今日は、年少女の子の話です。先月、自転車免許証を獲得して、ここ数日で、こぎ出しから一人で自転車を走らせることができるようになりました。すると、同じ、自転車免許証を獲得したばかりの年少男子に、「こうやってやるんだよ」とこぎ出しスタートのやり方を教えていたのです。自分ができるようになったら、今度は友だちに教えているシーンは、何だかうれしかったですね。
さて、全国に「森のようちえん」と呼ばれる、自然体験を基軸にし、どちらかというと一斉保育よりも見守り保育のバランスが高い環境の幼稚園があります。そんな「森のようちえん」を卒園した園児が、大学生になってどんな成長傾向にあるか、東北大学や日本女子大学教授ら5人の研究グループによる調査結果が出たようです。その結果、卒園児同士のつながりが深い、自己肯定感が高い、社会参画への意識が高いという傾向が見られたそうです。
どうですか・・・興味をそそる研究結果ですね。
研究に協力したのは、約40年前に開設された長野県のK幼稚園です。調査は、連絡先が把握できた81人に無記名での回答を求めるオンラインアンケートの形式で行われたそうです。通常、幼稚園、保育園、小学校も卒園卒業してからは、月日の経過とともに友だちとのつながりが希薄になる傾向にありますが、K園卒園児は、大学生世代になっても幼稚園時代の友人とのつながりを感じており、在園期間に様々な体験を共有して構築した関係性の深さがうかがえます。
具体的なデータでは、「自己肯定感の高さ」については、「今の自分が好きだ」74.4%(内閣府調査46.5%)、「自分には自分らしさというものがあると思う」94.4%(同70.6%)、「自分の親から愛されていると思う」も97.4%(同73.7%)あり、自己肯定感が高い結果は家庭環境の恩恵も踏まえて考える必要があるようです。
さらに深掘りすると、「リーダーシップを含む社会参画への意識の高さ」については、「うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む」が71.8%(内閣府調査51.9%)、「自分の考えをはっきり相手に伝える」も79.5%(同49%)と高い数字です。回答した39人中36人が卒園後に部活動や委員会活動で責任ある立場を担った経験があると答えています。最後に、こんな質問もあります。「自分で国や社会を変えられると思う」は、38.5%で国の平均値18.3%をはるかに上回っています。
「森のようちえん」だけでなく、五感を使いながら、仲間や教職員と伸び伸びと遊びながら育つことを大切にする幼稚園、保育園を卒園した園児には、こうした傾向があることを今回の調査は示したと言えます。
どうですか・・・幼稚園から、みな同じように一斉に勉強を教えるという取り組みは、子どもたちの将来の自立には、必ずしもつながらないことだけは、間違いありませんね。