シニアが若者の希望に

寒い朝ですね。暑すぎる夏の次は、寒すぎる冬になるのはメリハリがついた気候なのかもしれませんが、勘弁願いたいですね。

 

さて、今日は生物学者の小林武彦さんの話です。生物の寿命について語ります。「哺乳類の心臓は、総心拍数が20億回ぐらいに達すると終わりになるという仮説があります。60年以上生きるゾウも、2年しか生きないネズミも、トータルで約20億回は同じ。だから、ゾウの心臓はゆっくり2秒に1回ぐらい拍動するのに対し、ネズミの心臓は『トトトトトッ」と1秒間に10回ぐらいものすごい速さで打つ。そして、人間の総心拍数が20億回に達するのは、大体50歳前後です。がんで亡くなる人が55歳あたりから増えることや、女性の閉経年齢が50歳前後であることを踏まえ、私は生物学的なヒトの寿命は55歳ぐらいではないかとみています」

 

えっ!日本人の平均寿命は80歳を超えているし、私はとっくに生物学的には死んでいるという数字です。実際の人間は、100歳を超えて生きる人も多いです。これは、進化の過程で老いたヒトがいる集団の方が生存に有利に働き、選択されて長生きできるようになったためと考えられています。

 

赤ちゃんは誰かが世話してくれる人がいなければ生きていけないですね。大昔、親が狩猟や稲作で忙しい時に、面倒を見て、生きる上で必要なことを教えてくれる人、そう、おばあちゃんやおじいちゃんがいる集団の方が有利だったのです。

 

そうです。人間には、シニアの存在が必要なのです。若い時は、もっと出世したいなど利己的でいい。そのエネルギーがイノベーション(革新)や生産性につながります。でも、そうした人ばかりだと衝突や格差が起きて社会がまとまりませんね。そこで、利害調整ができるシニアの存在が必要なのです。でも、今の日本のシニアは、その役割を十分に果たしていないような気がします。

 

少子高齢化の時代では、老兵は早く引退して若者に席を譲ると言っても、若者が少ないので、椅子があっても座る人がいないのです。誰かが座らないと、地域や社会が崩れます。だから、定年制などによる年齢による縛りはやめて、働きたい人にはもっと活躍してもらった方がいい時代になってきたのです。

 

こうして、シニアがハッピーに生きていれば下の世代はそれを見て安心し、思う存分やりたいこともやれて、将来に向けて頑張れる。若者の幸福感が増せば、回り回って少子化対策になることも期待できますね。少子化対策は、実は上から攻めないといけないのかもしれませんね。

 

どうですか・・・私もシニアへ向けての階段を登っている途中ですが、ハッピーに生きることが自分のためだけでなく、世の中のためになると考えると、まだまだ、夢と希望を持って頑張るぞ!となるものです。(笑)