学習障害への合理的配慮

今日は、久しぶりに小学生女子と年長女子が、ローラーブレードを楽しみました。一番得意な子が、どんどん先に進んでいきます。「みんな~おそいよ!」と言うと、「これ以上スピード出したら転んじゃうから」と、自分のペースを守る女子です。子どもは、たいがい無謀な挑戦をしてしまうことが多いですが、冷静な女の子に アッパレです。 

 

さて、新年度がスタートして2か月が過ぎようとしています。特に1年生にとっては、初めての小学校生活で、得意なことも苦手なことも見えてきます。発達障害の中でも、自閉症スペクトラム障害や注意欠如多動性障害などは、子どもの行動から判断できることが多いですが、発達障害の一つである「学習障害」については、小学生になって、実際に授業が始まってから目立ってきます。

 

黒板の字を読むのが苦手。ノートに字を書くのが苦手。算数の計算が苦手。もちろん、単に子どもが不得意な分野であることが多いですが、読み書きや計算など、能力のごく一部だけが極端に苦手な場合は、学習障害の可能性があります。

 

例えば、A君は字を書くのが苦手でした。幼稚園の頃から、字が裏返しになるなど正確に書けません。小学校入学後には、黒板の文字をノートに写せない、ひらがなが正確に書けないなど、しんどい時間を過ごすことになりました。A君は、知的発達に遅れはなく、幼稚園までは元気に普通に過ごしてきたそうです。お母さんが持参したノートや授業での経過から学習障害である「書字障害」と診断されました。A君の担任は、黒板を写さなくてもいいようにプリントを用意するなど工夫してくれて、A君は楽しく登校できているようです。

 

この担任のように、工夫して支援することを「合理的配慮」といいます。車椅子の方のための段差解消、難聴の方に伝わりやすくするための工夫など、令和の現代は、様々な場所で「合理的配慮」が進んでいます。この4月からは、民間企業や私立校でも、障害者差別解消法で、合理的配慮が義務付けられています。

 

学習障害の場合、子どもの「苦手」は治せません。「苦手」に合わせた対応が必要になるのです。これからの世の中が、「合理的配慮」の和で広がるとうれしいですね。

 

今と比較して、昭和の駅のホームにはあるものがありません。何だと思いますか。それは、黄色の点字ブロックです。今では、当たり前に駅のホームに張りめぐされていますが、つい昔は、合理的配慮はなかったのです。