屋上ファームが賑やかになってきました。今日は、寺子屋の子どもたちと、「きゅうり」と「ミニトマト」の苗をざっと36本植えました。想像力の高い園児は、夏のプールで、ミニトマトをつまみ食いして、きゅうりに塩を振ってガリガリ食べるシーンを思い浮かべていました。楽しみが広がります。
さて、今日の寺子屋では、ユニセフから届いたビデオ教材を子どもたちと一緒に見ました。「地球の子どもたち」では、満足に食事をとることができない子どもたち。学校に行くことができずに、子どもの頃から働く子どもたち。病気になっても病院がないところに住む子どもたち。水を汲むのに毎日何時間も歩き、土の味がする水を飲む子どもたち。毎日爆弾が飛んできて、ゆっくりと寝ることもできない戦場で暮らす子どもたち。など、日本では考えられない環境に暮らす子どもたちの姿を目にします。
実際にユニセフが使っている「命のメジャー」で園児の腕の太さを測ってみます。全員栄養満点です。保育園で一番痩せている5歳女の子でさえ、レッドラインの倍の太さです。保育園にある子ども用テントの支柱の太さがレッドラインですが、「こんなに腕が細い子どもがいるんだ!」とざわめく子どもたちです。
幼児向けのビデオ編集ではないので、途中で飽きてしまうかなぁ~と思ったのですが、ほとんどの園児が、集中して見入っていました。園長は、地球儀を片手に持ちながら、「世界」を伝えます。終わってからが、凄いことになったのです。4人の年長園児が園長と地球儀を囲んで、「今戦争が起きているところはどこ?」と戦争について食いついてきました。「なんで戦争をやめないの?」とまっとうな質問をしてきます。「世界の多くの人たちは、戦争は絶対にしてはいけないと思っているけど、世界のどこかで、必ず戦争が起きてしまうんだ。それはどうしてだと思う?」と、何だか、アクティブラーニングのような感じになってきました。問題意識の高い子どもたちに、園長は驚くばかりです。
戦争の話で思い出したのですが、あの「村上春樹」さんが、ラジオのDJをしているのをご存じですか。TOKYO FMの「村上RADIO」という番組です。ロシアのウクライナ侵攻が始まって、昨年3月に「戦争をやめさせるための音楽」という特別版が放送されました。番組の中では、ダイレクトな「反戦歌」も流れたそうですが、村上春樹さんは、番組の中で「戦争反対」とは言わなかったそうです。
アーティストが戦争にどう向き合ってきたかを語りかけながら、リスナーの想像力のところで「人を殺すのはよくない」と思わせる内容に仕立てたのです。
私自身も「戦争を知らない子どもたち」として生まれたのに、保育園の子どもたちに、どのように「戦争をしてはいけない」を伝えるかを考えてきました。しかし、想像力のところで、相手に思わせるというやり方もあることに気がつきました。
今日の園児たちとのアクティブラーニングでは、園児一人一人の想像力が、頭の中で大きく膨らみました。あとは、子どもたち自身が考えることが大切なのかもしれません。
「想像してごらん」を使ってみませんか。