に、「いただきます!」と笑顔の子どもたち。

 

食べ終わると、食器を洗って、棚にしまうまでを自分で行います。「おにぎり」「パン」という代表的な主食を最初から最後まで学ぶのです。わくわく教室の体験は、「自分で作った!」という気持ちが大きいので、子どもたちが、キッチンでママのお手伝いをすることが継続するのです。

 

毎月のDVDで、わくわく教室も撮影するので、年中・年少園児たちも「早く自分もやりたい」という気持ちになります。「食べること」にとことん向き合うようになることが、目的の1つでもあります。最近は、お菓子などの嗜好品があふれていて、食生活の乱れが気になる園児もいます。バランスの取れた食生活が続くと嬉しいですね。

2024年

10月

24日

親子遠足の思い出

この夏生まれたクサガメの赤ちゃんが、里親にもらわれていきました。園児の近所に住む高校1年生だそうです。園児も保育園で生まれたクサガメを里親で飼っているのですが、近所の住民に見せたところ、飼いたいとなったようです。大きくなっても、しっかりと育ててもらいます。

 

さて、保育園が開園して、職員の中で「やっぱり、遠足はしたいよね」という話になったのですが、幼稚園のように、大型バスを貸し切りで、「○○動物園」へ行くみたいな、ありきたりの遠足をすることは、ホワイトきゃんばすの辞書にはありません。親子で、何か体験ができるような・・・そんなイメージを考えていました。

 

開園2年目の秋に、初めての親子遠足を行いました。近場ですが、上尾市にある「榎本牧場」です。「埼玉県に北海道がある」というキャッチフレーズの小さな牧場ですが、牧場主に、牛の話をしてもらい、親子で牧場体験をしました。牛の乳搾りにエサやりとブラッシングです。子どもたちは、牛のミルクを絞るのは初めてです。体験が終わると、お弁当タイムと、ゲーム大会で盛り上がります。

 

こうして、ホワイトきゃんばすの親子遠足の定義が確立したのです。テーマパークや動物園などに行くのは、家族でもできる。普段体験できないことをみんなで楽しもう!といった感じです。

 

「北本自然観察公園」には、春・秋と季節を変えて、何度もお世話になりました。自然しかないただの里山ですが、自然観察員の解説で、子どもたちだけでなく、大人の私たちも、「へ~そうなんだ・・・すごいなぁ~」の連続です。普段、保育園の屋上で、自然と触れ合っている子どもたちですが、北本自然観察公園の解説を体験することで、植物や昆虫たちをより深く学ぶことにつながったのです。桑の実(マルベリー)が食べられることも、この遠足で知りました。

 

さいたま水族館での、カメ講習では、あの恐ろしい「ワニガメ」にも触れることができました。川の博物館では、荒川1/1000の模型を歩く「ガリバーウオーク」で、埼玉が誇る荒川の勉強をしました。稲荷山公園では、「ネイチャーゲーム」で盛り上がります。

 

親子遠足を通じて、子どもたちは、自然の大切さを学び、私たち大人は、今さらながら、子どもと共に、新しい知識を吸収したのです。

 

そして、何と言っても「お弁当タイム」は、ファミリーの笑顔がいっぱいで、とても幸せな気持ちになりました。(笑)

2024年

10月

23日

ナイトツアーの思い出

「ナイトツアー」・・・何ともわくわくする言葉の響きがあると思いませんか。

 

保育園開設に向けての1年間の準備期間の夏、家族で小笠原諸島へ旅に出ました。当時の小笠原丸は、竹芝桟橋から父島まで25時間かけての船旅です。今は24時間で1時間短縮されました。小笠原の夜に出会ったのが、「ナイトツアー」です。砂浜に夜光虫を探しに出かけます。砂を蹴ると、ピカッと光るのですが、感動以外の何物でもありません。緑色に光るキノコも発見しました。夜行性の小笠原オオコウモリには、恐怖すら感じます。私が気に入ったのは、そんな素晴らしい光景もありますが、「ナイトツアー」という言葉の響きです。

 

その気持ちは、保育園ホワイトきゃんばす開園2年目の夏に、実現させました。「秘密の雑木林でカブトムシとクワガタの観察」が、記念すべき1回目のナイトツアーです。秘密と言うのは、私の子どもが小さかった時に、よく採集した雑木林なので、あまり他の人には教えませんよ~という意味です。雑木林の中に、4か所の蜜スポットがあり、暗闇の中で、子どもたちも保護者もビクビクして歩くのですが、カブトムシとクワガタを発見すると、それは、大騒ぎです。自然界でカブトムシを見るのが初めての親子もたくさんいました。

 

「三橋公園」で、セミの羽化シーンを見た時も大感動です。土の中で約5年間も幼虫として過ごすセミが、夜の8時くらいをピークに、土から出て、木を這い上がります。そして、柳の葉で、白い羽をゆっくりとなびかせて羽化するのです。夜に羽化するのは、カラスなどの天敵が寝ているのと、人間も少ないからです。しかし、セミの命は、長くても1か月です。でも、羽化を見ると、「みーんみーん♪」とうるさかったセミの鳴き声が、愛おしく思えるのです。

 

上尾の丸山公園で、蛍が見られるということで、蛍も見に行きました。私も、自然界の蛍は、初めてだったので、たった10匹ほどでしたが、「スゲー!」と感動です。この時は、卒園児の小学生に手伝ってもらい、雑木林の中に、トラップを仕掛けて、カブトムシなどが見つかるようにしました。焼酎とバナナと砂糖とイースト菌を混ぜて一晩発酵させた液を木に塗るのです。見事に、夜になるとカブトムシが集まっていました。同時に、カエルもいます。なぜ?それは、トラップに集まったコバエを食べに、カエルが木に登っていたのです。

 

そして、ここ数年は、北本自然観察公園で、ヘイケボタルを観察するようになりました。自然環境のままで、人が手を入れることなく、約500匹の蛍が舞うのです。昨年のナイトツアーは、まさに、イルミネーションの中を歩いているような、素晴らしい光景に出会うことができました。

 

子どもたちにとっても、保護者にとっても、真夏の夜の大冒険をこうして楽しんできたのです。「ワクワクドキドキ」が大好きな園長ですが、ナイトツアーは、誰もがワクワクの素敵な夜を経験して、ほんわかな気持ちになったのです。

2024年

10月

22日

カメを飼う思い出

今朝、行政と確認し、11月から認可保育園へ転園する園児全員が、無事に内定したことがわかりました。すでに認可外保育園と幼稚園へ転園が決まっている園児を含め、誰一人も路頭に迷うこともなく、本当に安心しました。今日は、最後のピクニックランチを行ったのですが、気持ちも晴れやかに、屋上の青空の下で、子どもたちとピクニックです。

 

年に3回ほど、寺子屋園児を対象に、ママやパパが作ったお弁当を屋上で食べるという、とてもシンプルなイベントですが、お弁当を通じて、親子の絆が強まり、園児は、親への感謝の気持ちが高まります。今日も「ママありがとう!」と叫ぶ5歳男の子です。

 

さて、ホワイトきゃんばすでは、屋上や教室内で様々な生き物を飼ってきましたが、やはり、一番は「カメ」です。もともと屋上の池で、「カメックス」と名前を付けたクサガメ

を飼っていたのですが、よく脱走しました。すぐに、草むらの中で隠れてるところを見つかるのですが、ついに、行方不明になったのです。子どもたちが、愛して止まないカメックスの喪失感が大きく、何とかカメを池に・・・ということで、川に、「カニカゴ」という仕掛けをして、カメを採集することにしました。

 

カニカゴとは、海などでカニを捕まえる時に使う、四角い網です。中に、煮干しなどの臭いが出るエサを入れて、カメが網に進入すると出られなくなるという構造です。土曜日に、卒園児の小学生を連れて採集に行き、少しずつ個体が増えていったのです。ミドリガメのおうちと、クサガメのおうちを作り、一番大きいカメ池には、多くのクサガメが住むようになったのです。子どもたちの楽しみは、エサやりです。普通なら、人が近づくと逃げるのですが、カメ池のカメは、エサをくれると思って近寄ってきます。子どもたちには大人気となりました。小さい園児も「カメさんにえさをあげる」と言って、ずっとカメを観察しています。

 

そして、2年前には、カメの産卵場を池のすみっこに作り、そこで卵を生むようになったのです。カメたちは、6月・7月に卵を砂の中に産み、約60日後に子ガメが誕生します。砂の中から卵を取り出して、産卵用のボックスに入れます。令和4年の夏は、クサガメが34匹生まれました。卵から頭を出した瞬間を子どもたちも保護者も見ることができました。それは、感動のシーンです。令和5年の夏は、待望の「ニホンイシガメ」の赤ちゃんが10匹生まれました。クサガメ25匹の合計35匹です。今年の夏も合計で20匹の子ガメが生まれました。

 

生き物が誕生するシーンを見た子どもたちは、「生きること」「命の大切さ」などを学んでいきます。かわいいカメたちは、数匹が里親として引き取られ、園児のおうちで、大切に飼われています。

 

屋上で飼っていた生き物は、「モーモー♪」うるさい「ウシガエル」に、アメリカザリガニ、メダカの学校もありました。ビートルハウスにはカブトムシやクワガタが住んでいました。まさに、保育園ホワイトきゃんばすは、屋上も教室内も生き物だらけです。死なせてしまった、ケヅメリクガメの「かめきち」も子どもたちのアイドルでした。

 

そんな、屋上や教室にいたカメたちですが、このたび、園長の家に引っ越ししました。庭にカメ池を作り、通行人の心を癒しています。リビングの水槽は、もともとカメを飼っていましたが、この夏生まれたカメたちが元気に泳いでいます。

 

ということで、保育園のカメたちは、場所を変えて、あたらなカメ人生を送っています。来年夏には、もちろん産卵に挑戦するので、砂場を確保しています。(笑)

2024年

10月

21日

寺子屋の思い出

今日の連絡ノートには、運動会の感想がびっしりと書かれていました。「最高の運動会」というフレーズが、何度も出てきて、本当にうれしい限りです。職員一同、心を込めて、読ませていただきました。

 

さて、今日の思い出は、「寺子屋」です。開園して1年が経過し、新年度に、認可外保育園としての試練が待っていました。何人かの園児が、認可保育園に転園してしまったのです。保育園ホワイトきゃんばすは、認可保育園が決まるまでのつなぎでしかなかったのです。

 

屋上での環境は、保育園ホワイトきゃんばすの大きな付加価値ですが、まだ強化策が足りません。そこで、夕方の自由時間に、3歳児以上の3学年の学び合いの時間を作ろうと考えます。「寺子屋」の時間とし、月曜日から金曜日まで、職員が日替わりで、子どもたちに学んだり考えたりする時間を作ったのです。学習・習字・お絵描き・ねんどなどの学びの時間、廃材工作の時間、英語の時間、食育の時間、そして、園長は「よのなか科幼児版」とうたって、社会に出て学ぶことや屋上でのフィールド活動・お店探検・哲学の時間・生き物観察など、様々な活動を行いました。

 

年長園児を「寺子屋1番」、年中園児を「寺子屋2番」、年少園児を「寺子屋3番」と呼び、給食配膳や手洗い当番などの役割も与えました。寺子屋活動については、担当の先生が記録して、毎週保護者へフィードバックし、見える化を図りました。

 

こうして、年少から年長までの3学年が、縦割りで学び合う活動となり、学びだけでなく、集中力や非認知能力もアップしていったのです。

 

2歳児は、「早く寺子屋さんになりたい」と、寺子屋への憧れの気持ちが高まり、「寺子屋さんになったんだから」と小さい園児のお手本になるようにがんばり、当番を率先して行う園児が増えていきました。年長園児が、廃材工作の時間で、年少園児にハサミの使い方を教えたりするなど、寺子屋3番は教えられる立場から、寺子屋1番になると、教える立場に成長する姿が見られるようになりました。人に教えることで、学びがさらに深まっていきます。

 

こうして、保育園ホワイトきゃんばすの特徴的な「寺子屋活動」が、どんどん進化していったのです。ただし、園児たちは、他の保育園や幼稚園でも「寺子屋」があるものと思っていて、小学生になって「俺…寺子屋で○○やったから」と話をしても通じないことが、わかったようです。(笑)

2024年

10月

20日

屋上遊び&ファームの思い出

昨日は、最高の運動会となりました。子どもたちにプレゼントするDVDを見ながら、「よく頑張ったなぁ~」と感心したり、おもしろシーンに笑っていました。そして、10月31日の閉園の日まで、カウントダウンとなりました。今日からは、12年間の思い出を振り返っていきます。

 

ホワイトきゃんばすにとって、屋上遊びと屋上ファームは、子どもたちが毎日遊ぶ大切な日常です。この環境があるからこそ、「この保育園に決めた!」という保護者も多かったです。

 

保育園の契約が決まり、最初は、布団を干すのに屋上を使用させてもらおうと思い、ショッピングセンターの屋上を歩いていると、草がたくさん生えた、元花壇だったスペースが目に入りました。すぐに、「ここを畑にして使わせてもらえませんか」と即答でOKをもらいます。2012年5月に保育園が開園すると、ゴールデンウイークには、保護者たちも参加して、ファームに夏野菜を植えます。そして、どろんこ広場を整備していただきました。

 

その後、この東京ドームのグランドスペースの半分もある、広い屋上スペースを子どもたちが「遊びを考え、自分たちで遊びを作っていく」場所に進化させます。自転車・ストライダー・三輪車は、保護者からいただいたり、自転車売場で廃車になった中で、まだ使用できるものをいただいたりして、増えていきました。そして、2016年に「自転車免許証」を自転車に乗れるようになった園児に発行すると、3歳児年少のうちに、全員が自転車に乗れるようになるという快挙が、今までずっと継続してきたのです。

 

屋上には、「ビワの木」「桑の木」があります。ビワの実と桑の実(マルベリー)を5月6月になって食べるのが、子どもたちの楽しみになりました。そうなると、自然と木登りが得意になります。

 

そして、夏は、屋上プールです。プールボランティアをお願いすると、多くの保護者が参加し、子どもたちと遊んでいただきました。プールに入りながら、ファームで収穫したミニトマトやキュウリを食べ、スイカ割りも楽しみます。子どもたちが収穫した野菜は、数えきれないくらいたくさんになりました。土の中から、幼虫やダンゴムシが出てくると、子どもたちの目の色が変わります。チョウにトンボ、バッタにてんとう虫にクマバチまで、たくさんの生き物を採集しました。保育参観で、屋上の生き物を見つけるゲームをした時には、何と「オケラ」まで採集できました。「手のひらを太陽に」に出てくる、「オケラだって♬」の虫です。オレンジ色で、普段は土の中に住んでいます。

 

季節を変えて、多くの野草の名前を覚え、アサガオの色水を作りました。ムスカリ・ホトケノザ・カラスノエンドウなど、幼児なのに、花の名前がポンポン出てきました。ママへのプレゼントとして、野草の花を集めた花束を作ったこともありました。四つ葉のクローバーも見つけました。

 

そんな素敵な屋上は、子どもたちにとっては、特別な場所ではなく、日常の遊び場です。自転車&自然環境&ファームなどが、混じり合って、子どもたちが自分で遊びを楽しんだのです。

 

10月31日まで、いろんな想いに浸りながら、子どもたちと屋上で過ごすことにします。

2024年

10月

19日

最後の運動会

いよいよ「保育園ホワイトきゃんばす」最後の運動会となりました。熱い太陽が見つめる中、子どもたちも熱く、保護者の皆様も熱く、卒園児の小学生中学生も熱く・・・とにかく、最高の運動会となりました。

 

子どもたちは、9月から練習をはじめ、30メートル走と紅白対抗リレーは、毎日取り組んできました。「勝った負けた」が明確になる競技です。勝った園児は、「やった!自分は凄いんだぞ!」と自己肯定感がアップしますが、負けた園児は、様々な心の葛藤を経験します。「悔しい!自分はいつも負けてばかりだ!」と時には泣きます。しかし、人間的な成長では、むしろ負けることから学ぶことが多いのかもしれません。

 

こんな物語を練習の時から重ねてきた子どもたちは、運動会本番では、勝つことよりも、「一生懸命頑張る」ことが大切なことと感じ始めていました。でも、やるからには勝利を目指します。本当に、今日は、全員がベストの走りでした。保護者の涙が光ります。

 

紅白対抗リレーは、アンカーまで、ほとんど差がない展開となり、最後は、わずか10センチの差で勝敗が決まりました。勝った赤組のアンカーは、白組アンカーの頑張りを認め、普段のおしゃべりは封印しました。負けた白組アンカーは、保育園で一番足が速い園児でしたが、あと少し及びませんでした。でも、「やりきった」というすがすがしい気持ちが伝わってきました。

 

卒園児がざっと30名も集まりました。綱引きと紅白対抗リレーは、凄まじい迫力です。中学2年生の男の子は、第1回運動会に参加しました。そして、時を刻み、今回は11回目の運動会です。西文ひろばグランドで汗を流した思い出も、今日でおしまいです。

 

最後は、園児・保護者・卒園児そして先生たちで、「マイムマイム」を踊りました。大きな輪になって、みんな手をつないで、最高に楽しかったです。最後の運動会なのに、終わってみれば、涙ではなく笑顔で終わることができました。

 

最高の運動会を盛り上げてくれた子どもたち。そして保護者の皆様と卒園児たちに感謝の気持ちでいっぱいです。先生たちもヘトヘトになりましたが、こんなに満たされた気持ちになったのは久しぶりです。園長は、声がガラガラです。(笑)

 

本当にありがとうございました。

2024年

10月

18日

毎日やらかしています。

明日の運動会を前に、今日は教室で開会式の練習をしました。年長園児8人には、役割があります。選手宣誓は4人の園児が、それぞれのセリフを誓います。大きな声が出ていました。明日は、グラウンドにその声が響かせて欲しいですね。残りの4人は、「体操の先生」を行います。準備体操で流れる「いっとうしょうたいそう」を前に出て、パフォーマンスします。

 

勝った負けたで、ガッツポーズに悔し涙と大騒ぎになるでしょうが、子どもたちの一生懸命がんばる姿を見ていただければ、それで十分です。保育園ホワイトきゃんばす最後の運動会になりますが、今まで、続けてきた通りに、子どもたちの力を楽しみにしています。

 

さて、NHKでドラマ化された「透明なゆりかご~産婦人科看護師見習い日記~」は、作者でもある、沖田☓華(ばっか)さんの看護師時代のエピソードを描いたものです。彼女は、発達障害の当事者であることを公表しています。

 

沖田さんは、アスペルガー症候群(AS)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害があります。彼女が自分の「やらかし」体験をコミカルに描くエッセーマンガが「毎日やらかしています。」です。この中で、自身が発達障害を自覚するまでのいきさつや、発達障害を受容した上で日常生活をどのように過ごしているかについて描いています。この本は、発達障害を理解するために、大学の講義でも使われているそうです。

 

例えば、彼女の仕事場は、色に対するこだわりから、好きな青色のものだけで満たされています。興味深いのは、青は青でもサファイアブルーでなくてはいけないそうです。他の青ではNGで、色の細かな違いにも敏感に反応します。また、日常生活においても、鍋に火をかけたままにして消し忘れたり、車を1年で4台も廃車にしてしまったり。また、なかなか人の顔を覚えられないそうです。

 

今でこそ、自分の失敗談を笑いに変え、漫画を描き続ける彼女の姿勢には、前向きなパワーを感じますが、彼女が、自分の特性を自覚し対処できるようになるまでには、長い年月がかかったといいます。

 

保育園・幼稚園・小学校では、子どもはなかなか自分を客観視し特性を自覚することが難しいですね。親も意外に気がつかないことが多いです。これからは、ますます発達障害のある子どもの気持ちや捉え方に対して、理解を深めていかねばなりません。クラスの中に、いろんな子どもがいて、そして1つのクラスとして成り立たせるには、お互いへの理解が不可欠です。沖田さんは、自分の経験を語ってくれているので、大いに参考になる教材と言えますね。

2024年

10月

17日

シニアって何歳から?

今日は、運動会前の最後の合同練習です。0~2歳児も、寺子屋園児と手をつないで、しっかりと入場できました。かけっこもいい感じです。ダンス「ハピネス」については、踊っているのは2人だけで、他の園児は固まっています。本番では、観客席から多くの応援を受けて、きっと躍動してくれることでしょう。 

 

さて、保育園ホワイトきゃんばすが開園した2012年は、まだ私は40歳台でしたので、堂々と「おやじ園長」を名乗っていました。しかし、還暦となり、「おやじ」なのか「シニア」なのか?まだまだ、肉体的にも精神的にも「おやじ」であり続けたい私です。(笑)

 

人生100年時代と言われ、健康で長生きする人が増えています。しかし、時代をさかのぼると、旧石器・縄文時代の平均寿命は15歳前後、平安時代は30歳代、江戸時代は40歳代・・・諸説あるものの、昔は今では考えられないくらい、若くして死を迎えていたのです。2023年は、男性81歳・女性87歳です。栄養状態や衛生環境、医療の進化によって、日本は、世界一の長寿国となりました。

 

ところで、あなたが考える「高齢者」は何歳ですか?実は、何歳から高齢者とするかの基準は、日本にはありません。総務省は、毎年9月の敬老の日に合わせて、65歳以上人口を高齢者人口として公表しています。2024年は3625万人だったそうです。65歳としているのは、「諸外国と比較する際も便利なため、国連の定義を基にしている」と説明します。でも、明確に65歳以上とは定義していません。

 

老後に関わる国の制度には、65歳以上を対象にするものは多いです。公的年金の受給や介護保険サービスの利用は原則65歳以上です。一方、道路交通法は、免許更新時に70歳以上を対象に動体視力や視野を測定する講習を行います。民間が行っている「シニア割」の年齢は、バラバラです。映画館は、60歳以上にお得な鑑賞券を用意していますね。私が映画を見る時は、妻と合計100歳以上の割引特典です。(笑)

 

では、実際に現在の「シニア」は、昔と比べて心身が若返りしているのでしょうか。国民生活基礎調査では、70歳以上で「もの忘れ」を訴える人は、2010年は、1000人のうち122人でしたが、2022年では91.5人と激減しています。「耳が聞こえにくい」人も減っているようです。医療や介護予防サービスの充実もありますが、私は、健康への関心が高まったことが一番の原因だと思っています。

 

日本マクドナルドでは、店舗で働く60歳以上を「プレミアムエイジクルー」と呼んで、リスペクトの対象にしています。現在1万2000人もいて、そのうち5000人が70歳以上だそうです。凄いですね。

 

ということで、自分を「シニア」とするかどうかは、自分次第という結論です。私は、まだ「おやじ」を名乗ることにします。(笑)

2024年

10月

16日

昭和式・喫茶店活用術

今日の運動会練習では、久々に綱引きの練習をしました。他の園の子どもたちが、ホワイトきゃんばすの綱引きを見て、「がんばーレ!がんばーレ!」と声援を送ってくれたのです。最初は、綱を引くことすらままならなかった園児たちが、今日は迫力ある綱の引き合いを演じ、その姿をみた、他の園の応援すら勝ち取ったのです。立派なことです。

 

さて、今日は、喫茶店についての話です。都心の駅に行けば、チェーン店系のカフェが多いですね。スタバにドトール・エクセルシオール・タリーズなどなど・・・私も営業マンで外回りをしていた時には、カバンの中には常にノートパソコンが入っていました。チェーン店系のカフェやファーストフードショップに入って、コーヒー1杯で長々とパソコンを叩いていました。電源も完備されているので、堂々と長居です。(笑)

 

ところが、最近はテレビなどで「レトロな喫茶店」特集が頻繁に組まれ、昭和世代だけでなく、若者も外国人も開店前から並んで利用する店も多いですね。NHKでは、古民家を改装したカフェを「ハル」が訪ねるドラマ「ふるカフェ系ハルさんの休日」が放映されています。また、BSでは、ずん飯尾さんが各地の喫茶店を訪れる「ずん喫茶」も私の好きな番組の一つです。

 

埼玉県にも、昔ながらの喫茶店がたくさんあり、私もぶらりと散歩します。大宮駅近くには「伯爵亭」という24時間営業の有名な喫茶店があるのですが、ここも、多くのお客様で賑わっています。

 

昔ながらの喫茶店とチェーン系カフェでは、違うところはたくさんありますが、一番の違いは「過ごし方」にあります。そうです。昭和スタイルの喫茶店では、パソコンを開いている人はほとんどいません。スマホを見ている人はいますが、仕事をしている人は少数派です。逆にスタバの店内で、一心不乱にノートパソコンをたたく人が、一人もいなかったことなどありませんね。

 

昭和喫茶店は、「仕事をする場所」ではなく、「休憩する場所」「リラックスする場所」「サボる場所」だったのです。コロナ以降、リモートワークが広がり、カフェというと「仕事をする場所」のようなイメージですが、昭和純喫茶に入ったら、ボーッと過ごしてリラックスしたいですね。もちろん、その後の仕事がはかどること間違いなしです。

 

レトロな喫茶店に入るのが楽しみな私ですが、もちろん、仕事などしませんよ。(笑)

2024年

10月

15日

ノーベル平和賞

今日は連休明けの保育園です。いよいよ今週末に迫った運動会に向けて、仕上げの練習を行います。紅白対抗リレーは、たいがい「もう一回やりたい!」と子どもたちのやる気が伝わるので、今日も2レース行いました。赤白ともに1勝1敗で、激戦となりました。走る子どもたちは、全力で走っています。練習を始めた9月とは大違いです。後は、全員元気に健康を維持したままで運動会を迎えることです。子どもたちのモチベーションも右肩上がりです。

 

さて、今年のノーベル平和賞は、日本の被爆者団体の全国組織である「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」が選ばれました。大変喜ばしいことですが、ここ数日で、様々な意見が出ています。

 

どうして?と思うことの一つが、「核兵器禁止条約の締約国会議」に、未だに日本は、オブザーバーとしても参加していません。唯一の被爆国であるので、その発言が世界を動かく可能性が高いにもかかわらず、米国の「核の傘」の下にある日本は、一線を越えられないでいます。同じ「核の傘」の下にある、ドイツやベルギーは、オブザーバーとして堂々と参加しています。

 

1990年代、平和記念式典後に開かれる首相と被爆者の面会の場面では、厳しい言葉で詰め寄る被団協と、明言を避ける首相とは溝が深かったのですが、時代が動き、被爆者の証言は影響力を増し、今では、首相自ら「唯一の戦争被爆国」との言葉を当たり前に発言するようになりました。

 

さらに時代が動きます。2016年、オバマ米大統領が初めて広島を訪れ、被爆者を抱擁したのです。対照的に、少し離れたところに、オバマ大統領がいつでもボタンを押すことができる「核のボタン」の入った鞄もありました。でも、現職のアメリカ大統領が広島を訪れるなんて、夢にも思いませんでした。私もテレビを見入っていました。

 

昨年のG7サミットでは、世界の首脳が原爆慰霊碑に献花しました。偽善者のパフォーマンスだ!と批判する人もいましたが、それでも一連の出来事は世界の人々に広島の地を踏ませ、被爆者の「証言」を伝える象徴的なシーンでした。

 

今回のノーベル平和賞の受賞理由は、「核兵器が二度と使われてはならないことを証言によって示してきた」です。「証言」は、戦後79年にわたって、被爆者自ら、または、被爆者の証言を受け継いだ若者たちが、語ってきました。79年もかかりましたが、各国のリーダーに核被害を直視せよというメッセージです。

 

被団協の中には、高校生の若者もいます。ノーベル平和賞は、79年の「証言」の積み重ねの成果ですが、「核兵器なき世界」という究極の目的に向けて、日本が世界に向けて発信するのは、これからがスタートです。戦争を知らない私たちの仕事ですね。

2024年

10月

14日

PTAの未来 つづき

昨日は、埼玉県川島町にある「笛木醤油」の蔵を見学してきました。酒蔵は何度も見学したことがありますが、醤油蔵は初めてです。日本が誇る「醤油文化」ですが、ライフスタイルの変化もあって、醤油を作る蔵元は、全国的に激減しています。そんな中で、笛木醤油は、現在13代目の社長が奮闘しています。社長自ら、工場見学の語り部となり、しょうゆパークを開設して、ファミリー層の取り込みを図っています。社長のガイドがとても面白く、子どもたちが楽しんでいました。醤油ソフトクリームや醤油を使ったバウムクーヘンなどを企画して、醤油以外の収入源を作っています。醤油作りのこだわりは、大手の醤油メーカーなら半年で作ってしまう醤油を全国でも珍しい「樽の木桶」で2年間かけて熟成させます。

 

醤油文化の伝統を守りながらも、時代にマッチした新しい道を模索しています。まったく、土俵が違いますが、PTA活動も過渡期の今、変化しなければいけないようです。

 

PTAについての負のイメージは、3つの「や」と指摘する人もいます。「やらないといけない義務感」「やらされている強制感」「やらない人がいる不公平感」です。「時給換算すれば200円ぐらいにしかならないベルマーク集めに会社の有休を使わされる」「赤ちゃんを背負ってでも、古紙回収にいかなければならないのか」「あの人はまだ役員やっていない。ずるい」と言ったところです。

 

言葉は悪いですが「ブラックなPTA」とも言われるようになり、少しずつですが、PTA活動が変わっています。千葉県船橋市の塚田南小学校には、PTAがありません。代わりに「サポーターズクラブ」があり、学校のイベント活動に協力しています。保護者と学校を取り持つ仕組みはあったほうがいい。でも、教職員が参加するPTAでなくてもいいだろう。ということで、保護者のみの組織で、入退会は自由です。約1000世帯のうち、97%が入会し、本部メンバーは19人で、男女比はほぼ半々だといいます。このように、PTAがない学校が増えてきました。

 

なんだ。今までのPTAとどこが違うの?と感じるでしょうが、最大の相違点は、ボランティア活動に徹していることです。家庭や仕事の都合で参加できない人がいても気にしない。というスタンスです。イメージとしては、「おやじの会」スタイルです。

 

おやじの会とは、父親たちが中心になって、子どもたちのために遊びやスポーツなどのイベントを開催する組織です。保育園の卒園児が通う小学校にも、おやじの会があり、田植えと収穫体験を行っています。おやじの会に参加する「お父さん」たちの顔は、子どもと同じように輝いています。(笑)

 

私が、PTA活動を引退して数年後に、西区PTA連合会の総会に呼ばれ、10分ぐらい講演する機会がありました。そこで話したことは、「PTAは会社組織ではないので、上司・部下などの利害関係が発生しない組織です。PTA会長や本部役員が偉いわけではありません。PTAでよくトラブルにあるのが『私は聞いていません』です。どんなに、子どもたちのための活動でも、この『聞いてません』の一言で、協力が得られないことがあります。教職員も含め、すべてのPTA会員への説明を怠ってはいけません」です。

 

でも、今の私なら、こんな話をしたいですね。「子どもたちのために、保護者が何かをやろうとする組織は、PTAでもサポーターでも何でもいいです。しかし、参加する保護者の負担はゼロにはなりません。でも、『やらされている』と感じるか『自分の意思で参加している』と思うかは全くその意味合いが違ってきます。子どもたちに「自分で考える子どもになりなさい」と言うならば、親も子どもたちに何が必要で、そのためには自分たちがどう動くかを考えることが大切です。親だって楽しめるような、自分の意思で参加する組織にしていきませんか」

