企業が模索するコミュニケーション

今日は晴れました。昨日は雨で屋上遊びができなかったので、気合いが入る子どもたちです。菜の花を摘み、エンドウ豆を収穫し、カメにエサをあげます。自転車で暴走する子どもたちに、料理ごっこで創作料理にチャレンジです。ムスカリの花がトッピングされています。そして、モンシロチョウが、小松菜畑を舞っています。近いうちに、はらぺこあおむしが見られそうです。 

 

さて、この4月から、様々な組織で新年度がスタートしましたが、今日は、会社でのコミュニケーションの話です。毎日出社し、直接顔を合わせてミーティング。作業の合間や休憩中にも雑談し、ときには皆と飲みに行く・・・そんな社内コミュニケーションの姿は、コロナ禍をまたいだこの4年間で大きく変容しました。オンラインでの打ち合わせが当たり前になり、今でもリモート体制を継続する企業も少なくありません。「同じ部署の同僚と、ほとんどリアルで顔を合わせたことがない」という話も珍しくないようです。

 

日本生命が昨年10月に、約1万人を対象に行ったアンケートでは、「今年度、職場の方との『飲みニケーション』はありましたか?」の問いに、66%が「なかった」「あまりなかった」と回答しました。コロナ禍前の2019年末の忘年会または、20年初の新年会を実施した企業2760社のうち、1039社が2023年末の忘年会や2024年初の新年会を実施しないと回答しました。4割近い企業が、コロナ禍前には開催していた忘年会・新年会をとりやめたことになります。

 

まじめな担当者は、「恥ずかしい話ですが、忘年会が単に『お酒を飲んで楽しむ場』になっていて、何のためにやるのか、どんな場にするのかを十分に議論できていなかった。コロナによって、不要論を聞くようになりましたが、それは飲み会そのものが悪いというよりも、うちの忘年会が昔からなくても困らない会だったのだと思います」

 

いやいや、クソまじめすぎますね。飲み会なんて、そもそも酒の力を借りて、普段言えないようなことを語り合って、親睦を深めるものだと私は思っています。先日、18年ぶりに復活した、NHKの「新プロジェクトX」の初回放映は「東京スカイツリー」でした。中心の3角形の柱を3社で競合させ、組み立てる取り組みで、最初はいがみ合っていた3社が、「お花見」の飲み会をきっかけに、同じ目標に向かって、協力する関係に変わったのです。まさに、『飲みニケーション』の力がそうさせたのです。20年前の出来事ですが、令和の今でも、十分に通用することだと私は思っています。

 

ある会社のトップの話です。「我が社は、ものづくりの企業として、人と人との対話の中からアイデアを生み出していくことを大切にしてきた。公式、非公式のあらゆる集まりが、タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションを生み、それが企業文化として生かされてきた。コロナ禍を経て、オンラインを取り入れるなどの変化もあったが、顔を合わせる場は以前と同じように大切にしている」

 

『飲みニケーション』のように、昔から変わらないコミュニケーションの取り方もありますが、コミュニケーションの取り方も多様化しています。飲み会のような場に少し身構える若手社員は、コロナ禍を経て増えたことは間違いありません。しかし、決してコミュニケーションをとること自体が嫌いなわけではなく、それぞれのスタイルがあるのです。

 

コミュニケーションの取り方は、相手があることなので、独りよがりではいけません。相手のことを考えて・・・と、ますます難しくなってきました。でも、コミュニケーションなくして、仕事は成り立ちません。自分のやり方と相手を考える力量が問われますね。