保育園の壁面には、保育園へのメッセージやイラストなどが書けるようにしています。保護者も子どもたちも、先生たちへの感謝の気持ちが綴られています。卒園児の小学生からのメッセージもあります。うれしいですね。私も「園児が20歳になったら飲みに行くぞ!」と、メッセージを書いています。(笑)
さて、かつて「うちの子は生まれてから一度も嘘をついたことはありません。そんなことは、絶対に言っていません」と、嘘をついた4歳男の子の母親に、その事実を伝えて、解決策を図ろうとしたところ、激怒されてしまい、話し合いができなかったことがありました。
自分の子どもが嘘をつくのは、親としてショックかもしれません。しかし、子どもが嘘をつくのは、心と行動、言葉が発達している証拠です。はい、子どもの成長段階では、嘘は通過儀礼なのです。
子どもが嘘をつき始めるのは2歳~3歳と言われます。最初は、叱られるのを回避するために、お菓子を隠れて食べたのに「食べていない!」と、事実を否定することから始まります。4~5歳になると高度な嘘がつけるようになります。この頃の嘘は、相手が知らないことに対して嘘をつく。また、誤って、事実を言わないように自分の行動を抑制しなければなりません。自分の思考や行動をコントロールする力と言葉の発達がなければ、嘘はつけないですね。
ということで、我が子が嘘をついても「嘘つきは泥棒の始まりなんだから」「嘘をつくなんて、人として最低!」なんて、親は感情的に激怒してはいけません。逆に、嘘がつけるのは、成長しているんだなぁ~と、まずは受け止める必要があります。
では、子どもの嘘に気付いたときに、親はどうすればいいか。世の中には、様々な親子関係があるので、1つの答えだけとは限りませんが、子どもが嘘をついた時には、すぐに指摘するのではなく「どうして?なぜ?そんな嘘をついたのか?」を考えてから行動を起こしても遅くありませんね。
親にかまって欲しいなど、心で感じる不安や寂しさが、嘘という表現で出てしまうことがあります。また、頭ごなしに「嘘はダメ!」ではなく、「なぜその嘘がいけないのか」「その嘘で、困った事が起きてしまったこと」などを話すのが大事ですね。
相手を傷つけないための嘘など、人を思いやる嘘をつくことだってあります。そんな時は、その優しい気持ちをたくさん褒めたいですね。
子どもたちが、やがて大人になっていくと、子どもの時のような嘘が通用しなくなります。親は、子どもの嘘に対して否定するだけなら、嘘が取り返しのつかないことに発展することを理解しないまま、大人になってしまいます。
子どもが嘘をついたら、「よっしゃー!成長しているんだなぁ~」くらいに思って、嘘をついた理由を親として考えることが大切なのです。