 

小学生、中学生の子どもを持つあなたは、子どもが通う学校のPTAはどうですか。一人の力で大きく変えることは難しいですが、これからのPTA活動を考えてみませんか。

2024年

10月

13日

PTAの未来

この連休は秋晴れですね。昨日は運動会の小学校もあって、各地で、子どもたちの声援が聞こえてきます。保育園の運動会もあと1週間・・・いよいよです。

 

さて、私が保育園を立ち上げるきっかけは、PTA活動にかかわったことです。そこで、サラリーマン時代の人脈では考えられなかった、学校組織・地域の人たちとのかかわりという、新しい扉を開くことになったのです。最近では、元会長のお金の問題で何かと話題になっている、さいたま市PTA協議会の会合にも参加し、そこで、子どもたちのために、縁の下の力持ちになっている保護者をたくさん見てきました。そんな経験が、「子どもに関わる仕事をしたい」という想いにつながったのです。

 

私は、PTAから素晴らしい経験をたくさんいただきましたが、苦い経験もしています。歴代のPTA会長は、長く自営業をしてきたような「地元の名士」でした。そこを引き継いだ私は、サラリーマンPTA会長です。最初は、PTAという組織の長になったんだから、会社組織のように、「○○さん。これをお願いします」「○○さんは、教頭先生と運動会の件、進めてください」と、指示を出していきました。しかし、PTAをまわしていたのは、たまに学校に顔を出す会長ではなく、毎日のようにPTA会議室に通うママたちだったのです。そして、ついに「ボスママ」との対立構造に発展しました。私がやろうとした企画をつぶしにかかります。私が救われたのは、「子どもたちのためにやろうとすることに、気に入らないという理由で邪魔をするなんて許せない」と考える保護者が賛同してくれたことです。そして、校長先生との関係を密にしていたことで、アドバイスをいただき助けてもらいました。結局「ボスママ」は、PTAを去りました。でも、今でも自分のやり方が上手くなかったと思っています。

 

そうです。多くの小中学校のPTAには、経験豊かな「ボスママ」と言われる支配者的なママと、それを支えるママたちがいます。これが、いい方向にまわっていけばいいのですが、「仕事は先輩の背中を見て覚えろ!」みたいな、時代の流れに合っていない活動になっていることが多いのです。ある調査では、「PTAの改革を妨げているものがあるとしたら、何だと思いますか?」の問いに、2位の「PTAのOB・OGの反対」を大きく引き離して1位にだったのが「ボス的な保護者」でした。

 

PTAは、保護者(Parent)と教職員(Teacher)が作る組織(Association)という意味で、教職員もPTA会員です。一般的にPTA活動は、広報誌の発行・ベルマークの収集・登校時の見守り活動・運動会などの行事の手伝い・イベント活動など、学校と密接な活動が多いです。教員にとっては、PTAはありがたい存在ですが、実は、PTAは任意加入の組織です。でも、それが知られるようになったのはここ10年ほどです。私も、強制加入と思っていました。

 

今、PTA活動は、過渡期にあります。「子どもたちのため」の活動であることは、誰一人疑う人はいません。「総論賛成」でも、結論を出すまでのプロセスが気に入らないだけで、「各論反対」となることも多いです。

 

では、これからのPTA活動は、どんな形がいいのか・・・

 

つづきはあした。

2024年

10月

12日

公式記録員

本日で、通常の土曜保育が最後となりました。来週土曜日は「運動会」再来週は「お別れ会」ですので、ホワイトきゃんばすが長い間続けてきた、土曜日の卒園児小学生の登園も今日でおしまいです。土曜日は、人数こそ少ないですが、小学生と園児の縦割り保育となり、お昼寝タイムには、園長の課外授業もあって、子どもたちにとっては、楽しい一日になっていました。今日は、私も子どもたちも「大切な一日」を意識して過ごしたのです。

 

さて、日本のプロ野球も海の向こうでもポストシーズンで盛り上がっていますね。私が好きなテレビ番組の一つに「球辞苑(きゅうじえん)」があります。プロ野球を取り上げた番組ですが、毎回テーマがあります。例えば「0-2(ノーボールツーストライク)」がテーマの日は、圧倒的に投手が有利なカウントですが、このカウントで、どの打者が一番打率を残しているのか?逆に、どの投手が一番打たれているのか?などをデータを基にひも解いていく番組です。選手のコメントも注目です。

 

こんな番組が作られる背景には、1つ1つのプレーを丹念に追う日本野球機構(NPB)所属の公式記録員の存在があります。例えば、今年5月24日の読売巨人軍の戸郷投手が、甲子園球場で阪神タイガースを相手に演じたノーヒットノーランは、様々な視点で報じられました。「史上89人目」「通算101度目」「巨人の選手が甲子園で達成したのは、1936年の沢村栄治以来」などなど・・・こんなポンポンと出てくる数字の基は、NPBが残す膨大な公式記録です。

 

現在の記録員は25名だそうです。今季は数年ぶりに採用が行われ、約100倍の競争率の末、3人が補充されたとのこと。一軍記録員はグラウンドを見渡せる席に2人1組で座り、1球ごとの結果をスコアシートに記入するほか、プレーを見て「ヒット」か「エラー」なども判断します。この仕事は、審判ではなく公式記録員の仕事です。

 

歴代5位の2039試合での記録員を務めた元パリーグ記録部長の五十嵐さんは、「慣れるまではどちらが勝ったかも分からないくらい緊張した。プレー中はボールから一切目を離さなかった」と言います。トイレに立たないように、試合の数時間前から水分を取らなかったそうです。五十嵐さんは、完全試合を2度、ノーヒットノーランを3度担当したそうです。

 

NPBの記録員の一人は「野球はスコアから試合を細かく読み取れるスポーツ。公式記録を正確に残すことで、様々な切り口で分析できる」と話します。野球以外のスポーツでも「記録の神様」と呼ばれる人が縁の下で支えているのです。

 

ずいぶんとレベルが違いますが、私が大学1年の時に、広岡西武と藤田巨人の伝説の日本シリーズがありました。巨人のピッチャーには江川投手や西本投手がいて、西武には田淵選手がいました。私は、この日本シリーズの試合を、CMのないNHK放映の時には、スコアブックをつけながら観戦していました。もう、見る方も真剣です。スコアブックをつけると、「前の打席では、フルカウントまでもつれて空振り三振か」なんていう見方もできるので、それは,深い野球観戦となりました。

 

スポーツの楽しみ方は、色々とありますが、記録から見る楽しみだって、地味ですが、意義深いものですね。

2024年

10月

11日

広島発の教育イノベーション

青空の下で運動会の全体練習です。0~2歳児のチビちゃんたちも西文ひろばで躍動しました。チビちゃんたちが帰った後は、寺子屋園児たちの30メートル走と紅白対抗リレーの練習です。リレーは、1回では満足しない子どもたちです。「もう一回やりた~い!」と、2度目のレースがスタートしました。そして、最後は、園長とトラック1周の競争です。最後の直線で、園長がマジ走りになるくらい年長園児の走力がアップしています。 

 

さて、今日は、アクティブラーニングの実践やジャンダーギャップ指数の教育分野で全国1位の広島県の教育改革を取り上げます。

 

瀬戸内海の離島、広島県大崎上島(おおさきかみじま)にある、中高一貫校「広島叡智(えいち)学園では、授業のない時間には、生徒が一人芝生で寝転んで考え事をしていた。ここは、今話題の国際バカロレア認定校です。しかも公立校です。1年で全国から1000人もの視察が来るくらい注目されています。中学卒業時に、自分の興味関心を掘り起こしてレポートを作る授業が週に一度あります。ある生徒は、植物と生物と農業に興味があり、土壌に化学肥料を入れすぎる環境問題を自然の力で解決することに魅力を感じ、実際にバクテリアの一種の根粒菌が、どれくらいマメ科の植物に影響を与えるのか実験してレポートを書きました。その生徒は「地域の方に協力してもらい、専門家の意見も聞くことができて、研究って大変だけど楽しいなと思いました。文系か理系化に分かれず、分理が混ざった勉強ができ、大学進学も問題ないというのも魅力的です」と言います。

 

私が勉強会に参加している「イエナプラン教育」の公立校の開校を広島県の教育委員会がバックアップしました。ここは、小学校ですが、異年齢教育をしています。また、不登校の子どもの居場所作りにも積極的に取り組んでいます。

 

広島県の教育改革は、すぐにできたことではなく、10年前には始まっていました。当時の話し合いでは、「学力調査の全国1位になることよりも、これからの時代は新しい価値を生み出せる人材の育成に力を入れるべきじゃないかという話になりました。有識者会議を立ち上げたところ、今の子どもは自分の意見を言ったり、自分で考えて行動するのが苦手だという指摘があり、子どもがいろんな人と協働する教育をデザインすることになりました」となり、今では、当たり前に言われる「アクティブラーニング」の授業スタイルを広島県では、10年前からチャレンジしてきたのです。当時は、「そんなのできませんよ。無理です!」と現場から言われるほど、逆風だったそうです。

 

今年の3月まで、広島県の教育長を務めた平川理恵さんは、横浜で民間人校長を経て、広島県の教育長になる異色の経歴の持ち主ですが、彼女が広島県の教育リノベーションを引っ張ってきました。

 

「今の学校は『みんなと一緒』と教えすぎています。受け狙いの上っ面のプレゼンとか、テストに強い子とか、根源的ではない授業を続けていくと、『いつも元気で明るいが人間的に深みがない』とか『テストには強いけど、人生が何たるかわかっていない』という人間になってしまいます」と言って、改革に取り組んだのです。彼女はリクルート出身ですので、発言がストレートですね。

 

これが東京なら、中学受験が盛んで、早い年齢から塾に行ってコスパよく勉強する風潮が強いのが現実です。広島県の取り組みが、日本全国どこの自治体にも当てはまるとは言えませんが、「ちゃんと考えて自分で答えを出すこと」「自分は、みんなと同じで本当にいいのか?」については、子どもたち共通の課題ですね。日本の教育環境が、今後変わっていくのです。

2024年

10月

10日

サラリーマンショコラティエ

今日は、雨が上がって、久々にグラウンドでの練習です。○○保育園の園児たちも練習に来ていました。10月19日に保育園ホワイトきゃんばすの運動会があり、その1週間後に、この○○保育園の運動会があります。サーキットレースを見た○○保育園の年長園児は、目を丸くして食い入るように見ていました。圧巻は、紅白対抗リレーです。園児がトラック1周を走ること。本物のバトンを使っていること。一人一人の走りが速いこと。応援も大きな声が出ていること。○○保育園の年長担任も「凄いなぁ~」とつぶやいていました。保育園ホワイトきゃんばすが長い年月をかけて作り上げてきたスタイルです。10月19日の最後の運動会では、そんな子どもたちの姿を多くの人に見てもらいたいですね。

 

さて、今日はサラリーマンショコラティエの話です。ようやく秋らしくなって、チョコレートがおいしい季節になってきました。私が勤務していた会社は、チョコレートがメインの洋菓子メーカーでしたので、バレンタイン商戦は、社運を賭けた大勝負となります。同じ国内のブランドでライバルの会社が、メリーチョコレートカムパニーです。そこには、サラリーマンショコラティエと異名を取る大石さんがいます。彼が得意とするのは、チョコレートと和の素材の融合です。パリで開かれる世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で、2016年に最も栄誉ある「外国人部門C.C.Cアワード」を受賞します。和の素材で日本の風情を表現しようと、甘めのみたらしと渋めの抹茶をチョコレートに合わせました。

 

2022年には、世界的に権威のある「インターナショナル・チョコレートアワード」の金賞を受賞します。「すだちと薔薇」と名づけたチョコレートには、山形県の日本酒に漬けた朝摘みのバラの花びらから抽出した香りと、徳島県産のすだち果汁を加えたチョコレートです。

 

大石さんのユニークな発想は、農協の販売所や道の駅などで旬の素材を見て回ることから生まれるそうです。「どんなふうに食べたらおいしいか」「どんなお酒に合うか」最後に「チョコレートに合うか」を想像するそうです。想像通りの味になることはまれだそうですが、「何度も試行錯誤を繰り返す終わりのない世界です」と大石さんは言います。

 

チョコレートを口にすると、誰もが笑顔になります。本当に不思議な食べ物です。そんな食べる人の気持ちを考えながら、大石さんのチョコレートには終わりがないようです。

 

おいしいチョコレートが食べたくなりましたか。

2024年

10月

09日

カブトムシの幼虫と185系

今日も雨が激しく降っています。しかし、教室内で、しっかりと運動会の練習をしました。入場行進からの開会式では、選手宣誓を行います。代表園児はセリフを覚えて、あとは練習あるのみです。準備体操も「体操の先生」に年長園児がなります。つな引きは、腰を下ろした低い体勢が取れています。玉入れも、的確にカゴに入れられるようになってきました。ダンス「ハピネス」、組体操に、ダンス「マイムマイム」まで、充実した練習ができました。

 

さて、今日は、「こんなサービスいいなぁ~」を2つ取り上げます。1つ目は、本を借りに来た子どもたちにカブトムシの幼虫をプレゼントする企画で、大勢の子どもたちで賑わった、草加市立中央図書館の話です。この夏、図書館では、カブトムシ約10匹を館内に展示したそうです。展示後、職員が飼育ケースを片付ける際に、腐葉土の中に幼虫がいるのを見つけたそうです。職員が「図書館に足を運ぶきっかけにしてほしい」と子どもに配ることを思いつきます。ミソは、子どもたち自身で、腐葉土を手で掘って、幼虫を見つける演出にしたことです。自分で捕まえた幼虫なので、大喜びで容器に入れて見つめます。カブトムシの幼虫をもらった子どもたちは、幼虫が成長するたびに、図書館に行きたくなるに違いありません。

 

次は、さいたま新都心にある、ホテルメトロポリタンでのサービスです。来年3月末までの期間限定ですが、特急列車「185系」をイメージした部屋を新たに設けたそうです。実際に使われた車両の座席4席をボックス席のように向かい合わせに配置し、デッキに置かれていたゴミ箱も再現するなど、鉄道ファンの心をくすぐる仕掛けを盛り込んでいます。

 

185系と言っても、ピンとこない人が多いでしょうね。この緑のラインが特徴の185系は、特急「踊り子号」や湘南ライナーなどとして使われ、2021年に定期運航を終了した車両です。国鉄民営化前に製造された車両は「国鉄型」と呼ばれ、現在は一部が臨時列車として使われる人気車両です。

 

「185系ルーム」は、9階のスーペリアツインルームで、客席の壁には走行する185系の写真10枚が展示され、指定席表示版もあります。窓からは、さいたま新都心駅や列車が行き交う景色を満喫できます。鉄道好きにはたまらない企画ですね。座席から電車を眺めることもできて、旅気分を楽しむこともできます。

 

ということで、カブトムシの幼虫と185系・・・こんな、ちょっとしたサービスは、他にもたくさんあるのでしょう。考えるのも楽しいですね。

2024年

10月

08日

わが子のうそ

保育園の壁面には、保育園へのメッセージやイラストなどが書けるようにしています。保護者も子どもたちも、先生たちへの感謝の気持ちが綴られています。卒園児の小学生からのメッセージもあります。うれしいですね。私も「園児が20歳になったら飲みに行くぞ!」と、メッセージを書いています。(笑) 

 

さて、かつて「うちの子は生まれてから一度も嘘をついたことはありません。そんなことは、絶対に言っていません」と、嘘をついた4歳男の子の母親に、その事実を伝えて、解決策を図ろうとしたところ、激怒されてしまい、話し合いができなかったことがありました。

 

自分の子どもが嘘をつくのは、親としてショックかもしれません。しかし、子どもが嘘をつくのは、心と行動、言葉が発達している証拠です。はい、子どもの成長段階では、嘘は通過儀礼なのです。

 

子どもが嘘をつき始めるのは2歳~3歳と言われます。最初は、叱られるのを回避するために、お菓子を隠れて食べたのに「食べていない!」と、事実を否定することから始まります。4~5歳になると高度な嘘がつけるようになります。この頃の嘘は、相手が知らないことに対して嘘をつく。また、誤って、事実を言わないように自分の行動を抑制しなければなりません。自分の思考や行動をコントロールする力と言葉の発達がなければ、嘘はつけないですね。

 

ということで、我が子が嘘をついても「嘘つきは泥棒の始まりなんだから」「嘘をつくなんて、人として最低!」なんて、親は感情的に激怒してはいけません。逆に、嘘がつけるのは、成長しているんだなぁ~と、まずは受け止める必要があります。

 

では、子どもの嘘に気付いたときに、親はどうすればいいか。世の中には、様々な親子関係があるので、1つの答えだけとは限りませんが、子どもが嘘をついた時には、すぐに指摘するのではなく「どうして?なぜ?そんな嘘をついたのか?」を考えてから行動を起こしても遅くありませんね。

 

親にかまって欲しいなど、心で感じる不安や寂しさが、嘘という表現で出てしまうことがあります。また、頭ごなしに「嘘はダメ!」ではなく、「なぜその嘘がいけないのか」「その嘘で、困った事が起きてしまったこと」などを話すのが大事ですね。

 

相手を傷つけないための嘘など、人を思いやる嘘をつくことだってあります。そんな時は、その優しい気持ちをたくさん褒めたいですね。

 

子どもたちが、やがて大人になっていくと、子どもの時のような嘘が通用しなくなります。親は、子どもの嘘に対して否定するだけなら、嘘が取り返しのつかないことに発展することを理解しないまま、大人になってしまいます。

 

子どもが嘘をついたら、「よっしゃー!成長しているんだなぁ~」くらいに思って、嘘をついた理由を親として考えることが大切なのです。

2024年

10月

07日

ゲームで歴史を学ぶ

今日は、西文ひろばで、しっかりと運動会の練習ができました。30メートル走・サーキットレース・組体操・紅白対抗リレーと、どれも本番では、熱い戦いが繰り広げられる競技です。紅白リーダー対決では、サーキットレースで敗れた赤組の男の子が、レース後号泣してなかなか立ち上がれません。「レース中では、絶対に泣かない!」を何度も言っているので、男の子はレース後に悔し泣きです。この思いを紅白対抗リレーにぶつけます。10メートル遅れでアンカーのバトンを受け取った男の子は、諦めないで全力で走りました。抜くことはできませんでしたが、あと少しのところまで頑張ったのです。この姿は、他の園児たちには十分伝わりました。練習の成果ではありますが、子どもたちの変化が感じられます。

 

さて、過去の歴史をひも解けば、現在起きている問題や未来への羅針盤になるとよく言われます。まさに、その通りだと私も思いますが、では、子どもたちが、歴史を楽しく学ぶには、日本史なら、縄文時代から始まって、弥生時代、古墳時代・・・と教科書を勉強すると、途中でイヤになってしまいます。(笑)

 

今日は、ゲームから歴史に興味を持つという内容です。韓国の歴史アドベンチャーゲーム「ペチカ」を紹介します。ゲームの舞台は、日露戦争終結後のウラジオストク(ロシア)で、主人公は朝鮮系ロシア人の青年「ピョートル」です。日本総領事館の幹部の命令で暗殺を繰り返す生活に耐え切れなくなったピョートルは、自由と引き換えに5人のターゲットを暗殺する任務を引き受けます。しかし、それが新たな問題を引き起こしていくストーリーです。

 

このゲームは、20世紀初頭の極東における複雑な情勢をゲームに落とし込んでいるのが特徴です。当時ウラジオストクには、約6000人の在留日本人が許住しており、日本とも関係が深かったのですが、ゲームとはいえ、背景情報に「第一次世界大戦」「ポリシェヴィキ革命」「韓国独立運動」など重要な出来事も語られます。まさに、歴史ドキュメンタリーのような内容をゲームにしたのです。

 

現在の小中学校は、1人1台タブレットを持っています。これなら、普通の教科書を使った歴史の授業ではなく、授業中に堂々とゲームで遊ばせて、ストーリーのその後を児童・生徒で話し合わせたり、日本と韓国、ロシアの近現代史について探求させるなど、さまざまな活用ができますね。

 

日本で起きた歴史上の出来事と同じ時に、世界はどうだったかを学ぶのは、これからの歴史の学びには重要になってきます。日本の子どもたちが、日本だけでなく世界を見据えることができると嬉しいですね。

2024年

10月

06日

リュックサック 前?後ろ?

保育園ホワイトきゃんばすが開園してからは、私の電車通勤がなくなり、電車に乗る機会が減ったのですが、時々電車の乗ると、サラリーマン時代の記憶と大きく違うことが2つあります。まずは、ほとんどの乗客がスマホをいじっています。新聞や本を読む人が激減しました。スマホで本も新聞も読めることも要因ですね。もう一つは、リュックサック通勤が増えたことと、ほとんどの人が、前リュックです。

 

通勤電車の中では、後ろリュックでは、周りのお客様にぶつかって迷惑になうことが理由ですが、街中でもよく見るようになりました。中身を容易に取り出せる。スリ防止にもなり、雨天時には傘からはみ出さないなど実用的でもあるようです。でも、見た目はいかがなものか?ですね。

 

通勤スタイルの変化で、仕事着のカジュアル化やノートパソコンの普及で、リュック利用者が増加。電車内などで持ち方が問われるようになりました。「混雑時は前に抱えて」などと呼びかける事業者も2018年くらいから出てきたようです。こうして、マナーとしての前リュックが、思いがけずに便利だと気付いて、新たなスタイルを生み出したようです。最近では、側面に手を入れやすいポケットを設けたり、上部にスマホを置ける開閉式トレーを備えて手ぶらで画面を見られたりするバッグも登場しているそうです。

 

いずれリュックは、背負うものから抱えるものに変わってしまうのか・・・。小学生のランドセルでも前になるのか。私が子どものころは、じゃんけんで負けると友だちのランドセルを持たされる遊びをしたものですが、前にランドセルを抱えて歩きました。しかし、足元が見えなくなって、バランスが悪いですね。前ランドセルは、子どもたちの安全を考えると、NGです。(笑)

 

私は、保育園には、定番中の定番「吉田カバンのポーター」のリュックサックで登園していますが、サラリーマン時代は、ノートパソコンを持参していましたが、手提げのカバンでした。前リュックで通勤したことはありませんが、今後、電車通勤の機会があれば、通勤時は前リュック、電車内が込んでいない時は、後ろリュックと臨機応変に使い分けると思います。

 

ここ数年で、新たに発生した「前リュック」文化・・・あなたは、取り入れていますか。

2024年

10月

05日

フードバンク苦境

今月末の閉園を前に、毎日のように懐かしいお客様です。開園当初に、通園していた男の子が、中学3年生になって遊びに来ました。高校受験真っ只中です。まぁ~どの高校に入学しようと、それで人生が決まってしまうことなどないので、「自分ができる最大限の頑張りを見せておくれ!」と、園長は言うだけです。(笑)

 

さて、今日はフードバンクの話です。個人や企業から寄付で集めた食品を経済的に困窮している人らに無償提供するフードバンクが、苦境に立たされているそうです。農林水産省によると、国内のフードバンクは、10月1日時点で278か所あるとのこと。ところが、物価の高騰で「自身の生活に余裕がなくなり、寄付を控える人が増えた。企業も在庫を抱えないように生産調整していて、寄付に回せるものが減っている」ということで、多くの団体が、提供する食品の量や種類を減らしたり、食品を渡す対象者を絞っています。

 

こうした中で、支援を強化する自治体も出てきたそうです。長野県は、2022年、県内の社会福祉協議会やフードバンクを手がけるNPO法人、食品スーパーと連携し、「県フードサポートセンター」を設立しました。県内27か所の相談窓口で支援を申し込んだ人に、約2週間分の食料を送ります。フードバンクへの寄付が乏しい時の食品購入や配送費などを県が負担するそうです。

 

農林水産省は、9月に政府備蓄米の無償交付の運用を全国10か所の窓口に絞っていましたが、全都道府県に拡充しています。フードバンク推進協議会代表理事の米山さんは、「まとまった量を見込める企業の寄付は、円滑な活動に不可欠だ。寄付をする量などで事業者を評価する仕組みの導入なども求められる」と言います。

 

では、世界では、どんな取り組みが行われるか見てみます。フードバンク発祥の地のアメリカでは、善意で提供された商品に事故があっても事業者の過失責任は問われません。イタリアは、スーパーなどの事業者が余剰食品を寄付する場合、税制上の優遇措置を受けられるようにしています。

 

「もったいない」という言葉は、残ってしまった食品を廃棄しないという意味と、食品を残さないように、適正に生産するという両方の意味が含まれています。企業が考えるのは、過剰在庫につながらない生産体制が、会社の利益につながるので、「残ったら、フードバンクがあるさ」と考えて、多めの生産計画を立てることはありませんね。

 

そう考えると、企業に頼ったフードバンクの運営から、行政が支援する形になっていくのでしょう。どちらにしろ、フードバンクが無くなることはあってはいけません。

2024年

10月

04日

パリのおむすび

今日は、運動会の練習をしようと、西文ひろばの前まで来たところで、急に大粒の雨が降ってきました。引き返して、屋上遊びに変更です。屋上も雨ですが、子どもたちは、シャボン玉を様々な形で楽しんでいます。手の中にシャボン玉を吹き付けて、泡を手のひらであやつっています。そして、エレベーターホールで、綱引きと玉入れの練習をしました。玉入れの練習は、なかなか西文ひろばでできないので、いい機会となりました。6歳男の子の技が進化しています。玉を5個まとめて持って、見事カゴの中へ・・・知的プレーです。(笑)

 

さて、今週から、朝の連続テレビ小説「おむすび」がスタートしました。子役なしで、いきなり橋本環奈さんが登場ですね。朝ドラは、注目度が高いので、評価も絶賛から酷評まで、色々と言われますが、私は、周りの意見は置いておいて、楽しむことにしています。

 

今日は、そんな「おむすび」の話です。パリオリンピックが行われた「パリおにぎり」が、今大人気だそうです。パリの「おむずび権米衛」での一番人気は、スパイシーチキンのおにぎりです。ドライトマトとオリーブを玄米に混ぜています。コンブとツナマヨのおにぎりも人気です。昼過ぎの店頭は長蛇の列で、「健康的で、味もしっかりしていておいしい」と評判だそうです。

 

気になる値段ですが、1つ平均3ユーロ(約470円)です。思わず「高~い!」と思ったでしょうが、パリでは、ラーメン1杯15ユーロで2000円以上するので、手軽な日本食として受け入れられているそうです。先日、おやじ旅仲間の一人が、フランスを旅行して、オムレツが有名な専門店に行ったそうです。何と、オムレツが6000円もしたそうで、ヨーロッパでの物価高と、円安がここまでの価格差となるなんて、呆れますね。

 

市内には、フランス人が開業したおにぎり専門店もあり、スーパーの店頭にもおにぎりが何種類も並ぶそうです。今後は、「おむすび」が、フランス人の食の選択肢の一つとして、当たり前になっていくのかもしれません。

 

では、日本のおにぎりブームはどうなっているのか。ある調査では、東京都内・大阪・名古屋・福岡各市内で、2023年1~10月に開業したおにぎり専門店の数は、前年の1.5倍だそうです。有名専門店では、外国人の姿も多いとのこと。そして、日本のおにぎり業界に、「パリおにぎり」が逆輸入されているそうです。サーモンやクリームチーズなどの洋風素材を使ったおにぎりや、ノリで巻くとは限らない発想もあるようです。

 

ごはんを2杯3杯とおかわりができないのに、おにぎりにすれば簡単に、2個3個食べられてしまう、この不思議な食べ物が、いよいよ世界に広がっていくようです。日本のおいしい食べ物が、今後世界に、さらに広がっていくのでしょう。楽しみですね。

2024年

10月

03日

掃除部

年2回子どもたちの健康診断を担当していただく、提携医の小児科の先生が、とても立派な胡蝶蘭を持って、「お疲れさまでした」のご挨拶に来ていただきました。園児の何人かは、行きつけの先生ですので、子どもたちのことをよく知っています。ありがたいですね。

 

さて、今日は、埼玉県立川口工業高校にある「掃除部」の話です。えっ?掃除部なんて聞いたことがありませんね。この掃除部が活動を始めたのは2007年のことです。赴任してきたばかりの理科の先生が、ネズミやゴキブリが走りまわる化学準備室や化学実験室を見てあぜんとしたといいます。そんな様子を見て、「僕たちが掃除するよ」と約10人の有志の生徒たちが掃除を始めてくれました。2年かけて、2つの部屋はピカピカになり、先生は、「こんなにきれいにできるのなら部活として活動してくれない?」と頼んだことから、「掃除部」がスタートしたそうです。

 

掃除部は、学校の壁のペンキ塗りや廊下のワックスがけなど、校内中を磨いていきます。長期休みに行う「合宿」では、学校に泊まり込んで掃除に専念します。2011年からは、学校周辺のゴミ拾いも行っているそうです。当初は「罰掃除?」と言っていた近所の人たちからは「いつもきれいにしてくれてありがとう」とお礼を言われるようになったとのこと。

 

掃除部は、ただ思い付きで掃除をするのではなく、とても計画的です。月初めに校内を見守り、「どこをどうやって掃除をするか、1か月分の計画を立てるそうです。主な掃除場所は、校舎内や正門付近で、月に2回程度は近所のゴミ拾いや草むしりを行うそうです。

 

もちろん、部室もあって、ここには、数十本のほうきやブラシ、長靴などの清掃道具が並びます。業者が使う大きな容器に入ったワックスも積み上がっていて、床掃除用の機械も使いこなします。卒業生が清掃会社から「即戦力」として採用されるほど、技術も高いようです。代々受け継がれてきたモットーは、「掃除してやっていると思うようなら辞める」と言うように、掃除に対する姿勢は、とても前向きです。

 

何と、「スポゴミ甲子園」という全国大会があるそうです。これは、高校生が3人一組になって、スポーツのように拾ったゴミの種類と量を競い合う大会です。ここで、川口工業高校の掃除部は、2度も優勝しています。昨年からは、地元の小中学生やその親を巻き込んでゴミ拾い大会を開催しているそうです。

 

「川口から掃除に無関心な人、平気でゴミを捨てる人を減らすために掃除部として頑張っていきたい」と部員たちは意気込みます。

 

どうですか・・・こんな高校生たちを心から応援したいですね。

2024年

10月

02日

新幹線60年

今日は、1・2歳児も一緒に運動会全体練習です。入場行進は、お兄さん、お姉さんと手をつないで、堂々と入場です。そして、運動会の一番最後に、園児も保護者も先生たちも一緒に、あのフォークダンスの王道「マイムマイム」を踊ります。単調な曲の繰り返しですが、子どもたちには、大いに響いたようで、さっそくおうちに帰ったら、ママパパに教えるのでしょう。 

 

さて、今から60年前の10月1日に、東京オリンピック開催にギリギリ間に合うタイミングで、夢の超特急が開通しました。昭和39年は、私が生まれた年なんですが、新幹線・東京オリンピック・首都高速道路と、日本の高度成長期を支える、大きな一年となりました。

