今日の給食は「いも煮会」です。屋上の青空給食で、煮込みうどんをおなかいっぱい食べました。ホワイトきゃんばすファームで収穫した、大根・じゃがいも・小松菜がおいしさの秘密です。もう一つは、みんなでおしゃべりを楽しみながらの給食ですね。風もなくて、お日様がポカポカ・・・あったか青空給食になりました。
さて、みなさんは「へき地」という言葉をご存じですか。マイナスイメージに使われることが多いですね。交通機関や生活施設などから離れた場所を指し、そこにある学校を「へき地校」と言います。2022年度のデータでは、全国の公立小中学校の9%がへき地校だそうです。意外と多いですね。北海道では、全体の36%がへき地校です。
北海道教育大学では、札幌などの都会出身の学生を対象に、志願制のへき地校実習を行っているそうです。北海道教育大学3年の佐々木さんは、タンチョウ鶴が舞う鶴居村にある下幌呂(しもほろろ)小学校で、2週間の教育実習を受けたそうです。児童数24人のへき地校です。
2学年の児童数が合計16人以下の場合に、複式学級を作ることができます。先生1人が、2学年分の授業を受け持つのです。佐々木さんは、3・4年合計6人の授業を3日目から任されました。教室の前方を向いた4年生は国語ドリル、後方向きの3年生は教科書の物語文を読みます。3年生に問いかけると、4年生が「終わりました」と言い、佐々木さんは「ちょっと待って」と焦ります。そして、教室の前後をうろうろするのです。
佐々木さんが通った小学校は札幌市内で、1クラス35人だったそうで、他学年の子や先生と話す機会は少なかったと言います。今回は「少人数だからこその深い関わりがあるのでは」と思い、実習を希望したそうです。
小学校では、先生は男女問わず、子どもたちを「○○さん」で呼ぶところが多くなってきましたが、下幌呂小では、子どものことを下の名前で呼びます。児童も先生も学年に関係なく声をかけあう光景が日常です。
そして、佐々木さんの実習最後の日には、24名全員が次々と声をかけてくれまし。一人一人の子どもたちのかかわりは、より深いものになり、「この実習は短かったけど、濃密だった。子どもたちへの向き合い方が見えてきたような気がする。この経験を糧に、絶対に先生になる」と言います。
1クラス35人を相手にしていたら、表面上のかかわりしかできなかったかもしれませんね。へき地校での少人数での実習体験は、自分が子どもと関わる原点となるのです。明日の日本を担う、子どもたちにかかわる仕事が教員です。そんな教員を目指す若者たちには、大いに活躍してもらいたいですね。