地球を救う生き物④ キノコシロアリ

昨日から、義理の母が住む福島に来ています。 夜は冷房なしで窓を開けて寝ていると、虫の鳴き声の大合唱でした。コオロギの他、5種類くらいの虫の声が、心地よい音色を超えてうるさいくらいでした。久々に、夏の夜の虫たちを感じることができました。

 

さて、今日はシロアリが登場します。シロアリと言うと、家を食い荒らす害虫のイメージがありますね。分類上では、シロアリはアリよりもゴキブリの仲間に近いそうです。地球上に広く分布しています。

 

その中でも熱帯や乾燥地帯など、気象条件の厳しいところに暮らす「キノコシロアリ」は、高さ数十メートルに及ぶ蟻塚を作って集団生活をしています。砂漠の中のような、日中は50℃になる一方で、夜は0℃まで温度が下がる環境でも、蟻塚の中の温度や湿度は、ほぼ一定に保たれています。

 

蟻塚の表面には穴が無数に開いており、巣の中には空気が内側から外側へ巡回する隙間が通っています。日中と夜とでは巣の中に逆の空気の流れが起こり、一定の環境が常に保たれています。

 

これは、まるで高層ビルの空調が自動的にコントロールされているような仕組みです。キノコシロアリの巣の外側を包む土の層は断熱材の役割を果たしています。巣の中には、幼虫を育てる部屋、トイレ、食料のキノコを育てる部屋などがあるそうです。

 

この仕組みを利用したビルが海外では、すでに建てられています。蟻塚のように表面に小さな穴をあけ、空気の通り道をつくった高層ビルです。電力を使わずに、温度調整ができるビルが当たり前になっていくのかもしれません。エコなビルですね。