日本一来館者数の多い図書館

マルベリー(桑の実)のつまみ食いが、激しくなってきました。木に登って、他の園児が届かない場所で、むさぼり食べる5歳男の子。どろんこ広場にある桑の木は、小さいのに枝にびっしりと実がついています。高い所にある枝を切って子どもたちに渡すと、原始時代のヒトが、木の実に集まるような、そんな光景に映ります。そして、体長10センチほどのヒヨドリもマルベリーを食べています。鳥たちも、ここは、しっかりと栄養を取っているようです。

 

さて、昨日は午前中には保育園を抜けて、勤務していた会社のOB総会に出席しました。司会進行が私の仕事です。元日に能登半島地震が起きた、石川県金沢市から参加した方の話を聞くことができました。震災の生々しい話と、インバウンドで外国人観光客が激増している話です。テレビでは、円安を反映して、箱根の高級ホテルに泊まり、ランチを貸し切りする豪華な旅行を楽しむ外国人を取り上げますが、現実は、どうも違うようです。金沢駅から兼六園までは、3キロほど離れているので、通常はバスかタクシーを利用するのですが、外国人は、大きなリュックサックを背負って、歩くのだそうです。タクシーなんてとんでもなくて、バスにも乗らないのです。白人系の外国人は、お土産の爆買いなど全くありません。

 

今日は、そんな金沢市にある「石川県立図書館」の話です。2022年7月に、香林坊という金沢の中心街からバスで20分ほど離れたところに、移転オープンしました。何と、この図書館の2023年度来館者数は、102万6046人です。1日ざっと3000人近くの人が訪れる計算です。今まで1位だった岡山県立図書館が、年間80万人弱ですので、ダントツで、日本一来館者数の多い図書館となりました。

 

日本の図書館の99%が、「日本十進分類法(にほんじっしんぶんるいほう)」という、0から9までのアラビア数字のみを用い、大まかな分類から細かい分類へと、順次10ずつの校も項目に細分していく手法で、書籍が並んでいます。例えば、「文学」は「9xx」→「日本文学」は、「91x」→「(日本文学の)小説・物語」は「913」といった感じです。図書館の棚に、こうして数字が書かれているのを見たことがありますね。

 

 

しかし、石川県立図書館は、「子どもを育てる」「仕事を考える」「生き方に学ぶ」「本の歴史を巡る」「暮らしを広げる」等々の12のテーマ別にブロックが分けられて、多くの本が面で並んでいます。

 

管理する側の都合では、日本十進分類法が一番適していますが、読む側に立てば、石川県立図書館の分類の方が、分かりやすくて、本を探す楽しみが増えますね。よく、本屋さんが「イベントコーナー」を作って、推しの本を紹介するような感じです。

 

そして、驚くことに、こんなサインがガラス窓に次々と投影されます。「記念撮影はお好きな場所で」「閲覧エリアは、ふた付の飲み物持ち込みOK」「おしゃべりOK」「お食事は文化交流エリアで」

 

どうですか・・・図書館では、おしゃべりをしていると、しーっと注意される場所だったはずなのに・・・今までの図書館の概念が吹っ飛びそうです。

 

まだまだあります。モノづくり体験スペースには3DプリンターやUV印刷機などがあり、たとえば、新商品の試作品をつくることができます。月に1回、無料で30分のミニコンサートを「だんだん広場」で開いているそうです。オーケストラにとっては、有料の公演に呼び込むきっかけになるようです。

 

「調べものデスク」という窓口があり、利用者の相談にのり、課題の解決に導くという場所もあります。

 

私は、石川県立図書館に行ったことはありませんが、これ以外にももっとわくわくするような仕掛けがたくさんあるのでしょう。保育園では、子どもと図書館で本を借りるライフスタイルのママが何人かいますが、こんな図書館が増えていったら、一日中過ごしても飽きないですね。

 

「子どもに本をたくさん読ませたい」のきっかけになる図書館が、こんな感じで変わっていくのはうれしいですね。