「フン」ではなく「うんこ」

今日も屋上ファームの土の中から、まん丸に成長した幼虫が出てきました。カブトムシではありません。カナブンだと思われます。そして、おしりに黒い「うんこ」がついています。本来虫ですので「フン」と言うべきでしょうが、子どもたちには「うんこ」が、一番わかりやすいのです。

 

「フン」ではなく「うんこ」とキッパリと言い切るのは、兵庫県にある伊丹市昆虫館で「むしのうんこ展」を企画開催する学芸員の角正(かくまさ)です。

 

なんだか、興味がわいてきましたか。キャッチコピーは「みんな、うんこをして生きている」です。展示ケースだけでなく、TOTOの協力で、陶器製のミニチュア便器を使って、その中にうんこを展示しています。なにしろ、子どもたちにとっては「うんこ」はパワーワードです。数年前に大きな話題となった「うんこドリル」シリーズは、2017年3月の発売以降、累計発行部数1千万部と今でも売れ続けています。

 

虫のうんこは、アジアの国ではお茶や漢方薬に使われます。柑橘系の葉を食べるアゲハチョウの幼虫のうんこは、ほんのりみかんの匂いがするそうです。日本でも、「うんこは、みんな大好きロマンあふれる素材。桜の葉を食べる蛾の幼虫のうんこを煮だした汁でもち米を炊いたら、桜餅ができる。しかもおいしい!」と言われます。

 

「むしのうんこ展」では、むしのうんこ染め体験を行っています。ツダナナフシという15センチほどの虫の乾燥させたうんこ150グラムをずんどう鍋に入れて数回煮だし、

スカーフを染めていくと、金色にも見えるもえぎ色に染まるそうです。

 

どうですか・・・虫のうんこの可能性を感じてもらいましたか。日本は人口減が続きますが、世界の人口はまだまだ、右肩上がりで増え続けます。食糧難を救うのは「昆虫食」と言われていますね。コオロギの粉末を使った食品が、「おいしい!」と認識されています。伊丹市昆虫館での「むしのうんこ展」は、5月8日まで開催されているそうです。覗いてみたいですね。