おにぎりの可能性

保育園の給食で食べている、地元の農家さんからの米を、昨日小学生と年長園児を連れて、精米しに行きました。30キロ袋には玄米が入っています。子どもたちは、精米を見るのが初めてだったようで、「わ~すごい。お米が白くなっている」と驚きます。給食で食べるコメは、完全白米ではなく7分で精米しているので、栄養を少し残しています。

 

そんなお米ですが、総務省の家計調査によると、2人以上の世帯が1年間に米にかけた金額の平均は、2000年は4万256円だったそうですが、2023年は2万397円とほぼ半減しているそうです。我が家の朝食も、長男以外は全員パン派です。米びつの米がなかなか減らない家庭が多くなっています。

 

ラーメンやパスタ・うどん・そばに目がない「麺派」が増え、ダイエットで炭水化物を取らない人も増えています。「日本人の主食はお米」であると、私たちは認識していますが、すでに平成22年には、パンの購入費がお米を上回っています。日本人のお米離れが加速するということは、日本の食糧自給率の低下や農業の衰退にも拍車がかかっていくことが明白です。農作放棄地も増えていきます。日本の未来にとっては、好ましい状況ではありませんね。

 

そんな「お米」が危機的な状況の中で、救世主が現れました。それは「おにぎり」です。近年、国内外でおにぎり専門店が一大ブームとなっています。保育園の近くにできた「おむすび屋」は大盛況ですし、駅構内には必ずパン屋さんがあるように、おにぎり専門店も欠かせない存在です。昔ながらの「しゃけ・うめぼし・たらこ」といったシンプルな具もおいしいですが、おにぎり専門店ブームのキーワードは「ごちそうおにぎり」です。ある家計調査では、「おにぎり」にかけた金額は2023年は5909円で増加傾向にあるようです。

 

私のサラリーマン時代の話です。新潟出張の夜は、古町(ふるまち)という、昔からある繁華街で飲んだ後に、必ず最後の締めで立ち寄るのが、ラーメンでなく、「おにぎり専門店」でした。米どころ新潟ですので、とにかく米がおいしかったですね。

 

保育園では、朝食が食べられなかった園児が、ママが握ったおにぎり持参で登園し、おいしそうに食べる姿がたまにあります。おにぎりにすると、なぜか食が進むのが不思議ですね。

 

農産物の中で、ほぼ100%の自給率を誇る「米」は、「組み合わせと味付けでの無限大の可能性」を持つ「おにぎり」で、復権をめざします。どんな具を入れるか?どんな味付けのごはんにするか?家族で、「今日の夕食はおにぎりパーティーにしよう!」という日がやってくるような予感です。