 

東京・名古屋・大阪の3大都市を結び、日本の経済・社会の発展とともに走り続けてきた東海道新幹線ですが、これまでのべ約70億人が利用しました。開業以来、乗車中に脱線や衝突などの列車事故で死亡した乗客がゼロというのも有名な話ですね。「団子っ鼻」で人気を博した初代0系は、営業列車として世界で初めて210キロでの走行を達成しました。

 

新大阪駅から東京駅へ向かう東海道新幹線の一番列車「ひかり2号」の運転士を務めた大石さんは、現在91歳ですが、当時を振り返ります。大石さんは、あえて京都市内のトンネルをゆっくりと走り、遅れを取り戻すための回復運転で、大津市付近の直線で速度をあげます。次の瞬間、速度計の針は210キロを指しました。時間調整のため、東京・新橋近くを減速して走っていると、ビルの窓から顔を出したサラリーマンがハンカチを揺らして歓迎してくれたそうです。一番列車は、予定通りの午前10時ぴったりに東京駅のホームに滑り込んだそうです。当時は、東京ー新大阪間は4時間かかっていました。現在のN700S系の最新車両の営業最高時速285キロで、2時間25分です。

 

東海道新幹線の成功は、世界の鉄道計画に大きな影響を与えました。フランスでは、1981年に高速鉄道の「TGV」が、1991年にはドイツで「ICE」が相次いで開業します。技術面では、海外輸出第一号となった「台湾新幹線」が2007年に開業。日本の車両技術や信号システムを採用しています。

 

新幹線開業当時は「国鉄」でしたが、1987年に民営化されると、JR東海が東海道新幹線の事業を引き継ぎます。みんながよく知っている東京駅は、JR東日本の駅ですが、東海道新幹線のホームは、JR東海の管轄となり、ホームの売店もJR東日本の東北・上越・北陸新幹線とは、微妙に違います。

 

みなさんは、そんな東海道新幹線を利用していますか。私は、サラリーマン時代に、東京から神戸の本社まで、新幹線の日帰り出張が常でした。もう数えきれないくらい、東海道新幹線を利用しました。硬すぎる車内販売のアイスクリームも大好きでした。(笑)新幹線は、東京ー大阪間の日帰り出張を可能にしたのです。

 

2027年東京ー名古屋間開通を目指す、リニア中央新幹線は、ほぼ地下鉄です。タイムイズマネーのビジネス需要や500キロを体験したい人にはいいですが、東海道新幹線が無くなることはありません。ひかり号やこだま号が増えて、地域密着の新幹線になるかもしれませんね。

 

日本が世界に自慢できるモノの一つは、間違いなく「新幹線」です。今後は、どんな姿に進化していくのか・・・楽しみですね。

2024年

10月

01日

うどん生産量2位の埼玉県

今日は10月1日です。さいたま市の認可保育園の空き情報が公開されます。今月末で閉園するにもかかわらず、「最後まで、ホワイトきゃんばすを見届けたい!」とう保護者が多く残ってくれています。そんな保護者の皆様は、今日の情報を参考に、11月からの転園手続きを行います。私自身も、事前の保護者の意向を汲んで、最善のシミュレーションをずっとしています。

 

後は、保護者が最終決定をして、10月10日までに行政に提出します。10月は、運動会やお別れ会などの行事がありますが、無事に11月以降の子どもたちの転園先が決まるまでは、気が気ではありません。「どこにも行くところがない!」ということはありませんが、多くの保護者が第一希望の園に決まってほしいと願います。

 

さて、埼玉県の特産品は、たくさんありますが、「全国2位」というのが、かなりあります。新一万円札渋沢栄一のふるさと、深谷ネギが有名ですが、ネギの収穫量は、全国2位です。同じ農産物では、「小松菜」「かぶ」「くわい」も全国2位です。意外なところでは、チューリップの産出額も2位だそうです。そして、私たちが大好きな庶民の味・・・「うどん」も、生産量は全国2位です。あの香川県には、倍の差をつけられていますが、堂々の2位です。「うどん共和国」として、香川に負けないうどん国を作ろうという動きもあります。

 

埼玉県の農家には、「朝まんじゅう、昼うどん」という言葉が伝わるように、小麦文化が定着しています。香川にも多くのうどんの種類があるのかもしれませんが、埼玉県の強みは、そのバリエーションの豊富さです。

 

太くてコシがしっかりとした「武蔵野うどん」は、私が一番好きなうどんです。盛りうどんを冷たいつゆで頂く「加須(かぞ)うどん」、秩父の冬の定番「おっきりこみ」、渋沢栄一が愛した「煮ぼうとう」、荒川の川幅日本一にちなんだ「川幅うどん」、ご当地カレーナンバーワンを競うC-1グランプリの主菜部門で2度もグランプリを獲得した北本トマトカレーをかけた「トマトカレーうどん」、かつてソース工場があったことから生まれた「鳩ケ谷ソース焼きうどん」など・・・挙げればきりがありません。

 

利根川と荒川の良質な水に恵まれた豊かなうどんは、うどん文化が栄えているだけでなく、県内のうどんを県外にアピールしようとする人たちの活躍が大きいですね。

 

「あの?2番じゃダメなんですか?」はい・・・2番でいいのです。うどん王国香川県を抜かそうなんて思っていません。せいぜい、「うどん共和国」ぐらいでいいですね。でも、全国2位・・・銀メダルですよ。

2024年

9月

30日

スナックミー

今日の運動会の練習では、土のグラウンドの上をハダシになって「組体操」の練習をしました。毎年、感動が生まれる「組体操」ですが、子どもたちは、ハダシです。今日のところは、「足が痛~い」と文句を言う園児や、足が汚れるのが嫌な園児もいますが、本番まで、少しずつ慣らしていきます。

 

さて、今日は「おやつ体験」のサブスクの話です。私たちが、お菓子を食べる時には、ほとんどの場合が、店舗で購入します。製造販売まで一貫して行う菓子メーカーは、工場で製造したお菓子を販売しますし、街の洋菓子店なら、パティシエが作ったケーキを販売します。しかし、インターネット発の製菓メーカーとして、2015年に創業した「スナックミー」は、お客様の好みに合わせたお菓子が、「おやつの定期便」で、毎週または月に一度届きます。

 

時代の流れだなぁ~と、元洋菓子メーカーで仕事をしていた私は感じます。購入者は、小箱を開ける瞬間までどんなおやつが届くかわからない。開ける前のドキドキ、開けた瞬間の驚きを含めての『体験』を提供します。お客様からは、「私のおやつの新しいドアを開けてもらった」という声をもらったこともあるとのこと。

 

創業から3年が経過した時、こんなことがあったそうです。売上の数値に目がいってしまい、「体験」ではなく、「モノ」を売っている感覚に陥ってしまったそうです。モノとして安くてよいものを売るか、体験を売り続けるか迷い、社長自らユーザーの方々に、直接話を聞かせてもらったそうです。利用者が求めているのは、「ワクワク感」であることを再確認し、そこからは、「体験」に価値を置くことに迷いがなくなったそうです。

 

2022年には、都内で実店舗をオープンし、今年8月には3店舗目となる「スナックミースタンド押上店」を開店。目玉商品は、白砂糖不使用で無添加のソフトクリームです。安定剤が入っていないため溶けやすく「賞味期限は60秒」のソフトクリームだそうです。社内で共有しているのは「小さく、早く、動いて大きな成果につなげる」です。この60秒のソフトクリームも開発から販売までわずか2か月。その間、社長は約50個のソフトクリームを食べ歩いたそうです。

 

「おやつと世界の両方を面白くしていく中で、将来は既存の大手製菓メーカーと何かしらの形で肩を並べるぐらいになりたい」と社長は意気込みます。

 

「お菓子」という食べ物は、ごはんやパンといった私たちが生活していく中で、不可欠な主食ではありません。でも、私たちは、お菓子を食べることで、心が落ち着いたり、会話が弾んだり、なんだか、幸せな気持ちになります。記念日のケーキは欠かせないものですね。それゆえに、スナックミーのような、「体験」を売りにする商売が当てはまるのでしょう。

 

あなたは、どんな時に、お菓子を食べますか。

2024年

9月

29日

「はだしのゲン」の講談師 神田香織

「はだしのゲン」という漫画をご存じですか。40歳代以上の昭和世代は、図書館で読んだり、何らかの形でこの作品を知っている人が多いです。2012年に亡くなった、広島市生まれの漫画家、中沢啓治さんが、自らの被爆体験を題材に制作した長編漫画です。父と姉、弟を原爆で亡くしても、逆境にめげず、たくましく生きる少年、中岡元(げん)の成長を描いた作品です。

 

広島市教育委員会は、2013年度から市内の全小中学校、高校で学齢に応じて作成した教材「ひろしま平和ノート」を使い、「はだしのゲン」は、小学校3年生向けの教材に一部が引用、掲載されていました。ところが、2023年度から削除されたのです。その理由は、ゲンたちが浪曲のマネをしてお金を稼いだり、栄養不足を補おうと裕福な家の池でコイを釣る場面が引用されていたことで、「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」「コイ盗みは誤解を与える恐れがある」ということです。

 

そこで、漫画「はだしのゲン」を基にした講談を語ってきた講談師の神田香織さんが、広島への原爆投下から終戦までを題材にした「ふまれても麦のように生きろ!ゲン」を18年ぶりに、今年の夏に口演しました。「ひろしま平和ノート」からの削除に「私自身の生き方を否定されたよう」と訴えます。

 

先ほどまで、録画していたこの講談を観ていました。「はだしのゲン」は、漫画ですので、生々しい絵が訴えかけてきますが、神田さんの講談は、彼女の語りから来る内容を想像するものです。原爆が投下されたシーンなどは、まるで、昭和20年8月6日のあの場所にいるかのような感覚でした。

 

神田さんは、現在69歳ですので、原爆投下の時には、まだ生まれていません。しかし、現在もウクライナ、ガザと世界で戦火が絶えない現状に、「ゲンの姿を通し、戦争の惨禍をわが事として感じてもらいたい。今起きている戦争を止めるため、何ができるかを考える機会になれば」と願い、「今こそ、『はだしのゲン』を平和教育に生かすとき」と強調します。

 

神田さんの活動は、戦争を若い世代に伝える一つの手段ですが、あらためて「はだしのゲン」手に取ってみませんか。

2024年

9月

28日

山の神

今日の特別活動は、お馴染みの上尾市にある丸山公園に行ってきました。長いローラーすべり台は、まともにお尻で滑ると、お尻がムズムズになってしまいます。いい年をした園長が、5人の子どもたちと列車のようにつながって滑りました。ちょっと恥ずかしかったですが・・・(笑)

 

さて、今日は「山の神」の話です。八百万(やおよろず)の神の話でも、箱根駅伝の箱根の山を登る選手の話でもありません。はい、魚の話です。みなさんは、ヤマノカミという名前の魚を知っていますか。漢字で、そのまま「山の神」と書きます。体長15センチほどのカジカの仲間です。川と海を行き来する回遊魚の一種で、国内では九州の一部にのみ生息する絶滅危惧種でもあります。

 

名前からは、神々しいイメージを連想するヤマノカミですが、名前の由来を知ると複雑な気持ちになります。聞いてください。

 

「昔々、山の神様がいました。醜い女の神様で、それはそれは嫉妬深く、美しい女性が山に立ち入ると怒り狂って災害を引き起こしていました。困り果てた人々は、山の神様の機嫌を取るため、とても不細工な魚をお供えしました。するとどうでしょう、山の神は自分より醜い姿をみて高笑いし、とうとうご機嫌になりました」

 

ここで登場する不細工な魚、これがヤマノカミです。実際に似たような言い伝えは全国津々浦々で継承されているそうで、いつしか、カジカやオコゼなど、見た目の醜い魚を山の神に備える風習が生まれたとのことです。ちなみに、生魚でなく、干物にしてお供えするのが一般的だそうです。

 

どうですか・・・本物の「山の神」が見たくなりましたか。埼玉県が誇る淡水魚水族館「さいたま水族館」で、10月5日から特別展「おさかな津々浦々」が開催されます。そこに、ヤマノカミが登場するそうです。

2024年

9月

27日

高校生の力

今日は、小雨が降っていたので、西文ひろばでの練習はなしにして、教室内で、ダンスと組体操をやってから、屋上遊びをしました。久々に自転車に乗る園児たち・・・自転車に乗れるようになると、自転車免許証を発行して、子どもたちのやる気を引き出していますが、自転車に乗って遊ぶ保育園は、うちぐらいしかないかな?と、あらためて思ったりします。

 

さて、今日は、シンガーソングライター「さだまさし」さんの話です。さださんは、今から20年前の中越地震で長岡の友人をお見舞いで訪ね、頼まれて避難所で歌ったそうです。その時に、被災者に大変喜んでもらい、歌うことで元気がでることを教わったそうです。東日本大震災の後も休みになると一人で歌いに行ったそうです。

 

そのうち、個人ではもう限界ではないか、組織として活動した方がいいのではないかと言われるようになり、「風に立つライオン基金」を立ち上げます。こうして、災害があるとこの基金が役に立ち、軽トラックも提供し、能登半島地震でも財団として、回を重ねて物資を届け、炊き出しライブに出向きます。

 

さださんは、いつかは、自分も高齢となり、身を引くことになるけど、この活動は続けていかなければならないと考え、「高校生ボランティア・アワード」を始めます。若い人にバトンを託すつもりで、ボランティア活動に打ち込む高校生に光を当てたのです。

 

実は、高校生のボランティア活動は、様々な場面で社会を支えています。例をあげると、岡山県総社市の水害の際、高校1年生の女の子が市長に「私たち高校生にできることはありませんか」とメールしたところ、「市役所に手伝いに来てください」と返信があります。これをSNSで拡散させると、連日、大勢の高校生が集まったそうです。自衛隊の派遣を求めるまでもなく、泥かきに向かったそうです。

 

「ライオンカフェ」というボランティアが集える場所では、高校生が年下の子どもたちに勉強を教えたりもします。支援物資の仕分けなども高校生が中心となって進めたそうです。高校生ボランティア・アワードは、来年で10周年を迎えるそうです。さださんは、「高校背は絶対に力になる」ことを確信したそうです。

 

「高校生の力は社会を支える」とまで、さださんは言いますが、その通りですね。

2024年

9月

26日

遊びで楽しく読書習慣

保育園閉園に伴い、今後使用しないグッズをほぼ毎日、子どもたちにプレゼントしています。おもちゃ・文具・洋服・本などの小物だけでなく、カラーボックスやクーラーボックス、アウトドアテーブルなども保育園前に並べて、持って帰ってもらっています。6歳女の子姉妹は、小学生低学年が読む童話を持って帰りました。毎日コツコツと二人で合計6冊くらいになります。読書習慣がある二人は、ひらがなはスラスラと読めるので、1日1冊ペースで読んでしまいます。姉妹が読書好きになったきっかけは、ママが図書館に連れて行く習慣があったからです。

 

「子どもに読書の習慣を身につけてほしい」と願う親は多いです。しかし、毎日のように読み聞かせをしても、子どもが読書好きになるとは限りませんね。そこで、「アニマシオン」というスペイン発祥の読書教育を紹介します。

 

子どもが好きな本や昔話など知っている話の本から遊びを取り入れるのが良いといいます。例えば、○×式のクイズにします。「桃太郎のお供は、サルと犬とキツネだったね?」「シンデレラは帽子を落としたのかな?」なんて、わざと間違えて問題を出すと、たちまち「それは違うよ!○○だよ」なんて、子どもは盛り上がります。

 

また、「かぐや姫が月に帰った時、おじいさんとおばあさんはどう思ったかな?」などと投げかけ、登場人物の気持ちを親子で一緒に考えれば、想像力を培うことができます。クイズは、親から一方的に出すだけでなく、子どもからも出してもらうとさらに盛り上がりますね。自分で問題を出すには、物語の内容を把握していないとできません。

 

幼児期の読書は、語彙力や読解力、想像力が身につき、学習の基礎を養う点でも重要なことは、多くの親は認識していますが、子どもに読書習慣を身につけさせるのが難しいのです。

 

目に見える環境としては、自宅で子どもがすぐに手に取れる場所に本を置いたり、親が本を読む姿を子どもに見せることと、昔からよく言われてきましたが、冒頭の姉妹の話のように、親子で図書館へ行く習慣が、効果的ですね。親だって、子どもの付き合いではなく、きちんと目的を持っていくことが大切です。「○○を調べる」「○○の勉強をする」でもいいですね。

 

子どもにとって、「とっておきの1冊」に巡り合うのも効果的です。私が、小学生の時にハマったのは、「怪人20面相」シリーズです。明智小五郎と小林少年に憧れました。

 

さぁ~読書も遊びです。我が子の読書習慣・・・一緒に考えていきましょう。

2024年

9月

25日

東大現役合格者ナンバーワンの高校

今日は、屋上ファームで「サツマイモ」の芋掘りをしました。子どもたちが、ファームで収穫をするのは、本当にこれが最後です。土の中から「うんとこしょ・どっこいしょ!」と言いながら、サツマイモのつるを引っ張る子どもたち・・・いつもの光景です。でも、これが本当に最後です。(涙)夏の暑さの影響か、大きなサツマイモはあまり収穫できず、不作に終わりましたが、子どもたちの楽しみは、土の中から現れる幼虫たちです。大いに盛り上がっていました。(笑)

 

さて、横浜の山手にある聖光学院は、中高一貫の男子校です。校舎が、あのコミック「ドラゴン桜」のモデルになった建物です。実は、この高校は、東大現役合格者数が86人という進学校としても有名です。ここは、「ドラゴン桜」のストーリーともかぶります。東大合格者数1位の開成高校でも現役合格率は3割ですが、聖光学院は4割です。さぞ、勉強漬けの毎日を送っているかと思えば、そうではなく、年間スケジュールには、キャンプに宿泊旅行、海外視察、一大イベントの文化祭などの行事がめじろ押しです。

 

「聖光は、とにかく行事が多い。コロナ禍の中でも、校長先生が意地でも行事を中止しなかった」と、生徒は語ります。その校長先生の名前は、工藤誠一さんです。

 

「『成績』というたった1本の旗を取り合うのではなく、ひとりひとりが得意分野や個性に合わせて自分の旗を取りに行けるよう、様々な舞台を用意しています」と工藤校長は語ります。トップダウンで指示するタイプではなく、どちらかと言えば、生徒や教師陣のやりたいことをサポートするタイプのリーダーのようです。

 

勉強については、「課題やテストを通じて、生徒にコツコツ学習する習慣を身に付けさせるのが本校のやり方。長い時間をかけて、『周りもやっているからべんきょうしなきゃ』という雰囲気をつくってきたのです」とあるベテラン教師が語ります。

 

工藤校長は、2004年に校長へと就任すると「聖光塾」などの課外教育を充実させると同時に、帰国子女を対象とした英語のクラスを導入したり、クラスを分けて個別指導や補習も行い教育の底上げに取り組みます。生徒にグローバル水準を経験させるために、欧米やアジアなどでの海外研修も多数設けます。「いろんなことに挑戦すれば、複数のタスクを整理し優先順位をつけることや、それぞれへの時間配分もうまくなる。生徒にも教員にも20年以上『複線の人生を設計しよう』と言い続け、校風としても根付いてきたと思います」と工藤校長は語ります。

 

教師に大事なのは志を持ち、夢を語ることと言います。「教師が『夢みたいなことを言うな』と生徒を叱ったら、子どもたちはもっと夢を持てなくなる。学校の経営者は教員の生活を安定させ、思索の時間を確保することで、夢を語れる環境をつくるのが仕事なのです」と熱く語ります。

 

でも、ちょっと待って・・・これだけ東大の合格率が高い学校なら、優秀な生徒が集まって来るから、こんな取り組みができるんじゃないの?と思ったあなた・・・

 

工藤校長は、「確かにイベントが多いのも、生徒に運営を任せられるだけの力があるからです。ただ本校で教える私たちの使命は、目の前にいる優秀でいろんなことに目配りできる子たちを、もっと優秀で目配りができて、さらに思いやりのある子に育てることです」ときっぱりと言います。

 

思いやりのある子・・・成績が優秀であろうがなかろうが、ここを目指すのは、教育としては、間違いないですね。

2024年

9月

24日

イチローが女子高生と戦うわけ

ようやく秋らしい陽気となり、運動会の練習でも子どもたちはキビキビと動きます。疲れを感じないのか、紅白対抗リレーは、2レース行いました。そして、今日の寺子屋は、運動会のポスターに使用する絵を描きました。30メートル走・紅白対抗リレー・サーキットレース・ダンス・玉入れ・綱引きと、今まで練習してきた種目を子どもたちがチョイスして描いています。西文ひろばにポスターが掲示されると、「いよいよ運動会!」という気分になってきます。

 

さて、今日は、昨日のイチロー選手の試合について話します。女子高校生日本選抜と、イチロー、松井、松坂といった夢のビッグスターがチームを組んだ試合です。もちろん、私は最初から最後までじっくりとテレビ観戦していました。東京ドームには、プロ野球の公式戦でもないのに、およそ3万人の観客が集まりました。

 

試合は、いきなり、イチロー投手が、打ち込まれ、初回に3失点で、「さすがのイチローも衰えたか・・・」と思ったものの、最終回には、松井秀喜のホームランなどもあって、イチローチームが大勝します。コテンパンに、女子高生が負けます。そう、イチローは本気だからです。でも、生まれて初めて、投手として10安打以上打たれます。イチローは、高校時代は投手でしたが、ここまで打たれたことはありません。ふだん、女子高校生のピッチャーのストレートは、120キロ行けば速い方です。イチローのストレートは137キロですので、やはり、女子高生チームが強くなったのです。

 

松井のホームランがあまりにも劇的だったので、テレビ的には、「イチロー&松井&松坂」の3ショットを盛り上げていましたが、試合後のイチローは、女子高校生たちの「敬意の姿」を褒めたたえていました。「こんなすがすがしい気持ちで野球をしたことはない。君たちは素晴らしかった」ときちんと、この試合の目的をメッセーで残したのです。

 

イチローの女子高校生選抜との試合は、これで4年目です。「男子は高校野球、大学野球、プロ野球、MLBと僕が関わらなくたって、もう勝手に盛り上げてくれる人がいるから、言ったら僕なんか必要ない。いなくたって別にいいわけですよ。男子は、うまい子はプロに進むという『箱』があるわけですよね。プロ野球をやっている人には先にMLBがあったりするわけで、女子にはまだそれがない。でも、女子の野球人口が増えてくれれば、そういう可能性がでてくるわけです」とイチローは言います。彼が真剣勝負をするのも、これが、遊びの延長ではないことを示したいからです。

 

こうして、「イチローさんと試合がしたい」という女子校生が増えているそうです。そして、2年目から、この考えに賛同した松坂選手に、今年は、WBCでさえ大人の事情で欠場した松井秀樹選手も、イチローの考えに共鳴したのです。

 

ほんの数年前までは、女子のプロ野球リーグがありました。でも、興行で利益を出す、選手にまともな給料を出すことができなくなりました。イチローの行動は、あらためて、女子野球の未来を担っているのです。そんなイチローにますます魅力を感じるのです。

2024年

9月

23日

「はて?」

お彼岸に、ようやくヒガンバナこと曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が間に合ったかな?と言った感じです。埼玉県の有名なヒガンバナの名所「巾着田(きんちゃくだ)」では、今日の段階でも、まだ1分咲きほどだそうです。この暑さの影響で開花が遅れています。赤色の神秘的な姿は、今月末にならないと見られないようです。

 

「はて?」と聞いて、ピンと来た人は多いと思います。日本初の女性裁判所長「三淵嘉子」さんをモデルにした、朝ドラ「虎に翼」で、ヒロイン寅子の決めゼリフというか、このドラマの象徴的なつぶやきです。ついつい、私も感化されて、これは、少しおかしいなぁ~と思った時に、「はて?」を使ってしまいます。(笑)

 

ドラマの方は、今週がいよいよ最終週ですので、金曜日の結末を楽しみにしておくとして、このドラマは、ただの女性の権利という枠を超えて、様々な要素が詰め込まれた、壮大な内容だと感じています。主人公寅子の明るい性格や、「はて?」や変顔など、笑えるシーンがたくさんあるので、毎日が楽しいドラマになっていますが、扱う内容は、とても奥深いです。

 

夫婦別姓については、いまだに法律的には認められていませんが、自民党の総裁選挙で、これを口に出せば、世論からは「よくぞ言った!」となるものの、党内の多くの議員が、「旧姓の通称使用」を支持します。会社では、旧姓を名乗り、戸籍では夫の姓という女性は、とても多くなりました。主人公の寅子の「はて?」は、姓が変わることで、これまでの自分が消えるような気がする。「星寅子」になれば、「佐田寅子」つまり「弁護士として生きた自分、裁判官として生きてきた自分、たくさん失敗をして前に進んだ自分」、その経歴、歴史が消える気がすると、言ったのです。

 

寅子の再婚のシーンでは、裁判の形を取った結婚式を仲間が演出します。「同じ姓を名乗るか、それぞれの姓を名乗るかは、夫婦間で自由に決定するべきである。それは憲法により保障された権利のはずである」と主張する人たちの個々の理由は様々でしょうが、ここでは、「自分のことは自由で決める、名字だって、生き方だって・・・」を強く感じる名シーンでした。

 

そして、今まで何度も朝ドラで描かれてきた「戦争」です。「虎に翼」では、戦争前の寅子が卒業した明律大学法科の同級生たちの姿と、戦争後に再会したシーンまでとても丁寧に描いています。過去と現在は、ちゃんとつながって歴史を作っている。戦争は、今を生きる人間の「責任」とまで踏み込んでいます。このドラマで、原爆裁判を考えることは、戦争を知らない私たちのような多くの日本人が、戦争を知るきっかけにもなります。

 

こう考えると、「はて?」には、壮大なテーマと問題意識が込めらえていると、私は感じるのです。大げさと思うかもしれませんが、寅子の「はて?」をかみしめながら、今週の朝ドラを楽しみたいと思います。

2024年

9月

22日

どこで、自分の花を咲かせるか?

今日は、自分の花を咲かせる「働きの場」をどこに置いたらいいのか・・・を考える、少し重い話です。大谷翔平選手が、とてつもない記録を達成し、大相撲では、大の里という将来横綱の期待がかかる若きヒーローの話題で持ち切りですが、現実の私たちは、日々もがいて、時には苦しく、時には楽しく生きているのが本当のところです。

 

2012年に、故渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」が ベストセラーになりました。仕事において、現在自分が置かれた場所で、花を咲かせなさいとう内容です。

 

ある国産車の新人ディーラーの話です。最初は、車が全然売れず、「なんでこんなことをしているんだろう」と悔やむ日々。でも「やるしかない」と腹をくくります。自己啓発本やハウツー本を読み、共感したことを実践するうちにやっと1台売れます。配属されてから、何と14か月が過ぎてからのことでした。「帰り道にお客様の下取り車の中で自然と涙が出てきて、ひとりで大泣きしたことを今でも生々しく覚えています。あの時、適当な理由をつけて会社を辞めなくて本当に良かった。咲ける場所を探す生き方もよいと思うけど、まずはとことんもがいてみてはどうかな、と思います」と、本人は語ります。

 

一方、もがき続けているものの、「花を咲かすことができず、つぼみのまま耐え忍んでいた」という方もいることでしょう。そんな経験者は、「できるなら咲ける場所を探す生き方がいい。自分は我慢し続けた結果、年齢的に次に行くことが難しくなってしまった。今は、家族のために、仕事が自分に向いていないと感じるが、耐えている」と言います。

 

「置かれた場所で咲いていたら、土がなくなる可能性も土壌が汚染されて死んでしまう可能性もある。それなら、スキルを磨いて他の場所へ出ていこう」というのが、今の若者の多くの考えかもしれません。逆に「就職氷河期にせっかく拾ってもらった恩がある。育ててもらったし、愛着もある」という考えをもつ昭和世代も多いですね。かつての企業は、新入社員をゼロから育てるという考え方が当たり前で、「即戦力」の中途採用が少なかったです。

 

色々と書きましたが、結局は「良いところだと思えるかどうかは、自分の心の問題なのでは?」・・・なんて、結論を出すのは、もう少し待ってください。(笑)

 

「やりたいことを見つければいいんだよ・・・」って、私たちは、いとも簡単に言ってしまいますが、まずは、「自分に何ができるのか」が先ではないかと思ったりします。「やりたいこと」は、恋愛みたいなもので、相手もこっちを向いてくれないと一方通行です。仕事もやりたくてもやらせてくれる職場がないとできないですね。

 

う~ん・・・ますます、ややこしくなってきましたね。どんな場所で花を咲かせるのか。そして、咲かせられない時はどうすればいいのか。これは、時代が変わっても、誰もが直面する問題かもしれません。

 

保育園ホワイトきゃんばすの閉園に伴い、子どもたちの環境は、大人の都合で決まります。ここは、大人が責任を持って見守っていきます。保護者のお仕事は、これを機に転職は、ほとんどありませんが、保育園職員は11月以降の道を考え、行動しています。

 

私は、「自分にできること」と「自分がやりたいこと」の両方を満たす場所を見つけたいものですね。(笑)

2024年

9月

21日

夏物まだまだ売ります

9月もお彼岸だというのに、今日の屋上は「氷遊び」で盛り上がります。小学生の氷遊びは、科学の実験のようで、保育園の子どもたちは、わくわくするようです。

 

ということで、以前なら9月になると「秋になったね」なんて言っていたのが、夏が延びているのが実態です。アパレル業界は、日本の四季を「五季」にわけて、年間戦略を立て直しています。

 

ファッションの世界は、少し先の季節を意識した流行品を紹介してきました。今の時期は、秋冬向けのウールのセーターなどを中心に販売するのですが、今年は、ほとんど見かけません。今も、真夏を思わせる服を並べないと、売上が取れないようです。

 

長引く夏に対応するために、これまで、5~7月としていた「夏」を、「初夏・盛夏」(5~7月)と「猛暑」(8、9月)に分け、1年を四季ではなく「五季」とする商品計画を大手アパレルブランドの三陽商会が発表しました。夏物を昨年比で20%増やし、家庭で洗濯できるジャケットや、触るとひんやりする「接触冷感」機能があるカットソーなどを新たに提案し、9月いっぱい販売を続けるそうです。

 

また、百貨店などの夏のセール時期も今年は変わったそうです。銀座松屋は、例年6月下旬に行うセールを3週間遅らせて、7月19日に始めました。「夏が長くなる中、セールを打つ適切な時期も変わってきている」と担当者の話です。

 

私が、洋菓子業界で仕事をしていた時は、9月は、はざかい期で、チョコレートをデビューさせるには、まだ早すぎて、あまり売れない。でも、ゼリーなどの夏商品を売るには、「秋」の季節感が出ない・・・と、展開が難しい月でした。しかし、9月は夏という認識が定着すれば、食品業界の秋商品デビューも変わってきます。ビール業界の「秋味」は、10月からでないと、季節感が演出できませんね。

 

