「園長先生が子どもの頃は、35度を超える日なんて、無かったんだよ。では、どうして、ここ最近は、日本だけでなく世界が暑くなったのか?わかる人は?」すると、小3女子が「地球温暖化だから・・・」と答えます。小学生は、テレビなどを通じて、専門用語は良く知っています。「それじゃ、どうして地球温暖化になってしまうの?」をみんなに考えてもらいます。小4女子が、「人が口から出すガスが、たくさんに空に行ってしまうから・・・」ずいぶんいいところまできました。「イチゴ食べ放題のビニールハウスの中は、暖かいよね。あのビニールが、二酸化炭素の膜と考えて・・・」と説明すると、小学生は、ギリギリついてきたようです。(笑)
さて、今日はトンボの産卵の話です。まだまだ残暑が続くものの、自然界は少しずつ秋に向かっています。セミの声がずいぶんと聞かれなくなりました。そして、空には優雅に飛ぶトンボが目立ち始めます。
これからの季節・・・一番ポピュラーな赤とんぼ(アキアカネ)は、11月ごろに卵を産んで、卵は冬を越して3~4月頃にう化します。成虫になるのは、5~6月頃です。アキアカネなどほとんどのトンボは、「1年1世代」と言って、1年でその生涯を終えます。
では、どうやって卵を産むのか。これは、トンボの種類によって違いがあるようです。シオカラトンボは、水面を叩きながら水中に卵を産みます。私も見たことがあります。カワトンボの仲間は、潜水して地中に産卵します。水中産卵よりも、う化するまでの生存率は高そうですね。
植物に小さな穴をあけて産卵するのは、「アジアイトトンボ」です。約3センチほどの細身で小さなトンボです。日本には広く生息しています。産卵するメスは特徴のない地味なトンボですが、素晴らしい能力を持っています。産卵期を迎えたアジアイトトンボのメスは、静かにスイレンなどの葉にとまります。そして、尾の先をとまった植物の表面にくっつけて、モゾモゾと始めます。尾の先に何と極小ののこぎりとナイフのような部位があります。この部位で堅い植物の表面に小さな穴を開け、細長い卵を1つ産卵します。
秋の夕暮れに、親子でトンボの観察など・・・素敵な時間ですが、もう一歩踏みこんで「このトンボは、どうやって卵を産むのだろうか?」を考えたり観察するのもいいですね。子どもからは、「お父さんは、色々なことを知っているんだね」と思われること間違いなしです。(笑)