昨夜は、府中にある大國魂(おおくにたま)神社の「くらやみ祭」に行ってきました。1000年以上の歴史がある、大國魂神社の例大祭です。神事は人の目に触れてはいけないという考えで、灯りをともさずに「くらやみ」の中で行われていたことから、こう呼ばれているようです。今では、もちろん「くらやみ」ではないですが、かつては、男女無礼講で、子孫繁栄を願ったといわれています。
昨日の5月5日は、「おいで」といわれる、「神興渡御(みこしとぎょ)」が行われ、祭りのクライマックスでした。大太鼓をまるでバットのようなバチで叩きます。その大きな音と共に、この祭りの重厚な時間が味わえるのです。太鼓の音と、人々が身につける烏帽子(えぼし)には、太鼓の神輿が所属する屋号が書かれており、その雰囲気もこの祭りの威厳を保っているのです。こんな歴史のある祭りですので、すごい人ごみです。大國魂神社の境内に並ぶ500ほどの屋台で、まともに買い物ができないくらいの、人人人でした。ちなみに、直径2メートル2.5トンの世界最大の太鼓が、先頭を露払いとして登場しました。
くらやみ祭では、交通規制がひかれていましたが、そんな中でもウーバーイーツで食べ物を運ぶ姿を何人も見かけました。コロナが終息しても、食べ物を出前する手段として、今でも需要が高いですね。
昭和の頃の「出前」は、もっとカッコよかったですね。自転車に乗って、何段にもそばを重ねて、まるで曲芸のような出前が、昭和にはよく見られました。そば屋、すし屋、ラーメン屋が、昭和の出前の定番でした。自転車の曲芸の他には、スーパーカブと呼ばれる、出前専用に開発された50ccバイクで配達をします。
ここで問題です。昭和の「出前」と、現在のフードデリバリーでの一番大きな違いはなんでしょうか?
はい。それは、食器を返すか返さないかの違いです。昭和の出前は、食べ終わった頃を見はからって。食器を取りにいきました。現在のように、紙やプラなどの捨ててもいい簡易容器ではなかったので、出前を取ることは、とても贅沢な食事だったのです。昭和の頃は、来客があった時には、出前をとっておもてなしをしたのです。
昭和の出前は、エコでもあったのですね。そして、出前専用の業者があったわけではなく、そば屋さんなどの各店舗が、「店舗外売上」の獲得のために、チラシを配って、外商活動を行ったのです。昭和の「商いの魂」を感じますね。