早朝にラグビーワールドカップの決勝戦が行われ、南アフリカがわずか1点差で、オールブラックスを破り連覇を果たしましたが、どうも、日本代表が決勝トーナメントに進めないとわかってから、ラグビーを見なくなった人が多くなっていますね。やはり、ここは、世界最高レベルをしっかりと見ておきたいものです。
日本は、小中学校は義務教育で、多くが高校へ進学します。不登校の問題がありますが、「学校に通えない」ということは、まずありません。ところが、世界を見回すと、日本のモノサシは通用しません。
紛争や気候変動、感染症などの様々な問題が、世界の子どもたちの教育を受ける権利を脅かしています。SDGsの4番目の目標には「質の高い教育をみんなに」と掲げられていますが、いまだに6歳~17歳の子どもたちのうち、2億4400万人の子どもたちが学校に通うことができていません。
具体的には、世界全体で小学校に通えない子どもは約9%(11人に1人)。中学校では約14%(7人に1人)が、高等学校では約30%(3人に1人)が学校に通うことができていないのです。
「ぼくの他にお金をかせげる家族がいないから、ぼくが学校をやめました。そしたら4人の弟たちは勉強を続けらえているから」(アナス12歳)
8年以上内戦が続くイエメン。新型コロナウイルスやウクライナ紛争の影響が重なって、子どもたちを取り巻く状況が悪化し続けています。
「学校に来るまでは、何も知らなかった。学校に通えることが、本当にうれしいの」(グラハ9歳)
アフガニスタンでは、女子の教育を取り巻く状況が悪化しています。2021年9月から、女子が中等教育を受けることが禁止され、教育を受ける権利が奪われています。9歳のグラハさんは、これまで学校に通ったことがありませんでしたが、地震の緊急支援で建てられた仮説の学校で学べるようになったのです。しかし、彼女も中等教育の年齢に上がれば、教育を受けられない可能性があります。
「学校は屋上まで水につかってしまいました。2か月以上も水がひかず、ぼくは学校に通えませんでした」(シャヒド8歳)
2022年8月、大雨と洪水がパキスタンを襲い、国土の約3分の1が浸水しました。被災した人の数は約3300万人。そして学校も約3万校が被害を受け、今も多くの子どもたちの教育が中断され続けています。
私たちは、日本という国で生活していると、世界の子どもたちの多くが、「学校に通えない」という実態があることを知りません。時々、世界の子どもたちのことを考える時間を持ちたいものです。