時間の使い方⑤~時間は選択が9割~

昨日は、終戦の日でした。パリ五輪では、卓球の早田ひな選手の「鹿児島県知覧(ちらん)の特攻平和会館に行ってみたい」という発言が注目されています。早田選手にとっては、卓球技術の向上だけでなく、内面の「心」を磨くことも金メダルへの道と考えているのでしょう。私も、19歳の時に知覧を訪れたことがあります。若者が母へ書いた手紙を読むと、戦争への怒りややるせない気持ちで胸が痛くなりました。左手を負傷しながらも、銀・銅の2つのメダルを獲得した早田ひな選手は、特攻平和会館で何を感じるのか、注目したいですね。

 

また、NHKのドラマ「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」を観ました。終戦から79年目の夏、ドラマの内容は、いかに次世代に戦争を伝えるか・・・が視点です。岸部一徳さんの「語り部」のシーンには、グッと引き込まれてしまいました。特に、「あの時の自分は、この戦争は正義で、日本は絶対に勝つと信じ込んでいた。でも、それはまわりに流された気持ちだった。戦争が終わり、両親・兄・妹を亡くし一人ぼっちになって、ようやく自分で考えるようになった。この戦争は間違っていたと」の言葉には、説得力がありました。あと数年もすれば、戦争を経験していない日本人が、限りなく100%になります。「若者へ戦争を伝える」という言い方はおかしな表現で、私のようなおっさんも、戦争を経験していません。百聞は一見に如かずと言いますが、「語り部」が語る戦争は、映像よりも心に残りました。

 

さて、今日も前置きが長くなりましたが、本日は時間を選択することを考えます。よくアニメ「サザエさん」に出てくるシーンで、カツオにサザエさんは、遊びに行く前に宿題をやるよう言いますが、カツオはサザエさんの目を盗んで遊びに行ってしまいます。そして、決まってあとでサザエさんに怒られます。でも、怒られてもあまり気にしている様子はありません。それは、カツオには明確な時間の選択基準があるからです。「遊び>宿題」です。カツオは、この選択基準を決して変えることはありません。選択基準を決めるとムダな時間が減ります。カツオにとっての無駄な時間は、宿題ですね。(笑)

 

ある研究によると、人は1日に最高で3万5000回もの選択(決断)をしているといいます。1日は8万6400秒です。そこから睡眠時間を引いて考えると、1日の半分以上は選択の時間ということになります。朝、目が覚めて・・・「すぐに起きるか、もう少し布団で寝てるか」「トイレに先に行くか、顔を先に洗うか」「朝食はパンにするか、コーヒーだけにするか」「出かけるのに、何を着ていくか」と、書き出したらきりがありませんね。

 

では、あなたは、何で選択基準を決めますか。それは、人それぞれです。「好きか嫌いか」「後悔しないかどうか」「体と心の声に従っているか」「幸福度が高いかどうか」「人に喜んでもらえるかどうか」など、選択する内容でも基準は変わってきます。

 

では、逆に気をつけるべき「選択基準」を3つあげます。1つは「空気をよむ選択基準」です。なんとなく相手に悪い…他人の目が気になる…という感情で自分が望まない選択をしないことです。2つ目は「もったいない選択基準」です。これまでにかけた時間やコストがもったいないと考えて、合理的な判断ができなくなることです。プロジェクトや商品企画は、途中撤退には勇気が必要ですが、山のぼり同様に「やめる・あきらめる」勇気が必要ですね。3つ目は、「気分による選択基準」です。自己啓発セミナーに参加すると前向きな気持ちになり、その気分で選択をする。映画を見た後は、主人公になった気分で、無謀な選択をする・・・といったことです。

 

そして、選択が難しい時には、あえて「選択しない(選択放置)」も、選択基準の一つですね。すべて、白か黒かではなく、グレーだってあるものです。

 

どうですか・・・自分の選択基準をしっかりと考える時間は、ムダではないですね。