男も女もラクになる働き方

台風がゆっくりと進んでいます。その影響なのか、屋上は10メートルくらいの風が吹いています。プールは無しにして、通常の屋上遊びにしました。久しぶりに、タイヤアスレチックを子どもたちと完成させて、板の上をバランス感覚を保ちながら、歩きます。1、2歳児も積極的に参加しました。屋上遊びのバリエーションは豊富です。

 

そして、小学生はいよいよ明日から新学期がスタートします。10月31日で保育園ホワイトきゃんばすが閉園することもあって、多くの卒園児が、この夏休み期間中に保育園に来てくれました。7月22日の夏休みスタートから本日までの1か月ちょっとで、のべ103名の卒園児が登園しました。保育園のタテの関係がさらに拡大し、在園児に多くの影響をもたらします。小学生になっても、子どもたちがずっとつながっているのが、ホワイトきゃんばすの強みですね。本当にうれしく思い、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

さて、OECD(経済協力開発機構)が、2020年にまとめたデータによれば、家事や育児などの無償労働時間について、日本の女性は1日当たり224分で、男性の41分の実に5.5倍になります。ジェンダー平等が進む北欧のノルウェー・スウェーデンが1.3倍、アメリカは1.7倍、日本に最も近いのが韓国の4.4倍であり、各国との違いが歴然としています。

 

ただし、このデータは2020年です。それから4年が経過しても、数字としては、大きな改善には至っていないようです。日本は、1997年を境に、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回る状況が続き、今では、専業主婦がどんどん少なくなってきています。そうした中でも、以前の「男は仕事、女は家事・育児」ではないにせよ、「男は仕事、女は仕事と家事・育児」となっているのが実情です。

 

ある男性の話です。女性に対して「保育園代やシッター代で、給料のほとんどがなくなるなんて。何のために働くの?会社やめたら?」「子どものお迎えで早帰りするあいつは、マジで使いにくいよなぁ~」なんて言っていた男性優位社会に浸っていたら、妻が駐在員として出世してニューヨークに赴任することになり、いきなり主夫になったそうです。

 

今まで妻がやっていた、家事や子育てを一手に引き受けることになったその男性は、仕事中心の世界とは異なる領域に身を置き、新たな景色が見えてきたそうです。家族を何よりも大切にする米国人の価値観に直接触れます。子どものお迎えで学校に出向く保護者のうち、半数近くが父親である実態も知るのです。彼は、日本時代に抱えていたストレスの主体が、実は男性役割を演じようとしていたがゆえの「生きづらさ」であることを知ることになるのです。

 

私の経験で言えば、2011年東日本大震災があった3月末に民間企業を退職し、保育園開園に向けての準備期間がスタートしました。図書館に通い保育士の勉強をしながら、保育園の物件を探します。家の掃除、洗濯と夕食の担当は私です。ろくに料理など作ったことがなかった私は、子どもたちに「まずい!」と言われながらもレパートリーを広げていきました。本人の前では恥ずかしくて言えませんが、今まで妻がやってきたことの「大きさ」をここで初めて知るのです。

 

保育園では、ここ数年、ほぼ100%に近いパパが、第2子誕生で育児休暇をとります。そうなれば、妻が肉体的にも精神的にもラクになります。男性もまた、呪縛から解放されてラクになるのです。

 

育児休暇などを通じて、男性がさらに深く、家事や子育てに参入するようになれば、数字上での国際比較でも、日本の数字が改善されるのでしょう。保育園のパパたちを見ていると、少しずつ…日本も変わってきているなぁ~と感じるのです。