はだしのゲンが消える

今日も、年少園児男の子が自転車に乗ることができました。昨日乗れた園児と大の仲良しです。昨日は、「自分は別に・・・」という態度でしたが、心の中では、相当悔しかったのでしょう。姉が使っていた、黒のヘルメットをかぶり、当たり前のように、ストライダー・補助付きと練習して、一気に自転車に乗ってしまいました。しかも、スタートのこぎ出しも自分一人でできます。幼虫からサナギを飛ばして、一気に蝶になった感じです。自転車免許証を手にして、満面の笑顔です。これで、寺子屋園児25名中24名が自転車に乗れます。あと1人・・・燃えています。

 

さて、今日は「はだしのゲン」が消えるという話です。広島市内では、2013年度から、小中高一貫の「平和教育プログラム」を行っているそうです。そこで「平和ノート」が教材として使用され、小学校3年と高校1年では「はだしのゲン」の一場面が掲載されていました。ところが、「被爆の実相に迫りにくい」として、新年度の4月から、小3の平和ノートでは、別の教材に差し替えられることになりました。広島市教育委員会の決定です。

 

ゲンたちが街角で浪曲を披露して日銭を稼いだり、栄養不足で体調を崩した母親のために、他人の家の庭でコイを釣ったりする場面が、被爆とどうつながるのか?ということだそうです。教育委員会は、「はだしのゲン」を否定するのではないと言います。

 

漫画「はだしのゲン」は、昭和20年8月6日にアメリカ軍が広島に落とした原子爆弾の被害について、作者の中沢啓治さんが、自身をモデルにして描いた作品です。主人公の少年「ゲン」は、中沢さんが実際に目の当たりにした原爆がいかに非道なものだったか、強い怒りを込めて描かれています。世界24か国語に翻訳され、国内外で読み継がれてきました。私も、マンガだけでなく、テレビドラマなどでも、子どもの頃から見ていました。

 

平和教材として何がベストな選択か・・・という1つの正解は出ませんが、小学校3年生にとっては「漫画」を使うことが、平和や原爆の悲惨さを知る「入口」になっていたということです。今回の決定について、「教育の放棄に等しい」と批判する声が多くあがっているようです。

 

戦争を「戦争を知らない子どもたち」に伝えるのは難しいですね。私は、昭和世代を代表するおやじですが、戦争が終わって数十年もたってから生まれたので、実体験として保育園の子どもたちに話すことはできません。

 

ただし、必ず言えることは、きれいな戦争などがあり得ないように、教えやすい戦争もありえない。ということです。現在起きているロシアのウクライナ侵攻についても、分かりやすく子どもたちに教えるのは難しいですね。でも、「戦争は絶対にいけない」という結論について、子どもたちが、その理由を自分で考えることが大切です。

 

平和教材から消えてしまっても、もう一度「はだしのゲン」を読む価値がありそうですね。