十年 Ten Years Japan

WBCで野球が盛り上がったばかりですが、山梨学院高校の優勝は、まるで昭和の高校野球のような勝ち方で優勝しましたね。エースの林投手が6試合すべて投げ切るスタイルは、現代野球とは全く逆行する形ですね。あの平成の怪物と言われた松坂大輔さんを思い出します。

 

さて、今日の話は、5人の若手監督が日本の10年後の姿を描いたオムニバス映画です。

①75歳以上の高齢者に安楽死を奨励する制度を描いた「PLAN75」

②全児童がICチップを装着するIT特区の小学校を描く「いたずら同盟」

③亡くなった母親の過去が記録されたデジタル遺産を巡る父娘の関係「DATE」

④大気汚染のため地下で生活する少女が地上に憧れる「その空気は見えない」

⑤制度化された徴兵制の告知ポスターを担当する青年の交流を描く「美しい国」

 

どうですか、何だかタイトルを聞いただけで、ゾッとするイメージがありますね。これらは、50年先の日本ではなく、わずか10年先です。2018年に発表された映画ですので、想定は2030年です。もうすぐやってくる未来です。そこで想定されている少子高齢化やAIが飛躍的に進化した時代をこの映画では、やや誇張して描いています。

 

75歳以上の安楽死の推奨なんて、とんでもない!と思うのでしょうが、この作品では、死を苦しまずに迎えられることを歓迎する老人や認知症を患う老母の介護に悩む若い夫婦などが登場します。幸福に対する視点が異なり、多様性がさらに生じているだろう10年後のことを考えると、私たちの近未来に求められる判断や選択を問う作品でもあります。

 

この映画の予告編では、次の言葉で結ばれています。「未来とは、今を生きること」

まさに、その通りですね。