世界の名スピーチ④

今日は、ゴールデンウイークの谷間の保育園です。今日も仕事のママがいますので、保育園は平常通りです。小学2年の男の子が、「園長先生!マルベリーが黒くなっているよ!」大騒ぎです。屋上の桑の木に、赤黒くなった「マルベリー(桑の実)」が熟しています。子どもたちは、今シーズン初物のマルベリーを口に運びます。「甘くておいしい!」と、猿のように木に登って、バクバク食べていました。一昨年に剪定し、昨年は実ができずにがっかりでしたが、今年は大豊作です。ざっと、500個以上の実をつけています。しばらく、子どもたちの「マルベリーつまみ食い」が続きそうです。

 

さて、今日は、裁判官「小野裕信(ひろのぶ)」さんの話です。まだ40代の裁判官です。2019年3月、コカイン使用で逮捕された、俳優でもあり、テクノバンド「電機グルーヴ」のメンバーでもある「ピエール瀧」被告の公判が同年6月に行われました。そこで、懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡したあと、こう続けたのです。

 

「人生」と書いた人の気持ちに応えられているか。  小野裕信

有名人だからといって、ことさら刑を重くしたり手心を加えたことはありません。ただ、言っておきたいと思ったことがあります。(証拠の写真を瀧被告に示しながら)漢字2文字が書いてあります。読んでいいですか。(瀧被告「はい」)

 

「人生」と書いてあります。どうして「人生」と貼ってあるのか検討しました。インディーズ時代を含めて、よく出てくる言葉だとわかりました。(「人生」は電気グルーヴ結成前、ピエール瀧が高校の同級生と組んでいたバンド名)

そこで、3つのことを問いたい。人生をどうしたいのか。人生の持つ意味とは何か。「人生」と書いてくれた人の気持ちに応えられているか。

 

あなたが芸能界に復帰できるのか、復帰できても何年先になるのかはわかりません。でもいつか薬物のドーピングがなくても、芝居が良いとか、これまでより活躍していると、社会の人から見てもらえる日が来ることを切に願っています。謝罪やカウンセリングの中で迷ったり悩んだり孤独になることがあるんじゃないかと思います。そのときは「人生」と書いた人の気持ちに応えられているかを、胸に手を当てて考えてほしい。それがあなたがいるべき場所を見失わない上で大切なことじゃないでしょうか。