お弁当は、公園内で食べる予定でしたが、朝まで雨が降っていたので、室内で食べることになりました。それでも、レジャーシートを敷いて、楽しいお弁当タイムです。園長は、ビデオカメラを回しながら、各ファミリーを巡回します。保育園では見られない素敵な家族の光景です。
早々に食べ終わった園児は、館内のビデオシアターで生き物クイズにチャレンジしました。「森の中で、生まれたばかりのヒナを見つけました。どうすればいいですか?」に、①エサをあげる②家に連れて帰って飼う③そのままほっとくの3つの選択に、子どもたちは、正解の③を選べません。子どもらしい優しい心ですね。
そして、午後の探検が始まりました。まずは、「カエル」探しです。雨上がりのぬかるみに、ぴょんぴょん跳ねる小さなカエルがいました。「ニホンアカガエル」の幼体です。名前の通り、赤茶色をしています。大きくなってもスリムでカッコいいカエルですが、絶滅危惧種に指定されています。
ニホンアカガエルで盛り上がっていると、なにやら、ヌルヌルと動く細長い生き物が現れました。そうです「マムシ」の赤ちゃんです。日本で一番有名な毒ヘビです。マムシは、大人だろうが、赤ちゃんだろうが、毒の量は同じだそうです。大人は、すぐにマムシから離れますが、子どもはじっと観察しています。「かわいい!」だそうです。
植物の勉強もしっかりやります。桐の木を見つけました。高級たんすとして有名な「桐だんす」の原料です。軽いだけでなく、薄く削って補修をすれば100年持ちます。昔は、女の子が生まれると庭に桐を植えました。そして、お嫁に行くときに、庭の桐で作ったたんすを嫁入り道具としたそうです。はい、昭和の話ですね。
朴(ほう)の大木がありました。この大きな葉を使った「朴葉味噌(ほうばみそ)」は、飛騨地方の郷土料理です。自家製の味噌に、薬味やキノコなどを混ぜて、朴葉で巻いて焼きます。それをご飯に乗せて食べるのですが、ごはんが、どんどん進みます。
山ウドの葉は、レモンのような柑橘系のいい匂いがします。ウドは、てんぷらや味噌和えで食べるとおいしいですが、葉を見るのは、私は初めてでした。すると、森の中に、野生のキジを発見・・・紫色の羽があったので、オスのキジです。「みんな~キジがあそこにいるよ!」と言ったとたんに、森の中に逃げてしまいました。
1つの根から分かれてまとまって群生する「ススキ」と、独立した根で群生する「おぎ」と、水辺に群生する「葦(よし)」の違いを学び、「カノコガ」という美しい蛾を観察しました。観察センターの入口で、絹糸を作る「蚕(かいこ)」を飼っていたのですが、蚕が成虫した白い蛾ををカラフルにした感じです。
午後は、お日様も顔を出して、自然の里山探検を満喫することができました。森の中を歩くだけでも森林浴で気持ちがいいものですが、自然学習指導員の皆様の豊富な知識からくる解説を聴きながら散策すると、生き物や植物がとても身近に感じることが出来ました。親子一緒に楽しめた、大満足の遠足になりました。
保育園の子どもたちは、この遠足を経験して、屋上の野草や生き物に、これからも深くかかわっていくことでしょう。自然を感じて大きく成長してもらいます。
北本自然観察公園のスタッフの皆様、天気を心配しながら参加いただいた保護者の皆様、子どもたちの笑顔がいっぱいの遠足になりました。ありがとうございました。