毎年、高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違えて、人身事故を起こすというニュースを
耳にします。自動ブレーキなど自動車の性能がアップしているので、このような事故は、減っていくと思いますが、現在は、75歳以上の後期高齢者は、認知機能検査に合格し、運転適性検査や実車指導などの高齢者講習を受けなければ、免許更新手続きはできません。
世間は、高齢者になると事故の確率が高くなるので、家族から自主的に免許証を返納すべきと言われるという流れになってきていますが、実は、65歳以上の高齢者による事故率が、他の世代に比べて特別高いというデータは、今のところ出ていないようです。だいたい、高齢者を65歳以上と大枠で捉えるだけで、70歳台、80歳台など、もっと細かく分類する必要がありますね。ましてや、個人差があるので、一概に高齢者が問題ではなく、すべての年齢において、交通事故を起こすか否かは、個人的な問題でもあります。
ある専門家が、高齢になったからといって、即座に免許を返納する必要はないといいます。特に、地方在住の高齢者は、自分で車を運転して行きたいところに行けるということが、1つの自分の存在証明と考える方も多いのではと語ります。これまで、外出の際に車を運転していた人は、免許を返納してしまうと外出の機会が極端に減ってしまうため、活動範囲が狭まります。その結果、交友範囲が狭くなったり、運動量が減ったりして、数年のうちに介護が必要になったり、認知症になってしまう人が少なくないそうです。
実際に、筑波大学の研究チームが、65歳以上の男女2800人を10年にわたって追跡調査したところ、車の運転をやめた人は、運転を続けた人に比べて、要介護になるリスクが2.09倍になったというデータがあります。車の運転をやめたことで、活動量が落ち、意欲も筋力も体力も減退してしまったと考えられます。車の運転は、脳機能や反射神経のトレーニングになりますし、買い物先で歩いたりショッピングを楽しみ、友だちと楽しく話せば、それだけで認知症予防になるのです。
ということで、結論は、当たり前ですが、人によって免許証を返納する時期は違います。家族としっかりと話し合って決めるのが一番いいですね。
私は、園児を乗せるマイクロバスを運転するために、50歳になってから中型免許をとりました。まだまだ、免許証返納はずっと先と思っていますが、過信することなく安全運転に努めないと・・・ですね。