朝から年長女子を中心に、布でテントを作り、素敵なキャンプ空間を作っていました。保育園の園児の中には、キャンプがライフスタイルになっている家族が多いので、こんな遊びにつながったようです。
さて、ハロウィーンパレードでの女の子の仮装一番人気は、「お姫様」です。ドレスを着たいという純粋な気持ちですが、ディズニーのヒロインたちは、時代とともに、その生き方が変化しているのをご存じですか。
「白雪姫」「シンデレラ」といった、ディズニー初期の作品にみられるヒロインの法則は、「①プリンセスとプリンスが出会うと恋に落ちる②真実のキスを交わすと呪いが解ける③二人は末永く幸せに暮らしました」というストーリーが基本です。不幸な境遇にいるお姫様だけど、最後には王子様が救ってくれる・・・こんな感じです。シンプルでほのぼのとしたストーリーですね。
そして、ディズニールネサンスと呼ばれる作品が登場します。「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」といった作品です。ここに登場するヒロインは、おしとやかで清楚で王子様を待つ受動的なヒロインではなく、活発で意志の強いヒロイン像が強調されます。美女と野獣のベルは読書家で、アラジンのジャスミンは宮殿を抜け出して町へ冒険に出かけます。それだけでなく「王子となければ結婚できない」という法律を馬鹿げていると改正させもします。ここで登場するヒロインは、王子に頼るのではなく、自分で夢をつかもうと動くし、身分の違いやハンディキャップを乗り越えて恋をするのです。
そして、女子の仮装ナンバーワン人気の「エルサ」が登場する、「アナと雪の女王」では、さらに時代を反映させたヒロイン像が描かれます。「王子様は、実は思い描いた人ではなかった」「王子様と結ばれることが最上のエンディングではない」ストーリーとなっています。この作品は、ディズニーヒロインの大きな転換点と言われ、「ありのままで」いる自分を肯定することが示されたのです。恋よりも自由が欲しい。自分を変えるチャンスは、同性を含む他者との対話から生まれ、ありのままの自分を愛することから始まるというメッセージです。
最新作の「ウイッシュ」には、ヒロイン・アーシャの友人として、「松葉杖でメガネをかけた」少女や、「存在感の薄い」少女が登場します。これは、ヒロインやヒーローが中心の構成だけではなく、身近なコミュニティーとの関わりだったり、それぞれの登場人物が持つアイデンティティーと向き合う物語になっています。まさに、多様性を認めることが当たり前のストーリーですね。
もちろん、ディズニー作品を作り上げるクリエイターは、今までにないものを描写するのが当たり前です。それは、結果的に時代の変化を取り込んだストーリーとなり、ヒロインは、その時代の女性像とかぶるのです。
保育園の子どもたちには、まだ難しい話ですが、大人の私たちは、ディズニーヒロインから、各時代における女性像を考えるのも、面白いですね。