ナイトツアーの思い出

「ナイトツアー」・・・何ともわくわくする言葉の響きがあると思いませんか。

 

保育園開設に向けての1年間の準備期間の夏、家族で小笠原諸島へ旅に出ました。当時の小笠原丸は、竹芝桟橋から父島まで25時間かけての船旅です。今は24時間で1時間短縮されました。小笠原の夜に出会ったのが、「ナイトツアー」です。砂浜に夜光虫を探しに出かけます。砂を蹴ると、ピカッと光るのですが、感動以外の何物でもありません。緑色に光るキノコも発見しました。夜行性の小笠原オオコウモリには、恐怖すら感じます。私が気に入ったのは、そんな素晴らしい光景もありますが、「ナイトツアー」という言葉の響きです。

 

その気持ちは、保育園ホワイトきゃんばす開園2年目の夏に、実現させました。「秘密の雑木林でカブトムシとクワガタの観察」が、記念すべき1回目のナイトツアーです。秘密と言うのは、私の子どもが小さかった時に、よく採集した雑木林なので、あまり他の人には教えませんよ~という意味です。雑木林の中に、4か所の蜜スポットがあり、暗闇の中で、子どもたちも保護者もビクビクして歩くのですが、カブトムシとクワガタを発見すると、それは、大騒ぎです。自然界でカブトムシを見るのが初めての親子もたくさんいました。

 

「三橋公園」で、セミの羽化シーンを見た時も大感動です。土の中で約5年間も幼虫として過ごすセミが、夜の8時くらいをピークに、土から出て、木を這い上がります。そして、柳の葉で、白い羽をゆっくりとなびかせて羽化するのです。夜に羽化するのは、カラスなどの天敵が寝ているのと、人間も少ないからです。しかし、セミの命は、長くても1か月です。でも、羽化を見ると、「みーんみーん♪」とうるさかったセミの鳴き声が、愛おしく思えるのです。

 

上尾の丸山公園で、蛍が見られるということで、蛍も見に行きました。私も、自然界の蛍は、初めてだったので、たった10匹ほどでしたが、「スゲー!」と感動です。この時は、卒園児の小学生に手伝ってもらい、雑木林の中に、トラップを仕掛けて、カブトムシなどが見つかるようにしました。焼酎とバナナと砂糖とイースト菌を混ぜて一晩発酵させた液を木に塗るのです。見事に、夜になるとカブトムシが集まっていました。同時に、カエルもいます。なぜ?それは、トラップに集まったコバエを食べに、カエルが木に登っていたのです。

 

そして、ここ数年は、北本自然観察公園で、ヘイケボタルを観察するようになりました。自然環境のままで、人が手を入れることなく、約500匹の蛍が舞うのです。昨年のナイトツアーは、まさに、イルミネーションの中を歩いているような、素晴らしい光景に出会うことができました。

 

子どもたちにとっても、保護者にとっても、真夏の夜の大冒険をこうして楽しんできたのです。「ワクワクドキドキ」が大好きな園長ですが、ナイトツアーは、誰もがワクワクの素敵な夜を経験して、ほんわかな気持ちになったのです。