大学入試も「マッチング」重視

 もうこのまま春本番となっていくのでしょうか。屋上遊びでは、菜の花とホトケノザを両手にいっぱい摘む子どもたちです。池にはクサガメが3匹とウシガエルがひなたぼっこをしています。メダカも元気に泳いでいます。ローラースケートには、年中女子5人が挑戦しました。 

 

さて、今日は、大学入試の選択の話です。私が高校3年の時に担任だった堀内先生には、自分の進路について、「アナウンサーになるか、旅行会社に就職する」の2択で、どの学部に進学すればいいのか、さんざんお世話になりました。某大学の芸術学部放送学科でアナウンサーのスキルを磨きたいと言うと、「アナウンサーになるには、世の中の様々な事を学び興味を持たなければいけない」と諭され、旅行業界では「JTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行・東急観光(当時のビッグ4)に入らないと、将来は不安だ」と、社会人までを見据えた指導をしていただきました。堀内先生は、今はもう90歳を超えていますが、元気に人生を楽しんでいます。

 

私の時代も、3年生の担任は、かなりの時間を進路指導にかかわっていました。それが、今では、ほぼ1年中かかわっているようです。その理由は、総合型選抜や学校推薦選抜を受験する生徒が増えたためです。学科試験だけでなく、面接・小論文・志望動機書の提出などが課されるので、その対応に追われているようです。生徒一人一人への対応が細かいのが大変ですね。

 

少子化に伴い、受験生にとって大学入試は、いまや一部の大学を除き、「選ばれる」ものから「選ぶ」ものへと変わってきました。総合型・学校推薦型選抜の「年内入試」の増加も拍車をかけているようです。

 

そんな多様化する入試の中で、生徒に自ら進路を選択する力をどう育てるか。民間企業の中で、進路指導の新たなサービスが生まれています。いわゆる「マッチングサービス」です。

 

ベネッセが提供しているのが「進路達成プログラム」です。ウエブ上で、希望進路を入力し、適性検査と学力試験を受けると「デジタル活用」や「社会貢献欲」など28の項目について、大学などとの「マッチ度」が提示される仕組みです。生徒の強味や希望進路から新たな出合いが見つかることもあるようです。

 

河合塾は、進路適正と汎用的能力を測る「学びみらいPASS」を提供しています。「問題解決力」「行動特性」を評価するテストと「職業」「学問適性」を調べるテストなどから「見えにくい資質・能力」を可視化し、進路選択の幅を広げることを狙いとしているそうです。

 

現在では、年間10万人以上の高校生が、このような「マッチング」を利用しているとのことです。

 

どうですか。これまで教科学力ばかりで評価されてきた生徒が、最近では、異なる軸で将来を考えなさいと言われても、まだまだ、自分のやりたいことが明確になっていない生徒が多いと思います。そこで、マッチングを利用し、自分自身が何に興味を持っているのかを知り、社会で必要とされる資質や能力に気が付くこともあると思います。

 

これも、時代の流れとして受け止めて、若者の将来に道が開かれることに期待したいですね。