エビフライのしっぽ食べますか?

今年度の夕方の寺子屋時間は、本日で終了です。年長園児にとっては、3年間、「寺子屋なんだから・・・」と言われ続け、夕方の異年齢での学び合いや体操教室の経験。そして、配膳や手洗い、寝かしつけなど、小さな園児の世話までずっと頑張ってきました。子どもたちは、毎日の活動の中で、気がつかないうちに色々なことができるようになったのです。

 

さて、突然ですが、あなたはエビフライのしっぽを食べますか。今日は、「エビフライのしっぽ 食べよう クラブ」という本を紹介します。

 

主人公のともちゃんは、さくさくで香ばしくて、スナック菓子みたいなエビフライのしっぽが大好きです。給食の時間に「エビフライのしっぽが一番おいしい」と言うと、隣の席の子に、「ともちゃんはなぜ、しっぽも食べるの?」と驚かれてしまいます。

 

ともちゃんは、しっぽを食べないなんて信じられない。でも、他の子に聞いても食べないと言われます。そして、仲良しの友だちにも笑われてしまうのです。家で、その出来事をおうちの人に話すと、エビフライのしっぽのおいしさを伝えればいいと言われます。そこで、考えたともちゃんは、「エビフライのしっぽたべようクラブ」をつくり、会員を募ります。

 

こんなストーリーですが、この童話は、「多様性」と「エビフライのしっぽ」を結びつけて、多様性を考える童話です。ともちゃんは、自分が大好きなエビフライのしっぽなんだから、自分が属する2班の仲間もみんな大好きだと思い込んでいたのです。しかし、聞いてみると、「そんなの食べないよ」という人ばかり・・・ともちゃんは、こうして、自分の考えとは違う人が多くいることを知るのです。

 

今の世の中では、会社でも学校でも、あらゆる組織で「多様性」という言葉が、「優先順位ナンバーワン!」のごとく輝いています。昨日、札幌高裁は、同性婚を認めていない現行制度の違憲性が問われた訴訟で、2審として初めて違憲であるとの判断を示しました。原告らは「思いに正面から応えてくれた。待ちに待った判決だ。あとは国会。明日にでも結婚できるようになってほしい」と、涙ながらにコメントする姿をニュースで見ました。

 

また、最近のテレビドラマや映画は、同性の恋愛や結婚に踏み込むストーリーが多いですね。まさに、「多様性を認めよう!」を訴えているかのようです。今は、「多様性キャンペーン」のような世の中になっていますが、あと数年たてば、「多様性」は当たり前で、議論する余地もなくなっているかもしれませんね。

 

本日、年長の女の子同士が抱き合って「○○ちゃんと結婚するんだ!」と言っていました。6歳の子どもたちが、18歳になった時には、たぶん日本でも同性婚が法律で認められる世の中になっているのでしょう。

 

保育園の子どもたちには、「自分の考えと違う人がいるけど、それは悪いことではなくて、世の中には様々な考えがあるんだよ」を分かりやすく伝えていきたいですね。