木こりのジレンマ

保育園では、毎年年賀状を作成して、子どもたちのおうちに届くようにしています。といっても、内容は、子どもたちが描いた作品ですので、保護者のお楽しみですね。現在、職員が手分けをして、宛名を作成しポストに投函していますが、衝撃の事実を知りました。まずは、年賀状を知らない子どもたちの話です。小学校6年男子の18.6%、中学3年男子の22.9%は、前年に一通も年賀状を受け取らなかったそうです。(令和4年度日本郵政調べ)そして、さらに驚くことに、小学6年で自分の住所を正しく言える児童は60.6%しかいないそうです。平成24年には84.5%だったので、2割減です。手紙を書く習慣がなくなったのが大きな要因だと思われます。個人情報の問題で、友だちの住所を知らないこともありますが、なんだか寂しい限りです。

 

さて、今日は「木こりのジレンマ」の話です。必死に木を切っている木こりに、通りかかった人が言います。「斧がひどく刃こぼれしているよ。刃を研いだらどうだい」。木こりは、「分かっているけど、そんな暇はないよ」と答えるというエピソードです。

 

目先のことだけにとらわれて効率を考えられなくなっている。タスク(課せられた仕事・職務)のことで頭がいっぱいでスキル(技能や技術)を磨こうとすることが気にならなくなってしまうこと。の例えです。

 

実は、私たちは、多くの時間を「木こり化」して過ごしているのかもしれませんね。毎年、同じことをして忙しい日々を過ごしてしまう。「じゃ~仕組みを変えてみよう。考え方を変えてみよう」と、働きかけようとしても、多くの人は「負担」と言って、手を止めて刃を研ごうとせずに、刃こぼれしたままで仕事を続けるのです。人間という生き物は、前年踏襲型が楽に感じるのです。

 

でも、そんな中に、新しい風を入れようと意欲を持つ人がいます。風当たりが強くても、手伝ってくれる人がいなくても、ここは辛抱・・・アンテナを立てて、情報をキャッチし、自らもアウトプットする。そうしていると、必ず同士が見つかり、つながりができるものです。

 

もうすぐクリスマスですが、私たち大人は、待っているだけでは「サンタクロース」は来ません。大みそかの夜に「かさじぞう」が小判やご馳走を持ってきてはくれません。誰かに変えてもらうのではなく、当事者意識を常に持っていたいものですね。

 

まずは、「木こりのジレンマ」に自分はなっていないか・・・時々考えることから始めませんか。