今日は、母の七回忌です。母が亡くなって6年が経ちました。亡くなった日を1年目とカウントするので、七回忌は6年後となります。ちなみに、2年後は三回忌、12年後は十三回忌というわけです。
母が亡くなって2年後に、父も亡くなるのですが、二人ともに自宅の布団の上で、家族と医者に見守られ、安らかに眠るように亡くなりました。残された家族は、最期も感謝の気持ちになったものです。
さて、そんな父も母も、ごく普通に「お墓」に眠っています。いずれ私もこの墓に入るのですが、最近は供養のスタイルが多様化してきました。父母が眠る墓苑から「樹木葬を始めます。後継者のことなどを考えて、樹木葬を考える予定はありますか?」というアンケートがありました。今日は、供養の多様化の中で、「海洋散骨」の話です。
海洋散骨は、故人の遺骨を粉状にして海にまき、自然に返すという考え方です。東京湾で年間150便ほど運航をするハウスボートクラブ船長の髙村さんは、「ご遺族が故人様を十分にしのび、最後は晴れやかな気持ちになってもらえるよう、安全に心を込めて操船することが私の役割です」と語ります。
厚生労働省のガイドラインでは、海洋散骨は「海岸から一定の距離以上離れた海域」で散骨する必要があり、羽田空港第2ターミナルの沖合で見送られます。髙村さんはこれまでたくさんの遺族の弔いを見てきたそうですが、「ずっと雨だったのに、散骨の時だけ晴れたり、海の上なのに突然チョウが飛んできたり。不思議だけど、故人の旅立ちに花を添えてくれているかのように感じます」と言います。
私も、父の遺体が自宅から運ばれるときに、2羽のチョウが、垂直に天に昇っていく姿を見ました。母が父を伴って天国に向かったと、今でも思っています。
髙村さんは、全国各地の漁船事業者などに、海洋散骨への協力を依頼し、現在国内では80を超える場所からの出航が可能になったそうです。
故人と残された家族の思いが、今後の供養のスタイルを決めていくのでしょうが、この世界でも多様化が進むのかもしれません。どんな形であれ、「安心して、故人を想う供養ができて良かった」と言われるのが、一番いいですね。