ど根性ガエル

屋上のいけすで飼育している「おたまじゃくし」が、どんどんアマガエルになっていきます。そのままいけすの浮き草でのんびり過ごすカエルもいれば、旅に出るカエルもいます。雨の日に、屋上の池に引っ越しをしているのかもしれません。

 

かわいいアマガエルとは対照的に、池には「ウシガエル」が3匹います。時々、アメリカザリガニのいけすに侵入していて、子どもたちはそのたびに大騒ぎです。6月の親子遠足では、埼玉県の絶滅危惧種に指定されている「ニホンアカガエルの幼体」が、ぴょんぴょん跳ねている姿を見て、保育園の子どもたちにとっては、「カエル」が身近な存在になっています。

 

私のような昭和世代のおやじは、カエルと言えば、1970年代にアニメ化された「ど根性ガエル」を思い出します。このアニメ知っていますか?言葉を話すカエルの「ピョン吉」が、石につまずいた中学生の「ひろし」の下敷きになるも、ひろしのTシャツに張り付いて平面ガエルとして生き残ります。作品は、そんなピョン吉とひろしのドタバタな日常を描いているのですが、ピョン吉のど根性ぶりは、当時小学生だった私に、勇気を与えてくれました。そんな、カエルの物語です。

 

カエルは一定の大きさの生き物を捕食者と認識し、動かなくなる習性があるといいます。まさに「蛇ににらまれたカエル」です。しかし、ヒキガエルの皮膚などには毒があるので、あえて動かない戦略を選んでいる可能性があるといいます。

 

SNS上では最近、田んぼのカエルの鳴き声がうるさいとの理由で、農家に騒音対策を求めるはり紙の是非が話題になりました。なんだか、カエルの声を「うるさい!」と感じるほど、人の心に風情がなくなってしまったのか・・・と悲しい気持ちになりますが、水陸両方の環境に影響を受けるカエルは生物多様性の指標にもなります。おたまじゃくしやカエルも住めなくなってしまった田んぼは、農薬だらけの危険な米を食べることになることを考えなくてはいけません。

 

田んぼのカエルの声に耳を傾けて「この田んぼは安全だな~おいしいコメができるぞ」と思うと、ケロケロの声も愛おしく聞こえるはずですね。もともとカエルが生活していた自然環境の中に、後からやってきたのが人間ですので、カエルに優しく…生き物に愛を…ですね。