いよいよ、3月16日に北陸新幹線が「金沢ー敦賀間」開業となります。能登半島地震で、石川県を中心に復興もままならない地域が多いですが、少しでも明るい方向へ進んで欲しいですね。
今日は、そんな福井県にある「坂井市」の話です。福井市のとなり、東尋坊があるところです。人口では、福井市に次いで、福井県第2の都市です。そこには、小玉さんというスーパー公務員がいます。
坂井市も「人口減」に直面する地方自治体です。全国の多くの自治体は人口減を食い止めようと、移住者の募集に注力するところが多いですね。住宅や雇用に対する支援を積極的にアピールし、地方への移住を後押しするといったイメージです。
しかし、小玉さんは、「地域に定住してもらえる施策を打ち出すのも行政の仕事だ」として、自分たちが暮らす地域の魅力を認識することで、地域への愛着を持ってもらうプロジェクトを提案し、進めています。今年度は、福井県坂井市の魅力を言語化するブランディング推進事業を手がけています。市内に暮らす高校生や大学生など計40人で、地元の魅力についてワークショップ形式で語り合うことから始めます。初回は、一人20個の坂井市の魅力をリストアップすることです。
40人×20個で、合計800個の魅力から、もっと深掘りしたい「ヒト」や「モノ」を選び出します。例えば、「竹田地区のキャンプ場の管理人さんが面白いから会いに行ってみよう!」といった具合に、地元の人でも知らないことばかりが出てきます。
市民の投票も経て、ブランドメッセージは「らしさ、かがやく。」に決まりました。小玉さんは、坂井市には、自分らしさを大切にして、生き生きと暮らしている人が多い。そんな思いが、この言葉に込められていると言います。そして、ブランドメッセージから派生したロゴマークや公式キャラクター(名探偵をめざす探偵犬のかわいいイラスト)もできあがりました。
玉井さんは、入庁4年目でふるさと納税の担当になり、特産品を製造する企業を取材するうちに、地元の魅力を肌で感じるようになったそうです。「坂井市には何もないという人もいるが、それは違う。何でもある。ただ、価値が言語化されていないだけだと気づいたんです。若者が集まり、地元のことを知る機会をどんどん作っていきたい。少なくとも魅力を知らないまま都会に出ていく若者は減らせるはずです」
どうですか・・・こんな「まちおこし」もありですね。私たちは、自分が住んでいる町の良さをもっと深掘りできるかもしれません。そして、人口減の最大要因の「若者が都市に出ていく」を食い止めることにつながるのです。