地球温暖化の影響は、環境問題だけでなく、様々な業界の商品政策を見直すくらいの大きな問題になっているのです。日本には、秋と春という素敵な季節があるのに、夏と冬だけの季節になりつつあります。おしゃれにも影響しますね。

2024年

9月

20日

昆虫ホテル

昨日体操スクールの体験教室に行ってきた、5歳男の子。体操では、保育園ホワイトきゃんばすのエースです。彼は、トランポリンをジャンプして、そのまま前回りをいとも簡単にやってのけました。体操スクールのメンバーは、小学生ばかりだったようですが、彼レベルの児童はいなかったようです。保育園の体操着で参加したので、「恐るべし!保育園ホワイトきゃんばす!」と一目置かれました。正式にスクール入会の手続きをしたとのことで、彼の活躍が楽しみです。

 

さて、今日は、「インセクトホテル」こと、昆虫のためのホテルの話です。日比谷公園の近く、東京日比谷パークフロントの緑地に高さ約90センチ・幅約1.2メートルの木の家のようなものがあります。中は、格子状に分かれて枝や布が詰められています。上部には、枝で「インセクトホテル」とあります。ビルの従業員や家族が参加する夏休みイベントの一環で制作されたそうです。虫だけでなく鳥類なども飛来します。

 

インセクトホテルは、近年欧州を中心に広がっている取り組みで、昆虫のすみかを提供することで、昆虫の多様性や生態系を守ろうとう狙いがあります。公園や市民公園などでもよく設置されていて、デザイン性の高い物が増えているそうです。さすが、ヨーロッパですね。

 

「え~虫だって!?」と虫嫌いの人は叫ぶでしょうが、多様な生態系を維持するためには、虫は必要不可欠な存在です。虫がいなくなれば、虫を食べる鳥が消え、さらに鳥を捕食していた哺乳類、猛禽類が消え、植物の種を媒介するものも消え、いずれは人間にも巡ってきます。ミツバチが滅べば、人類も数か月で絶滅すると言われています。都市化が進み、カメムシやバッタなどの大量発生以外の多くの昆虫の数は減っています。

 

私の子どもたちが通った、小学校には、かつて「ビオトープ」がありました。ビオトープは、水生昆虫を集める水を使った池のような施設ですが、このビオトープを作るよりも、インセクトホテルは手軽に取り組めますね。

 

さぁ~あなたの家に庭があるようでしたら、インセクトホテルを子どもと一緒に作ってみてはいかがですか。ホームセンターで購入した板を切って、中に竹筒や丸太、笹の葉などを詰めるだけで簡単にできるそうです。子どもの自由研究と思えば、虫嫌いの人でも克服できるかもしれませんね。

2024年

9月

19日

上司の誤解

今日は綱引きの練習です。初めての練習では、綱を引くどころか、綱を押してしまったり、綱を持ってただ立っているだけの園児もいました。保育園園児が、綱引きをすること自体、チャレンジレベルではありますが、全く話になりませんでした。ところが、今日は、ずいぶんと様になってきました。一人一人、綱の持ち方、低い体勢の取り方を教えていくと、綱引きの楽しさが、少しずつ子どもたちに伝わっているようです。白熱の勝負をパパママに見てもらいたいですね。

 

さて、私がサラリーマンだった頃は、「セクハラ」という言葉はありましたが、部下との付き合いに、あまり気を遣うことはありませんでした。しかし、時代の流れは、組織の中でも急ピッチで進んでいます。「○○ハラスメントみたいな言葉や表面的な『多様性』などの言葉が全員の好きなように解釈されて、独り歩きしている。上司は怒りづらくなり、怒られたくない部下との関係の中で人間的な成長が軽視されている」と、ある若手社長の発言が注目されています。

 

「不適切にもほどがある」のドラマ以降、「昭和」のやり方の中にも、参考になることがたくさんあることを知ります。「仕事を覚える」「コミュニケーションを図る」ことは、上司や先輩たちから教わることが多かったのが、私の新入社員時代です。今でいう「パワハラ」のような怒られ方もありましたね。

 

今の管理職は、ハラスメントを恐れるあまり、部下の成長を奪っているのかもしれません。若者の本音は、上司が思っている内容と違うようです。

 

社内で疲れた表情を見せる部下に対して「飲みながらでも話でも聞くか?いや待て、酒に誘うのは、部下が嫌がるかな?俺が原因って可能性もあるからなぁ~」なんて、勝手に悩んで、結局何もしない。でも、部下は、「職場の人と個人的に飲みに行ったことがないので、たまには誘ってほしいんです」と思っていることが多いようです。

 

若者にとって「おっさん」が珍しく、よく「おっさんと飲みに行くとパワハラがうざい。話が長い」と言うけど、自分たちはそんな経験をしたことがない。「おっさん」がくだを巻いた話も聞いたことがないから、熱く語るおっさんの話を聞きたい。と思う若者がたくさんいるようです。

 

ただし、間違いないことの一つは、若者は「電話嫌い」ということ。この理由は明白です。スマホ世代は、電話をかける習慣がないからです。ここは、理解しないといけないようです。「新人は、電話をたくさんとって、仕事を覚えるものだ」は通用しません。

 

そして、もう一つ、上司が部下に対して、「どう思う?」「感想は?」はNGだそうです。上司の狙いが見えなかったため、当たり障りのない答えを返すと「つまらない」と一蹴された若者がいます。「若手とコミュニケーションを取らなければという意識はあるけど、何がよくて、何がダメなのかは難しい。『どう思う?」は、使い勝手のいい言葉」のようです。私は、自分の考えを発言できない部下に考えさせるために、よく「どう思う?」を使っていましたが、言い方を変える必要があったようです。

 

令和の今、上司と部下の人間関係は、ますます難しくなっているのでしょうが、価値観も考え方も違うことが当たり前だと思えば、まずは、自分をさらけ出すのがいいのかもしれません。そして、相手に期待しすぎないことですね。

 

どうですか・・・あなたが、組織を取りまとめる役割なら、若い世代とどのように向き合っていますか。逆に、あなたが若者なら、年配の先輩に自分をさらけ出していますか。

2024年

9月

18日

チョウザメの卵

今日の運動会の練習・・・紅白対抗リレーのアンカー対決が見ごたえ十分でした。先にバトンを受け取った赤組アンカーのすぐ後ろ50センチのところを、白組アンカーが追いかけます。途中何度か、追い抜くか!?というシーンがあったのですが、赤組アンカーも全力で走り粘ります。そして、最終コーナーの外側から、一気に抜こうと、白組アンカーが加速します。その時でした、足がもつれて転倒してしまったのです。これで、赤組の勝利となりましたが、すぐに立ち上がり、ゴールまで駆け抜けた白組アンカーにも大きな拍手が起きました。練習ですが、子どもたちの本気が伝わる、素晴らしいレースでした。

 

さて、今日は、チョウザメの話です。埼玉県には、国内でも有数な淡水魚の水族館である「さいたま水族館」があります。ここには、チョウザメの池があり、何十匹のチョウザメが泳いでいます。水中も見れる仕組みになっているので、なかなかの迫力です。

 

チョウザメは、サメという名前がついていますが、海のサメと違って、川で暮らす淡水魚です。もちろん、人を襲ったりもしません。そして、高級食材の「キャビア」は、このチョウザメの卵です。

 

宮崎県は、チョウザメの主要産地で、県南西部の小林氏の山あいにある、県水産試験場の飼育池には、大小様々なチョウザメが泳いでいます。県が、シロチョウザメの完全養殖を確立しています。完全養殖とは、卵をふ化させて育った成魚から再び卵を採取し、稚魚を生産するまで人工的に管理できる技術です。一般的な陸上養殖では、天然の稚魚を購入する場合が多いですが、完全養殖では、稚魚の捕獲や購入が不要で、天然資源を減らさずに済み、計画的に生産できます。稚魚が産卵できるまでには、6~8年かかるそうです。

 

宮崎県は、1988年に初めてキャビアを製造し、2011年には、完全養殖の技術を確立し安定した稚魚生産ができるようになります。現在では、県内約20業者で、約7万匹を養殖しているそうです。2016年に開かれたG7サミットでは「宮崎キャビア」が採用され、一躍脚光を浴びました。航空会社の国際線や外資系ホテルなどからの引き合いが増え、香港や米国へも輸出が始まったそうです。今では、年間で700キロを販売しています。

 

しかし、チョウザメ飼育には課題があるそうです。オスメスを判別するまでにふ化から2、3年かかるそうで、それまでは、卵を産まないオスも飼育しなければなりません。そこで、オスのチョウザメが食用に回されます。フライやチリソース炒めにすると、柔らかくて食べ応えがあるそうです。料理人は「骨が少なく調理しやすい。癖がなく様々なアレンジができる」と話します。

 

川魚の王道ウナギ(海にも旅に出ますが)の次に出てくる川魚が、なかなか名前が出てきません。ニジマス、ヤマメにドジョウにコイ・ナマズくらいか・・・ここに、チョウザメがランクインしてくるかもしれませんね。

 

まずは、さいたま水族館に行って、チョウザメを見てみましょう。なかなか、カッコイイですよ。

2024年

9月

17日

「カメムシ」この秋も大発生

今日の連絡ノートには、土曜日の秋まつりの感想がびっしりと書かれていました。「お店屋さん」で、大きな声で「いらっしゃいませ!」をする我が子に感動・・・お金のやり取りができるなんて!・・・ダンス3曲、バッチリ踊れました・・・おみこしがドラえもんとアンパンマンですごく盛り上がった・・イス取りゲームで親の私が熱くなってしまった・・夕暮れの屋上で、「これが最後の秋まつりになるのか~」と感傷にふけった・・などなど・・・子どもたちも、保護者も小学生も大いに楽しんだ秋まつりになったようで、うれしいですね。

 

さて、最近嫌われ者になっている昆虫の一つが、「カメムシ」です。このカメムシは、分類学上「カメムシ亜目」に属し、世界には4万5000種類、日本には約1400種の仲間がいるそうです。すごい数ですね。カメムシに見えないタガメやトコジラミなども含まれ、いずれもストロー状の口を使って汁を吸います。

 

最近、日本で問題になっているのが「ツヤアオカメムシ」です。モモやナシなどの果樹を食い荒らす「果樹カメムシ」に分類されています。テレビなどで、モモやナシ農家が、カメムシの被害で出荷が前年〇%減といった報道を見ることがありますが、果樹カメムシが犯人です。外見がカメの甲羅に似ていることから「カメムシ」と言われるようになりましたが、私が子どもの頃は「ヘコキムシ」と言っていました。外敵から身を守るために腹側の臭腺から悪臭の分泌液を出すのですが、子どもの頃は、「オナラ」をすると私は思っていました。(笑)

 

果樹カメムシの場合、寿命は1年ほどで、8~9月に成虫になって越冬し、翌年7月頃に産卵して世代交代します。カメムシの大量発生の原因は、やはり、温暖化により、暖かい気候を好むカメムシが多く生き残れるようになったからだそうです。私も、すでに屋上ファームの白なすを食べているカメムシを発見しています。

 

兵庫県伊丹市の高校生172人に聞いてみました。すると、カメムシが好きと答えた生徒は、たった1人しかいなかったそうです。中には、「絶滅してほしい」という過激な回答もあったそうです。カメムシの臭いは、外敵からの防御の役割だけでなく、フェロモンで仲間を集める機能があるようです。カメムシの臭いを吹きかけたカマキリは、すぐに逃げ出したそうで、カメムシの成分を応用すれば、効果的な農薬を作れるかもしれません。悪者扱いだけでなく、上手に活用したいですね。

 

ということで、カメムシの大量発生は、温暖化の原因を作った人間であるわけで・・・でも、あの臭いは避けたいので、私たちは、家の中にカメムシを侵入させないことが大切です。家の壁や玄関に、カメムシが嫌がる薬剤を散布しておくと効果的だそうです。カメムシに遭遇してしまったら、たたいたり潰したりすると刺激臭を発するので、刺激を与えないことが大切だそうです。

 

カメムシには、愛を持って・・・ですね。(笑)

2024年

9月

16日

本日中にお召し上がりください

今日は、敬老の日ですね。予想通り、日本は世界一の長寿国です。総務省が昨日発表した、65歳以上の高齢者の推計人口は前年比2万人増の3625万人で、総人口に占める割合は、0.2%上昇して29.3%となり、いずれも過去最高を記録しました。それに比例するように、高齢者の就業者数も914万人と20年連続で増加し、過去最高を更新しました。

 

高齢者の就業率は25.2%で、高齢者の4人に1人が働いていることになります。15歳以上の就業者全体に占める割合は13.5%で、およそ7人に1人が高齢者となる計算です。この数字は、企業の定年が70歳が当たり前になりつつある今では、さらに高くなっていくことでしょう。「年をとっても健康でいる」「元気に楽しく仕事をする」時代ですね。よく、人生100年時代なんて言いますが、まだ100年はすぐにはいかないにしろ、楽しく老後の人生を過ごしたいものですね。わたしも、自分事として考えています。(笑)

 

さて、昨日は、柴又に住む次女がコロナに感染してしまったもので、食材を運びに行ってきました。もう熱が下がったんだから、買い物ぐらい自分でやりなさい!と厳しく突き放すことができない優しい父になってしまいました。保育園の保護者には、「子どもを甘やかさないで!」と言っておきながら、我が子には甘い「おとうさん」です。(笑)

 

今日の本題は、「本日中にお召し上がりください」です。上さんといつものように、柴又帝釈天をお参りして、商店街をブラブラ・・・高木屋の草だんごが食べたくなりました。お土産用に購入すると、店のお姉さんが、「うちの商品は、保存料を使っていませんので、本日中にお召し上がりください」と言って商品を渡してくれました。

 

甘党の私は、「くず餅」も食べたくなりました。柴又にしかない「い志い」という小さな、手作りくず餅屋さんです。商品にあるメッセージは「私共のくず餅は、全行程手作業にて毎日一枚一枚心を込めてお作りをしております。・・・保存料等を一切使用していませんので本日中にお召し上がりください」

 

どうですが・・・見事に「本日中にお召し上がりください」商品です。でも、手土産にするにも、流通にのせるにも、本日中では、なかなか難しいですね。でも、本日中である理由がはっきりしています。

 

お弁当や総菜などは、本日中が当たり前かもしれませんが、お菓子や加工食品の世界での本日中をもっと大切にしたいものですね。そして、食べる側の私たちも「1日だけの旬」を楽しんで味わいたいものです。丁寧につくられた逸品を大事に食べるという時間をたまには作りたいですね。

2024年

9月

15日

ブタはお尻からも呼吸!?

「お尻には、呼吸できるという秘められた能力があることを信じてくださってありがとうございます」と英語で挨拶したのは、東京医科歯科大学の武部教授です。今年の「イグ・ノーベル賞」は、武部教授の研究チームが獲得しました。「多くの哺乳類が肛門を通じて呼吸する能力を持つことの発見」で生理学賞を受賞し、これで、日本の研究者の受賞は18年連続だそうです。

 

イグ・ノーベル賞は、ノーベル賞のパロディ版として1991年に始まりました。パロディと言っても、自虐的な表現であって、研究自体は、大いにまじめで、世の中の役に立つ内容ばかりです。でも、ユーモアいっぱいの研究で、過去の受賞例をいくつか挙げてみます。

 

「あるカップルが出会い、お互い魅力を感じたとき、心拍数が同期することを発見したこと」これは、相手が自分に魅力感じているかどうか、表情とか汗とかではなく、心拍数でわかるというのです。

 

「法的文書の理解を不必要に難しくしている原因の分析」では、具体的に法的文書と他の文書を比較して、わかりやすく分析しています。

 

「アヒルの子がどのようにして編隊を組んで泳ぐのかを理解しようとしたこと」では、並の抵抗を計算し、こうした水鳥たちが組む隊形が、エネルギー的に効率的な泳法であることを示した内容です。

 

「映画『スターウォーズ』をみたバッタは興奮するか」なんて、私たちの生活にとっては、どうでもいいような内容に思えますが、このユーモアが、私たちの心を満足させてくれるのですね。

 

さて、今回の武部教授チームの研究内容は、低酸素状態にしたブタやマウスの肛門に酸素を豊富に溶け込ませた化学溶液を注入すると、腸での呼吸で呼吸不全の症状が改善するとう内容です。この研究成果は、人間に活用されようとしています。呼吸が困難な低体重の赤ちゃんの低酸素状態を治療する方法として、実用化に向けて治験が進められているそうです。

 

武部教授の専門は「再生医学」です。ヒトのiPS細胞から肝臓の機能を持つ細胞のかたまりを作ることに初めて成功し、世界で注目を集めたのは26歳のときでした。現在37歳の教授は、これまでの取り組みについて、こう語ります。

 

「基本的に『人と違うことしか考えない』ことを意識しています。世界を変える発見というのは普通と違う着想から出てくると思うので、他の人からはふざけていると思われるようなことにも挑戦できる環境が大事だと思います」

 

もし、あなたのお子様が、「少し変?」と思っていたら、それこそ、可能性にあふれていると思ってください。これから世界を担う子どもたちは、人と違うことを考えることができる人です。私たち大人は、子どもたちに「マネするな!人と違うことを考えなさい!」と言い続けることですね。

 

 

2024年

9月

14日

最後の秋まつり

保育園ホワイトきゃんばすの最後の秋まつりが無事に終了しました。暑さに負けず、子どもたちの笑顔と元気いっぱいのパフォーマンスで盛り上がりました。

 

2012年に開園した保育園ホワイトきゃんばすですが、その夏に「夏まつり」として、屋上ファームで収穫した、トマトやキュウリなどの夏野菜を氷の上に乗せて、子どもたちと食べました。この時は、「お祭り」と言うほどの規模ではなかったのですが、「子どもみこし」を行うようになり、「お店屋さん」では、園児が、声出しや商品の受け渡し、代金のやり取りなどを行うようになりました。真夏のお祭りから秋まつりに変更し、子どもたちにとっても、保護者にとっても、楽しいイベントの一つになりました。

 

エレベーターで屋上に上がると、子どもたちが作った風車などの装飾が目に入ります。「これ、○○が作ったんだよ」と、最初の親子の会話が聞こえてきます。子どもみこしは、「ドラえもん」と「アンパンマン」です。「わっしょい!」の子どもたちの声のまわりには、保護者が、スマホを片手に、我が子の勇姿を撮影します。

 

ダンスは、「やってみよう」「エビカニクス」「ジャンボリーミッキー」の3曲で、輪になって盛り上がりました。小学生も、ジャンボリーミッキーの曲が流れると、自然と踊っていました。4年前のクリスマス発表会で披露したダンスですが、小3男子は、ディズニーランドのミッキーマウスの前で突然、このジャンボリーミッキーを踊った逸話があります。ミッキーもビックリです。

 

そして、いよいよ「お店屋さん」がスタートしました。昨年同様「ゲーム」屋さんには、長い行列ができました。野菜が溶け込んだおいしい「カレー」は完売。新発売の「プチシャーベット」も100セット完売です。フランクフルト150本も炭火焼のおいしさで完売しました。子どもたちの「いらっしゃいませ!」の声出しが、何とも言えない可愛らしさを見せ、お手伝いいただいた保護者も楽しんでいただきました。子どもたちに「接客」を体験させたいという試みは、大きな成長につながったと確信しております。

 

最後は、「イス取りゲーム」で、盛り上がりました。園医たちの戦いの後には、小中学生の戦いも行いました。子どもたちを応援する保護者たちが、異常な盛り上がりを見せたのは、想定外です。(笑)

 

今回の秋まつりには、卒園児の小中学生が30人も集合しました。園児と保護者を含めると150人です。これだけ多くの人たちが、こうして、保育園ホワイトきゃんばすに思いを持っていただいていることが、大きな財産だとあらためて感謝します。

 

中学生になった卒園児たちは、すでに私の身長を抜いていて、小学生高学年の女子たちは、生意気な口をききます。小学校低学年の男子は、まだ園児とやっていることが変わりませんが、「俺は小学生だから」という態度だけは立派です。(笑)

 

園長の夢の1つは、卒園児と酒を飲むです。保育園が閉園しても、子どもたちの成長をずっと見守りながら、あと6年後くらいかな?「乾杯!が楽しみです」

 

色々な想いが頭の中をめぐった、保育園ホワイトきゃんばす最後の秋まつりは、やっぱり、子どもたちと保護者の皆様の思いでずっと継続することができたんだなぁ~と思いました。本当にありがとうございました。

2024年

9月

13日

近くの今を見る目と遠くの未来を見る目

明日の秋まつりのおみこしが完成しました。今回は、「ドラえもんみこし」と「アンパンマンみこし」の2基です。今日は、おみこしわっしょい!の練習です。子どもたちが大好きなキャラクターなだけに、声も大きくなります。朝の自由時間は「お店屋さん」の声出し自主練習を年長園児が中心となってやってました。明日が楽しみです。

 

年長の女の子が、サツマイモ畑の後ろに咲いている「アサガオ」を見つけました。早速、色水作りに夢中になります。ビニール袋にアサガオと水を入れて、モミモミするのですが、水を入れすぎると色が薄くなってしまいます。花びらをモミモミしないで、水ばかりをもんでいる園児は、「おかしいなぁ~なかなか色がつかないなぁ~」という顔をしていましたが、自分で解決したようです。

 

さて、今日は目の話です。毎年子どもたちの視力が低下し、小学生からメガネをかける児童が増えています。人間の目は本来、近くのものばかりを見るようにはできていません。大昔の人は、遠くの獲物のわずかな動きを察知したり、地上の照明などまったくない漆黒の夜空を眺めたりと、今よりはるかに遠くの景色を見る機会が多かったはずです。それに対して、今の子どもたちは、パソコンやスマホの画面など近くを見る時間が増え、遠くの景色を見ることが少なくなりました。やはり、時には、流れる雲や遠くの山並みをゆったりとした気持ちで眺めたいものですね。目も心も癒されること間違いありません。

 

ジグソーパズルを近くから1ピースだけ見ると、それが何を表現しているのか分からないですが、離れたところから見るとパズルの全体像が分かります。山の姿は、登っている人には分かりませんが、遠くから眺める人には良く分かります。私たちは、「目で見る」という同じ行為でも、視点を変えることで、気持ちだって変わるのです。

 

人がつらく感じるときとは、先に希望が見えないときです。そんな時は、近くの今を見る目と、遠くの未来を見る目をバランスよく持つことが大切なのかもしれません。今がつらければ、今だけを見ることなく、遠くを見るのです。

 

「心眼」という言葉があるように、 なんだか、目と心は繋がっているようですね。

2024年

9月

12日

さいたまのスーパー強し!

今日の運動会の練習は「綱引き」です。3~5歳児の寺子屋園児の種目です。3歳児は初めての綱引きですので、「チームで力を合わせて、綱をたくさん引っ張った方が勝ち」を説明するものの、なかなか難しいですね。「腰を低くして」と言えば、お尻を地面に付けて座ってしまう子もあったり、綱を引っ張るどころか押してしまったりと、笑えないハプニング続出です。経験のある年長園児の白組大将は、一人で力任せに綱を引っ張るだけで、チームをまとめることができません。一方、赤組の大将は、「よいしょ!よいしょ!」と掛け声を出して、みんなの力を1つにしようとしていました。本番までに、1つ1つ修正をしながら、白熱の綱引きを見てもらいたいですね。

 

さて、今日は、スーパーマーケットの話です。私は、知らない土地で地元のスーパーマーケットを見つけると、必ず入ってしまいます。店の中を歩いているだけで、新しい発見はないか?家の近くのスーパーマーケットとの違いは?なんて思いながら、ワクワクしてしまいます。

 

2024年スーパー総選挙というのが、TBSラジオで行われたそうです。今回は5回目で、1か月半におけるリスナーの投票で「スーパーのなかのスーパー」を決める総選挙に、過去最多の3万7155票が集まったそうです。

 

過去4回ともに1位に輝いたのが、あの「オーケーストア」です。商品の仕入れを1つのブランドに絞ることで、仕入れ価格を抑えて、安く提供するというイメージが強いですが、他のスーパーでは見かけない商品も多くて、わくわくする品ぞろえが魅力のスーパーです。店頭で焼いたピザとパンは、できたて感が高くておいしいですね。

 

そんなオーケーストアを抜いて、今回トップになったのは、「ヤオコー」です。埼玉県川越にヤオコー本社がありますので、埼玉県は「ヤオコー」だらけです。スーパー業界に詳しい流通アナリストの中井さんによると、関東ロードサイド3強スーパーと言えるのは、「ヤオコー」「ベイシア」「ベルク」で、これに「マミーマート」が加わって4強になるそうです。4つのうち、埼玉県発祥ではないのは、群馬県の「ベイシア」だけで、関東最強スーパーの多くが、埼玉県で生まれています。ベイシア本社も、今は埼玉県にあります。

 

埼玉県は、山や海に阻まれない広大な敷地を有することもあって、大きなスーパーが育つ土地と言われています。スーパーマーケットがしのぎを削っているので、県民のスーパーを見る目も肥えています。

 

今日は、関東中心の話ですが、特徴あるスーパーマーケットが、他の地域でもたくさんあるのでしょう。しかし、業界通の話では、フード&ドラッグと呼ばれる格安ドラッグストアがヒタヒタと関東に進出し始めているようです。例えば「ディスカウントドラッグストアコスモス」です。こうした店は、半分以上が食品売り場です。超格安の食品で客を集め、ドラッグストアで儲けを出す新形態です。スーパーの魅力はもちろん安さだけではありませんね。

 

あなたのお気に入りのスーパーマーケットはありますか。

2024年

9月

11日

先生のしゃべり過ぎ

今日は屋上で「玉入れ」の練習をしました。 運動会の競技ですが、2歳児も玉入れのメンバーです。生まれて初めて、玉入れを経験する園児もいます。かごの中に、赤組と白組に分かれて、それぞれの色のタマを入れるのですが、どうも、投げるのに夢中になって、かごに入れることを忘れている園児もチラホラ・・・しかし、年長男子の一人は、タマを2つずつ入れていきます。とても器用で、成功率100%です。本番では、どんな頭脳戦が繰り広げられるか、楽しみですね。 

 

さて、昨日の寺子屋の時間・・・秋まつりの「お店屋さん」のセールストークを子どもたちに考えてもらおうと思っていたのですが、「いらっしゃいませ!○○屋さんです」までは言えるものの、自分でセールストークを考えるのは、まだ難しく、ついつい園長が、しゃべり過ぎてしまいます。「例えば、秋まつりで初めて登場するシャーベットです。今日も暑いのでいかがですか・・・味は3種類。リンゴにオレンジにグレープの3つで100円です」みたいに、ついつい言ってしまいます。一歩間違えれば、「どうせ先生が考えてくれるから、それをマネすればいいや~」なんて、園児が思ってしまいますね。「自分で考えて!」と言っておきながら、上手くいきませんでした。

 

小学校に入ると、「授業」ですので、先生のしゃべり過ぎが止まらないことがあります。説明を少なくすれば、理解できない子が増えてしまうのでは?と不安になって、ついついしゃべり過ぎにつながります。担任一人で30人を見ているのですから、学力がバラバラの子どもたち相手は、本当に大変です。

 

アクティブラーニングで、子どもたちの発言を引き出せばいいじゃないか・・・と言われますが、このアクティブラーニングが難しいのです。言葉だけが広まって、具体的な手法が後回しになってるような気もします。

 

ここで、ベテラン教師のアドバイスです。子どもが発表した意見を再度、別の子どもが説明し直すようにするといいようです。「これだ!」という意見が出た時には、「○○さんの考え、とても大事なところだと思うけど、もう一度説明することはできますか?」などと子どもたちに問いかけます。しっかりと聞いていないと、自分で説明できないので、周囲の子どもたちもよく聞くようになるそうです。子どもたち同士が発言を繰り返すうちに、少しずつ子どもが活動の中心になっていく・・・こんなイメージです。

 

う~ん・・・理屈はおっしゃる通りですが、そう簡単にはいきませんね。でも、先生がしゃべり過ぎで、自分で考えなくても、積極的に発表しなくても、最後は先生が分かりやすく説明してくれると思われたら、子どもたちは、何も考えず、先生の説明を待つだけになります。そうしないために、自分で考える子どもになるために、先生だけでなく、親も永遠の宿題ですね。

2024年

9月

10日

住所非公開の隠れ家

今日の寺子屋では、秋まつり「お店屋さん」の声出し練習をしました。「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!カレー屋さんです。おいしいカレーはいかがですか」「ゲームは1回50円・・・すごい景品が当たるよ!」「フランクフルトはいかがですか・一本50円です。ケチャップかけ放題だよ」「新登場のシャーベットやさんです。リンゴ・オレンジ・グレープのシャープ3つで100円です」と、セールストークが盛り上がって欲しかったのですが、5歳児・4歳児ですので、「いらっしゃいませ!」がせいいっぱいです。本番では、どんな声出しがあるのか・・・楽しみにしておきます。 

 

さて、最近は「見つけにくい店、たどり着きにくい店」が人気になっているそうです。東京渋谷の雑居ビルが並ぶ、ある場所に看板もないカフェバー「ユニン」があります。恐る恐るドアを引くと、円形のバーカウンターが目に入り、ランプで優しく照らされた室内は、外の雑踏とかけ離れた「異空間」です。ここは、月額5000円ほどの会費を払うと住所を教えてくれます。2年前に開店し、会員は20代後半から70代まで約500人もいるそうです。ここに通うお客は「行けば誰かに会える。大人になって純粋な友達ができる場所は、そうそうありません」と言います。バーのマスターは、「落ち着いた雰囲気に合わないお客さんは来ません」ときっぱり。

 

住所非公開のパフェバー「リメークイージー」も月額3300円の会員制です。店員が鮮やかな手つきでパフェを盛りつけ、季節の果物などをこだわりを紹介するうちに場が和み、隣の客同士で好きなパフェやカクテルを語り合う姿があるようです。「閉じられた空間なので、男性も一人で訪れやすい。一期一会の出会いがある」とこの店のパティシエは言います。

 

私を含め、多くの人は、飲食店なら、いかなる方法を使ってでも、お客様に店の告知を徹底して、なるべく多くのお客様に店を知っていただき来てもらいたい。店がお客様を選ぶなんて論外!というイメージだと思いますが、時代が変わったのです。そして、経営の視点では、看板がない店は通りがかりの客を期待できないものの、会員予約制なら客数が読めるので営業計画が立てやすく食品ロスも最小限にできます。例えば、レストランの理想の商売は、1日何組限定で、予約は半年先まで埋まっていて、お店が決める料理を提供するので、仕入れもやりやすく、食材の無駄もないという形です。そんなイメージですね。

 

また、他人が体験した情報がSNSにあふれる中、そんな話題の店に行くのではなく、「自分だけしか味わえないという、プレミアム感のある体験が求められるようになった」と言ったところでしょう。私も、営業マン時代は、担当エリアの中で、隠れ家的な店を探すのが大好きでしたが、いまは、さらに「見つけにくい」店が増えているようです。

 

どうですか・・・商売の形は、どんどん変わっていくようですね。ついていけるかな?

