ペリリュー 楽園のゲルニカ

今日から、さいたま市内の小中学校は、夏休みが明けて2学期がスタートしました。昔に比べれば、宿題の量は減ったようですが、ホワイトきゃんばすの卒園児は、「とっくに終わらせたよ!」と「週末に追い込みをした」に、まっ2つに分かれました。どっちがいいとか悪いとか、正解はありませんが。(笑)

 

昨日、保育園の近くの陸上自衛隊の駐屯地で「夏まつり」が夕方から行われました。実に4年ぶりの開催です。保育園の園児たちのざっと1/3は、パパやママと一緒に祭りに出かけたようです。屋台があって、盆踊りのやぐらが組まれ、メインイベントは花火大会です。ちょうど、真上に花火があがるので、尺玉のような大型花火でなくても、すごい迫力です。20時から約15分間、連発で楽しませてくれました。私は、ふだん子どもたちが遊んでいる屋上から見ていました。やっぱり、日本人は花火が大好きですね。

 

さて、8月は、どうしても戦争について考えることが多くなります。南太平洋の小島・ペリリュー島をご存じですか。現在は、パラオ共和国の一部で、太平洋戦争時に、日本軍とアメリカ軍との陸上戦が行われた島です。来月、私の長女夫妻で、パラオにダイビングに行くのですが、つい80年ほど前に、ここで多くの命が奪われたことなどこれっぽっちも考えないで、遊びまくるのでしょう。(笑)

 

2015年に、当時の天皇陛下が、現地で戦没者慰霊を行ったので、記憶に残っている人も多いと思います。そんな、ベリリュー島で起きた戦禍の一部始終を史実を下敷きにフィクションとして描き出した漫画が「ペリリュー 楽園のゲルニカ」です。

 

この小さな島にいた日本軍は1万人。襲い掛かる4万のアメリカ兵との明らかな戦力差から、長期的な持久戦を強いられることになったのです。本作では、島のほのぼのとした日常の描写があると、次の瞬間には、無残な死を描く場面へ移行します。このギャップが、リアリティーを増すのです。そして、読み進めるほどに、作中の兵士たちと同様に、読者も人の死に慣れてしまうことに気が付きます。戦争が常態化していく感覚を追体験するような、なんとも心が重くなる作品です。

 

令和の時代に、昭和の小島で実際に起きた出来事とそれに命をかけた人たちの思いを知るためのきっかけになる本です。

 

そうだ・・・パラオに遊びに行く、長女にこの本をプレゼントすることにしよう。「大いに遊んで楽しみなさい。でも、時々考えなさい」という、父のメッセージです。(笑)