今日も子どもたちは強風との戦いです。屋上の「クサガメのおうち」の屋根が強風で飛ばされていました。まだ、カメは冬眠中ですが、屋根がないと、カラスに狙われます。そして、卒園式の練習も着々と進んでいます。年長園児が、ピアニカを立ったままで吹く練習が始まりました。11人の年長園児が、トランペットのようにピアニカを吹きます。
さて、今日は、織田信長の時代に活躍した戦国武将「山中鹿之助」の話です。諸説ありますが、山中鹿之助の言葉で有名なのは、「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と自分が手柄を立てるために、三日月に向かって祈り続けたそうです。
「七難八苦」とは、文字通り、困難や苦しみがたくさんあることです。山中鹿之助は、困難や苦しみをたくさんくれと祈っているのです。おかしな話ですね。普通なら、成功や楽しいことがたくさんあることを望みますね。
神社などでお祈りする場合は、「家内安全」「合格祈願」など、たいてい幸せが来ることを望みます。人は、できるだけ、困難や苦しみを避けようとするものです。ところが、山中鹿之助はその逆を祈ったのです。
でも、少し考えて見てください。つらいからといって、困難や苦しみを避け続けていると人はどうなるでしょうか。「失敗すると嫌だな」という気持ちが強くなり、何もしないようになっていくものです。失敗したくないので、何も挑戦しない人になってしまいます。
かつて、保育園の保護者で、「自分の子どもには、保育園生活の中で、自分の思い通りにならないことをたくさん経験してほしい」と言ったママがいました。私は、えらく感心してその話を聞いていたのですが、彼女は、大人になった時の我が子の姿までを見通していたのです。困難や苦しみを乗り越えたときに、初めて力が付き、強く生きていけるようになるからです。
山中鹿之助が言う「七難八苦」は、一見、避けたいことに見えるかもしれませんが、実は、とても大切で必要なことなのです。たくさんの挑戦を重ね、失敗もたくさんして、困難や苦しみを乗り越えた上で、自分の力を高め、成功につながるのです。
ところで、多くの親は、「自分の子が、困難の壁にぶち当たった方がいいですか?」と聞くと、「もちろん、困難を経験させたいです」と答えます。しかし、私の子育ての経験上、我が子が、問題に直面する前に、手を打って助けてしまうことがあります。親心というのは、そんなもので、口で言うのと実際の行動が違うことが多いですね。
ここは、「心を鬼にして」とまでは言いませんが、我が子の困難を見守ってみませんか。そして、このままでは、どうにかなってしまうという状況になる前に、大きな愛情で手を差し伸べる、そんな親でありたいですね。