義務教育学校の今

今日の寺子屋は、4つのチームに分かれて、屋上で「バッタとり大会!」を行いました。屋上のどろんこ広場は、程よく草むらになっていて、バッタが生活するにはもってこいの環境です。バッタのピークは、真夏ではなくて9月です。もちろん、10月になった今でも、オンブバッタやショウリョウバッタなどを見ることができます。バッタの観察をじっくりやりたかったのですが、20人以上の子どもたちが、草むらをぞろぞろ歩いたので、どこかに隠れてしまったようです。

 

さて、日本の一般的な学制は、小学校6年・中学校3年・高校3年・大学4年の「6・3・3・4制」です。これは、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で決まったといわれていますが、2016年に義務教育学校が制度化しました。小学校の6年間と中学校の3年間を統合した9年制となる学校です。この9年間をどう分けるかは、独自に行うことができます。

 

大きなメリットは、小学校で最上級の6年生のうちから中学生(7~9年生)と同じ校舎で学ぶので、中学進学時に環境の変化から不登校やいじめが増える「中1ギャップ」の解消につながることです。

 

もっと言えば、小学校1年生(6歳)から中学校3年(15歳)までのタテの関係が、同じ校舎の中にあることが、大きなメリットです。子どもたちが、やがて社会に出るようになると、そこには、同じ年齢や同じ学年のチームや組織など存在しません。私たち大人は、異年齢の中で、コミュニケーションをとっていくのです。

 

保育園ホワイトきゃんばすの異年齢保育の説明を見学の保護者にする時も、この話を必ずします。保育園では、年中・年長園児から後輩たちは大きな影響を受けて成長を加速させます。義務教育学校では、その幅が9年もあるので、半端ない影響力を子どもたちは受けることになります。

 

ということで、2016年度発足時には、全国で20校ほどでしたが、2023年度には200校を超えて10倍になっています。もちろん、校長が一人のために教員が多忙であることや、小中一貫の教育体系に適応できない教職員があることなどのデメリットもあります。しかし、子ども主体で考えると、デメリットは、教員側の問題ですね。

 

もともと中学校では、教員が教科別に授業をするのが当たり前の環境です。小学校も、担任がすべての教科を教えることが少なくなってきました。子どもたちにとって、多くの先生の授業を経験することが、学びの機会としてプラスにつながります。

 

義務教育校含め、ヨーロッパの国々のように、日本も多様な学校が増えていくことでしょう。異年齢教育の「イエナプラン」の小学校も、全国でどんどん増えています。