保育園の子どもたちが、何かに集中する姿は、毎日の保育の中でよく見られます。今日は、どろんこ広場の前で、3つのフライパンに土と水を入れて混ぜあわせ、チョコレート作りに集中する5歳男の子・・・水の量と中に投入する植物によって、味が違うチョコレートを作っています。もの凄い集中力です。
将棋界では、最年少の記録を次々と塗り替えているのが、藤井聡太さんです。テレビで見るのは、ずっと座って集中する姿ですが、ただ座っているように見えます。しかし、藤井さんクラスになると、一局の対戦で体重が2~3キログラムも減るそうです。100手以上先を予測しながら集中すると、エネルギーをたくさん使うからです。
集中力は人間が誰でも持っている力です。その集中力を生み出す脳には、最大で千億個の神経細胞があり、その10倍を超える数の細胞が、神経細胞を結び付ける信号を送ります。「シナプス」と呼ばれるものです。ここで、多くのエネルギーが運ばれているのです。そのエネルギー量がすさまじくて、体重60キロの人間で、体全体のエネルギー量の20%が、約1200グラムの脳を維持するのに使われているそうです。
皆さんも経験したことがあるように、「明日までにやらなくちゃ!」という仕事や宿題、面白くて夢中になっている時は、凄い集中力を発揮しています。ただし、集中力を維持するために使うエネルギーは、ケタ違いなので、長続きはしないのです。
保育園の子どもたちや、この春小学校1年生になったばかりの卒園児は、集中力が長続きしません。大人と違って、子どもなので、なおさらです。これを、「まったく、子どもは困ったものだ」と考えるのは間違いで、エネルギーが足りないことが大きな要因と考えれば、途中で、休憩代わりになるような行動を取り入れるなど、大人の私たちが、子どもの集中力を理解しなければいけませんね。
私たち大人だって、同じです。最高の集中力で、最高のパフォーマンスを発揮させるためには、寝ることも、ぼっとする時間も、リラックスする時間も必要であることがわかります。どこで、休憩をとるか・・・集中力が続かない時に、違うことに取り組むなど、自分に合った方法を見つけることが大切ですね。
もう一度・・・集中力を維持するには、膨大なエネルギーが必要になるのです。