災害で消えるローカル線②

今日のお昼の課外授業は、「演劇鑑賞」です。第18回東大宮演劇祭に子どもたちを連れて行きました。劇団レインボウ城!や演劇ワークショップの演劇2本を観ました。普段は、公務員・会社員などの仕事をしているメンバーが、大好きな演劇を通じて、「もうひ一人の私」を演じ、楽しんでいます。テレビドラマや映画に出演するような劇団ではありません。しかし、子どもたちにとっては、インパクトが大きかったようです。コメディ作品を2本観たのですが、子どもたちはストーリーは、なかなか理解できないものの、役者のセリフやリアクションが面白ければ、大笑いです。客席で、役者のセリフを真似して大声でオウム返しするので会場がどっと笑いに包まれました。いい経験になったようです。

 

さて、昨日の「災害で消えるローカル線」の続きです。只見線は、2011年の集中豪雨で、会津川口ー只見間でバス代行となったのですが、2022年、約11年ぶりに鉄道が再開したのです。俳優の六角精児さんはじめ、只見線を愛する全国の人たちのエールもありましたが、再生の切り札が、「上下分離方式」です。車両の運行を「上」、線路や駅舎などの施設管理を「下」とし、「上」はJRなどの鉄道会社が行い、「下」は自治体が引き受ける方式です。線路や鉄道施設などの維持管理がなくなる分、鉄道会社の経営負担が軽くなるという仕組みです。JR東日本は、この「上下分離方式」でなければ、只見線の廃線区間は、永遠にバス代行か廃線にしたことでしょう。ただし、福島県と沿線自治体が存続を主張し、「上下分離方式」が採用されたのです。

 

私は、バス代行区間も乗りましたが、今年1月の「おやじ旅」で、開通後の雪の只見線に乗車しました。只見ー会津川口間では、台風で流れた3つの橋を渡り、橋が流れた原因となった、ダム放流を行った本名(ほんな)ダムを通過しました。ダムの放流をしなかったなら、橋は流されずにすんだかもしれませんが、ダムが崩壊しもっと大きな被害につながっていたかもしれません。複雑な気持ちで、車窓を眺めていました。

 

この「上下分離方式」は、JR只見線の他にも、茨城県ひたちなか市を走る第三セクター「ひたちなか海浜鉄道」が導入して、経営を立て直しています。しかし、只見線の場合は、毎年3億円とされる「下」の施設維持管理費は、福島県と会津17市町村が負担することになります。鉄道ファンは、「只見線を残して!」と簡単に言えますが、地元住民はこれだけの負担が強いられるので、「只見線を復活させて良かった!」という存在意義が必要になるのです。

 

う~ん・・・なかなか難しいですね。何か、他にいい方法がないものか。つづきは明日です。