今日は、自動水栓の蛇口の話です。保育園に入園したばかりの園児が、手洗い場で、蛇口に手をかざしたままじっとしていることがあります。そう、自動水栓に慣れてしまっているからです。JR東日本の新幹線内の自動水栓シェア100%・全世界の航空機シェアの25%・国内全コンビニの80%のシャアを誇る自動水栓の会社が、株式会社バイタルです。知る人ぞ知る会社です。驚くことに、世界で1種類しかない「ネコ専用自動水栓」もこの会社が作ってしまったようです。
今日は、そんなバイタルで職場の神様と呼ばれる「島田より子」さんの話です。彼女は、自動水栓デルマンシリーズの組みたて、検査、梱包、出荷作業を一手に担っています。普通は、男性の職人がイメージされますが、彼女は、あと2年で70歳になる大ベテランです。
「自動水栓の仕事には30年前から携わっていますが、最初は、仕事がなくて会社全体がどん底だった時もありました」と言います。機械化が進んだ製造ラインを想像しますが、基盤に電子部品を取り付けるはんだ付けや電動ドライバーでのビス留めなど、すべてを手作業で組み立てているそうです。
実績を重ね、累計出荷台数は50万台を突破します。コンビニ、新幹線、航空機などに導入され「日本人なら一度は使っている自動水栓」までになったのです。コロナ禍では需要が跳ね上がり、生産が追いつかないほど多忙な時期を経験します。
島田さんは、コンビニやレストランに入ると必ずトイレに行き、自動水栓の調子を確認してしまうそうです。「何年たっても大切に使ってもらっているのを見るとうれしくなる。まだまだ頑張って作らないと、という気持ちになります」と話します。
どうですか・・・みなさんが、自動水栓を使う時は、島田さんという女性が噛んでいることを思い出してください。