2024年

9月

09日

スプレッドで本格メロンパン

今週土曜日に行う、秋まつりでは、子どもたちが「おみこし」を担ぎます。大人気の「ドラえもん」と「アンパンマン」の神輿をただいま製作中です。今日は、神輿の飾りを子どもたちに作ってもらいました。ヨーグルトのカップに絵を描きます。子どもたちの作品で飾られたお神輿になります。

 

さて、今日はスプレッドの話です。最近は、スーパーマーケットの棚に色々な種類のスプレッドが並んでいますね。私も、最近は、イチゴのフルーツスプレッドを買いました。ヨーグルトに混ぜるのに、ジャムは固くてうまく混ざらないのですが、フルーツスプレッドは、ジャムとフルーツソースの真ん中くらいで、ヨーグルトにピッタリです。

 

ジャムで有名なアヲハタは、2017年からパンに塗って焼くだけのトーストスプレッドの製造販売を始めました。2023年の販売実績は、当時の2倍だそうです。有名な商品としては、メロンパン風トーストスプレッドですね。この商品のコンセプトは、「パン屋さんの本格メロンパンを自宅でも食べられる」です。アヲハタは、今までフルーツを中心とした商品が中心でしたが、スプレッドを作る上で一番難しいのは、油脂・糖類、粉類の配合です。チューブ式のスプレッドが主流ですが、この3つの調合が上手くいかないと、冬場は固まって出にくく、夏は油が浮いてしまうなどの問題が起こります。

 

アヲハタのスプレッド開発チームは、新商品の開発と既存商品のリニューアルで、年間20種類前後の味を手がけるそうです。こうした中で、アヲハタは、メロンパン風トーストスプレッドを人気商品に仕立てたのです。だまされたと思って、パンに塗ってトースターで焼いてみてください。ふわりと漂うバターの香りと、ザクザクとしたメロンパンの食感が見事に出来上がっています。

 

バターにマーガリン、はちみつ、ジャムといったところが、トーストしたパンに塗る定番でしょうが、スプレッドで、朝食を子どもが楽しく食べるシーンだって想像できますね。今日の帰りには、ジャムのとなりの「スプレッド」コーナーを覗いてみませんか。大げさですが、新たな食文化と言えるかもしれません。

2024年

9月

08日

カメを愛でる

今日は、朝から庭にカメの家を作っていました。3メートル×2メートルのそこそこ大きなスペースです。本格的にセメントを流し込んで、池を作りたいのですが、私にはその技術がないので、保育園屋上のカメのおうちで使ってた、いけす4つにブロック、レンガをそのまま転用します。新たに購入したはネットくらいで、リユースがうまくいきました。

 

こうして、屋上のカメたちは、我が家にお引越しです。実は、すでに庭の花壇2つをカメ池にしたので、そこに、ここ2~3年で生まれた、クサガメやニホンイシガメが生活しています。

 

しかし、屋上のカメ池のカメたちは、体長20センチを軽く超えるビッグサイズです。このカメたちが住めるおうちが、ようやく完成しました。夕方には、甲羅がこげ茶色の美しいクサガメのメスの他、10匹のカメたちを投入しました。カメは、のっそりと歩くイメージがありますが、脱走の名人です。新しいおうちで、脱走する可能性がある場所をチェックし、ブロックやレンガを置いていきます。

 

少し昔の話を振り返ります。屋上の池は、開園して1年後に完成しました。最初は、魚が中心で、まだカメは住んでいませんでした。職員が家で飼っていたクサガメを池に放ち「カメックス」と名前を付けて、子どもたちはエサやりを楽しんでいました。しかし、このカメックスは、よく脱走しました。たいがい、現在のブルーベリーファームのある草むらの中に潜んでいるのですが、カメックスが通れるスペースが物理的にないのに、どうして脱走できるのか不思議でした。金網を忍者のようによじ登って逃げたのでは?と謎のまま、最後は脱走したまま行方不明になってしまいました。

 

それから、「池や川でカメを捕まえよう!」と思った園長のカメ捕獲作戦が始まったのは、5年前くらいですね。土曜日に、小学生を連れて捕獲もしました。「カニかご」という、海でカニを収穫する四角い網を使います。その中に、臭いのきついエサを入れて、網の中にカメが入る仕掛けです。

 

こうして、ミドリガメのおうち、クサガメのおうちが屋上に完成します。一番大きい池には、クサガメのビッグサイズを投入します。次は、カメを産卵させて赤ちゃん誕生を見たくなりました。産卵場所の陸地をカメ池の中につくると、そこに卵を産んだのです。カメが産んだ卵は、大切に取り出して、発泡スチロールの容器で保管します。2か月後には感動の赤ちゃんガメの誕生です。子ガメの里親に二人の男の子がなっています。

 

ざっと、屋上のカメの歴史を振り返ってみました。よく、ネコ屋敷と呼ばれる家がありますね。何十匹もネコが住んでいるような・・・我が家は、ネコ屋敷ならぬ「カメ屋敷」になっています。道を歩く子どもたちが、カメを愛でてくれればうれしいですね。

2024年

9月

07日

トンボの産卵

「園長先生が子どもの頃は、35度を超える日なんて、無かったんだよ。では、どうして、ここ最近は、日本だけでなく世界が暑くなったのか?わかる人は?」すると、小3女子が「地球温暖化だから・・・」と答えます。小学生は、テレビなどを通じて、専門用語は良く知っています。「それじゃ、どうして地球温暖化になってしまうの?」をみんなに考えてもらいます。小4女子が、「人が口から出すガスが、たくさんに空に行ってしまうから・・・」ずいぶんいいところまできました。「イチゴ食べ放題のビニールハウスの中は、暖かいよね。あのビニールが、二酸化炭素の膜と考えて・・・」と説明すると、小学生は、ギリギリついてきたようです。(笑)

 

さて、今日はトンボの産卵の話です。まだまだ残暑が続くものの、自然界は少しずつ秋に向かっています。セミの声がずいぶんと聞かれなくなりました。そして、空には優雅に飛ぶトンボが目立ち始めます。

 

これからの季節・・・一番ポピュラーな赤とんぼ(アキアカネ)は、11月ごろに卵を産んで、卵は冬を越して3~4月頃にう化します。成虫になるのは、5~6月頃です。アキアカネなどほとんどのトンボは、「1年1世代」と言って、1年でその生涯を終えます。

 

では、どうやって卵を産むのか。これは、トンボの種類によって違いがあるようです。シオカラトンボは、水面を叩きながら水中に卵を産みます。私も見たことがあります。カワトンボの仲間は、潜水して地中に産卵します。水中産卵よりも、う化するまでの生存率は高そうですね。

 

植物に小さな穴をあけて産卵するのは、「アジアイトトンボ」です。約3センチほどの細身で小さなトンボです。日本には広く生息しています。産卵するメスは特徴のない地味なトンボですが、素晴らしい能力を持っています。産卵期を迎えたアジアイトトンボのメスは、静かにスイレンなどの葉にとまります。そして、尾の先をとまった植物の表面にくっつけて、モゾモゾと始めます。尾の先に何と極小ののこぎりとナイフのような部位があります。この部位で堅い植物の表面に小さな穴を開け、細長い卵を1つ産卵します。

 

秋の夕暮れに、親子でトンボの観察など・・・素敵な時間ですが、もう一歩踏みこんで「このトンボは、どうやって卵を産むのだろうか?」を考えたり観察するのもいいですね。子どもからは、「お父さんは、色々なことを知っているんだね」と思われること間違いなしです。(笑)

2024年

9月

06日

農業協力隊員

今日は、真夏日に逆戻りで、運動会の練習は、首に蓄冷材を入れた手拭いを巻くだけでなく、帽子の中にクラッシュ氷を入れて、頭を氷で冷やしながら行いました。長い時間は危険なので、30メートル走と紅白対抗リレーだけにします。それでも、30メートル走は一回では物足りないようで、「もう一回走りたい!」の声が大きくなり、2回目も頑張りました。今は、勝つことよりも負けることの方が、成長につながると思っています。子どもたちは、勝ち負けがつく競技が大好きです。でも、勝つことよりも最後まであきらめないことを毎日伝える日々です。

 

さて、スーパーマーケットには、ブドウやナシなどの秋の味覚が並んできました。そんな、実りの秋を迎えた農業の現場は、高齢の農家が、後継者のめどもなく働いていることが多いのが実態です。そんなところを地域の協力隊員が支えているようです。埼玉県の2つの例を紹介します。

 

横瀬町のブドウ農園は、収穫期を迎えた今は、ジュースなどの加工用も含めて巨砲3000房を出荷するそうです。そこで働く協力隊員の若者は、カフェの店長の経験があり、店ではブドウを使ったタルトなどを出していたそうです。以前は「ブドウは高い」と感じていたそうですが、今は「安すぎるかも」と思うそうです。ブドウ農園にかかわったからですね。

 

横瀬町は、2021年、協力隊員らを中心とした地域商社「ENgawa(えんがわ)」を設立し、農産物の商品化などに取り組んできました。87歳の農園主のブドウ園を昨年から借り受けた協力隊の一人は、収穫したブドウを「まごぶどう」と名付けました。孫世代にあたる自分たちが作ったという思いを込めたそうです。

 

神川町はナシの産地として知られていますが、ここも協力隊によって支えられているようです。春先の病害虫対策、夏から秋の収穫、冬の枝の刈り込みなど、一年中手がかかる仕事をフォローします。神川町では、協力隊出身でナシ農家として独立する人は、すでに3人もいるそうです。

 

こうして、後継者がいない農園を協力隊を経験した若者が引き継いでいくというシナリオが、少しずつですが、広がっているようです。忙しくて、収入も多くないけど、自然の中で働くことに、やりがいも生きがいも感じる気持ちは、私には十分理解できますね。

2024年

9月

05日

楽しく食品ロス対策

今日の運動会の練習では、2つのことを子どもたちは学びました。紅白対抗リレーでそれは起きました。まずは、3歳児男の子が、相手との激しい攻防の末に、転んでしまいました。泣き叫んだままでなかなか起き上がれません。「早く起きて!走って!」というチームの声が聞こえてきますが、男の子は、半周の遅れを発生させてしまいました。も一つは、4歳児男の子が、快調に走っていたのに、靴が脱げてしまいました。靴が脱げたところまで戻り、靴を履くのに時間を費やしてしまいました。「靴はいいから、走って!」という声もむなしく、ここでも大きく後れを取ります。紅白対抗リレーは、個人戦ではなくチーム戦です。チームのために、どうすればいいのか・・・子どもたちは、少しずつ学んでいます。

 

さて、今日は、世の中に浸透してきた「食品ロス対策」の話です。日本では、毎日国民一人当たり、おにぎり1個を捨てている・・・なんて言われながら、私たちは、食品ロスを減らさなければならないという意識は、高くなっています。

 

でも、「牛乳は、一番前の日付が近い商品から取ろう」「安いからと言って、買い過ぎをしないようにしよう」「食事は作りすぎないようにしよう」なんて言われると、食品ロス削減を押し付けられるような気持になるものです。

 

そこで、最近では、楽しみながら食品ロス対策ができるような仕掛けが増えているようです。

 

ハンバーグレストランのびっくりドンキーでは、「やった!食べきってお皿をピカピカにできた」子どもが大喜びです。ここでは、昨年春から全国の店舗で「もぐチャレ!!」という企画を行っています。来店時に挑戦を宣言し、注文したメニューを完食するとスタンプを押した表彰状がもらえます。2回成功すると、3回目来店時にデザートのご褒美があります。企画の開始以降、店の生ごみが徐々に減っているそうです。

 

食べ放題のしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」は、今年4月、全店で「こまめどりプロジェクト」を始めたそうです。食べきれる分をこまめに取ることで、食べ残しを減らします。きれいになった食器を撮影し、食後に見せると割引券がもらえます。

 

全国のスーパーなどで広がっているのが「もぐもぐチャレンジ」です。消費期限が近づいた生鮮食品などにシールが貼られ、10枚を集めるとゲームに参加できたり、途上国の子どもたちに寄付ができます。2019年に始まり、17企業327店舗が取り組んでいるそうです。

 

消費者庁によると、2022年度の食品ロス量(推計)は、472万トンで、外食や小売りなどの事業系も家庭で発生する家庭系ともに、減少傾向にあるようです。まだまだ、日本人の食生活を考えると、減らすことができそうですが、消費者の意識や行動をさらに変えていくには、楽しく取り組める仕掛けが必要です。

 

「この仕掛けは・・・子どもが楽しめるか?」という視点がいいと思いますね。

2024年

9月

04日

酒造りを可視化

今日から、運動会の練習を本格的に始まりました。勝とうが負けようが、最後まであきらめないで頑張ることを子どもたちに植えつける練習でもあります。今日も涙ありです。リレーのアンカーは、年長男子です。途中で「追いつけない」と思った6歳男の子が泣き始めました。泣けばますます減速し、差が開いていきました。泣きたくて悔しい気持ちは、よくわかりますが、泣いてしまえばチームに迷惑が掛かり負けます。男の子は、明日からは変わってくれることでしょう。

 

昨日からのニュースで、奄美大島のマングースの根絶宣言がありました。まるで、勝利宣言したかのような拍手喝采シーンのように映りました。ハンターたちの努力は、大いに認めるところですが、もともと、ハブ対策として1979年に30匹持ち込んだのは行政です。アマミノクロウサギなどの希少な在来種を守ったことと同時に、最初に持ち込んだことを反省するコメントがあれば、勝手に持ち込まれて絶滅したマングースも浮かばれることでしょう。ミドリガメやアメリカザリガニ、ウシガエルなどは、保育園の子どもたちにとっては、愛すべき生き物です。外来種が悪いのではなく、外来種を持ち込んだ人間に問題があったのです。

 

さて、今日は、日本酒の話です。名古屋の国税局が「もろみエール」というツールを開発しました。これは、日本酒の発酵度を自動計算し、グラフで可視化し、今まで杜氏の経験則や感覚が主流だった日本酒の酒作りをデジタルの力で支援し、品質の保持や日本酒文化の維持につなげる狙いです。

 

加水量などなどのデータを入力すれば、発酵度が自動計算され、グラフで示されます。搾りの最適なタイミングが可視化され、勘や経験だけに頼らず酒を造ることができるのです。少なくとも東海地方の40の酒蔵に提供され、全国にも広がっているようです。

 

もちろん、酒蔵で使う酒米も水も麹菌などの微生物が違うので、どの酒蔵でも同じ味の酒ができるわけではありません。後継者問題を解決し、安定して良い酒を造ることができれば、日本酒人気の復活にもつながるかもしれません。

 

でも、日本酒好きにとっては、やっぱり、杜氏の腕で最高に仕上がった酒を飲みたいというのが本音かもしれませんね。わたしも、「このお酒は『もろみエール』で造った高品質のお酒です」と言われても、あまりわくわくはしません。

 

化学の力は、否定しませんが、「もろみエール」は、日本酒がもっと海外の人に飲まれるようになって、現在の倍くらいの生産量になるとしたら、有効に活用したいですね。さぁ~あなたなら、どう思いますか。

2024年

9月

03日

高校生の就活支援

9月14日に行う保育園の「秋まつり」では、4つのお店が出店します。今日は、「ゲーム」「フランクフルト」「カレーライス」「プチシャーベット」の4店のお手伝いをする、年長・年中園児の役割分担を決めました。9月になっても残暑が厳しいので、プチシャーベットの店を新規オープンさせます。

 

「お店屋のお手伝いって、何をするの?」と聞くと、「お仕事するの」と言う5歳男の子。「そう、お仕事をしてもらうんだけど・・・もっと詳しく何をするの?」と言うと、6歳男の子が「いらっしゃいませ!と言うんだよ~」と言いました。大正解です。子どもたちの、ほぼ希望通りのお店が決まり、「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」の練習をしました。中には、「いらっしゃいませ!おいしいカレーはいかがですか?」と、自分のセールストークを考えた園児もいました。やる気満々の子どもたちに、秋まつり本番が楽しみになってきました。

 

さて、今日は高校を卒業して社会人になる人への就活支援の話です。ある就活支援の会社が、今年5月に高卒の社会人159人を対象にアンケート調査を行い、就職活動中に受けたかったサポートを聞いたところ、「自分にどんな仕事が向いているのか知りたかった」との回答が最も多かったそうです。

 

高校生の就活は、7月に企業から高校への求人申し込みが始まり、9月に応募受け付け・選考解禁という日程で行われます。スケジュール的には、約2か月しかなく、社会にどのような仕事があり、自分が何に向いているのかを知る機会もないまま、就職先を決めるケースが多いのが実情のようです。

 

私の長男は、在学中に資格をなるべく多く取得して、高卒で就職するビジョンで工業高校に進学しました。予定通り就職はできましたが、学校への求人の中から、選ぶという感じでした。先生の的確なアドバイスで、入社した企業で10年以上、今も継続して働いているので、結果オーライですが、明確に「○○したいから、この会社に就職した」というわけではありません。

 

高校生に限らず、大学を卒業しても、会社を辞めて転職する場合も、「自分がどんな仕事に向いているか」は、わからない人が多いような気がします。「自分がやりたい仕事と自分に向いている仕事」が、必ずしもイコールにならないこともありますね。本当に難しいところです。

 

しかし、高校生にとっては、今までまともに仕事をした経験が少ないので、学校や社会が積極的にキャリア教育を行う必要がありますね。さいたま市内の中学生が、「ミラクルズ」というキャリア教育で、保育園ホワイトきゃんばすのあるショッピングセンターで、仕事をするシーンをよく見かけます。流通業界だけでなく、保育園・幼稚園、役所など、様々な場所で中学生が「お仕事」の経験をしています。

 

できれば、中学生の頃から「自分が将来やりたい仕事は?」を常に考えながらキャリア教育に参加すると、見えてくるものが違ってくるかもしれませんね。「やりたい仕事=自分に向ている仕事=楽しく働ける仕事」を見つけたいものです。

2024年

9月

02日

どうして、片付けをするの?

今日から、運動会を行う西文ひろばグランドで、運動会の練習を始めました。ここ一週間、台風の影響で天気は乱れましたが、今日は朝から晴天です。しかし、「熱い!」まるで、真夏に逆戻りです。フィールド内に生えている草を抜いて、30メートル走1回で練習を終わりにしました。毎年、9月の運動会練習は、残暑の中で行いますが、今年も熱中症対策をしながら、練習に取り組みます。

 

さて、保育園では、朝の会の前と夕方5時に「お片付けタイム」の音楽を流して、一斉に教室内のお片付けをします。10分以内を目標に行いますが、目標通りに行ったりいかなかったり、日々違います。現実は、積極的に片付けをする園児は、ごくわずかしかありません。これが、おうちでの片付けとなると、もっとダメダメです。

 

今日は、子どもたちが、率先して片付けをするようになる、魔法の話です。

 

「ある場所は、近くに田んぼがあって自然豊かなところなのですが、以前、その田んぼの近くの道の途中に、壊れた冷蔵庫、テレビ、空きビンなど、数多くのゴミが捨てられている場所がありました。きっと、夜中にこっそりと捨てに来る人が多かったのでしょう。ここでは、時々、ひったくりや暴力事件も起こっていました。しかし、半年ほど前のことです。十数人のボランティアの方々が市役所と協力して、一日がかりでそのゴミをすべて片付けてくれました。

 

そして、半年たった今、そこにはどれくらいの数のゴミが再び捨てられているでしょうか・・・驚くことにゴミは、全然捨てられていません。なぜでしょうか。実は、ゴミが1つ捨てられたままになってると、『ここは誰も見ていないな~注意されないぞ』と思い、自分も捨ててしまおう、何か悪いことをしよう、という良くない考えの人が集まる場所になってしまうのです。しかし、その場所はとてもきれいな場所になったため、その後はゴミを捨てる人が全くいなくなったのです。それとともに、ひったくりや暴力事件などもなくなったそうです。このように、散らかったままの場所では、人の心も荒れてきて、良くないことが起きやすくなるようです。本当に怖いですね」

 

どうですか、我が子へ、上手に話してみませんか。「もう!片付けなさい!」と声を荒げるのは、効果なしですから・・・。

2024年

9月

01日

自由研究の失敗

明日から2学期が始まる小中学校も多いと思います。私たち大人は、子どもに「失敗を恐れるな!」「失敗は成功の母」「偉人と呼ばれる人は、何度も失敗を重ねて、ようやく大発明をしたんだよ」なんて、よく言いますね。

 

でも、子どもたちの夏休みの宿題の「自由研究」では、「残念ながら失敗しました」という作品は、私は一度も見たことがありません。PTAで活動していた頃には、小学生の作品に触れる機会が多かったですが、失敗という結論になった作品を宿題として提出する感覚は、子どもにも親にもないですね。(笑)

 

でも、「カブトムシ」を捕獲しようと、近くの公園に果物を置いて、トラップを仕掛けました。翌日朝に見に行ってみると・・・一度もカブトムシに出会ったことがありません。どうしてだったのか・・・みたいな自由研究だってありですよね。では、なぜ、捕まえられなかったのか?をレポートすればいいのです。カブトムシは、夜行性なので、日があけてから見に行っても見つかるわけがありません。また、果物にも問題があったかもしれません。

 

セミが羽化するシーンを観察しようと、セミがみーんみーん♪と泣く公園にいったものの、見つけたのはセミの抜け殻ばかりで、抜け殻コレクションになってしまった。土の中から幼虫が出てきて、木に登り、白い羽の羽化を見たかったのに・・・失敗。これも、セミは夜の8時以降から夜明け前までに羽化するので、日中は見られるはずがありません。天敵となる鳥などから身を守るためです。

 

アサガオやひまわりを育てたけど、枯れてしまい・・・失敗。これは、水をあげるのを忘れたからか、水のやりすぎが原因かもしれません。

 

子どもなりに、「果物の甘さにつられて、カブトムシがかってくるのでは?」「セミが鳴いている音につられて、土の中から幼虫が這い上がって来るのでは?」という仮説を立てたけど・・・うまくいかなかった。⇒うまくいかなかった理由は?⇒次は、こうしてみよう。という流れになれば、素晴らしい「自由研究の失敗」発表だと思うのです。

 

どうですか・・・あなたの子どもが小学生なら、来年の自由研究に失敗を堂々と発表するのも、素敵ですね。

2024年

8月

31日

静寂カフェ

4歳女の子が、本物のパリオリンピックの金メダルを首にかけました。本当の話です 。女の子のおうちの2軒隣りが、パリ五輪レスリング女子62キロ級で金メダルに輝いた「元木さくら」選手の実家だそうで、昨日は、ご近所様たちが集まって、お祝いをしたそうです。女の子のママの話では、金メダルはずっしり重たかったそうです。 

 

さて、喫茶店やカフェでは、利用する人それぞれの楽しみ方やこだわり、店の個性が反映されますが、店内での私語を禁止したり、筆談やジェスチャーでお客様が店員とやり取りをしたりして、雑音がない静かな環境でひとり時間を満喫できる「静寂系カフェ」が人気だそうです。

 

JR高円寺駅前の商店街の一角にあるカフェ「アール座読書館」の店内は、静まりかえっています。「森の中の読書」が店のテーマです。観葉植物の鉢や、水草の間を熱帯魚が優雅に泳ぐ水槽、アート作品を配置した空間で、文学集や美術書など約1600冊ある本を自由に読めますが、注文以外の私語は厳禁となっています。オーナーは、「街中に現実逃避できる静かな場所が必要」と開店したそうです。私語禁止という独特の決まりがあるにもかかわらず、中学生からお年寄り、旅行客まで様々な人が来店。9割以上が一人で訪れ、リピーターが多いとのこと。店の棚に置いてある「落書き帳」には、進路や仕事、結婚・出産、恋、病気などに関する来店客の悩みや葛藤、目標などがびっしりです。「仕事で心が疲れていたときに読んで救われた」と、常連客は言います。

 

聴覚に障害がある店員が多く働いている大阪の梅田に開店した「清浄(しょうじょう)」では、極力おしゃべりを控えることをルールにしています。注文は、筆談や手話、指差しで、店内にはBGMも流れていません。「五感を研ぎ澄まし、静寂の心地よさを楽しんで欲しい」が、お店の狙いです。パソコンの音もNGという店もあるようです。

 

私は、まだ「静寂カフェ」と言われるような場所には行ったことはありませんが、一人じっと本を読んで過ごすときには、最高の空間ですね。みなさんは、どうですか・・・目的がおしゃべりなら別のカフェに行けばいいのです。

 

雨音や足音、抹茶をたてる音など、日常の雑音にかき消される微小な音を聞くことは心身の癒しにつながると言われています。街中は、雑音にあふれていますね。人間は、本来、静寂の中で、自身の思いにふけりたいという欲求があります。時々は、こんな空間で過ごしたいものです。

2024年

8月

30日

人物図鑑

 

今年度の屋上プールが終了しました。2カ月間、常に屋上では、子どもたちの歓声と水しぶきが上がっていました。ホワイトきゃんばすが閉園してしまうので、プール遊びもこれが最後ということで、プールを行ったすべての日で、プールボランティアのパパママが、子どもたちとの時間を過ごしました。ボランティアの保護者の数は、延べ43人となりました。学童で登園した小学生もその豪快なプール遊びで、保育園の園児たちを大いに刺激をしてくれました。スイカ割りは、何度やったことか・・・楽しいプールが終わると、寺子屋園児は、運動会の練習に入ります。10月19日の運動会まで、練習の日々の中に、きっと素敵な物語が生まれます。

 

さて、今日は、栃木県立那須高校で行っている「那須まち人物図鑑」の話です。1年生の総合的な授業の一環として取り組みがはじまり、今年度で4年目を迎えます。すでに3号まで発行されているので、1年間かけて、いっくりと取り組んでいるようです。

 

なんだか、「人物図鑑」というタイトルにそそられますね。記念すべき第1号には、那須のまちに住む25人が登場します。もちろん、芸能人やプロアスリートのような有名人ではありません。webデザイナー・会社経営者・那須町長・菓子工房店主・染織アーティスト・ミュージシャンなどなど、那須に住む様々な人物へ、高校生がインタビューします。

 

那須高校には「高校魅力化コーディネーター」が2名います。この2人が、高校と地域を結ぶ役割を担います。ただし、高校生がいきなり、段取り良くインタビューなどなかなかできるものではありませんね。講師を招いて2週にわたり授業を行ったそうです。インタビューで大切なことは、「相手に興味を持つ」「読み手に伝えること」で、インタビュアーになり切るよう指導が行われます。生徒たちは、二人一組でロールプレイングを行い、スキルを高めます。

 

そして、生徒たちは、実際にインタビューをし、「人物図鑑」の発行までかかわっていきます。高校生が地域の大人と接する機会をつくることで、将来相談できる大人が増え、郷土愛にもつながる」と、魅力化コーディネーターは語ります。

 

どうですか・・・「人物図鑑」を読みたくなりましたか。那須高校のホームぺージで公開されています。内容は、「高校生よ・・・よくぞここまで頑張った!」というレベルです。

 

那須校の生徒は、那須の人たちを知ることで、自分が何をやりたいのかを逆に考えるいい機会になったことでしょう。結局は、自分探しにつながるのです。

2024年

8月

29日

人見知りの子 注意!

