昨日は、埼玉県川島町にある「笛木醤油」の蔵を見学してきました。酒蔵は何度も見学したことがありますが、醤油蔵は初めてです。日本が誇る「醤油文化」ですが、ライフスタイルの変化もあって、醤油を作る蔵元は、全国的に激減しています。そんな中で、笛木醤油は、現在13代目の社長が奮闘しています。社長自ら、工場見学の語り部となり、しょうゆパークを開設して、ファミリー層の取り込みを図っています。社長のガイドがとても面白く、子どもたちが楽しんでいました。醤油ソフトクリームや醤油を使ったバウムクーヘンなどを企画して、醤油以外の収入源を作っています。醤油作りのこだわりは、大手の醤油メーカーなら半年で作ってしまう醤油を全国でも珍しい「樽の木桶」で2年間かけて熟成させます。
醤油文化の伝統を守りながらも、時代にマッチした新しい道を模索しています。まったく、土俵が違いますが、PTA活動も過渡期の今、変化しなければいけないようです。
PTAについての負のイメージは、3つの「や」と指摘する人もいます。「やらないといけない義務感」「やらされている強制感」「やらない人がいる不公平感」です。「時給換算すれば200円ぐらいにしかならないベルマーク集めに会社の有休を使わされる」「赤ちゃんを背負ってでも、古紙回収にいかなければならないのか」「あの人はまだ役員やっていない。ずるい」と言ったところです。
言葉は悪いですが「ブラックなPTA」とも言われるようになり、少しずつですが、PTA活動が変わっています。千葉県船橋市の塚田南小学校には、PTAがありません。代わりに「サポーターズクラブ」があり、学校のイベント活動に協力しています。保護者と学校を取り持つ仕組みはあったほうがいい。でも、教職員が参加するPTAでなくてもいいだろう。ということで、保護者のみの組織で、入退会は自由です。約1000世帯のうち、97%が入会し、本部メンバーは19人で、男女比はほぼ半々だといいます。このように、PTAがない学校が増えてきました。
なんだ。今までのPTAとどこが違うの?と感じるでしょうが、最大の相違点は、ボランティア活動に徹していることです。家庭や仕事の都合で参加できない人がいても気にしない。というスタンスです。イメージとしては、「おやじの会」スタイルです。
おやじの会とは、父親たちが中心になって、子どもたちのために遊びやスポーツなどのイベントを開催する組織です。保育園の卒園児が通う小学校にも、おやじの会があり、田植えと収穫体験を行っています。おやじの会に参加する「お父さん」たちの顔は、子どもと同じように輝いています。(笑)
私が、PTA活動を引退して数年後に、西区PTA連合会の総会に呼ばれ、10分ぐらい講演する機会がありました。そこで話したことは、「PTAは会社組織ではないので、上司・部下などの利害関係が発生しない組織です。PTA会長や本部役員が偉いわけではありません。PTAでよくトラブルにあるのが『私は聞いていません』です。どんなに、子どもたちのための活動でも、この『聞いてません』の一言で、協力が得られないことがあります。教職員も含め、すべてのPTA会員への説明を怠ってはいけません」です。
でも、今の私なら、こんな話をしたいですね。「子どもたちのために、保護者が何かをやろうとする組織は、PTAでもサポーターでも何でもいいです。しかし、参加する保護者の負担はゼロにはなりません。でも、『やらされている』と感じるか『自分の意思で参加している』と思うかは全くその意味合いが違ってきます。子どもたちに「自分で考える子どもになりなさい」と言うならば、親も子どもたちに何が必要で、そのためには自分たちがどう動くかを考えることが大切です。親だって楽しめるような、自分の意思で参加する組織にしていきませんか」
小学生、中学生の子どもを持つあなたは、子どもが通う学校のPTAはどうですか。一人の力で大きく変えることは難しいですが、これからのPTA活動を考えてみませんか。