子どものネットいじめが、過去最多を更新したそうです。2022年度のデータでは、いじめ全体の約3.5%が「ネットいじめ」と、まだ割合は低いように感じますが、5年前の2倍になり、過去最多となったのです。LINEでの仲間外しや無視などの陰湿な内容です。
今日は、小学校5年の卒園児が登園したので、小学生でのネット問題について聞いてみました。すでに、クラスの半分以上が「マイスマホ」を持っています。彼が友だちとのコミュニケーションで利用しているのは、LINEです。しかし、彼のクラスでは、ネットいじめは、まったくないと言います。彼は、何かあればすぐに「声をあげる」ことができる性格なので、彼の周りでは、陰湿ないじめが起こりにくいのでしょう。
現実は、親が家事などで忙しい時に、子どもにYouTubeなどの動画を見せていることもぱり、すでに2歳でネット利用率60%です。この環境なので、小学生にはスマホを持たせない・・・というのは、土台無理な話ですね。塾や習い事での安全確認で子どもにスマホを持たせることもありますね。
いじめも時代の流れで変化をしていて、今では、かつての、ドラえもんのジャイアンのようなガキ大将タイプではなく、しずかちゃんのような清楚な優等生がいじめの主犯だそうです。ネット時代では、ジャイアンのように暴力を振るえばそれを動画に撮られて拡散され、逆にいじめられます。しずかちゃんが、LINEなどを駆使し、いじめの頂点に立っているというわけです。
ある心理学者は、ねっといじめが起きる背景をこう言います。「ネットいじめは、手段として直接手を下すわけでも相手の苦しむ顔を見るわけでもありません。しかも、子どもたちはSNSでの投稿に慣れているので、いつもの投稿の延長のように、匿名でできるため、罪悪感を抱きにくい」「学校という集団の中で、子どもたちはメンバーが固定されている。子どもたちの社会は、村社会のように流動性が低く、このメンバーが嫌だと思ってもすぐに変えることができない。こうした集団では強い同調圧が働き、誰かが誰かをいじめていても『ノー』と言えず、放置してしまう仕組みが生まれる」の2つをあげます。
それでは、子どもたちをネットいじめから守るにはどうすればいいのか。1つは、大人が子どもの居場所を多角化し、いじめを見つけた時はいじめた理由を絶対に肯定しないことが重要と言います。子どもは、学校以外に居場所があれば、集団内のメンバーに嫌われても『ノー』と言うことができます。そして、いじめの本質はスケープゴートなので、いじめに関わった子どもは、いじめた理由を正当化しようとしますが、何であろうと肯定してはいけないのです。
昔からですが、いじめを受けた子どもは、親も含め誰にも相談できないことが多いです。最近では、いじめ相談アプリもあるそうです。匿名で学校の外で相談することができます。
そして、私のPTAの経験上、いじめをなくす手段として効果的なのが、校長先生や担任の先生が「うちの学校にはいじめがあります」「うちのクラスでは、今いじめが起きています」と全員の前で話をすることです。「大人が目を光らせているぞ!」は、私たち大人の役割として大切なのです。