今日は体操教室です。年少園児たちは、ようやく自分で着替えて、水筒を飲めるようになってきました。まだまだ動きは、ヘロヘロで、よく転びますが、「慣れる」ことも成長の一つですね。体操教室の前に、運動会で行う組体操の練習から始めます。「ブリッジ」もずいぶんと様になってきました。こちらは、練習あるのみです。(笑)
さて、今日は、あまり聞き慣れない「インティマシー・コーディネーター(IC)」という仕事についての話です。知っていますか。この仕事は、決してAIに奪われない、ヒトでしかできない仕事です。そして、日本には、この仕事を行っている人は、たった二人しかいません。
映画やドラマの撮影現場で性的な描写やヌードシーンなどにおいて、俳優の同意を取りながら、監督の意向を聞き、制作を円滑に進める調整役です。私は、こんな仕事があることなど知りませんでした。
アメリカなどでは、新人俳優など現場での力が弱い人間が、監督などに、無理やり意にそぐわないシーンを強要されることがありました。2017年にはアメリカで、MeToo運動として、主に女優の側から、性的シーンの撮影における安全確保を求める声が世界的に広がりました。そんな中で、インティマシー・コーディネーターという仕事が生まれたのです。まだ最近誕生した新しい仕事と言えます。
日本に2人いる1人の西山ももこさんは、「ICは、俳優を守る『正義の味方』というイメージで見られがちですが、私たちはあくまでも撮影が安全に行われるための調整役。正義の味方でもないんです」と語ります。西山さんがICの資格を取得したのは、2020年ですので、まだ4年前です。
西山さんは続けます。「私は、映画などに性表現がない方がいいとは思いません。そこに意図や必要性があれば肯定します。だからこそ、だれかの犠牲の上に作品を作ってはいけないのです。俳優、監督、スタッフ全員が安全に良い作品を作るために調整をします」
「ノーという勇気」もギャラの交渉さえも、西山さんは俳優たちのために、調整能力を発揮するのです。
もちろん、現在つくられているすべての映画に、インティマシー・コーディネーターが、配置されているわけではありません。でも、必要な仕事であることには変わりありませんね。かつて、俳優志望の後輩に、「役において、脱ぐシーンがあってもやるのか?」と聞いたことがあるのですが、「ストーリーに必然性があれば、脱ぎます」と答えたのです。俳優・芸能の世界は、私の知らないことが多いので何とも言えませんが、今日は、インティマシー・コーディネーターという仕事の存在だけは覚えてください。