大学の通信制

今朝は一段と冷え込みましたね。そして、ついに屋上には氷が張りました。子どもたちは、冷たい氷を手にして大喜びです。とけるまで大切にフライパンの中で見守る園児もいれば、地面にたたき落とす荒々しい園児も・・・水からどうして氷になるのか?学び合いの時間となりました。

 

さて、先日も大人のそろばん学び直しに触れましたが、最近は、この「学び直し」という言葉をよく聞きますね。実は、75年もの間、日本の学び直しを支えてきたものがあります。それは、大学の「通信制」です。戦後間もない時期にスタートしたそうです。

 

学位取得が可能な大学通信制は、1947年公布の学校教育法によって誕生し、今年で75年の節目を迎えます。国内第1号は法政大学で、1947年10月に開講しました。当時は、大学進学者がまだ一握りの時代、新聞に学生募集の広告が掲載されると大きな評判となり、入学案内請求者が2万人に達したそうです。その後、私立大学が通信制を担います。

 

戦時下の徴兵などによる、戦後の教員不足の解消に一役買ったのも通信制でした。教育現場には正式な教員免許を持たない教員が多かったようで、働きながら通信制で教育を学ぶことは、一種のブームになったようです。通信制で教職課程を学ぶ学生の半数近くが、すでに教壇に立つ、先生の卵だったようです。

 

通信制で学ぶ学生は、2005年度をピークに減り始めますが、2021年度に大きく増加します。文科省によると、2022年度の通信制の大学生は約18万人となっており、コロナが始まった2020年度よりも約2万人増えているとのことです。

 

「大人の学び直し」という観点では、生涯学習の普及もあって、60歳以上の学生数は、過去22年間で3倍以上増えたそうです。現在は、国内45大学が通信制を導入しています。一般の学生に比べると学費が半分から1/4に安く済むだけでなく、入学も無条件が主流です。ただし、途中で投げ出してしまう学生も多く、2021年度の法政大学通信制では、入学者が1418人に対し、卒業生はたったの350人だそうです。ざっと、4人に1人しか卒業できません。

 

誰もが経験する、中学・高校・大学での学びは、「やらされた勉強」の比重が高かったですね。大人になっての学びは、主体的な行動がほとんどです。勉強が楽しいと思える時間かもしれません。

 

人の幸せの1つは、ずっと学び続けることであることは、間違いありませんね。