弱肉強食

今日も梅雨空ですが、屋上遊びができました。子どもたちは、すぐにファームに突進して、キュウリを収穫します。ピーマンや白ナスをチェックし、今日は、ついに赤くなったミニトマト7つを収穫しました。インゲン豆も大きくなっています。

 

そして、今日も池から脱走した「ウシガエル」が、アメリカザリガニのいけすに侵入していました。ウシガエルに食べられるザリガニ・・・でも、ウシガエルだって、我が物顔でピョンピョン跳ねていると、上空からカラスに狙われます。まさに、生き物の世界は弱肉強食であり、生存競争はつきものですね。その頂点は、肉体的には強じんではありませんが、知恵がある「人間」ということなのでしょう。

 

しかし、そんな弱肉強食の世界も、よく見ると、抑制の効いたせめぎあいでしかありません。「食う・食われる」の関係も、互いに個体数が増えすぎないように調整が働き、同じ環境で共存するための自然の知恵なのです。

 

かつて、生命は常に自分が増えることだけが目的だとする「利己的遺伝子論」が流行しました。しかし、本来生命は「利他的」であることが、最近の研究から明らかになっています。

 

それは、生き物の細胞に見られるそうです。身体の大きな細胞は、周りにいる小さな細胞を食べて生活していました。いったん細胞内に取り込まれると、小さな細胞は分解されて栄養素になってしまうのですが、あるとき大きな細胞は小さな細胞を分解せずに、細胞内に温存することにしたのです。小さな細胞は、代謝が活発でエネルギーを作り出すことにかけてはピカイチだったので、どんどんエネルギーを作って大きな細胞に供給したのです。こうして、小さな細胞は、大きな細胞の内部という安全な環境を得て、そこでぬくぬくと暮らし、増殖さえできるようになったのです。

 

どうですか・・・自然界は、「利己的」な弱肉強食に見えても、実は、生命全体のバランスを「利他的」に考えているのです。神の見えざる手かもしれませんね。

 

ただし、神でもコントロールできないのが人間です。人は、利己的にふるまって、必要以上に富をため込み、それを守るために他国と対立し戦争という愚かな行為を繰り返しています。環境も破壊し、地球温暖化により、生命のバランスも壊れようとしています。

 

人間だって、もう一度、生命の基本である「利他性」に立ち返るべきですね。わかり始めた若者に、地球の未来を託すのです。