世の中には、表にはなかなか出てこない仕事がありますね。「縁の下の力持ち」的な仕事です。そんな仕事の一つが「パタンナー」です。どんな仕事かわかりますか。
ファッション業界では、まず注目されるのが、ブランドですね。どこのブランドの服か。そして、その服をデザインしたデザイナーに脚光が浴びます。デザイナーの仕事は、自分のデザインを紙に描くことです。でも、それだけでは洋服は完成しません。
そこで重要な仕事を担う人が「パタンナー」です。パタンナーは洋服の型紙を作成し、洋服の制作を支える大切な仕事です。パタンナーの腕前1つで洋服の良し悪しが決定されるほどに、パタンナーの役割は洋服づくりにおいて重要なものです。パターンナーはデザイン画を基に正確にデザインを反映しながら、人々に求められる洋服を作る大事な仕事といえます。
今日は、マザーハウスのアパレル事業部でパタンナーとして活躍する後藤洋美(ひろみ)さんの活動を紹介します。
「平面を立体にする仕事」・・・後藤さんは、高校時代に、パタンナーという職業の説明文を見た時に、「めちゃめちゃかっこいい」と衝撃を受けたそうです。仕事として目指し始めたものの、ワンシーズンで捨てられる衣装を作り続ける日々に疑問を抱きます。いったん離職し、青年海外協力隊で洋服の先生としてタンザニアで活動します。
次の仕事先に選んだマザーハウスが、2018年にアパレル事業を立ち上げ、インド東部のコルカタに工房を新設します。パタンナーの仕事は、技術を見せたり、図解を使ったりと、言葉以外の伝達手段が多くあるそうで、後藤さんは、青年海外協力隊で培った語学力で、日本語、英語、ベンガル語をミックスした言葉と身ぶり手ぶり、表情で会話します。
コロナを機に帰国した現在も、日本とインドを行き来しながら、40人ほどの現地スタッフと家族同様の信頼関係を築き、パタンナーの若手育成にも活躍されているそうです。
アパレル業界において大切な役割を担うパタンナーですが、AIの登場で、需要が少なくなってきていると言われています。一方で、人にしかできないこととして、デザインしたり、パターンをオリジナルで考えられるパタンナーの需要は逆に高まっているようです。
どうですか・・・今あなたが着ている服には、「縁の下の力持ち」パタンナーの仕事がかかわっていることを思ってくださいね。