再挑戦の教室

母の日に素敵なプレゼントを計画しています。子どもたちの作品は、今日でほぼ完成です。子どもとママのツーショット写真を使用するのですが、コロナ禍での3年間は、マスクの顔をずっと見ているので、マスクを外したママの顔に「この綺麗なママは誰?」となります。お世辞でなく本当です。(笑)

 

さて、コロナ禍もあって、不登校の児童・生徒が増え続けています。2021年度は小中学校合わせて、約24万5000人になったそうです。

 

そんな子どもたちを受け入れる「チャレンジスクール」として、2022年に開校したのが、都立小台橋(おだいばし)高校です。普通高校と違って、目的は「再挑戦」の教室となることです。

 

2022年の開校に向けて、その2年前に準備が始まりました。杉森校長含む3人が、開校準備室に配属されました。この時は、学び直しを重視するといった基本方針は決まっていたものの、カリキュラムなどの詳細は「白紙」の状態でした。

 

不登校という形で、学校に「NO」を出した生徒たちに、もう一度登校してもらうには、どんな学校がいいのか。興味のあることはとことん取り組むけど、集団行動は苦手。周りの子たちが授業で学び合っているのに、一人、机の中から好きな本を出して読んでいる。

こんな、不登校になる子どもたちの特性を話し合っていると、「普通じゃつまらないよ。いろんな子の特性に合わせることで自信につながっていくような学校にしたいね」と、新しい学校の方向性が見えてきます。

 

遅刻しても、登校しやすいように、ホームルームは2時間目の終わりに置いたり、集中力を持続させるために、通常50分の授業1コマを45分に短縮します。ドローン操縦や動画作成など関心を引く科目も設けました。

 

今年の4月10日・・・2年目を迎える小台橋高校は、2年生と1年生の約400人が顔を合わせました。中には、茶や金、紫、赤といった髪色の子もいます。式の後、1年生のクラスではホームルームが開かれました。「明日はみんなに自己紹介をしてもらいます。と言っても強制ではありません。話せる範囲でお願いします。この学校では、ネックレスもピアスにもルールはありません。でも、身体測定の時は外してくださいね」と担任は穏やかに語りかけます。4月中は、「やってみたいことリスト」を作成するなど、授業は急ぎません。「生徒の不安を少しでも減らして、学校に通える土台をち整えることが今は一番大切」と校長は語ります。

 

東京都教育委員会は、小中学校で不登校だった子や高校中退者ら向けの都立高をチャレンジスクールとして、特別な教育課程を用意しています。2000年度に1校目が開校し、小台橋高校が6校目だそうです。午前、午後、夜間の3部定時制で、原則4年間で卒業するカリキュラムです。入試では、中学校の調査書は不要。学力テストはなく、志願書と面接、作文で合否を判定します。勉強が遅れている子でも、受験しやすくしています。

 

子どもたちにとっては、何かのきっかけで「学びたい」につながることがあります。そんな時に、受け入れる学校があると、子どもたちの「再挑戦」の道が開かれるのです。人は、大人になっても、何度も挑戦を繰り返す生き物です。子どもたちには、もっとたくさんの選択肢があっていいのです。