時刻表 駅ホームから消える

前にこのブログで、駅から「時計」が消えているという話をしましたが、JR東日本では、すでに2012年から約500駅を対象に撤去済みです。ところが、山梨県の大月市と上野原市の自治会が反発し、両市議会は時計の再設置を求める決議を可決し、昨年12月、大月、上野原など7駅で自治体が購入した電波時計が新たに設置されたそうです。時計の維持管理は、JRではなく自治体が行っています。

 

ゴミ箱も駅で見つけるのが難しくなっています。中身が見える透明パネルのゴミ箱を設置していた東京メトロは、「セキュリティー強化」を理由に、全駅で撤去しました。

 

そして、いよいよ駅ホームにあった「時刻表」の撤去が始まっています。大阪の南海電鉄のある駅では、ホーム上の駅時刻表があった部分が空白になっていて、代わりにQRコードが掲示されています。スマホの普及を踏まえ、デジタル化を進めているようです。

 

若い人は「いつもスマホで時刻表を検索するので、変化に気付かなかった」と言い、お年寄りは「スマホは持っているが、操作に慣れていないし、画面を追うのは目が疲れる。駅の掲示を見るほうが楽だ」と話します。

 

そういえば、私も電車に乗って出かけるときは、あらかじめ検索してどの列車に乗るか決めていることが当たり前になっていました。駅ホームの時刻表を見ることもなくなっていましたね。

 

よく考えれば、ダイヤ改正のたびに、新しい時刻表の作成や設置にかなりの費用がかかります。また、環境配慮の点でもプラスチックの時刻表を作り直すことはいかがなものか、という考えもあるようです。最近では、路線の相互乗り入れが複雑化していることもあって、1枚の時刻表で丁寧に示すのが難しいこともあるようです。

 

国土交通省は、「ホームに時刻表がなくても改札口などに掲示したり、電光表示で案内したりしていれば問題ない」という見解です。

 

「駅」という場所は、かつては、列車に乗る場所だけだったのが、「エキナカ」という言葉が定着した今では、駅の中はショッピングや様々なサービスが受けられる空間へと変わっていきました。そんな時代の流れの中で、これまで駅に当たり前にあったものがなくなっています。どうも、気がつかないうちに・・・です。時々、「時計・ゴミ箱・時刻表」が自分が利用する駅にあるかどうか、チェックしてみませんか。