現在東京日比谷にある東京宝塚劇場は、2000年に新しくなったのですが、その前の劇場に、新入社員だった私は、仕事としてカスタードプリンを届けたことがありました。月組の楽屋まで潜入したのです。裏口から入館が認められ、廊下を歩くと、次々と華やかな衣装に彩られた役者さんたちとすれ違います。私は、まるで別世界に来たようで、一瞬で舞い上がってしまいました。男役は、男性の私から見ても「超カッコよかった」ですね。
ご存じのように、宝塚歌劇団は、日本最大の女性だけの劇団です。この劇団に入るには、毎年定員40~50名の狭き門「宝塚音楽学校」に合格しないといけません。そして、歌劇団に入団できても、そこで活躍できる人材は限られています。しかし、そこを目指した劇団員たちは、様々な思いを抱えながら前に進んでいます。
「先輩や先生には『イエス』しか言ってはいけないような厳しい世界。ある程度のパワハラはこれまでも絶対にあったけど、必ず後からフォローしてもらえた」と、元劇団人は語ります。宝塚音楽学校に入学した時点で、ある意味覚悟ができている人達ですから、パワハラの実態を決して口にすることなどありません。
今回の調査報告で「ハラスメントは確認できなかった」とする内容に、遺族だけでなく、多くの宝塚ファンも怒りを覚えたのです。
私が小学校のPTA会長をしていた時に、当時小学校5年の私の息子のクラスで「いじめ」がありました。教科書に落書きをされたり、上履きに細工をされたのです。私は息子に「いったい誰がいじめをしているんだ」と聞いたのですが、同じクラスの息子も、いじめた児童が誰なのかわかりませんでした。すぐに、当時の校長が保護者が集まる席で、「うちの小学校には、残念ながら『いじめ』があります」といじめがあることを伝えました。学校として、いじめをなくしていくよう取り組むので、保護者の皆様にもご協力を願いたいと語ると、翌日から、息子のクラスのいじめがなくなったのです。
宝塚幹部も「パワハラがあった」と認めて、今後の対応を話すべきでした。宝塚歌劇団に限らず、日本には、同じように特殊な従属関係で成り立っている組織やチームが山ほどあります。昔の部活動なんて、その最たるものです。私が中1の頃の野球部は、廊下で先輩とすれ違うと、「チワッス!」と頭を下げて挨拶することが、慣習となっていたので、うるさいったらありゃしません。
じゃーどーするんだ?と言われるかもしれませんが、純粋に「努力」や「希望」で「夢」を手に入れられるような、そんな組織やチームになっているか・・・今回の宝塚の問題は、宝塚だけの問題ではないと思うことが大切だと思っています。
最後に「宝塚歌劇団 ブスの25か条」を紹介します。
1. 笑顔がない 2.お礼を言わない 3.おいしいと言わない 4.精気がない
5.自信がない 6.グチをこぼす 7.希望や信念がない 8.いつも周囲が悪いと思っている 9.自分がブスであることを知らない 10.声が小さくいじけている
11.何でもないことにキズつく 12.他人にシットする 13.目が輝いていない
14.いつも口がへの字の形をしている 15.責任転嫁がうまい 16.他人をうらむ
17.悲観的に物事を考える 18.問題意識を持っていない 19.他人につくさない
20.他人を信じない 21.人生においても仕事においても意欲がない
22.謙虚さがなくゴウマンである 23.人のアドバイスや忠告を受け入れない
24.自分が最も正しいと信じている 25.存在自体が周囲を暗くする
ブスという言い方は、宝塚風の比喩ですので、そこを突っ込まないでくださいね。でも、これは、私たちの行動にも当てはめることができます。私は、25のうち半分以上できていません。(笑)