屋上の池で、移動させるカメをチョイスしてると、網にドジョウがかかりました。ウナギとは言わないまでも、なかなか大きなサイズです。池の中で、かなり長い間生きたことがわかります。子どもたちは、いけすに入れたカメを触ったり、ドジョウに驚いたりして観察を楽しみます。少しずつ、池の生き物を自然に返していきます。カメは、我が家の庭に造った池に移動します。まだ、作業中ですが、花壇2つは、カメ池になりました。よく「猫屋敷」という言葉が使われますが、我が家は「亀屋敷」です。(笑)

 

さて、少し前は、9月1日が若者の自殺者が一年間で一番多い日とされていました。そう、長い夏休みが終わって、学校に行く日です。今は、さいたま市のように、8月末に2学期の始業式が前倒ししていることもありますが、どちらにしろ、2学期のスタートは、子どもたちにとっては、楽しみだけでなく不安を抱えることが多くなります。

 

今日は、人見知りの子について話をします。人見知りは、生後6か月~3歳くらいに見られる発達過程の一つで、自分のママパパと他人を区別して認知することで起きます。まさに、保育園の子どもたちに多く見られます。でも、発達とともに徐々に消えていきます。

 

一方、小学生になると発達とは関係なく、性格や個性としての人見知りが見られるようになります。人見知りとか引っ込み思案が悪いわけではありません。慎重で注意深い性格の裏返しでもありますね。しかし、この人見知りの性格は、夏休みなどの長い休み明けは、要注意の時期と言えます。集団が苦手な子にとっては、家庭から外に出ることに心理的な壁を感じ、時には通学を渋り不登校になることもあります。

 

我が子がそんな状況になったら、親としては、どうすればいいのか、悩みますね。子ども一人一人対応は異なるので、1つの答えがありません。ただし、言ってはいけない言葉は「みんなと仲良くしなさい」だそうです。中学生100人に「小学生の時に言われて嫌だったこと」を聞いた際、「みんなと仲良くしましょう」が上位にきます。

 

友だちが少ないことは、決して悪くないことを我が子に伝える方が、効果があるようです。以前、卒園児の小学1年生が、「園長先生。友だちが1日で10人もできたよ」と言ってきました。私は、「それは凄いねぁ~」という言葉が、まったく口から出てきませんでした。「○○君のことを本当に心配してくれる人を一人でいいから作ろう」と言いました。でも、そんな友だちすらいないから悩むのです。

 

我が子の性格・・・人見知りの傾向が強いなら、しっかりと見守っていきたいですね。

2024年

8月

28日

徳の話

今日は風があまり吹いていなかったので、プール遊びで楽しみました。ボランティアのパパは、普段から筋トレをしているので、マッチョマンです。子どもたちからは、「裸になって!」とか「オッパイぴくぴくして」とか、リクエストがいっぱいです。パパにとっては、悪い気にはなりませんね。ノロノロ台風のせいで、今日のプールが最後かもしれません。

 

さて、みなさんは、道端にゴミが落ちていたら、拾いますか?私は、家では、世の父親の多くがやっているように、「ゴミ担当」です。家から、ゴミ収集場所まで30メートルくらい歩きますが、それまでに、ゴミを見つけると、拾ってゴミ袋に入れるようにしていますが、それ以外で、道に落ちているゴミを見つけてもスルーすることが多いです。(反省)

 

ある校長先生の話です。「今朝、私は得をしました。学校に来る途中、校門前の十字路の脇でこんなものを拾ったのです(いくつかのゴミを見せます)。こんなゴミを拾い、なぜ得をしたと言えるのか。実は、以前、あるお坊さんにこんなことを教わりました。人間は誰にも徳というものが備わっています。人として、素晴らしい心や能力のことです。ゴミをそこらにポイ捨てするのは、自分の徳をポイと捨てるのと同じです。そしてゴミを拾うのは、それを捨てた人の徳をもらうのと同じです。拾った分だけ自分の徳が増えると言われたのです。そのお坊さんは、何十年も、町の中でゴミを見つけると、『ありがたや。ありがたや』と言いながら、それを拾ってゴミ箱に捨てるのだそうです。増えた徳で人に良いことをすれば、徳はさらに増えるとも話していました」

 

校長先生は続けます。「この話を聞いたのは今から40年前です。これから、私はゴミのポイ捨てができなくなりました。自分の徳を減らしたくないと思うのです。あなたは、どうですか。徳を減らしたいですか。それとも徳を増やしたいですか。人の徳と『得をする』の得は、漢字も意味も違います。でも、徳を増やせば、やはり得をするのです。私は今、朝少しだけ増えた徳を元に、学校をもっと良くするためのアイデアをいろいろと考えていきたいと思っています」

 

 

私は、このような話をすぐに真に受けてしまうタイプです。徳の話…みなさんは、どう受け止めますか。

2024年

8月

27日

男も女もラクになる働き方

台風がゆっくりと進んでいます。その影響なのか、屋上は10メートルくらいの風が吹いています。プールは無しにして、通常の屋上遊びにしました。久しぶりに、タイヤアスレチックを子どもたちと完成させて、板の上をバランス感覚を保ちながら、歩きます。1、2歳児も積極的に参加しました。屋上遊びのバリエーションは豊富です。

 

そして、小学生はいよいよ明日から新学期がスタートします。10月31日で保育園ホワイトきゃんばすが閉園することもあって、多くの卒園児が、この夏休み期間中に保育園に来てくれました。7月22日の夏休みスタートから本日までの1か月ちょっとで、のべ103名の卒園児が登園しました。保育園のタテの関係がさらに拡大し、在園児に多くの影響をもたらします。小学生になっても、子どもたちがずっとつながっているのが、ホワイトきゃんばすの強みですね。本当にうれしく思い、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

さて、OECD(経済協力開発機構)が、2020年にまとめたデータによれば、家事や育児などの無償労働時間について、日本の女性は1日当たり224分で、男性の41分の実に5.5倍になります。ジェンダー平等が進む北欧のノルウェー・スウェーデンが1.3倍、アメリカは1.7倍、日本に最も近いのが韓国の4.4倍であり、各国との違いが歴然としています。

 

ただし、このデータは2020年です。それから4年が経過しても、数字としては、大きな改善には至っていないようです。日本は、1997年を境に、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回る状況が続き、今では、専業主婦がどんどん少なくなってきています。そうした中でも、以前の「男は仕事、女は家事・育児」ではないにせよ、「男は仕事、女は仕事と家事・育児」となっているのが実情です。

 

ある男性の話です。女性に対して「保育園代やシッター代で、給料のほとんどがなくなるなんて。何のために働くの?会社やめたら?」「子どものお迎えで早帰りするあいつは、マジで使いにくいよなぁ~」なんて言っていた男性優位社会に浸っていたら、妻が駐在員として出世してニューヨークに赴任することになり、いきなり主夫になったそうです。

 

今まで妻がやっていた、家事や子育てを一手に引き受けることになったその男性は、仕事中心の世界とは異なる領域に身を置き、新たな景色が見えてきたそうです。家族を何よりも大切にする米国人の価値観に直接触れます。子どものお迎えで学校に出向く保護者のうち、半数近くが父親である実態も知るのです。彼は、日本時代に抱えていたストレスの主体が、実は男性役割を演じようとしていたがゆえの「生きづらさ」であることを知ることになるのです。

 

私の経験で言えば、2011年東日本大震災があった3月末に民間企業を退職し、保育園開園に向けての準備期間がスタートしました。図書館に通い保育士の勉強をしながら、保育園の物件を探します。家の掃除、洗濯と夕食の担当は私です。ろくに料理など作ったことがなかった私は、子どもたちに「まずい!」と言われながらもレパートリーを広げていきました。本人の前では恥ずかしくて言えませんが、今まで妻がやってきたことの「大きさ」をここで初めて知るのです。

 

保育園では、ここ数年、ほぼ100%に近いパパが、第2子誕生で育児休暇をとります。そうなれば、妻が肉体的にも精神的にもラクになります。男性もまた、呪縛から解放されてラクになるのです。

 

育児休暇などを通じて、男性がさらに深く、家事や子育てに参入するようになれば、数字上での国際比較でも、日本の数字が改善されるのでしょう。保育園のパパたちを見ていると、少しずつ…日本も変わってきているなぁ~と感じるのです。

2024年

8月

26日

ありふれた教室

 

 昨日の「夏まつりオンステージ」・・・連絡ノートには、保護者の感想がびっしりです。ステージでの子どもたちの頑張りに涙し、神輿を担ぐ子どもたちも、初めての経験ということもあり、親が興奮してしまったようです。ともあれ、素敵な思い出になって何よりです。今日は、卒園児の小学生が6人登園しましたが、夏休みも明日までです。この週末は、宿題の追い込みに頑張ったようです。切羽詰まった状況では、「やっつけ仕事」か「充実作品」になるか、二極化するようです。(笑)

 

さて、最近の映画です。ドイツのイルケル・チャタク監督の「ありふれた教室」について紹介します。ドイツのある中学校で発生した盗難事件。生徒思いで正義感あふれる女性教師カーラは、真相を究明しようと奮闘します。しかし、この映画は、犯人捜しから真実を明らかにする内容ではありません。学校という環境で、この物語は進んでいきますが、私たちの社会にも起こりうる内容であることを示唆しています。

 

カーラのクラスの生徒に疑いがかかります。生徒への疑いを晴らすために、カーラは自分の財布を職員室に置き、パソコンの録画モードで撮影します。そこに映っていたのは、お金が抜き取られる場面とある職員の服の一部です。顔は映っていません。その職員は、行為を全面否定し、疑念を受けたことに激怒し、息子の手を引き学校を飛び出します。この息子は、カーラが担任するクラスの生徒です。

 

うわさはすぐに学校全体に広がり、カーラの立場を追い詰めます。正義を証明することができないカーラに対して、周囲の勝手な解釈やフェイクが追い打ちをかけるのです。

 

組織管理の立場から、寛容主義にはなれない学校経営と、寛容であるべきという教育主義の葛藤。それに伴う教員間の対立。やがて、それが生徒や保護者とのあつれきとなり、カラーはどんどん追い詰められていきます。抑圧と孤立のなかで、主人公のカーラは、もがき苦しむのです。

 

この映画のタイトルは「ありふれた教室」です。つまり、世界のどの学校のどのクラスでも、起こりえることなのです。そして、学校は、社会の縮図として位置付けられます。

 

この映画でも描かれるのは、ネット上の心ない書き込み、炎上です。匿名であると、人間は卑劣な言葉で相手を追い詰めることに、何の抵抗も感じなくなります。フェイクニュースで世の中が混乱させても罪悪感を持ちません。相手が分かっている場合でも、メールやラインの言葉は、お互いの解釈の相違で、プラスにもマイナスにも受け取られます。

 

携帯電話が普及した、今から30年以上前から、「人の感情に関する内容を決してメールでやり取りしてはいけない。必ず、フェイスツーフェイスで行うように」と言われてきました。文章では、発信する側と受け取る側では、解釈が変わってくるからです。

 

今の世の中・・・正しい情報とフェイクが交錯する中で、真実を問い続けることが、昔とは比較にならないくらい難しくなっています。それでも、真実の中にだけ、答えはあるのです。

2024年

8月

25日

夏休みおわりの 小さな夏まつり

今年度は、残念ながらクリスマス発表会で、子どもたちのパフォーマンスを保護者の皆様に見せることができなくなりましが、子どもたちのステージが、ちゃんと用意されました。

 

今日は、保育園ホワイトきゃんばすが入る、イオン大宮西店の1Fのイベントスペースで、「夏休みおわりの 小さな夏まつり」が行われました。地元の三橋6丁目商工会とイオン大宮西店主催のお祭りです。そのトップバッターで、ホワイトきゃんばすの子どもたちが「オンステージ!」です。ステージの後ろには、地域自治体の「おみこし六基」が並んでいます。「神様に守られて、歌って踊るんだね」と6歳女の子が言っています。

 

子どもたちは、虹をイメージしたカラフルな服に、お気に入りのカラーシールを貼って、オリジナルの衣装を作りました。一人一人違う衣装で、「にじ」を歌います。1番から3番まで、間違えることなくきっちり歌いあげました。そして、ダンス「やってみよう」で盛り上がります。

 

観客席を見ると、保育園の保護者やきょうだいで、すでに70人ほどになっているので、席は埋まり、立ち見客の大盛況です。吹き抜けのフロアなので、2階・3階の手すりからお客様が見守っています。

 

ママを前にすると、必ず泣いてしまう2歳児の女の子は、涙を流しながらも、最後まで踊りました。ママは涙です。そして、ダンスでは、最後のフォーメンションで、年長園児が前に出てきます。ここで、一気にボルテージが上がりました。観客席からの盛大な拍手をあびて、子どもたちのステージは大成功です。

 

先陣を切ったホワイトきゃんばすの子どもたち・・・次に続く、創立50周年の大宮西中生徒のダンスパフォーマンス、お笑い芸人で大宮西中出身の「小石田純一」さんのステージも盛り上がりました。小石田さんは、石田純一さんのモノマネで有名な芸人です。

 

子どもたちのお楽しみは、まだ終わりません。ステージが終わると、「子どもみこし」をかつぎました。さいたま市西区の神輿連合会のメンバーにフォローしていただき、イオン1Fフロアを「わっしょい!わっしょい!」と練り歩きます。

 

子どもたちの頑張りに、保護者の皆様も大満足です。これが、保育園ホワイトきゃんばすの最後の発表会になります。9月の秋まつり・・・10月の運動会・お別れの会と、イベントは続きますが、今日も「子どもたちの笑顔」をいっぱい見ることができました。

めでたし・・・めでたし・・・です。

2024年

8月

24日

優劣のかなたに

今日は、「猛暑日」まで気温が上がらなかったので、お昼の園長課外授業では、アスレチックのある公園に遊びにいきました。1年生のクラスの中には、すでにメガネをかけている友だちが多くいるそうです。スマホやゲームをする時間を昭和の子どもたちのように外遊びにシフトすれば、視力低下が回避できるのでしょうが、夏休みは、猛暑で外遊びができない昨今・・・難しい問題です。もう一つ、海水浴客が激減しているそうです。清潔なイメージのプールにシフトしているとのこと。私が子どもの頃は、磯遊びは最高の時間でした。生き物に興味を持つ機会も、今の子どもたちは減っているのかもしれません。ここは、親の行動次第です。

 

お金をかけずに、「超感動!」を親子で経験するには、夜の公園に行ってください。そこでは、セミが羽化するシーンを見ることができます。カブトムシに出会うよりも確率は高いです。5年以上かけて土の下で生活したセミの幼虫が、夜に、真っ白な羽を伸ばして羽化するシーンは、間違いなく、子どもの心に残る「夏の思い出」になります。

 

さて、今日は、国語研究の巨匠である、大村はまさんの詩「優劣のかなたに」を紹介します。

 

優か劣か そんなことが話題になる そんなすきまのない つきつめた姿。

持てるものを 持たされたものを 出し切り 生かし切っている そんな姿こそ。

優か劣か、自分はいわゆるできる子なのか できない子なのか、

そんなことを 教師も子どもも しばし忘れて、学びひたり 教えひたっている

そんな世界を 見つめてきた。学びひたり 教えひたる、それは 優劣のかなた。

ほんとうに 持っているもの 授かっているものを出し切って、打ち込んで学ぶ。

優劣を論じ合い 気にしあう世界ではない、優劣を忘れて 

ひたすらな心で ひたすらに励む。今はできるできないを 気にしすぎて、

持っているものが 出し切れていないのではないか

授かっているものが 生かし切れていないのではないか。

成績をつけなければ 合格者をきめなければ、それはそうだとしても それだけの世界。

教師も子どもも 優劣の中で あえいでいる。

学びひたり 教えひたろう 優劣のかなたで 

 

優劣を論じあい、気にしあう世界ではなく、子どもたちが、本当に持っているもの、授かっているものを出し切る学びが大切だという内容ですが、世の中には、どうしても順位をつかなければならない時があります。しかし、私たち大人は、人と比べて優劣を感じるのではなく、「自分」をしっかりと見つめ、「自分」を大切にし、違う他者を受け入れて生きてほしいと願い、子どもたちと接していきたいですね。私たち大人も同じです。

2024年

8月

23日

「退職代行サービス」広がる

今日は、しっかりと屋上プールができました。パパ3人がボランティアを頑張ってくれたので、子どもたちは、もみくちゃにされながらも、隙を見ては水攻撃を仕掛けていました。5歳女の子が「えんちょうせんせい・・・スイカは?」と聞いてきます。「今日はないよ・・・」毎日スイカ割りは、贅沢すぎますね。(笑)

 

そして、サマーキャンプ2日目に行ったワークショップ、着物の生地を使ったフォトフレームが完成しました。元保護者のミラクルズのオーナーが届けてくれました。年長園児は、完成した作品を手にして記念撮影です。フォトフレームには園児それぞれの写真があります。これを見るたびに、サマーキャンプの素敵な思い出が蘇ってくることでしょう。

 

さて、仕事を辞めたい人の意思を、本人に代わって会社に伝える「退職代行サービス」の利用が広がっているようです。昭和おやじの私としては、「おいおい…会社辞めることぐらい自分で言えよ!」と思ってしまいますが、ここは冷静になってみます。

 

まずは、代行が必要とされる背景には、勤め先に対する不信感、上司や同僚からのハラスメントなどが原因で、とてもじゃないが、退職を言い出せない職場環境があるようです。

 

代行事業者が弁護士であれば、退職届の提出だけでなく、有給休暇の所得や未払いの残業代、退職金についても、きちんと交渉ができるそうです。料金はそれなりにかかりますが、退職金などもきちんと支払われることで、メリットはあるようです。厚生労働省によると、全国の労働基準監督署などに寄せられた相談のうち、人手不足を理由に退職届の受け取りを拒否されたといった相談が増えているそうです。本来、退職する権利は誰にでもあるのですから、こういった個人では対応が難しい場合などに、退職代行サービスが使われるのです。

 

現在、退職代行を営む事業者は、日本全国で100ほどはあるそうです。料金は、2~3万円が相場ということですが、弁護士でなければ、未払いの残業代などは請求できないので、信頼できる事業者を選ぶ必要があるとのことです。

 

東京商工リサーチが行った調査では、2023年1月以降で、退職代行を利用してやめた従業員がいると答えた企業は、全体の9.3%(479社)にもなったそうです。想像以上に、退職代行が広がっているようですね。会社にとっては、大きくなりすぎて、実態が見えにくくなったところなどは、課題を見直す契機となっているようです。

 

う~ん・・・百歩譲って考えれば、企業の反省材料に活用されるのは良しとしても、やっぱり、やめる時は、きちんと自分の口で「コレコレの理由で退職させていただきます」と言って欲しいなぁ~と思う、昭和おやじです。

2024年

8月

22日

LRT 宇都宮に活気

今日は朝から雨が降り、気温も高くならなかったので、久しぶりにプールなしの屋上遊びをしました。小学生が7人登園したので、小5から0歳児までの11学年での遊びとなったのです。異年齢遊び&学び合いが、凄まじかったです。小学生レベルの遊びを体験できた保育園園児たちです。

 

さて、LRTという言葉をご存じですか。「ライト・レール・トランジット」の略で、低床車両で、段差の少ない駅で乗り降りしやすい路面電車です。見た目は、ヨーロッパの街並みを走るような、オシャレでかっこいい電車です。日本では、富山市が2006年に導入したのが最初です。そして、1年前に宇都宮市で開業しました。今後、沖縄の那覇市や和歌山市が導入予定だそうです。今日は、開業1年を迎えた、宇都宮のLRTの話です。

 

「宇都宮芳賀ライトレール線」は、JR宇都宮東口から芳賀町の工業団地迄の14.6キロを最短42分で結びます。宇都宮市などが車に依存しないコンパクトな街づくりを目指して整備しました。総事業費は約684億円で、国が半分を補助しています。栃木県や隣の群馬県は、マイカー保有率が高い県でもあります。車がないと生活に支障をきたすというわけです。しかし、脱車を打ち出し、開業312日目に、予測よりも2か月も早く累計400万人を突破したそうです。平日は、1日1万5000人以上が利用しています。

 

沿線の工場団地の通勤需要があるものの、宇都宮市に移住する動きが起きているそうです。2021年に新設された沿線の小学校では、この3年で児童数が170人増えて860人になったそうです。この人数なら、れっきとしたマンモス校です。宇都宮市の人口もLRT整備が本格化する前と比較すると約8%増えたそうです。

 

この成功例を参考にしようと、自治体関係者などの視察ツアーは、7月末までで、413件行われたそうです。人口減で地方都市の公共交通が元気がない中で、脱車依存のコンパクトシティを目指す取り組みが注目を集めています。

 

少子高齢化は、過疎地といわれる地域や自治体では大きな社会問題ですが、宇都宮市のように新幹線の駅もある、地方都市にとっても人口減の問題は避けられません。宇都宮の例が、すべての地方都市に当てはまるわけではありませんが、LRTは持続可能な街づくりの手段の一つになりますね。

2024年

8月

21日

農ガール

今日の屋上プールも、プールボランティアの保護者の差し入れで、スイカ割りを楽しみました。子どもたちが大好きなスイカですが、実は、スイカが苦手な園児が5人ほどいます。スイカ割りを楽しむものの、スイカには一切手を付けません。その中に、年長園児で一番口がたつ男の子がいます。「○○君・・・どうしてスイカが食べられないか理由を言って」に、「あまり好きじゃないから・・・」とボソッと答えます。「もっと、くわしく、○○だから嫌いなんだと答えて。○○君なら、ちゃんと説明できるでしょ」と意地悪な質問をすると、返答に困る男の子です。理屈抜きで食べられないということですね。

 

さて、最近はテレビなどで、就農する若者を取り上げることが多いですね。若者とは限らず、「畑違いのサラリーマンだった人が・・・どうして就農の道を!?」みたいな感じです。そして、「農ガール」といわれるような、女性の就農者の話題も増えてきました。

 

実は、2021年の農林水産省の統計では、農業を普段の仕事とする「基幹的農業従事者」のうち、女性は39.3%で約4割を占めるそうです。もっと男性の比率が高いのかと思っていたので意外です。しかし、ここからが問題です。農林漁業にかかわる人が家事と育児にかける1日の平均時間は、男性の25分に対して、女性は2時間26分だそうです。畑仕事をした後の食事作りや子育ては、すべて女性の仕事のようです。私が、子どもの頃、「農家の嫁になる人はそうそういないよ」なんて言われていましたが、昭和も令和の今も、女性を取り巻く環境は、そんなに変わっていないのかもしれませんね。

 

そんな中で、「農ガール」と言われるような、女性の就農者が増えているようです。佐賀県で、イチゴの栽培で就農した女性は、3人でチームを組み、子育てをしながらできる範囲で仕事をしています。彼女たちは、自分の得意分野で勝負します。インスタグラムでは、イチゴ栽培の楽しさを伝えることを重視し、イチゴを使ったスイーツ作りの様子などを投稿しているそうです。

 

農業のイメージは、野菜などの収穫物をモノとして販売する。直接販路があればまだいいですが、農協に安い値段で卸すとったイメージがあります。しかし、彼女たちは、イチゴというモノだけでなく、スイーツレシピなどコトまで広げることができています。ここら辺の感性は女性ならではのものかもしれません。親族の支えがあってこそ、家事や子育てをしながら続けられていますが、就農スタイルも変化しているようです。

 

現実は、コロナの影響で落ち込んでいた雇用が回復してきたので、新規就農数は、2022年から減少しているそうです。就農年齢としては若いと言われる、40代の減少比率が高いそうです。ここは、「農ガール」といった新たな新規就農者に、今までにない農業を期待したいですね。

2024年

8月

20日

リユース衣料広がる

保育園の入るショッピングセンター1Fのイベントスペースに、地域のお神輿(みこし)が6基並んでいます。その中の1つは、子どもみこしです。8月25日(日)に、ショッピングセンター内で、地域の商工会が主催する夏まつりが行われます。そのトップバッターとして、保育園ホワイトきゃんばすの子どもたちが、うた「にじ」・ダンス「やってみよう」を演じます。その後、神輿連合会にフォローいただき、子どもたちは、子どもみこしを担ぎます。今日の寺子屋は、お神輿見学です。じっくりと神輿を見ると、四方に鳥居があって、扉があります。「あの扉の中に、神様がいるんじゃないの?」と、子どもたちの好奇心が大きくなったようです。「わっしょい!わっしょい!」の掛け声の練習をして、子どもたちは、お神輿・・・やる気満々です。

 

さて、東京の下北沢のように、古着文化が定着した街は、日本にはたくさんありますが、アパレル企業自身が、自社の服を長く愛用してもらいたいという考えで、お客様から不要になった服を回収して古着として販売するところが増えているそうです。

 

三陽商会は、お客様から自社の古着を回収し、汚れや破れがないかなど、独自の仕分け基準をクリアしたものを「三陽商会認定リユース品」として売り出します。担当者は、「服の循環利用が進めば、廃棄の減少につながる。ブランドや服に対する愛着も深まるはず」と期待します。あのユニクロも、古着プロジェクトを始動しました。回収品をそのまま古着として販売するだけでなく、染色加工を施したリメイク品も販売しているそうです。

 

環境省の推計では、2022年に80万トンの衣類が国内で新規提供されたのに対し、家庭から70万トンの衣類が手放されます。そのうち、廃棄は46万トンで6割を占め、リサイクルは11万トン、リユース(古着)は13万トンにとどまっています。こう考えると、ファッション業界が抱える大量生産・大量廃棄の問題が浮き彫りになりますね。ペットボトルやビニール手提げ袋のことが、環境問題として取り上げられますが、廃棄される衣類も大きな社会問題ですね。

 

みなさんは、洋服を購入する際は、新品オンリーですか。それとも、古着を活用していますか。私は、大いに活用しています。「同じ人が同じ服を着続けることも大事ですが、みんなで服を共有し、その寿命を延ばしていく方法もあります。誰かに譲ることを前提に着れば、きれいな古着が増え、持続可能な取り組みになる」と専門家は語ります。

 

お気に入りのブランドがあっても、その購入方法に変化が起きているようですね。

2024年

8月

19日

クマ対策

今日の朝のインタビューでは、子どもたちの「お盆休みで楽しかったことは?」です。年少園児までインタビューができました。ホワイトきゃんばすでは、こうしてインタビュー形式で、子どもたちが一人で発言する機会が多いので、インタビューにも慣れたものです。おじいちゃんおばあちゃんの家で過ごした・・・海やプールに行った・・・イベントに参加・・・誕生日だったのでたくさんプレゼントをもらった話など、しっかりと話ができました。

 

さて、この夏もクマに関する報道がたくさんありました。「畑で作業中の男性がクマに襲われ、大けがをしました」といった感じです。環境省によると、昨年度の被害者は過去最多の219人(死者6人)。今年も昨年度を上回る勢いで増えています。

 

専門家の話では、クマ被害の件数だけでなく、事故が起きている「場所」が問題だそうです。クマが本来暮らす山林での人身事故の件数は、今も昔も変化はないものの、「人間の生活圏での事故」が増えて、全体の件数を押し上げているとのことです。つまり、「クマはクマらしく暮らしているだけ。人間の暮らしの変化にクマが柔軟に対応してきただけ」のようです。過疎化・高齢化が進み、廃村や廃集落が増えることで、人がいなくなる地域まで、クマの生息地が広がっただけなのです。

 

森の伐採などの手入れが行き届かなくなれば、クマが、家のすぐ裏でお昼寝できてしまうような状況になるのです。人の目に付くことは避けたいクマにとって、手入れが届いていないヤブなどは、格好の通り道なのです。

 

よく、動物愛護を主張する人たちは、「人間とクマとの共生」をしっかりとやっていこうと言いますが、朝起きたら、庭にクマが居れば、共生などできるわけがありません。本当の対策は「人とクマの棲み分け」だと言います。人の生活圏での人身事故を防ぐためには、クマに人の生活圏に来ないでもらう対策が大事だと言います。

 

現在、クマは駆除されます。山へ帰すことは現実的には難しいようです。クマに対する人間の意見は、真っ二つに分かれます。「かわいそう」「殺すな」「山に返してやれ」という意見と、「何言ってるんだ、毎日クマが出る地域に住んでみろ!」「お前の家にクマを送り付けてやる」といった感じです。

 

高齢化が進む中で、「過疎地においての第一次産業の後継者をどう維持するか」など、行政、自治体レベルの戦略が必要ですね。もう、住民の創意工夫では、どうしようもないですね。まったく熊った問題です。(失礼!)

2024年

8月

18日

時間の使い方⑦~もしこれが人生最後だとしたら~

世の中のお盆休みもいよいよ今日でおしまいです。猛暑日の記録が更新されたり、台風で交通機関が大混乱したりと、多くのハプニングがありましたが、みなさんは、どのように過ごされましたか。

 

さて、「時間の使い方」最終回です。あのスティーブ・ジョブズは毎朝、鏡に映っている自分にこう問いかけたそうです。「もし今日が人生最後の日であるなら、自分は何をするだろうか?」こう問いかけることで、今何をすべきかを、自分に語りかけていたそうです。「今という時に『尽くす』」という気持ちで、ジョブズは生きてきたのでしょう。

 

でも、待ってください。私たちも同じように、「明日はもうないかもしれない」なんて生きるのは、かなりしんどいですね。そこで、「この店でのランチは人生最後かもしれない」「この人との会話は人生最後かもしれない」「この列車の乗るのは人生最後かもしれない」と考えるはどうでしょうか。もっとカジュアルに考えるなら、「今食べているカレーライスはあと3回しか食べらっれない」としたら、スマホやテレビを見ながら食べることはしないですね。

 

自分の高校時代の卒業式を思い出してください。「また会おうな!」と言って別れて以来、一度も会っていない同級生がたくさんいませんか。その時は、もう会わないなんてこれっぽっちも思っていませんでしたか。それだけ、時間は何らかのアクションをとらないと、どんどん過ぎていくのです。

 

私たちは、ユーミンの「あの日にかえりたい」を口ずさんでも、決して帰ることはできません。時間は常に過ぎ去っていきます。今という時は、常に「最後の今」という時で、私たちは常に「最後の今」を生きているのです。

 

少し、理屈っぽくなりましたね。時間は、肯定的にとらえないといけませんね。あの児童文学の名作「モモ」の中に、こんな一節があります。

 

「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない」

 

時間を自分のものにするということは、あくせく働くことでも、すぐにやらなければならないと忙しくすることではなりません。自分で考えて時間を使うということです。のんびりする時間が必要な時は、「なにもしない時間」も大切な時間ですね。

 

明日から、お盆休みも終わり、また日常に戻ります。「時間の使い方」をあーだこーだと語ってきましたが、自分で考えて、貴重な時間を使っていきましょう。

2024年

8月

17日

時間の使い方⑥~思い出づくりを考える~

お盆休み明けの保育園がスタートしました。と言っても、今日は土曜日ですので、お盆休みでの楽しい出来事は、月曜日にたくさん聞くことにします。台風一過で気温が上昇したので、プール遊びにはもってこいです。水しぶきが止まらない時間になりました。

 

さて、今日も「時間の使い方」のつづきです。世界的ベストセラーになった「DIE WITH ZERO」(ゼロで死ぬ)には、「人生が豊かになりすぎる究極のルール」というサブタイトルがついています。本の中でこんな文章があります。『人生でしなければならない一番大事な仕事は、思い出づくりです。最後に残るのは、結局それだけなのですから」

 

人間の記憶というのは、忘却のためにあるようなもので、1か月後には約79%を忘れると言われています。私なら、もっと忘れています。(笑)しかし、ずっと思い出に残っている出来事は、まさに「これまで生きてきた時間の選抜チーム」と言えます。

 

私たちの思い出は、気がつけば「あの出来事が、思い出として残っている」という内容です。ところが、私たちは、限られた時間の中で、思い出をたくさん作っていくには、意識して計画を練り、行動することが大事なのです。

 

ヒットメーカーの秋元康さんは「記憶に残る幕の内弁当はない」と言っています。あれやこれやと盛り込みすぎると、人の記憶に残りにくくなるという意味です。私は、若い頃からたくさん旅をしていますが、すべてが思い出として残っているわけではなりません。

 

流氷の上をいい気になって走っていたら、流氷のつなぎ目から海に落ちそうになった

西表島を8時間かけて縦断途中に、ハブに遭遇し踏みそうになった

北の国からのロケ地で、五郎さん・純・蛍に会って、蛍を抱き上げた

なんていう思い出は、死ぬまで忘れることはないでしょう。この3つの経験は、社会人になる前のはるか昔の経験です。やはり、思い出として残ることは「やりかたったこと」から生まれるようです。

 

ある終末医療に関わる医師がこんな話をしています。「人生の最期を迎えた人が、自分の人生を振り返った時に後悔することのひとつが『やりたいことをやっておけばよかった』ということだそうです。ちなみに、「仕事をもっとしておけばよかった」と後悔する人はほとんどいないとのこと。

 

ここまで書いてきましたが、人間は「本当にやりたいこと」を簡単には、見つけられないものですね。でも、モノやお金ではなく、「思い出」が、人生の最期に、「幸せな時間だった」と言えることにつながることは、間違いなさそうですね。

2024年

8月

16日

時間の使い方⑤~時間は選択が9割~

昨日は、終戦の日でした。パリ五輪では、卓球の早田ひな選手の「鹿児島県知覧(ちらん)の特攻平和会館に行ってみたい」という発言が注目されています。早田選手にとっては、卓球技術の向上だけでなく、内面の「心」を磨くことも金メダルへの道と考えているのでしょう。私も、19歳の時に知覧を訪れたことがあります。若者が母へ書いた手紙を読むと、戦争への怒りややるせない気持ちで胸が痛くなりました。左手を負傷しながらも、銀・銅の2つのメダルを獲得した早田ひな選手は、特攻平和会館で何を感じるのか、注目したいですね。

 

また、NHKのドラマ「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」を観ました。終戦から79年目の夏、ドラマの内容は、いかに次世代に戦争を伝えるか・・・が視点です。岸部一徳さんの「語り部」のシーンには、グッと引き込まれてしまいました。特に、「あの時の自分は、この戦争は正義で、日本は絶対に勝つと信じ込んでいた。でも、それはまわりに流された気持ちだった。戦争が終わり、両親・兄・妹を亡くし一人ぼっちになって、ようやく自分で考えるようになった。この戦争は間違っていたと」の言葉には、説得力がありました。あと数年もすれば、戦争を経験していない日本人が、限りなく100%になります。「若者へ戦争を伝える」という言い方はおかしな表現で、私のようなおっさんも、戦争を経験していません。百聞は一見に如かずと言いますが、「語り部」が語る戦争は、映像よりも心に残りました。

 

さて、今日も前置きが長くなりましたが、本日は時間を選択することを考えます。よくアニメ「サザエさん」に出てくるシーンで、カツオにサザエさんは、遊びに行く前に宿題をやるよう言いますが、カツオはサザエさんの目を盗んで遊びに行ってしまいます。そして、決まってあとでサザエさんに怒られます。でも、怒られてもあまり気にしている様子はありません。それは、カツオには明確な時間の選択基準があるからです。「遊び>宿題」です。カツオは、この選択基準を決して変えることはありません。選択基準を決めるとムダな時間が減ります。カツオにとっての無駄な時間は、宿題ですね。(笑)

