昨日、社会科見学で行った「造幣局さいたま支局」の話が、連絡ノートにびっしりと書かれていました。子どもなりに、貨幣工場見学の様子を親に伝えることができたようです。電車やバスに、友だちと乗ったことも大きな思い出ですね。
さて、今、アイヌ民族とその文化に対する関心が高まっているようです。映画化された「ゴールデンカムイ」が上映中ということもあります。映画は、明治時代の北海道を舞台に、元陸軍兵士とアイヌ民族の少女が金塊をめぐって争奪戦を繰り広げる壮大なストーリーです。映画では、どうしても俳優に注目が集まりますが、アイヌの民具や衣装、宗教儀礼に用いる道具などが、模様ひとつをとっても、かなりリアリティーをもって描かれていることで話題になっています。
アイヌという言葉は知っていても、アイヌ民族ってどんなものなの?今でもアイヌ民族は堂々と生活しているの?と、漠然と思っている人が多いと思います。2020年には、北海道白老町に国立アイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」がオープンしました。
ウポポイとは、アイヌ語で「おおぜいで歌うこと」だそうです。国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園などからなり、歌や舞踊など、アイヌの伝統文化や宗教儀式、日常の食べ物等を体験することができるそうです。コロナがあったものの、入場者は延べ100万人を超えました。
日本は、様々な国籍の民族が共生する国ではないので、民族差別という実感は、少ないですが、アイヌに対する差別や偏見は今でもあります。「あ、犬(アイヌ)」と呼ばれるのが典型的な侮蔑語です。バスの中で、相手がアイヌだと知っている場合に「あ~犬が座っている~」と歌いながら通り過ぎたり、逆に「アイヌなんていまはもういない」と断言されることも、差別の1つです。
アイヌへの差別をやめよう!なんて、簡単には言えません。民族的にマイノリティーであるアイヌは、自分の属性を伏せてる人も多いのです。アイヌ文化への注目が集まる中で工芸や舞踊の分野でメディアに登場する人も増えています。でも、そういう人と、自分との距離を感じ、自身のアイデンティティーに自信を持てず「自分のことをアイヌと言ってもいいのだろうか」と感じる人も、現実的には多いのだそうです。
単純に少数民族への差別問題だけでなく、アイヌ民族同士でも「もやもや」を抱える裏の実態があるなんて、私は考えたことがありませんでした。
高校生の頃に、「北の国から」で北海道にハマり、アイヌのことも、にわか知識で学びながら、知床半島にある「カムイワッカの滝」の滝つぼにわく温泉につかりながら、「カムイとは神を意味するんだ。俺は今、神の滝につかっているのだ!」とあまりにも軽いセリフを吐いていました。
アイヌを語るには、まだまだ知識不足です。日本での少数民族は、アイヌ民族・琉球民族しか私は浮かびませんが、いまを生きている彼らの葛藤は、理解したいですね。