今日は、久々にドッジボールで汗を流しました。あったかくて風もないので、子どもたちも汗だくです。そんな屋上からは、雪景色の美しい富士山を見ることができます。今日は、そんな富士山の話です。
富士山が2013年に世界遺産に登録されてから、10年が経ちました。コロナ前の2019年の来訪者数は、世界遺産登録前の2倍以上に増えています。テレビでは、大渋滞の登山道や、半そでなどの軽装で弾丸登山をする外国人の姿が、たまに放映されていますね。
「いま、富士山は悲鳴を上げています!」と、地元関係者は警鐘をならします。世界遺産登録のユネスコからの宿題は、①ひとが多すぎるのを何とかしなさい!②観光大型バスの排気ガス&ごみだらけで、環境負荷が大きすぎる!③信仰の場である富士山の景観が損なわれている!の3つですが、10年たって、解決どころか悪化しています。
世界の宝「富士山」を未来に引き継ぐために、「富士山登山鉄道」の構想が動き出しています。「えっ!電車なんか走らせたら、さらに環境破壊につながるんじゃないの?」と思ったあなた。イメージは、ヨーロッパのアルプス登山鉄道です。山梨県が中心になって進めています。
新たに鉄道を引く工事をするのではなく、現在、5合目まで、自家用車や大型バスが通行している、富士スバルラインを車両通行止めにして、次世代型路面電車(LRT)を走らせる構想です。宇都宮市内に開通した超モダンな路面電車のイメージです。登山鉄道なら、乗客数や運行本数を決められるので、来訪者数を確実にコントロールできます。冬場についても、悪天候でなければ運行ができ、現在は夏場のみに集中する来訪者を1年通して、魅力的な観光地にできるというわけです。もちろん、5合目から先は、徒歩になります。
世界の登山家たちが「いろんな山を登った中で、富士山が一番汚かった」と話すようになってから、富士山は、その美しい姿と裏腹に、「汚い山」の代名詞になっています。登山鉄道を走らせることで、電気と上下水道のライフラインも整えます。現在5合目には、電気と上下水道が整備されておらず、発電機用の重油やトイレの水は、麓(ふもと)からタンクローリーで運んでいるそうです。実現すれば、タンクローリーが不要になるだけでなく、処理が追いつかず不衛生になりがちだったトイレも気持ちよく使えるようになります。
山梨県は、昨年11月から富士山周辺の住民説明会を始めたそうです。この構想を進めるにあたっては、予算の問題だけでなく、現在商売などで、生計を成り立たせている人への対応など、クリアすべきことが山ほどあるでしょう。
どんな形にしろ、この美しい「富士山」を未来に残していくには、現状のやり方ではいけないことは明白です。屋上遊びの合間に見える富士山を愛でながら、日本人の一人として
考えないといけませんね。