 

ある研究によると、人は1日に最高で3万5000回もの選択(決断)をしているといいます。1日は8万6400秒です。そこから睡眠時間を引いて考えると、1日の半分以上は選択の時間ということになります。朝、目が覚めて・・・「すぐに起きるか、もう少し布団で寝てるか」「トイレに先に行くか、顔を先に洗うか」「朝食はパンにするか、コーヒーだけにするか」「出かけるのに、何を着ていくか」と、書き出したらきりがありませんね。

 

では、あなたは、何で選択基準を決めますか。それは、人それぞれです。「好きか嫌いか」「後悔しないかどうか」「体と心の声に従っているか」「幸福度が高いかどうか」「人に喜んでもらえるかどうか」など、選択する内容でも基準は変わってきます。

 

では、逆に気をつけるべき「選択基準」を3つあげます。1つは「空気をよむ選択基準」です。なんとなく相手に悪い…他人の目が気になる…という感情で自分が望まない選択をしないことです。2つ目は「もったいない選択基準」です。これまでにかけた時間やコストがもったいないと考えて、合理的な判断ができなくなることです。プロジェクトや商品企画は、途中撤退には勇気が必要ですが、山のぼり同様に「やめる・あきらめる」勇気が必要ですね。3つ目は、「気分による選択基準」です。自己啓発セミナーに参加すると前向きな気持ちになり、その気分で選択をする。映画を見た後は、主人公になった気分で、無謀な選択をする・・・といったことです。

 

そして、選択が難しい時には、あえて「選択しない(選択放置)」も、選択基準の一つですね。すべて、白か黒かではなく、グレーだってあるものです。

 

どうですか・・・自分の選択基準をしっかりと考える時間は、ムダではないですね。

2024年

8月

15日

時間の使い方④~時間を自分のものにする~

昨日は、千葉県の佐原(さわら)をブラブラしていました。歩くのは、しんどいと思いレンタサイクルを借りたのですが、運動量は変わらず大汗です。上着が水をかぶったようにびっしょりです。保育園の子どもたちと同じで、着替えのシャツを持参しました。佐原は、埼玉県の川越のように、小江戸と呼ばれ、水郷沿いに、昔の街並みが残っている味わい深い場所です。目的は、「伊能忠孝(いのう ただたか)」です。

 

皆さんもご存じのように、わが国最初の実測日本地図を作りあげた人物です。彼は、17歳の時に伊能家の婿養子になります。伊能家は酒造業などを営む地元の名士です。忠孝は、商才を発揮し財をさらに増やすと、49歳で隠居し、江戸に住み天文学者、高橋至時(よしとき)に入門します。そして、55歳になって、東北、北海道南部の測量の旅に出ます。その後、測量の実績が認められ、59歳の時に正式に幕府に登用されました。そして、71歳まで測量の旅を続けるのです。平成22年には、伊能忠敬関係資料は、国宝に指定されました。資料館には、伊能の地図と、現在の日本地図が、ほとんど変わらないことがわかります。何より驚くのは、55歳で測量の旅に出かけたことです。現代人の年齢なら70歳くらいですかね。新しいことにチャレンジするのに、年齢は関係ないことを証明した一人です。そう、ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダースも65歳からですね。

 

前置きが長くなりましたが、今日は、「時間を自分のものにする」を考えます。何かに集中して取り組みことを「シングルタスク」と呼ぶことにします。反対に、複数の作業を同時にこなすことを「マルチタスク」と呼びます。スマホを見ながら食事をすると、なんだか、食事の味わいもなくなりますね。人間の脳は、もともとマルチタスクをするようにはできていないそうです。つまり、時間を自分のものにするには、マルチタスクをやめてシングルタスクを心がけるのがベストです。ただし、シングルタスクには弱点があります。それは「飽きる」ことです。人間の集中力には限界がありますので、時々は、気分転換が必要です。

 

もう一つは、「ムダだと思える時間」を「ムダじゃない時間」に変換するのです。病院に行って待ち時間が長いと想定されるときは、ノートパソコンを持ち込み仕事をする⇒仕事に疲れたら本を読めるように準備⇒スマホで動画を見られるようにイヤホンも用意。といった感じです。私がサラリーマン時代は、通勤電車は「電車オフィス」にしていました。座れたらノートパソコンを開き、最低でもつり革ポジションを確保し書類に目を通していました。携帯で、パソコンへの仕事メールをチェックできるようにして、すぐに返信ができるようにもしていました。

 

私の経験上、仕事でグチをよく言う人は、時間を自分のものにしていません。相手ベースの時間を過ごしていることが多いので、「相手のせいで忙しい」「相手のせいでうまくいかない」といつも誰かのせいにしています。私が先輩に教えてもらった、アポイントメントの取り方です。「アポイントを取る時は、相手にいつがいいですか?とは絶対に言ってはいけない。必ず、『明日の午後はいかがですか?』と、自分が動ける時間を相手に提案しろ!」でした。これは、時間を自分のものにするやり方の1つです。相手の伺いを聞いたら、「この日は、○○をする予定だったのに!」とグチを言ってしまいますね。

 

どうですか・・・あなたが考える「時間を自分のものにする」を実践してみてください。

2024年

8月

14日

時間の使い方③~幸福の時間を増やす~その2

昨日は、盆の入りでした。両親の墓参りに行くと、提灯を持つ人が、先祖を連れて帰っています。あぜ道では、何人かの子どもたちが、先頭で提灯を持って歩いています。それぞれの地域でお盆の風習は、色々な形があると思いますが、我が家は、迎え火を焚いて、キュウリとナスを馬と牛に見立てて、両親を迎えました。仏壇もいつよりは派手に飾ります。みなさんのお盆の風習は、どんな形ですか。

 

さて、「時間の使い方」のつづきです。幸せな時間を多くしたいのはやまやまですが、私たちは、日々「やらなければいけないこと」が多すぎますね。とくに、まじめな人ほど、やらなければいけない時間を多く過ごしているような気がします。それで、心も体も壊してしまったら、どうにもなりません。

 

それじゃ・・・時間を「遊び化」してしまって、幸福の時間を増やせばいいと思えば、「仕事もせずに遊んでばかりいる」とか「遊ばないで仕事しろ」と言われてしまいます。これは、オランダの歴史家「ホイジンガ」が1938年に提唱した考え方ですが、「遊ぶこと」は、もともと人間に組み込まれた本能であり、人間の本質だと。まさに、保育園の子どもたちを見てると、遊ぶことが仕事ですので、ピッタリ当てはまります。まじめな取り組みと遊ぶ心のバランスが難しいところです。

 

 「幸せの時間」は、人によっても、そのタイミングによっても、色々と変わっていきますが、大きく2つ、「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」に分けられます。「長続きしない幸せ」は、所得や資産、社会的地位など、地位財産による幸せで、周りの人と比較することで満足感を得るものです。年収が高く、人よりも稼いでいても、それが継続するわけではありませんね。会社の役職が無くなったら、誰もついてこなくなった悲しいサラリーマンもたくさんいます。

 

一方で、「長続きする幸せ」は、最近よく言われる「ウェル・ビーイング」と呼ばれるものです。「楽しい・うれしい・感謝の気持ち・時間を忘れて没頭する・良好な人間関係・人生の目的や意識がある・何かを達成する、成し遂げる」こんな感情によって、幸福が持続できるという考えです。

 

「幸せな時間」という言葉は、やや抽象的で個人差がありますが、「長続きする幸せ」の時間を多く持つことが、どうやら、いい時間の使い方につながりそうです。どうですか、みなさんも「長続きする」を考えて見ませんか。

2024年

8月

13日

時間の使い方②~幸福の時間を増やす~その1

昨日は、まだ猛暑にならない午前中に、保育園屋上の片付けをしていたのですが、「これでもか!」というくらい汗が流れ出て、「これでもか!」というくらい水分補給をすると、また「これでもか!」というくらい汗をかくの繰り返しです。年齢を重ねても、汗をかくということは代謝がいいと考えることにしました。(笑)

 

さて、「時間の使い方」の話です。人は、誰もが1日24時間という同じ時間を過ごしていますが、どうせなら、幸せの時間を増やしたいものです。

 

日銀が調査した「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」によると、60代、70代が突出した金融資産を持っているというデータが出ています。つまり、日本人の多くは、死ぬ時に、もっともたくさんのお金を持っているというわけです。将来への不安や、「老後には○○円必要」とあおられて、お金を貯めないといけないと思うのでしょうが、そのまま生涯を終えたとしたら、もったいないですね。

 

熟年離婚をした、ある元妻の話を紹介します。「これまでの人生は妻、親という役割をこなすことを最優先に生きてきたけれど、いつも心にぽっかり穴があいたような状態でした。自分の残りの人生の時間を考えたら、今のままじゃダメだって思ったんです。もっと自分の幸せのために行動しようって。これまでは夫の顔色をうかがいながら生きてきましたが、そんな時間はもったいないので離婚しました。自分がやってみたいことをこれからはどんどんやっていきます」

 

彼女の話は、特別なことでもなく、典型的な熟年離婚の理由の一つですね。彼女の子どもたちも「お母さんがやりたいように生きた方がいい」「お母さんの人生はお母さんのものなんだから」と後押ししたそうです。

 

とうことで、彼女は残りの人生は「幸福の時間」を増やすことを選択したのです。ただし、誤解をしてはいけません。「幸福の時間」とは自分のやりたいことをひたすたやることだけではありません。

 

人に喜んでもらったり、ボランティア活動で被災地の人を助けることも「幸福の時間」にできますし、オリンピックのアスリートたちを見ていると、メダルを目指して取り組んだ練習の時間、努力をした時間でさえも「幸福の時間」にすることはできます。

 

仕事や家事、子育ての時間がある人にとっては、「やらなければいけない時間」が、一日の大半を占めます。そんな人が、どうやって幸福の時間を増やすことができるのか。明日は、それを考えていきます。

2024年

8月

12日

時間の使い方①

お盆休み期間は、いつものように「特集!」のプログとさせていただきます。今回は、「時間の使い方」です。なかなか難しいテーマですね。

 

閉店間際のスーパーマーケットに入ると、総菜コーナーには、半額シールが貼られた商品が並んでいる事が多いですね。言わずもがな、ロスにしないで総菜を売り切るためです。商品には、「賞味期限」という「終わり」がはっきりされています。総菜と同じに例える

のも変ですが、人にも必ず「終わり(死)」という期限があります。でも、総菜と違うのは、その時がいつかはわかりません。終わりの時がはっきりしていれば、何をして、何をしないか・・・優先順位もハッキリとつけられますが、終わりが分からないので、ついつい、時間を無駄に使ってしまうことがあるかもしれませんね。

 

大げさですが、時間を考えることは「どう生きるかを考えること」でもあると言う人がいます。私も、漠然とですが、年齢を重ねた今は、そう思うことが多いです。ここで、質問です。「時間」は、あなたにとって大切なものですか?と聞くと、たいていの人は「大切です」と答えます。しかし、「時間」をあなたは大切にできていますか?と聞くと、多くの人は、自信を持って「大切にできている」とは、答えられません。時間を大切だと思っているのに、時間を大切にできていないのです。

 

やっぱり、時間というものは、やっかいな存在ですね。そんな、やっかいな時間を自分の手に取り戻し、人生を豊かにするためにはどうしたらいいか。人生の時間は限られているのに、なんでこんなに目の前のことに忙殺されてしまうのか。

 

「親が死ぬまでにしたい55のこと」という本の帯コピーには、こんなことが書かれています。「仮に親が60歳とすると…20年(親の残された寿命)×6日間(1年間に会う回数)×11時間(1日で一緒にいる時間)=1320時間。つまり、あなたが親と一緒に過ごせる日数はあと55日間しかないのです!!」

 

どうですか・・・ますます時間を大切にした人生を過ごさないと・・・と思いますね。では、お盆休みは、一緒に「時間の使い方」を考えていきましょう。

2024年

8月

11日

大事なお話

保育園は、本日から16日までお盆休みに入ります。そして、大事なお話があります。7月1日付、保護者の皆様へのお手紙をここで紹介します。

 

20247月1日

保育園ホワイトきゃんばす 閉園のお知らせ

 

保護者の皆様。いつも大変お世話になっております。表題を読んで、さぞ驚かれたと思います。これを書いている私も、なかなか筆が進みません。

昨日6月30日(日)、イオンリテール株式会社北関東事業部長より、20241031日をもってイオン大宮西店が閉店する旨、話がありました。1993730日に開店して31年になろうとしている店舗は、老朽化が進み、維持できなくなったという説明でした。

 

誠に残念で、心苦しいですが、イオン大宮西店で、屋上遊びなど様々な活動を行ってきた、保育園ホワイトきゃんばすも、1031日を持って閉園することとします。201251日に開園し、12年半多くの子どもたちと保護者の皆様に支えられてきました。かかわった子どもたちは、500人以上になります。卒園児第1号は、この春高校生になりました。

 

保育園ホワイトきゃんばすを心から支援していただきました、保護者の皆様と子どもたちには、大変申し訳なく思っております。突然あと4か月の保育園生活となってしまいましたが、今月計画している、「ナイトツアー」「サマーキャンプ」8月末までのプール遊び、9月の「秋まつり」10月の「運動会」などの行事は、予定通り、職員一同全力で取り組みます。

 

そして、11月以降の転園等の対応につきましては、あらためて、個人面談をさせていただき、保護者様の意向を確認させていただきます。日程は、あらためてお知らせします。

 

さいたま市役所子ども未来局及び、さいたま市西区支援課の保育担当者とは、保護者の皆様の意向を受けて対応を考慮していただく旨、確認が取れていますので、まずは、個人面談で希望をお話していただきますようお願いいたします。園長も、他の保育園の空き状況などの情報を持って、具体的な話を進めていきたいと思っていますので、どうぞご安心ください。

 

今回のお知らせは、まさに青天の霹靂の出来事ではありますが、子どもたちにとって、保護者の皆様にとって、一番良い解決策が実現できるよう進めてまいります。そして、最後まで、保育園ホワイトきゃんばすに関わっていただき、素敵な想い出をたくさん作っていただければと思っています。

最後に、突然のお手紙となり、本当に申し訳ございません。

 

保育園ホワイトきゃんばす

 

園長 置鮎 俊一

 

保育園ホワイトきゃんばすは、イオン大宮西店の3Fにあります。イオンが一般のお客様への閉店告知を解禁しましたので、保育園ホワイトきゃんばす閉園の件を初めてこのブログで話をします。衝撃のお手紙を読み、翌日の朝の登園時には、涙を流していただく保護者が多くいらっしゃいました。

 

園児32名全員の保護者との面談を行いました。ありがたいことに、ほとんどの園児が、10月31日のホワイトきゃんばす最後の瞬間まで、残っていただくことになりました。他の認可外保育園への転園協力をいただいておりますが、1歳・2歳児の転園が狭き門になっています。引き続き、行政から情報をいただきながら、保護者とは最善の対応を進めています。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、10月31日まで、全力で子どもたちの笑顔のために進んでいきます。今日のところは、大事なご報告をさせていただきました。

2024年

8月

10日

スーパーストロング蚊

お盆休み前、最後の保育園です。今日も小学生が6人集合しました。お昼寝タイムは、図書館で本を読みながら涼をとります。外で遊ぶには暑すぎますね。もちろん、午前中は、屋上プールで思いっきり外遊びです。5歳男の子の危険なジャンプに影響を受けて、小学生がすべり台の上から、果敢にジャンプです。普通は、小学生から園児が影響を受けるのですが、5歳男の子の運動能力は半端なく、今日は逆でした。(笑)

 

さて、人間の命を最も多く奪っているのは、蛇などを上回り、蚊です。死者は年間78万人もあり、マラリアやテング熱などの感染症を媒介するからです。

 

日本人の蚊との戦いは、奈良時代にさかのぼります。万葉集の和歌に「蚊火」という言葉が残されています。蚊帳(かや)やヨモギの葉、ミカンの皮をいぶして煙で追い払う蚊遣火(かやりび)でしのいできました。ただし、煙たい割には効果は薄かったようです。歴史を変えたのが、夏の風物詩にもなった緑の渦巻きです。あの蚊取り線香ですね。

 

蚊取り線香に含まれるピレスロイドは、蚊などの昆虫の神経を麻痺させるものの、哺乳類や鳥類は体内ですぐに分解されるためにほぼ無害です。最初は棒状だった蚊取り線香は、わずか40分で燃え尽きたそうですが、渦巻き型に改良されると6時間以上持つようになります。現在は、スプレー式や液体にしたリキッド式など多様な商品が販売されていますが、やはり、一番愛着があるのは「蚊取り線香」ですね。

 

そんなピレストロイドが効きにくい「スーパーストロング」な蚊が出てきたそうです。ベトナムとカンボジアで、通用の蚊に比べて、ピレストロイド系の殺虫剤に1000倍強いそうです。カンボジアでは、すでに約7割がスーパーストロングだそうです。こうなると、新型ウイルスに対するワクチンと同じで、殺虫剤の世界もいたちごっこですね。

 

「蚊」をけしからんと思ったあなた。実は、「痛くない注射針」の研究に、蚊の針が応用されています。蚊に血を吸われても、なかなか気がつかないのは、皮膚の神経を刺激しないほど針が細く、回転させながら刺すことで皮膚がたわまないためだそうです。蚊の唾液には、鎮痛成分も入っているとのこと。もう、注射針としては完璧ですね。

 

現在では、世界最小となる直径0.09ミリの注射針が日本で開発され、少量の血液を採取することに成功したそうです。糖尿病の血糖値を計測するためには、血液がごくわずかでもよいので、まもなく実用化される見込みです。

 

どうですか、人間は蚊にやられているだけでなく、ちゃんと蚊の特性を盗んでいるようです。お互い様ですね。

2024年

8月

09日

これからの転勤や配属の形

スイカ割りでは、今までプラスチックのバットを使用していたのですが、子どもたちの力ではなかなか割れません。そこで小さい園児には、木のバットを使いました。すると、最初の2歳児女子が、いきなり割ってしまいました。なかなか難しいですね。でも、スイカを食べる子どもたちの顔は、幸せに満ちています。

 

さて、関西在住のある家族の話です。小学生2人を子育て中の50代の夫に、突如、東京転勤辞令が出ました。これには、家族の帯同が前提でした。地元の小学校講師をしていた

40代の妻は、なぜ、夫の会社辞令のために今の仕事を辞めないといけないのか、子どもたちも転校を余儀なくされることに納得せずに、「私は仕事を辞めたくないから東京へは行かない」と大喧嘩に・・・すると、「じゃあ、しょうがないから単身赴任する」と言い出す夫に、「会社の辞令を拒否するという考えがない。昭和脳に洗脳されている」と妻の戦いが始まります。

 

「辞令を断ると会社に居づらいようなら辞めればいい。私がフルタイムで働いて家計を支える」と夫を説得したのです。夫は、家族のために転勤を断ります。しかし、その後管理職から降格し、給与も大幅減額されたのです。

 

私も、「昭和脳」にどっぷり浸っていたので、会社辞令を断ることなど考えられませんでした。しかし、今年4月のエン・ジャパンの調査では、転職辞令を受けた場合、「承諾」は8%にとどまり、「条件付きで承諾」が42%、「条件に関係なく拒否する」が21%だったそうです。実際に転勤辞令がきっかけで退職に至った人が3割もいるそうです。

 

もう、終身雇用で会社に守られる時代ではなくなったこともあり、個人のライフプランやキャリアを度外視してまでも、会社に安定を求める働き方は、成立しづらくなっているのです。逆に、内示を断れば降格・減給させるという会社も、今の時代にはふさわしくないのです。

 

う~ん・・・冷静に考えると、働く個人が尊重される世の中が、いいに決まっています。これからは、会社も個人も選択肢を増やしていくようにする必要がありますね。例えば、異動の辞令を出すときに、会社は、異動によってどんなキャリア形成の道が開けるのかを、異動しない場合と比較して丁寧に説明し、あくまでも選択肢は働き手本人にあることを伝えなければいけませんね。

 

私の営業職時代は、店舗のリーダーやスタッフの人事異動を決めた時は、辞令というよりも、ほぼ命令に近い感覚で行ってきました。今の時代では、全面的にNGですね。

 

会社が強く、個人が弱い立場だった「昭和」から、個人と会社の双方が対等に関与し合う「令和」の姿が、当たり前なってきたのかもしれません。私も、頭を切り替えないといけませんね。

2024年

8月

08日

火星の人

今日のプールでは、屋上ファームで収穫したスイカとトマトを食べました。このところ、毎日スイカを食べているのですが、園長がスイカを切り始めると、きれいに一列に並ぶ園児たちです。チビちゃんが割り込みをすると、「○○ちゃん…後ろに並んで!」と指導する年長園児です。(笑)

 

先日、中国が月の裏側のサンプル採取に成功したというニュースがありました。月は、私たちが日常、目で観察できる場所ですが、資源の面でも宇宙開発の面でも重要な拠点です。月に移住することができて、そこで宇宙船の建造を行えば、大気圏を突破する必要がなくなり、コスト面でも安全面でも効率が良くなります。宇宙のことを考えると、どんどん夢が広がっていきますね。

 

今日は「火星の人」という本を紹介します。この小説は、「オデッセイ」として映画化されたので、こっちのタイトルの方が有名ですね。2035年の火星を舞台に、不慮の事故で一人火星に取り残されてしまった青年が、いかにして生き延び、地球に生きて生還できるのか・・・その過程を描いた作品です。

 

よく、ジャングルでのサバイバル生活をテレビなどで見ることがありますが、宇宙空間は、人類の生存には適さない過酷な環境です。水がない、酸素がない、食糧がない。主人公のマーク・ワトニーは、地球から遠く離れた火星で、通信手段もない中、生きるための孤独なミッションを始めます。幸いワトニーは、植物学者であり、メカニカル・エンジニアであったため、不毛の土地の火星の土壌に植物を根付かせることに成功します。

 

一方、地球のスタッフや既に帰還の途上にあった同僚たちが、主人公の生存を知って取る行動は、組織やリスクをマネジメントする観点からも参考になります。もちろん、一人の主人公を助ける判断をします。

 

人間という生き物は、クマと戦えばやられてしまいますし、海の中でホオジロザメのような獰猛なサメに出会えば、食べられてしまうでしょう。人間が一番多く死ぬことにつながる生き物は「蚊」です。そんな、弱い人間が生き延びていけるのは、人類がこれまでに積み上げてきた知識をベースに、頭を使って考えることができるからです。

 

「火星の人」は、人が生きることへ希望を捨てない姿に感動し、宇宙という果てしない世界にロマンを感じるのです。心が弱くなった時に、前向きにさせてくれる作品です。

2024年

8月

07日

ゾンビトレイン

 ボランティアのパパから大玉スイカの差入れです。プールの中で冷やしていたのですが、屋上に着いた子どもたちが、スイカを発見。ぐるぐる回したり叩いたりしていると、せっかくのスイカにひびが入ってしまいました。子どものあるあるです。スイカ割りはできませんが、おいしくいただきました。

 

さて、子どもに教えたい素敵な言葉を見つけました。

つまづいた人を笑うな 

歩もうとしたからつまづいたんだ

歩もうともせぬものが笑うな

 

次は、中学生以上の子どもたちへのメッセージです。少し複雑な気持ちになります。 

「みなさんが世界を変えようとするとき、自分の夢をかなえようとするとき、周囲の大人たちが応援してくれるとおもったら大間違いです。大人たちが応援するのは、自分の地位を脅かさない若者だけ。つまり、『世界を変えない若者』だけです。大人たちからすれば、みなさんの手で世界をかえられることは、大変迷惑なのです」

さて、あなたなら、このメッセージをどのように子どもに伝えますか。

 

今日は、群馬県・栃木県を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」(国鉄時代の足尾線)で、大好評の「ゾンビトレイン」の話です。

 

この列車に乗り込むと、出発前から怪しげな音楽が大音量で流れてきます。車内アナウンスも流れているようですが、よく聞きとれません。一度は静かになった車内。発車から間もなく、黒いカーテンから大声で何者かが客室へむかってくる。「いきなりゾンビ」かと思いきやそうではなく、白い服を着た人物は、乗客を安心させる言葉を掛けます。次の瞬間、恐怖に陥ります。ゾンビ集団が車両を占拠。大声を上げ続けます。乗客からも悲鳴が・・・。

 

こんな感じで、「90分降りられない…お化け屋敷」が始まるのです。ゾンビメンバーは、プロのスタッフの他に、地元の高校生がボランティアで出演します。演劇部員やダンス部員が、ゾンビに扮するのです。

 

このゾンビトレインは、昨年大好評につき、今年は、6月2日から9月1日までの土日で合計9日間運行されます。料金は、大人3500円・子ども(小学生以下)2000円です。今後の予定列車は、ほぼ満席という大人気だそうです。

 

「わたらせ渓谷鉄道」は、元々、足尾銅山からの物資を運び出していた国鉄路線で、銅山が閉山となった昭和48年の前後から、利用状況が低迷し、第三セクターとして運行を続けることになりました。渡良瀬川沿いを走る景色は、最高に美しいのですが、それだけでは、観光客は呼べないということです。

 

先月の「おやじ旅」で、南阿蘇鉄道に乗車し、沿線住民の鉄道愛を感じたところですが、この「わたらせ渓谷鉄道」も、鉄道会社が、お客様を喜ばす企画を出し、地元高校生を巻き込んでの取り組みは、地方ローカル線経営のヒントになりますね。

 

この夏休み、家族で「ゾンビトレイン」・・・記憶に残る素敵な旅になりそうです。

2024年

8月

06日

スマホ所持で「読書せず」

今日の寺子屋は、カブトムシの卵の観察です。7月から飼い始めたカブトムシが、天国へ旅立ちました。子どもたちは、「もう死んじゃったの?」といった顔をしていますが、昆虫の命は短いのです。ホタルは2週間しか生きられません。腐葉土が入った水槽を見つめる子どもたち・・・「カブトムシは、死んで天国に行ってしまったけど、大切なものを残してくれました。何だと思う?」と聞いてみると、年長男子が、すぐに「うんこ!」と答えます。想定内の発言ですね。(笑)

 

年中女子が、小さな声で「たまご」と答えました。彼女は、つい1年前までは、大の虫嫌いで、カブトムシなど触れませんでした。それが、カブトムシも芋虫のようで気味が悪い幼虫も平気で触れるようになりました。まさかの「大正解!」です。そして、土の中から卵を発見すると、米粒を1/3にしたくらいの大きさに、「こんな小さいんだ!」と、新たな発見があったのです。

 

もう一つ、6歳男の子が、クサガメの里親になりました。どちらかというと、パパが飼う気満々なのです。クサガメは長生きするので、男の子が20歳になっても元気で大きくなっていると思います。

 

さて、大手進学塾「栄光ゼミナール」の調査で、スマホを持つことで、読書をしなくなる子どもが、小中学生と上がるにつれて増えることがわかったそうです。塾に通う小学1年生から高校3年生の子どもを持つ保護者約2000人にアンケートを行った結果、「現在、習慣的に読書をしている」との回答割合は、小学生66%・中学生55%・高校生32%と、だんだん減っていく傾向は従来通りですが、「子どもが習慣的に読書をしていない」と答えた保護者にその理由をを尋ねると、マンガやテレビ、ゲーム、タブレット端末利用が一番多く、次いで習い事や部活などが忙しいが続き、「スマートフォンを持つようになり読書をしなくなった」と答える保護者が目立ったそうです。スマホの所持率が低い小学生では4%ですが、中学生27%、高校生28%と差が出る結果です。

 

人は、誰でも平等に1日24時間が与えられていますので、スマホを使う時間が長くなれば、当然他の時間が削られることになります。読書時間が削られるのは、睡眠時間が削られるよりもましと考える人が多いのかもしれませんが、今日8月6日の広島原爆の日に、スマホでゲームやラインをしている時間があったら、戦争や原爆に関する本を読むことに

時間を使って欲しいと思う、昭和のおやじです。(笑)

2024年

8月

05日

大丸百貨店

お盆はとかく人が多いので、先週末に早々に田舎のおじいちゃんおばあちゃんと過ごした園児が何人かいました。保育園の子どもたちのおじいちゃんおばあちゃんは、まだ若いので、たくさん遊んでもらいます。そして、今日は初めてプールボランティアに挑戦するパパが頑張りました。毎日、ボランティアのパパママが来てくれるので、子どもたちは、会話までも楽しんでいます。初めての場合は「誰のパパ?」と質問攻めです。(笑)

 

さて、今日は百貨店の話です。大丸百貨店社長、大丸と松坂屋が統合して誕生したJフロント社長などを経て、この5月に第一線を退いた山本良一さんの営業改革を振り返ります。

 

私の前の仕事は、百貨店に出入りする洋菓子メーカーでした。営業として、バイヤーや食品部長、食品課長相手に、話術もプレゼンテーションも簡単にいかない得意先の一つが、大丸百貨店でした。大丸は、関東には東京駅にしかないのですが、商談の前には、「相手がこうきたら、この作戦で切り返す」など、しっかりとイメージ戦略を行った記憶があります。やり手の食品課長の誕生日に「あなたは、将来の大丸を担うキーマンになるから、このキーケースをプレゼントします」とダジャレのような作戦が成功したこともあります。その課長からは、一気に信頼を得ました。しかし、食品部長からは、ケース1台あたりの販売効率が悪いとボコボコに言われ、販売ケースを1台減らされたこともありました。このときは、どんな理論武装も通用せず、完敗でした。(笑)

 

こんな大丸の風土を作り上げた男が、山本良一さんです。山本さんは、1998年に当時の大丸社長から「営業改革をやれ。最大の顧客満足を最少のコストで実現するため、すべての業務を見直せ。3か月で計画を作り、5月中旬に店長会議があるから、そこへ出せ。後はお前に任せる」

 

当時、百貨店業界は、高コスト体質の代表です。百貨店以外の業種、専門店などの台頭から、もう、百貨店は生き残れないのではという危機的状況でした。

 

山本さんは、長い間百貨店は「勘と経験と度胸」という古い考え方に依存してきたと言います。そこで、納得できるデータを集めるために、管理職・売場リーダー・販売員ら全員に、1日に使っている時間をアンケート調査したのです。「あなたは何時に出勤し、最初にやることは何ですか?」「それを何分やりましたか?」「接客は何時間しましたか?」「会議は何分ありましたか?」という具合に、1日の接客、食事、会議などの時間を1か月分出してもらったのです。

 

百貨店で最も利益を生むのは販売です。ところが、販売にかけている時間は、1日の半分しかなかったのです。会議や伝票書きなどの仕事が多く、その総コストは70億円にもなり、当時の利益が40億円だったので、仕事のやり方を変えれば最大で110億円の利益になると試算したのです。

 

そこで「販売に時間を割き、お客様が自分に関係ないと思う仕事はアルバイトでいい」とし、婦人洋品雑貨の売場をモデルに1年間やってみると、接客時間が9割も改善した人も出て、半年で業績が上がります。

 

そんな改革を行いながら、2003年の誕生日に社長に呼ばれます。「プレゼントかな」といってみると、社長就任の打診でした。ここに、役員経験のない、12人抜きの社長が誕生したのです。業界では、ちょっとしたニュースになりました。

