弱者の戦略

今週最後の西文ひろばでの運動会の練習です。より細かい内容を注意しながら進めます。紅白対抗リレーでは、「チームのために最後まで諦めない」「転んでも泣かないで走る」など、精神的なことをたたき込んできましたが、今日は、「バトンの渡し方」「大まわりしないで、ラインの横を走る」など、技術的な練習を入れます。本番までに、両方の完成度を上げていきます。

 

さて、皆さんは小島よしおさんを知っていますか。「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」で、一世を風靡したお笑い芸人です。小島さんが芸能界で注目されるようになったのは2007年です。ずいぶん前ですね。しかし、同じ芸風は、どんどん飽きられてしまい、仕事も減っていきます。一発屋で終わってしまうのか・・・このままじゃダメだと思ったときに、「弱者の戦略」とう本に出合います。これで、視界がパッと開かれたといいます。そして、今でもテレビに出演するだけでなく、YouTube番組で小学生を相手に、配信を続けています。今では、「オッパーピー」から「インテリ」にシフトしています。

 

「弱者の戦略」は、農学博士の著者が、強者ではない動植物が生き残っていく様を書いたものです。「たとえば雑草(野草)。『打たれ強い』イメージがありますが、野草はそもそも圧倒的に競争に弱い植物だったんですね。だから強い植物が生えることができないようなコンクリートの隙間とか日蔭とか乾燥しているところを選んでいる。つまり、戦略を立てて生き延びているんです。あえて人に踏まれるようなところに生えて、種を散布するのも戦略。結構したたかなんです」と言います。

 

故野村監督が、万年Bクラスのチームを「野村再生工場」といわれるような、いくつもの戦略と戦術を繰り出して、日本一になるというイメージですね。この本のあとがきには、ダーウィンの言葉が記されています。「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは、変化できるものである」

 

強い恐竜は、氷河期という環境の変化に対応できずに、絶滅しました。ヒトは、賢い動物ですが、過去に何度も愚かな戦争を繰り返しています。自分たちの住む地球環境が、今大変な状況になった今、「変わる」ことができるか。戦争を今後も繰り返すのか。・・・これが、人間がこれからも生き残れるか否かの分岐点かもしれませんね。

 

「弱者の戦略」は、地球の動植物の話だけでなく、私たちが社会で生きていく上で、大いに参考になります。人間は、弱いってことを忘れないことです。傲慢になってはいけません。権力に溺れてもいけません。柔軟な思考で、自分自身が変化をしながら、めまぐるしく変わる世の中を渡り歩く・・・・そんなことを考えながら、生きていきたいものですね。