今日はあったか屋上でした。園長は久々にノックバットを振ります。外野からの返球を内野へ中継プレーができるようになってきました。ボールを後ろにそらし、返球も暴投ですが、夢中の子どもたちです。まだまだ、野球とは言えないレベルですが、昭和の野球部監督のように「ケツバット」はしません。(笑)
さて、先月「こどもの本総選挙」の発表がありました。NPO法人こどもの本総選挙事務局が主催し、全国14万人の小学生が選んだ本です。絵本も含むすべてのジャンルが対象です。見事、1位に輝いたのは、ヨシタケシンスケ作の絵本「りんごかもしれない」です。知っていますか。
ある日、男の子が学校から帰ってくると、テーブルのうえにリンゴが置いてありました。
しかし、そのりんごを見て、とある疑問を抱いてしまった男の子。
「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」
りんごがりんごであることを疑う男の子の想像は、とどまるところを知らずにどんどん大きくなっていきます。
これはりんご型のメカかもしれない!?機能満載、リンゴメカの解剖図!
らんご、るんご、れんご、ろんご!?奇妙キテレツな形のりんご兄弟たち!
ほんとはオシャレがしたかった!?いろんな髪形、りんごのファッションショー!
はたしてこれは本当にりんごなのか??
男の子が思い切って、ひとくちかじってみると……
たった一つのりんごなのに、男の子の発想が広がっていって、読んでいる子どもが、どんどん引き込まれていくような内容です。これは、作者のヨシタケシンスケさんが10年前に発表したデビュー作です。
ヨシタケさんが、「りんごかもしれない」の完成エピソードを語ります。「最初は、りんごをいろんな国の言葉で言いかえてみたり、だれがいつりんごを食べ始めたのか歴史をさかのぼってみたり、教科書みたいな絵本を考えていたんです。でも、それじゃ全然面白くなかった。で、思いついたんです。『りんごに見えているけど、そうじゃないかもしれない』っていろいろ考える話にすれば、面白いなぁ~って。頭のなかで想像するのは、自由ですからね」
私たちは、大人になればなるほど過去の先入観にとらわれて、決め込んだり、思い込んだりすることが多くなります。その点、子どもの発想は自由で、大人の想像を超えて、「はッ!」とさせられることが多いですね。
小学生14万人の総選挙で、見事に1位になった「りんごかもしれない」を、一度読んでみたらいかがですか。