 

世の中には、様々な業界があり、企業があります、改革のやり方は、それぞれ違うのでしょうが、小林さんは、「この仕事は、お客様にとって必要なこと?」というモノサシで改革を進めたのです。

 

あなたが、企業などの組織に属しているのなら、自分のモノサシを正しく作り、正しく使うことで、その改革は進められるのでしょう。時々、「今のままでいいの?」を考えることが大切ですね。

2024年

8月

04日

ドクターイエロー後継なき引退

ドクターイエローが引退してしまうことは、ご存じですね。JR東海が2001年に投入した4代目のドクターイエローが来年1月、JR西日本が2005年に投入した5代目は2027年に引退します。4代目も5代目も2020年に引退した新幹線の700系をベースにしたもので、270キロでの検測が可能になり、営業時間帯でのダイヤ設定もたやすくなりました。現在は、4代目、5代目の2編成が交互に、約10日間に一度のペースで、東京と博多間を2日間かけて往復しています。

 

「見れば幸せになる」と言われるのは、時刻表に載っておらず、いつ走るのかは非公開であることと、頻繁に運行していないので、遭遇する機会が少ないからです。いつからか「幸せの黄色い新幹線」と呼ばれるようになりました。

 

ドクターイエローは、新幹線のお医者さんと言われるように、「新幹線電気軌道総合試験車」が正式名称です。例えば、1号車は「電気検測室」で、無線や信号などに異常がないかをチェックしています。4号車は、レールのゆがみや上下、左右の高低差などを0.1ミリ単位の精度で検測します。こうして、1号車から7号車まで、それぞれに役割があります。

 

引退の理由は、「車両の老朽化」です。新幹線車両の耐用年数は20年余りと言われる中で、4代目はすでに20年を超えています。鉄道ファンの間では「ついに来るべき時が」という声も上がっていました。

 

では、新しいドクターイエローが登場するの?と思う人も多いでしょうが、後継車両はありません。営業車両で、ドクターイエローと同等以上のデータ検査ができるそうです。つまり、現実的な話をすれば「引退は老朽化を機としたコストダウン」です。年間、数十億円のコスト削減となるようです。

 

ということで、ますます「ドクターイエロー」は、幻のヒーロー感が増しているのです。ネットでは、運行予測なるサイトもありますが、「偶然」出会うことが、幸せを呼ぶことになるのかもしれませんね。

 

ちなみに、JR東日本の新幹線では、ドクターイエローは走っていませんが、「イーストアイ」が、その役割を果たしています。こまち号のE3系をベースとする赤と白の検測専用車両です。こちらも、運行日程が公表されていないために「幻の新幹線」呼ばれています。

 

夏休み・・・お子様と一緒に「ドクターイエロー」「イーストアイ」に出会えれば、「幸せになれるぞ!」と根拠があいまいな呪文を唱えましょう。(笑)

2024年

8月

03日

男性向け育児書

今日は土曜日ということで、大きいプールにすべり台を設置して、大スライダープールにしました。すると、小学生が、ただの大ジャンプではなく、ひねりを入れてのジャンプで魅了します。完全にオリンピックの体操を意識しています。(笑)

 

さて、私のような昭和世代の前から、ずっと「子育てマニュアル」のような育児書はたくさんありました。私も~一杯のチョコレートから「子どもたちの笑顔」へ~という育児書を出しました。(売れなかったですが・・・笑)1つの考え方としては、子ども一人一人個性があって違うのだから一律のマニュアルでは解決策にはつながらないことが多いですね。そして、どちらかというと、ターゲットは母親という本が多いです。

 

しかし、最近では、男性向け育児書の出版が相次いでいるそうです。具体的な内容は、産前産後の女性の心と体の変化や妻とのコミュニケーションの取り方などを解説する内容だそうです。母親に比べて、父親は子育ての悩みを周囲と共有できず、孤立しがちといいます。私も父親ですので、とても分かります。夫婦が協力して子育てをするコツをまとめた本も出てきました。

 

ある調査では、2歳までの子を持つ区内在住の父親を対象に「子育てで精神的な不調を感じたことがあるか?」の問いに1557人が回答し、約4割が「ある」と答えたそうです。「男性育休の社会学」の著者である甲南大学教授の中里英樹さんは「共働きが増え、男性も家事や育児の分担が求められるようになった。これまで女性が悩んでいた、子どもの世話や夫婦関係、仕事との両立などに男性も悩むようになり、解決できる情報が求められている」と話します。

 

もっと進んだ内容では、「子どもが発達障がいだと分かったとき パパがやること全部」とう本もあります。著者の長女が、3歳で発達障害と診断されてから社会人になるまでの経験をもとに、夫婦間の協力や学校、医療機関との関わりなど、幅広い内容になっています。

 

保育園ホワイトきゃんばすのパパは、第2子誕生で、長期休暇や育児休暇を取得するのが当たり前になっていますが、男性が、もっと子育てを楽しむようになり、夫婦の行き違いのミゾを埋めるためにも、男性向け育児書が必要になっていくのでしょう。

 

少子化対策のキーマンは、実はパパなのかもしれませんね。

2024年

8月

02日

個別最適化の宿題

8月25日に、保育園ホワイトきゃんばすが入るショッピングセンターのフードコートで、地域の商工会が主催する「夏休み おわりの 小さな 夏まつり」が行われます。何と、そのトップバッターに、保育園ホワイトきゃんばすの園児が登場します。うた「にじ」とダンス「やってみよう」で、のっけから盛り上がる演出です。

 

朝の会で、練習をしています。本番ステージにはピアノがないので、カラオケバージョンのCDで「にじ」を歌います。実は、この歌は、2歳児がとても上手なので期待してください。ダンス「やってみよう」は、今すぐにでも本番で大丈夫です。今は衣装をどうするかを決めているところです。

 

さて、今日は宿題の話です。将棋の藤井聡太さんの有名な話があります。彼が中学生の時に、「授業をきちんと聞いているのに、なぜ宿題をやる必要があるのですか?」と発言したそうです。その後、担任が宿題の意義を説明して、納得した後は取り組んだそうですが、将棋の世界ですでに自律した考えを持っていた藤井聡太さんらしい発言です。本音は、宿題をやっている時間ももったいない。少しでも将棋の時間を作りたと考えていたかもしれません。

 

そもそも、宿題は何のために行うのでしょうか。答えは、1つではありませんね。家庭学習の習慣付けもあるでしょう。予習的な宿題は、次の授業につながる大切な学びです。逆に復習的な宿題は、習熟度が大きくアップします。自分の得手不得手が分かるようにもなるし、勉強をやり遂げる習慣がつきます。とにかく「自分で考える」ことにつながりますね。日本以外の国では、夏休みに日本のようにたくさんの宿題が出る国はありません。日本は、宿題大国とも言えるのです。でも、宿題の意義を考えれば、決して無駄なことではありませんね。

 

しかし、これからは、「みんな一斉に、同じ量の宿題」を出すことは、いかがなものか?と思います。個別最適化の宿題を考えると、同じ量の宿題を課すことが必ずしも平等とは限りませんね。

 

小学生の夏休みの宿題は、減る傾向にあるだけでなく、選択することも多くなってきました。「あなたがやりたい課題を選択しなさい」という流れです。私が、子どもの頃は、宿題は問答無用でやらねばならないもの。宿題をする意義など、これっぽっちも考えたことはありませんでした。でも、これからは、課題を出す側の大人が、個別に宿題の量も質も考えないといけないのでしょう。

 

こうなると、先生は大変ですね。「じゃぁ~宿題の強制をやめてしまおう!」とすれば、まったくやらないで、学習への理解が進まなくなってしまいます。個別最適化という言葉は、とても大切な考えですが、とても難しいのです。

2024年

8月

01日

小学校の水泳授業

昨日、屋上ファームで収穫した小玉スイカをキンキンに冷やして、スイカ割りを楽しんだ後に、みんなで食べました。スイカの実が大きくなり始めた頃に、カラスに食べられたものの、10個収穫しました。味の方は、文句なしで「甘くておいし~い」です。子どもたちは、笑顔でバクバク食べています。こんな感じで、保育園のプールは、遊びがたくさんあって、「水泳指導」 のようなガチガチのプログラムはありません。しかし、小学校の水泳となると、「遊び」中心というわけにはいきませんね。

 

全国の小学校で、プールの老朽化が進み、対応に苦慮しています。そもそも、小学校の水泳は、学習指導要領で必修となっていますので、「うちは水泳やりません」というわけにはいきません。必修になった経緯は、1955年に四国の高松と宇野を結ぶ宇高連絡船同士が衝突し、修学旅行中の小中学生ら168人が犠牲になった沈没事故をきっかけに、水難事故で命を落とさないよう、学校での水泳指導を求める声が高まったためです。

 

1960~70年代には、学校プールの整備が進み、現在は、この時期に造られたプールの老朽化が顕著になっているのです。2018年時点で、設置後30年以上経過したプールがある小学校は、約4割もあるそうです。

 

設備の老朽化だけでなく、各地で相次いでいるのが、プールの注水を巡るミスです。福島県では、6月に小中学校それぞれで3日間にわたって水を流し続けたと発表。昨年5月には、川崎市で6日間にわたって水を注ぎ続け、市が水道代など190万円の半額を教員と校長に請求しました。同情するわけではありませんが、学校のプールは、夏場だけでルーティンワークでもありません。人がやることですからミスもあるでしょう。

 

そして、一番の問題は、教員が、水泳授業の安全面への不安を訴えてることです。すべての先生が水泳が得意なわけではありませんね。「水泳指導」は、ハードルが高いのです。そして、「子どもたちが不規則で動く自由時間は、目が行き届きにくく、危険を感じる」といった声が上がります。

 

こんなこともあって、近年は、自校以外で水泳授業を行う動きが広がっています。東京都葛飾区では、22年度からスイミングクラブなどの外部施設で水泳授業を始めました。今年度は、区立小学校全49校中、26校が外部施設を利用しているそうです。室内のプールを利用するので、夏場に限らず、年間を通じての水泳指導が可能になります。クラブのインストラクターは、指導のプロですね。

 

また、葛飾区の教育委員会では、こんな試算が出されました。学校のプールで水泳授業を行う場合、1校あたりの建設費や維持費、改修費は80年間で約6億1600万円かかるものの、外部委託で行う場合は約4億600万に円にとどまるといいます。

 

どうですか・・・そろそろ、国が小中学校の水泳指導のありかたをきちんと示す必要がありますね。子どもたちは、安全に、楽しく、かつ水泳が上手になりたいと思っているのです。

2024年

7月

31日

いつか死ぬなら絵を売ってから

クサガメのベビーが誕生しました。カメ池の陸地に産んだ卵を採集して保護しています。ざっと20個くらいの卵を保護していますので、たくさんのカメベビーが生まれそうです。今年も「里親募集」を行います。生まれたばかりのクサガメの飼い方を教えますので、どうぞチャレンジしてください。クサガメは、おとなしくて育てやすいカメです。

 

さて、今日は「いつか死ぬなら絵を売ってから」というコミックを紹介します。主人公の一希は、若くして住む所がないネットカフェ難民です。ビルの清掃をしながら日銭を稼いでいます。一希の心のよりどころは、幼いころから続けてきた絵を描くことです。

 

そんなある日、一希の作品を見たビルのオーナーが、一希の作品をアート市場に売り込もうともくろみます。一希は、不安に思いながらも、次第に絵を通して自分が社会に認められることの喜びを感じていくのです。

 

この作品は、社会的格差などの権力構造に対する批判的な視点が根底に貫かれています。それは、「窓」というモチーフを通して描かれます。一希は児童養護施設で育ちました。幼少期から施設の「窓」の向こうにある「家族・お金・学歴・人脈・機会」など、さまざまなものを持つ人たちのことを、自分とは異なる立場の人間だと捉えていました。しかし、アートの世界とつながる機会を得た一希にとっての絵は、「窓」を超えて他の人とつながる回路だったのです。そして、「価値を与える者と与えられる者」という力関係に疑問を持ち続けます。

 

哲学者のハンナ・アーレントは、この世界には「複数性」が必要だと説きます。それは、人々が自らの視点を何らかの形で表現し、それを世に出して対話することにより、自分と異なる他者性と出合い、世界がより豊かになっていくという考え方です。アートを通した一希の挑戦は、まさにこの「複数性」につながることですね。

 

保育園という集団生活は、他の園児から大きな影響を受ける環境にあります。まさに「複数性」が働いています。違いを認め、個性を尊重するこれからの時代は、保育園、幼稚園、小学校とう環境の中で、複数性を意識した取り組みが大切になってきます。

 

「みんなと一緒が安心」という考え方は、無くなっていくのでしょうが、この考えもまた、否定してはいけないのです。

2024年

7月

30日

世界に目を向ける授業

昨日、さっそくサマーキャンプのDVDを見た年長園児保護者は、「百聞は一見に如かず」で、子どもたちの活動の様子を見て、「こんなに頑張ったんだ!」と、あらためて我が子の成長を感じたようです。「先生の話を聞いていない・・・友だちとトラブル・・・食事の時に肘をつく・・・」と我が子のダメ出しを嘆くママも。でも、プラスマイナスでも100点ですね。(笑)

 

パリオリンピックが盛り上がっていますが、「パリ大会では、どんな環境に優しい取り組みがされているかな?」と、小学校6年の総合学習の授業で担任の岩本先生が問いかけます。児童からは、「元からある施設を使う」「プラスチックゴミを減らすため、ペットボトルの持ち込みが禁止されている」などの答えがあがります。この授業のテーマは「オリンピックは何のために行われるのか」です。答えが一つではないですね。子どもたちが考える授業です。

 

岩本先生は、普段から国際理解を深める授業を行っています。社会で食料生産を学ぶ単元では、児童が持ち寄った食品ラベルを世界地図に貼って示します。国語で戦争を題材にした教材を使う時は、ウクライナ情勢に触れます。子どもたちに、「世界の問題を『自分ごと』として考えてほしい」からです。

 

岩本先生の原点には自身の体験があります。長野五輪のとき、5歳だった岩本さんは選手村の近くに住んでいて、千代紙でおひな様を作り、散歩する外国人選手にプレゼントしたそうです。喜んで受け取ってくれた選手が印象に残っています。お返しにもらったフランス国旗がついたキーホルダーは今も宝物だそうです。小学校6年の時に、1990年代の内戦で20万人が死亡したボスニア・ヘルツェゴビナへ現地訪問団として加わります。子どもたちは明るく「自分と変わらなかった」けど、街に出ると屋根と骨組みだけの建物があり、「明るさと現実の厳しさ。復興と爪痕。交流は楽しかったが、強烈な体験だった」と振り返ります。

 

やがて進んだ信州大学の図書館で手に取った本にはこんな一文があったそうです。「教育で世界は変えられる」この時、教師となって子どもたちの成長に携わりたいと思ったそうです。

 

岩本先生は、長野五輪のおかげで、世界に近づく経験ができました。世界に目を向けてくれるような授業を実践していくことで、教え子たちがより良い世界を作る一員になってくれることを楽しみにしているそうです。

 

やはり、子どもの頃に体験・経験した出来事は、大げさな言い方ですが、人生に大きな影響を与えるのです。サマーキャンプを経験した保育園の年長園児たちも、何かをつかんでくれたらうれしいですね。

2024年

7月

29日

ウルティモ・ドラゴン

今日の年長園児の連絡ノートには、保護者の皆様の感想がびっしりありました。うるさい息子が家にいないんで、ゆっくり過ごそうと言っていたママも、結局は「今頃何しているかしら?」と落ち着かない時間を過ごしたようです。母親の気持ちは、こんなものですね。

 

今日は、57歳の現役プロレスラーの話です。私の趣味の世界ですみません。メキシコ政府から、プロレス文化を広めたことで表彰されたウルティモ・ドラゴンこと、本名は浅井嘉浩(あさいよしひろ)日本人です。新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級チャンピオンにもなった実力者です。

 

彼のプロレス人生は順調ではありません。初代タイガーマスクこと佐山聡を見てプロレスラーになろうと思った少年は、高校卒業後新日本プロレスの入門テストを受けます。体力テストはクリアするも履歴書に178センチと身長を記入していたことがばれてしまいます。実際は170センチしかないので、体が小さいことで不合格となります。しかし、その熱意が認められ、新日本プロレスの鬼コーチ「山本小鉄」に道場での練習を許されます。「小鉄の内弟子」というポジションで、メキシコの団体、UWAでレスラーとしてのスタートをきるのです。

 

デビューして3年後には、日本に「逆上陸」を果たします。メキシコ仕込みのスピードと空中戦を組み合わせた攻撃はファンに支持されます。ウルティモ・ドラゴンはスペイン語で「最後の龍」という意味です。日本だけでなく、アメリカリングでも大活躍します。

 

選手として戦うだけでなく、1997年にはレスラー養成学校「闘龍門」をメキシコに開設し、10年間で約200人を指導します。要件不問の道場だったので、小柄で非力な若者も集まります。「力が弱ければ世界一弱いレスラーとして、お客さんを喜ばせろ」と声をかけ、個性を引き出します。

 

「日本で不合格になった若者をメキシコは受け入れてくれた」と、表彰後レスラー浅井嘉浩は語ります。現在も57歳で現役レスラーですが、将来の引退試合は初めてリングに立ったメキシコで行うと決めているそうです。

 

メキシコは、プロレスが国民的娯楽で、「ミルマスカラス」「ドスカラス」「エルカネック」「エルサント」など、皆さんも聞いたことがあるビッグネームのレスラーが世界でも活躍してきました。休日には、メキシコ市内だけで30くらいの興行が行われるそうです。神父さんがプロレスラーだったりします。

 

浅井嘉浩こと「ウルティモ・ドラゴン」の名前だけでも覚えていただければ・・・。

2024年

7月

28日

2024年サマーキャンプ 2日目

昨夜の子どもたちとのミーティングでは、「明日は朝6時に起きるよ」に、「いつもより早~い!ムリ~!」と言っていた子どもたちですが、朝の5時30分には、5歳男の子が「えんちょうせんせい・・・おはよう」と声をかけてきました。それにつられるように、全員6時前には起床です。非日常のサマーキャンプでは、子どもたちは早起きになるようです。

 

朝の散歩は、「ゴリラ山」登山です。登山口には、金太郎石があって、ネズミ・キジ・たぬき・猿などだんだん石が重くなり、最後はクマです。子どもたちの力自慢大会が勝手に始まりました。「マッチョマン」を名乗る6歳男の子は、普段は無口でおとなしいのですが、「俺が持ち上げてやる!」で気合いが入ります。ゴリラ山の頂上から、「ママ~パパ~」と大声で叫ぶ子どもたち・・・ビデオ撮影用の演出です。(笑)もちろん、泣いている園児はいません。

 

部屋の掃除は、掃除機ではなくほうきを使います。子どもたちも挑戦しました。「畳の目にそって掃くんだよ」は、なかなか難しかったですね。朝食をしっかり食べて、今日の目的地に向かいます。「東秩父村」にある、ミラクルズで、着物の端切れを使って、フォトフレームを作りました。お楽しみは、全員浴衣姿になって記念撮影です。店の前で記念撮影が始まると「何だ何だ!」と東秩父の村人たちがやってきます。ここでも、子どもたちは、しっかりと自己アピールができたようです。

 

2日間、子どもたちは充実した時間を過ごしてきたので、東秩父を出発すると、園児全員が静かになりました。全員熟睡です。「アイスを食べる」約束をした、途中の道の駅まで、園長は、かすかに聞こえる園児たちの寝息を聞きながらの運転です。(笑)

 

保育園に到着し、パパママとの再会で、前日ママとの別れに涙した5歳男の子は、ママに抱き着いていました。でも、その顔には、「やりきった」という自信があります。たった1泊ですが、大きな成長を感じるシーンでした。

 

8人の子どもたちの個性を尊重しながら、「集団生活」におけるルールや行動を学んだ子どもたち・・・そして何より、多くの経験が子どもたちの自信や勇気につながったと思っています。仲間と同じ屋根の下で、同じ釜の飯を食べて得たものを今後の保育園生活や4月からの小学校生活にも生かしてほしいですね。

 

2日間、子どもたちの合宿を見守っていただいた保護者の皆様。子どもたちから多くの話を聞いたことでしょう。本当に、あらゆるシーンで全力で頑張った子どもたちです。我が子を大いに誇りに思ってください。ご協力、本当にありがとうございました。

2024年

7月

27日

2024年サマーキャンプ 初日

いよいよサマーキャンプの朝を迎えました。8人の年長園児が全員元気に集合します。実は、5歳男の子が、家を出る時に「ママと別れるのが寂しい」と涙を流したそうです。それでも、ママは、息子に冒険をさせることを選択しました。もちろん、この選択は間違っていませんでした。

 

今日のメインは、嵐山渓谷での川遊びです。月川荘キャンプ場は、まさかの外国でした。ホワイトきゃんばすを含む日本人のチームは3組だけです。パキスタン系のグループは、スピーカで国の音楽を流しながら、太鼓のような楽器を叩いて盛り上がっていました。バーベキューでは、エビだらけです。中国系のグループは、焼きとりの生肉を串に刺すところから手作りで、おいしそうでした。そんな異国ムードの中で、子どもたちは、「俺たちを見ろ!」と言わんばかりの自己アピールです。

 

多くのギャラリーの前で、岩からの大ジャンプを見せてくれました。男子2名は、驚くべき跳躍力です。思わず拍手をもらっていました。最初は、怖くてガタガタ震えていた園児も、全員岩からジャンプをクリアーです。自らの勇気と、仲間からのエールで大きな壁を乗り越えたのです。泳ぐ方も、園長が深いところまで連れて行って、ライフジャケットの浮力を使って上手に泳げるようになりました。

 

ママが作ってくれたおにぎりは、「お腹がすいた!」で11時に食べ始めました。焼きマシュマロも火を起こすところから始めます。そのまま食べてもおいしいですが、ビスケットにサンドして、味変を楽しみます。激流を流れたり、川石の裏に住んでいる生き物観察もしました。大満足の川遊びです。

 

プラネタリウムは、川遊びで疲れた子どもたちが睡魔に襲われてしまうのでは・・・と思ったのですが、集中して鑑賞できました。「ヤドカリ君星を見る」は感動の大作です。

 

夕食とお風呂タイムでは、子どもたちのチームワークというか、絆というか・・・そんなものが少しずつ大きくなっていきます。普段の保育園生活では得ることができないモノを少しだけですが、子どもたちはつかんでいるようです。

 

夕方から小川町も凄い雷雨となりました。星空観察は中止となってしまいましたが、花火は雨が上がって楽しむことができました。今回多くの園児が、「花火初体験です」5歳男の子は、火花が出ると、びっくりして花火から手を放してしまいました。でも、2本目からは大丈夫です。

 

川で拾った石に絵を描きました。三角形の石は「おにぎり」となり、細長い石は「新幹線こまちやはやぶさ」に姿を変えていました。子どもたちの創作意欲が大きくなります。しかし、今年の年長園児は、部屋の中ではじっとしていません。側転に逆立ちと技の共演から鬼ごっこで走りまわっています。こんな感じで、呆れるほど体力をつかった子どもたちは、夜の9時過ぎにはぐっすりと眠りにつきました。(笑)

2024年

7月

26日

「自由」と「自律」

明日からのサマーキャンプに備えて、年長以外の園児には申し訳ないですが、今日はプールなしで、教室内でゲーム大会をしました。熱中症予防の最大の対応は何だと思いますか。「水分補給!」と思ったあなた。もちろん正解ですが、一番の効果は「慣れる」ことです。「暑熱順化」と言います。人間の体が暑さに慣れて順応した状態を指します。

 

人体の体温調節の主たる機能は発汗作用、つまり汗をかくことです。冬から春にかけては機会が減るので適切に働きません。これが、体の不調や熱中症を起こしやすくする原因の一つです。7月からスタートした屋上プールで、子どもたちの「暑熱順化」は、進んだと思われますが、今日は大事を取りました。

 

年長園児は、サマーキャンプという非日常の生活にワクワクドキドキです。ついつい、自由奔放な行動を取ってしまうかもしれません。初日の川遊びは、楽しみがいっぱいですが、リスクもいっぱいです。最初にライフジャケットで浮く練習をしてから、先生たちも一緒に川に入って、危険個所を確認しながら遊びます。毎年恒例の「岩からジャンプ!」も、すぐ下で先生が待ち構えています。

 

8人の年長園児の集団生活となるサマーキャンプには「自律」が大切になります。その上で、いつもはできない「自由」を満喫する遊びを体験させたいと思っています。サマーキャンプで「自由」を楽しむには「自律」があってこそですね。

 

たった2日間ですが、サマーキャンプを終えた子どもたちは、大きな成長を遂げます。「自律」も「自立」も両方獲得します。「友情」「協力」・・・仲間同士で学ぶことも多いですね。そんな子どもたちを成長を見届けながら、明日からの2日間を過ごします。

 

次回のブログは、サマーキャンプが終わった、日曜日に更新します。子どもたちの素晴らしいエピソードも珍道中もどうぞお楽しみに!

2024年

7月

25日

阪神甲子園球場100周年

今日は、卒園児の小学生が8人も集合しました。久々に会った同士、会話も弾みます。成績表を交換して、「あーだこーだ」言っています。そして、うれしかったのは、小5の男子が、保育園の卒園記念品の国語辞典をもってきました。それには、付箋がびっしりあります。1年ごとに付箋の色も変えていました。卒園式の時には、「この国語辞典を引いた文字に線を引いて真っ黒にしてください」と伝えたので、本当に感動しました。

 

昨日、プールが飛ばされてしまったので、屋根付きの新プールを導入しました。新しモノ好きの園児たちが、さっそく集まって遊びます。大プールも空気漏れがひどくなったので新調しました。たっぷりと水を入れて、小学生と年長園児で水しぶきです。

 

さて、阪神甲子園球場が8月1日に生誕100周年を迎えます。みなさんは、甲子園球場にどんな思い入れがありますか。日々、夏の甲子園大会への出場校が決まっていきます。私も、中学・高校時代に、甲子園のアルプススタンドで母校の応援をしました。中学の時は、試合途中で雷雨となり、びしょ濡れになりながら応援したものの再試合。高校の時は、蔦監督率いる名門池田高校に惜敗しました。今もしっかりと記憶に残っています。

 

夏の甲子園は8月にあることがミソです。旧盆があって、終戦記念日には「黙とう」を行いますね。その中で、テレビを観ている国民が平和をかみしめながら野球観戦をするのがいいのです。

 

甲子園球場は、戦争の影響をもちろん受けています。すでに戦時色が濃くなりつつあった1943年には、内野スタンドが金属提出によって取り外され、やがて球音が響かなくなります。グランドは、なんと芋畑になったのです。終戦後は米軍に接取されます。グランドに球音が戻ったのは1947年です。春夏の甲子園大会もプロ野球も再開されます。敗戦から再起する人々を勇気づけます。大学のアメリカンフットボールの「甲子園ボウル」も、この年からスタートしたそうです。

 

その後の高校野球は、私もうっすらと記憶しています。「怪物江川卓」の球の速いこと。「ドカベン香川伸行」はそのまんま漫画の世界でした。桑田・清原のKKコンビのPL高校からは、多くのプロ野球選手が排出されました。「ゴジラ松井の5打席連続敬遠」「松坂世代」「ハンカチ王子VSマー君」そして、大谷翔平も甲子園球児でした。

 

阪神タイガースの記憶では、やはり、バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発です。この年日本一になった阪神タイガースは、本当に強かったですね。

 

試合には関係ないですが、私のもう一つの思い出は「かちわり氷」です。ビニール袋にかち割った氷が入っているだけで、ストローでチューチューしてもよし。頭を冷やすのに使ってもよし。氷をガリガリ食べるのもよし。この甲子園名物を食べたことがありますか。

 

現在の甲子園球場は、電光掲示板ですが、手書き時代の選手名のボードも記憶に残りますね。まだまだ、あげればきりがありませんが、みなさんにとっての「阪神甲子園球場」は、どんな思い出が詰まっていますか。

2024年

7月

24日

スーパーのレジ 座ってお仕事?!

今日は、週末に迫ったサマーキャンプを前に、年長園児は、ライフジャケットを身につけて、うつ伏せと仰向けに浮く練習をしました。「体の力を抜いて!」と言えば言うほど体に力が入ってしまう5歳女の子です。本番では、深くて川の流れがあります。水も緑色です。本番では、ライフジャケットで浮く練習を入念に行うことにします。 

 

そして、プールが終わってから大事件が起きました。ライフジャケットや水を抜いたプールをおひさまの下で乾かせておきます。昼過ぎに片付けに行ったところ、まるで台風のような暴風雨&雷ゴロゴロです。ペンギンプールとプールの屋根が無くなっていました。どうやら風に飛ばされてしまったようです。他のプールとライフジャケットも屋上に散乱していました。ずぶ濡れになりながら、それらを確保しました。30分くらいで雨風はおさまったのですが、屋上から見下ろしても、ペンギンプール・プールの屋根・たらい3つ・ライフジャケット1つは、見つかりません。とんだハプニングでした。

 

さて、様々な業界で働き手不足が深刻になっています。雇う側は従業員を確保しようと職場環境の改善に動いています。その中でも、私の常識では考えられない、レジでの接客を座ってもできるようにイスが導入されたスーパーマーケットがあらわれました。

 

埼玉県では有名な「ベルク」というスーパーマーケットのある店舗では、各レジのカウンターに置かれているのが黒いイスです。レジ打ちをしている従業員は、立ったり座ったりさまざまで、イスは高さが調整できます。お客様がレジに並んでいない『待機」の時に座っている人が多いそうですが、「立ちっぱなしのレジの仕事で、少しでも座れる時間があると楽です」と腰痛持ちのスタッフは言います。

 

ヨーロッパや韓国など、海外で「座ってレジ」は珍しいことではないそうです。「7、8時間立ちっぱなしもある仕事。疲労していたのではお客様への笑顔も出ない。従業員の負担軽減も理由でした」とベルクのシステム改革部のマネージャーは言います。

 

お客様の反応はいかに。それが、批判的な反応はほとんどないようです。毎日買い物に来るお客様は「座ってても全く気にならない。今まで何で立ったままだったんだろう、と思うくらい」と話します。

 

レジでのイス導入も、数年前から当たり前になった、身だしなみ基準緩和も、セルフレジ導入も、「従業員が少しでも働きやすくなるように」は、表の言葉で、本音は、人手不足解消への対策です。スーパーマーケットだけでなく、警備の世界でも「座ったまま警備」も始まっているようです。

 

私たち消費者の立場で言えば、セルフレジなどは、サービスの実質低下ですね。気心知れた店員さんとの会話もなく、一人黙々と会計を済ませる。買い物の楽しみも、人によっては半減します。しかし、今後、少子高齢化がさらに進み、働く人が減り、長期的な人手不足が続く中では、以前のような至れり尽くせりのサービスを消費者が期待するのは難しくなっています。

 

私たちは、サービスについては「諦めるものと、そうでないもの」をしっかりと区分けして考える時代になっているのかもしれません。