今日の寺子屋は、朝から「いちじくジャム」作りです。我が家のいちじくが今年も豊作です。猛暑の影響は、収穫のタイミングを20日ほど早めましたが、イチジクの成長には問題なかったようです。
いちじくを子ども用包丁で切って鍋に投入・・・砂糖とレモン汁を入れて、グツグツと煮込みます。午前中に出来上がった「いちじくジャム」を午後にお土産用の容器に詰め、ラベルを貼って完成です。ラベル貼りは、難しいので、本日登園の小学2年の女の子が担当しました。いちじくは、りんごやみかんやぶどうのようにメジャーな果物ではありませんが、子どもたちには、いろいろな果物に挑戦してもらいたいですね。
さて、まだ記憶に残っている方も多いと思いますが、日本では2000年に出版された「話を聞かない男、地図が読めない女」は、瞬く間に話題となり、日本だけでも200万部、世界では600万部を売り上げました。この本は、男性脳・女性脳をテーマにした本です。
男性脳・女性脳とは、脳には性別によって違いがあり、それぞれの得意分野が異なるという主張ですが、誰もが一度は耳にしたことがありますね。難しい言い回しですが、「男性は空間認知機能が高く、論理的思考に優れる。一方、マルチタクスは苦手であり、過程より結果を大切にする。女性は共感性が高く、成果よりもプロセスに意識が向く。地図を読むのが得意なのは男性、顔認識が得意なのは女性」といった考えです。
しかし、こうした定説は、脳神経科学の世界では、すでにほぼ否定されているようです。経済協力開発機構(OECD)は、すでに2007年に「脳を理解する」と題したレポートで「右脳人間・左脳人間」や「睡眠学習」に並び「男性脳・女性脳」を神経神話と呼んで、科学的根拠に乏しいと注意喚起しました。
確かに、男性・女性の統計的な平均値では、「男性は話を聞かず、女性は地図が読めない」という傾向が、わずかの差であるそうですが、それを大きく上回る個人差があるのです。男女の脳の違いではなく、教育や社会の環境が作り出していると考えられています。
わかりやすく言えば、男女の身長は、個人差によって逆転するケースも珍しくありませんが、傾向的には男性の方が大きいことは明らかです。一方、脳には、このようにわかりやすい違いはないのです。
こうして考えると、「男なのに地図が読めないなんて恥ずかしい!」とか、「女のくせになんで共感性が低いのか!」という発言は、NGなのです。
人間の脳や能力を石に例えると、個々人で大きさも形も様々です。それを男性とか女性とかといった画一的な形態に押し込めて積み重ねる「レンガモデル」より、それぞれの形や大きさを生かして組み合わせる「石垣モデル」に、考え方や社会の仕組みを持って行った方がいいのかもしれません。
日本の城の石垣が、数百年も経った現代でも、立派にそびえているのは、「多様性の尊重」だからかもしれませんね。
今日の結論は、男性脳・女性脳神話にさよなら!です。